カテゴリー別アーカイブ: 彫刻科

彫刻科 近況

昼間部講師の氷室です。
センター試験が終わり、いよいよ実技へ集中できる時期に突入しました。
ここで守りに入らず、足りない部分や苦手な部分へ向き合い、どんどん改造するべく挑戦して行って下さい!
どんな時にも心折れずに、楽観主義でいく気持ちも大切です。
それには体力も大いに関係していますから、睡眠・栄養もしっかり取って体調管理にも気をつけて下さい!
※稲田先生のブログにもありましたが、実技中であっても、こまめに水分補給してくださいね!

さてここからは、最近の実技の紹介です。

完成度が高いデッサンですね!作者の意気込みを感じます!!量感を大切にかつ空間へのアプローチも考えられており、丁寧にかつ勢いを抱えながら奴隷が捉えられています。


動きへのアプローチを作者が考えながら、奴隷に迫っています。写すだけでなく、この動きに至るまでの流れが見えてくる様です。炭の色幅も綺麗です。かっこ良い1枚です!


伸びの感じはやや弱いですが、どっしりした奴隷の重さと密度を感じさせてもらえる1枚です。しっかり、しっかり形に木炭を這わせ描き込んであります。
丁寧な仕事と空間がしっかり見えてくる奥行きのある視点の持って行き方が上手いです!


顔はもう一歩ですが、腕を手前に引き上半身が傾いて来る様が感じられるデッサンです。
言葉にするのは難しいですが、ゆっくりと円盤の中にある量とねじれを感じ取ることが出来る魅力のある1枚です。


高校2年生のデッサンです。
私が高校生の時には、この様な領域でデッサンは描けませんでした… 彫刻科にとって大切な形の起伏への表現がマルスに迫れています!

今回はここまでです。
ここまで、どれだけ実技に真摯に向き合ってきたか、どれだけしっかり環境を作ってきたか、私はみんなが1番頑張って来たと確信を持って言えます!
目標が目の前にあるので、あとは一日一日を大切に実技に向き合っていくしか、もやもやを解決する術はありません!
残り2ヶ月弱、体調管理をしながら自信を持っていきましょう!!

私事ではありますが、27日の土曜日まで、世田谷代田駅南口から徒歩1分の小さな小さなギャラリーにて、彫刻科同級生3人展を開催しています。
受験期ではありますが、息抜きにでも、またご都合が良ければ足を運んで頂けると嬉しいです。どうぞよろしくお願い致します。

彫刻科 冬期講習会締めくくり!

明けましておめでとうございます。彫刻科講師の稲田です。
昨年末から続く講習会も今日で一区切りですね。来週末にはセンター試験も控えていますが講習会の疲れや寒さからか体調を崩す生徒がちらほら見受けられます。基本ですが手洗い、うがいは効果があるので必ず家に帰った時には実践しましょう!余談ですが診察中お医者さんは30分おきに少量の水を飲むことで喉についたウイルスを流して風邪予防をしているそうです。なかなか制作中に頻繁に飲む訳にもいきませんがこまめに水分をとりましょう。

さて、講習会中で成果が上がってきた作品を数点紹介します。


フォルムと量感がうまく組み合わさって奴隷らしさに迫れています。短い制作時間を感じさせない模刻のお手本のような観察眼がいいですね。

 


形態と表面の形のバランスに苦戦することが多かった作者ですがこの作品ではみごとに克服していますね。ラオコーンの良さを引き出せています。この意識を忘れてはいけません!

 


強引な画面作りが気になった作者ですが光の方向、色幅の展開にまで意識が広がってきました。バランスよくすべての事象を取り込めるセンスはさすがです。

 


最近めきめきレベルを上げてきました!細かいことは言いません。投げださなければどこまでも良く出来るということが実感出来ているのではないでしょうか。

 

紹介したミロのビーナスのデッサン中に生徒から顔と体で作風が違い過ぎ!という意見が出ました。とても鋭い指摘です。大体の人はそういうものだと慣れてしまって余り気にしていませんがミロのビーナスは作風が混ざっています。

古代ギリシャの美術はアルカイック、クラシック、ヘレニズムの3期に様式が分類されます。ミロのビーナスはヘレニズム期に制作された像ですが、クラシック期風の頭部にヘレニズム期の表情豊かな体という若干違和感のある様式です。今風にいうと仏像風の頭部に写実的な体でしょうか,、、微妙ですね。懐古趣味と言ってしまえばそれまでですが、今も昔も流行や受けるスタイルというのがあったんだな?と思うと少し石膏像を身近に感じれるのではないでしょうか。

 

では今回はこのあたりで!ここから2ヶ月が勝負です、よく寝て、よく食べて最後まで突っ走りましょう!!

New Year ワークショップ開催間近!

こんにちは、猪瀬直哉さんの講演たのしみですね。
新美では、その前にワークショップも行っていますので
そちらのご参加もお待ちしております。

1月7日(日)
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1月8日(月/祝)
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その他にも、「親子デッサン」「建築を学ぼう!」「3時間チャレンジ」など盛りだくさんです。
内部生、外部生問わず、美大受験する人もしない人も悩んでいる人も、まずはワークショップで
美術と触れ合いましょう!!

詳しくは、新美ホーム画面からアクセスしてみてください。

彫刻科 2学期末コンクール。

こんにちは!彫刻科の小川原です。今日は2学期最終日で昼間部夜間部合同で行ったコンクールの講評でした。皆この2学期でメキメキ上達してくれて、冬期講習、入試直前が楽しみになってきました!勢いをつけて行きましょう!

それではコンクール前に行ったデッサンから優秀作品を紹介します。
昼間部。ラオコーン。

しっかりとした描写力を見せつつ、ラオコーンの塊感が出せているところが凄いです!ここ最近の伸びは見ていて気持ちいです!分かってきたことが沢山有るのだと思います!まだまだ方向性がブレないように調整していく必要はありますが、この方向性で良いですよ!

夜間部現役生。ラオコーン。

現役生としてはこの時期十分な実力を感じさせるデッサンです。形を合わせるのも、調子をコントロールするのも、描き込むのも何でも器用にこなせる万能タイプですが、その分出だしではもっと大きな見方を大事にして徹底的に印象の良いスタートを切れるようになって欲しいです。それさえ理解できれば不安定な部分は解決するでしょう!

昼間部。フォーン。

1日描きでした!顔がない分気持よく全体を動かせたと思います。力強く言い切れていて良いですね!溜まっている黒の色が似ているのでさらに構造や光源に合わせた深みのある表現が出来ると良いですね!

それではコンクール上位2点の作品です。
まずはデッサン。奴隷。

陰側に溜まった黒が気になりますが、粘り強く観察し、像を捉えて行く姿勢が良いです!

やや表現がさっぱりしているところはありますが、遠目の印象の良さが魅力的です。

塑像。ブルータス。

土の質感に魅力を感じられるのは実感を持ってやりとりできている証拠です。


実際に見えている像の印象に素直に向き合ってやりとりできています。やりきり具合も良いです。

皆かなり力をつけてきました!今後の伸びが楽しみです!頑張りましょう!

冬期講習は前期昼間部で石膏模刻集中特訓を行います。模刻に関しては試験本番で偶然うまくいく、ということがありえない課題です。上達するには数をこなすこと!まさに特訓あるのみなのです!新美ではより的確に全体像を捉えていくことを重視して捉え方、考え方、到達目標レベルを明確にし、徹底的に指導していきます!模刻に不安のある方、さらにグッとレベルアップをしたい方はぜひ受講してみてください!
また前期夜間部では石膏デッサンの集中特訓を行います。個々の特性に合わせて個性を伸ばし、欠点を改善していきます!
中期は総合課題です。今年から芸大入試で新たに取り入れられる「彫刻Ⅰ」の課題も行っていきます。これまで授業で実践してきたものの参考作品も見ることができるので是非参加してみてください!
後期は4日のうち2日は指導が入る制作を行い、後半2日はコンクールとなっています。いつもと違う環境で、またいつもと違うアドバイスを聞いてみたいという方にもおすすめです。短い期間ですが必ず得るものがあると思うので興味のある方は是非!

入試の足音も近づいてきました!!気持ちを引き締めて頑張っていきましょう!!

現在制作中の僕の作品です。「暗闇の翼」新美の入り口脇のショウウィンドーで展示しています。
石膏で出来ていますが、この冬にブロンズ鋳造を行います。

プレ冬期人物強化特訓ー美術解剖学特別演習

こんにちは、最近寒くなってくると、入試がも刻々と近づいてくる気配を感じますね。
頑張って参りましょう。

昨日、新美ではプレ冬期を開催していました。
その一つの口座で、油絵科・日本画科・彫刻科合同企画の
「人物強化特訓」として、美術解剖学特別講習を行いました。

昨年も好評のなか、今年は〈第二弾〉ということで、「手」の模型をつくりました。

前回同様、東京芸術大学や東京造形大学などで教えておられます、阿久津裕彦先生をお迎えしました。

作った模型は家に持ち帰れますので、見たい時にいつでも見ることができます。
人物や手を描く時や、作るときに、とても役に立つのではないでしょうか。
また、制作過程をスマホなどで撮影しておくと、骨の状態も思い出しますし、筋肉の重なる順番などもわかります。

とても有意義な時間を過ごしました。阿久津先生、ありがとうございました!