カテゴリー別アーカイブ: 油絵科

夏期講習もいよいよ後期

こんにちは、油絵科の山本です。

 

暑い日が続きますね!!
こんな日は、田舎の夏祭りを思い出します。

yuuu

新美には、北は北海道から南は九州、沖縄まで、全国各地から生徒達が集まって来ています。
夏期講習に入って、高校生もたくさん合流してきました。
最初はみんな緊張している様子でしたが、すぐに打ち解け仲良くがんばっています。

講評では十人十色の絵を見ることができ、それぞれの生徒達の考えを聴くことができます。
そんな生徒達と接していると、当たり前だけど、それぞれの育った環境や文化があるのだなと感じます。
いろんな地方の話が聞けたり、教室では方言が聞こえたり、いろんな考えを聴くことで良い刺激を与えあっているように思います。

 

夏期講習会も後期になりました。 暑くて大変ですが、夏バテしないように気を付けてがんばりましょう。

tuuuu

それでは景気付けに、花火の写真でも。

 

 

 

ー青森ー

油絵科 松田です

先日休みを利用し、青森県立美術館と、十和田私立現代美術館まで行ってみました。

青森県立美術館は三内丸山遺跡と隣接していて、15000年前の縄文遺跡と、現代の美術館が
同じエリアに結合しているというとても興味深い施設です。
ブログ用写真青森1

ブログ用写真青森6

美術館の一番広い部屋には、横9m 縦15m というシャガールの巨大な作品が3枚も飾ってあり、東京では味わうことの出来ない贅沢な空間を体験できました。
遺跡の展示部屋には完成度の高い土器や、それらの失敗作などが微笑ましく展示してあります。

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15000年前に作られた土器や遺跡を、現代の美術作品と同時間に体験しながら考えさせられる
良い場所でした。

次に向かった十和田市立現代美術館では、良質な現代美術作品が沢山見れます。

ロン・ミュエク 『スタンディング・ウーマン』
高さ4m、巨大なおばさまの立像ですね

キム・チャンギョム 『メモリー・イン・ザ・ミラー』
日常風景の映像の中に、実像と虚像が錯綜します

ハンス・オプ・デ・ビーク 『ロケーション(5)』
薄暗いドライブインの窓から果てしなく続く高速道路がリアルに
再現されています

スゥ・ドーホー 『ゴーズ・アンド・エフェクト』
数万体の樹脂人形が肩車の連続で天井から吊り下げられています

チームラボ 『生命は生命の力で生きている』
書を映像科し四季の中で生命の移り変わりを表現されています

その他に野外展示作品がありましたので画像を添付します(野外展示は撮影が可能でした)

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以上は作品のほんの一部です。 興味のある方は、美術館のHPなど覗いてみてください。

時間の合間を縫って、趣味の山登りなんかを、、、
八甲田山周辺です。 自分の作品制作にとっての良い取材ができました。

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まだまだ暑い日が続きますが、皆さん体に気を付けながら夏期講習を楽しんで下さい。
ではまた次回に

愛すべきアーティストの卵たちへ

油絵科の関口です。

いよいよ一学期も終わりに近づいてきましたね。皆さんは充実した一学期を過ごせましたか?入試はまだずっと先にある(と思いたい)ので、この時期にモチベーションを高く保つのはなかなか難しいですよね。

さて、油絵科には毎年バラエティに富んだ人達が集まってきますが、他の科とは明らかに違う特徴があるようです。今日はそんな油絵科の人達を今日は紹介し、何故それを許容しているのか?を書こうと思います。

 

とっても油絵科な人達
※ 決して推奨している訳ではありませんよ。でも本人の性質や周りの人を考慮した上でギリギリまで許容しています。

・アトリエにナワバリを持っている。

・新美には来ているのに、アトリエにはほとんどいない。

・制作は基本が地べたリアン。

・好きな課題しかやらない。

・石膏像の名前をほとんど知らない。

・汚いツナギ姿のまま平気で外に買い物に行く。

・アトリエをまるで自分の部屋にいるかの様にくつろぐ。

・ごくたまにしか来ない。けど良い絵を描く。

・テンションの高い時と低い時の差がムチャクチャ激しい。

・とても貧乏。

・うまく描けた、と思う作品しか講評に出さない。

・年齢不詳。正体不明。

・鼻毛の伸びが異様に早い。(木炭が…ね。鼻をかむと真っ黒だし)

・存在自体が反則。

・木炭やら鉛筆の粉やらで、身体中とにかく真っ黒。

・他の人には見えないものが…見える。

・ツナギの腿の上にある絵の具の層が、布地よりブ厚い。

・バイト先で普通の人(一般人)と折り合いがつかない。

・見かけは怖いけど、実はすごく良い人。

油絵科の学生の中には、このブログを読んで「何だ、当たり前じゃん」と思ったり、或いは「ギクッ」とした人も多いのではないでしょうか(笑)? まだまだ、思わず笑ってしまう様な、面白すぎるエピソードは沢山ありますが、個人が特定できてしまうものが多いので、残念ながらこれ以上は書けません。

 

さて、ここまで読んで「けしからん」と思った人も多い事でしょう。一般常識から考えたら、少々(余りにも?)逸脱しているのは十分に承知しています。しかし、クリエイティブな道に進む人達を一般常識だけで育てられるでしょうか? ちょっと変わっていて、扱いが難しい。そんな彼ら(彼女たち)だからこそ、出せる魅力も沢山あるのです。一般社会では批判されたり、煙たがられたりする様な人達にも十分に魅力や力を発揮できる道がこの世界にある。と我々は考えています。実際上記の様な人達の中から芸大や美大に合格した人達も多数いますし、アーティストとして活躍している人も大勢いるのです。

油絵科講師陣は新美に通ってくる学生を、将来はスケールの大きい、有名アーティストになる可能性を持った「本物のアーティストの卵」と捉えています。
そんな彼らをイキイキ、ノビノビと育てるにはどうしたら良いのか? どこからがワガママとして注意し、どこまでが自由として許されるのか? を常に考えながら、彼らと真剣に向き合い、時には我々も一緒に思い悩み、学んでいきます。

 

ちなみにこちらは新美出身で、現在活躍中のアーティスト達です。

麻生
麻生知子さんの作品。 https://sites.google.com/site/wataridorikeikaku/asou-no-peji

Exif_JPEG_PICTURE武内明子さんの作品。 http://aceimnorsu.jimdo.com

阿部阿部ふみさんの作品。 http://hirota-b.co.jp/artists/2010/07/post-15.html

佐藤
佐藤岐夜美さんの作品。 http://satoh-kiyomi.com

 

あと、くれぐれも断っておきますが、他の科にもいる様な、ちゃんとした人や真面目な人も大勢いますよ。彼らはしっかりと新美の設備や独自のカリキュラムを活用し、ちゃんと絵の勉強をしてスクスクと育っています。放課後だって、いつものメンバーが画集を見にきています。こういう人達もいるのが、新美の油絵科の層の厚さだと思います。

一歩間違えたらカオスで無法地帯。でも色んな人がいて、刺激を受け合い切磋琢磨できる場所。そんな中から将来本物のアーティストになる人が出てくるのだ、と心から信じています。

新宿御苑にて

新宿御苑にて

 

こんにちは、油画科講師の松田です。

ブログ写真御苑1

五月は暑い日が続き、今年は梅雨が来ないんじゃないかと思う程でしたが、本格的な梅雨が始まりましたね。

こんな時期ですが野外授業をしてきた報告です。

 

、、、残念ながら講評会の日は雨でした。

梅雨の谷間に当たらないか期待したのですが、、、

ブログ用写真御苑7

しかし、雨という素材も含めて生徒さん達は野外での絵画表現を楽しんだようでした。

普段は、アトリエでの制作が大半を占めますが、環境が変わることで受動的に引き出された表現は、生徒の新たな側面を引き出してくれたように思います。

ブログ用写真御苑8

20年以上前の話ですが、私も新美で浪人している時期に新宿御苑でのデッサン授業がありました。

倍板(木炭紙二枚分)のパネルに木炭紙、イーゼルと画材を抱え、気に入った場所を探すだけでヘトヘトになりましたが、とても楽しかったのを覚えてます。

ブログ用写真御苑5

傘をさしながら、雨の中での講評会も良い思い出になりました。

ブログ用写真御苑9

別日に撮影した写真ですが、晴れるとこんな感じです。

新宿御苑は駅からも徒歩圏内なので、休日などを利用して制作しに行ってみるのも良いのではないでしょうか。

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ブログ用写真御苑2

 

ブログ用写真御苑3

梅雨らしい、しとしと雨。

おはようございます。先週からようやく梅雨らしい天気になりましたね。

油絵科昼間部の箱岩です。

新校舎での授業も少しずつ慣れて、やっと周囲の環境にも目を向ける余裕が出来てきました。

新美までは新宿駅から歩く事も出来る距離ではありますが、個人的には新京王線初台駅を利用するのが雰囲気も良く好きです。初台駅はオペラシティの地下に接続していて改札を抜けて地上に出ると、すり鉢状の円形広場に出ます。

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この居心地のよさそうな広場も、天気の日には休憩にぴったり。新美まで徒歩5分程なので、生徒の姿を見かけることもあります。

ランチをとれるお店も多く、昼間は結構人がいます。

さて、この広場の一番の注目は、なんと言っても目の前にそびえたつ不自然な動きの「この人」。

凄く気になります。「なに、これ?」と思う人も多い事でしょうね。

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この人体を模した巨大な彫刻は、ジョナサン・ボロフスキーの作品

タイトルは「シンギング マン」

軽やかに空を見上げているのか?はたまた都会の喧騒に喘いでいるのか?

そして、晴れの日も雨の日も「ウオー、オアー、フム―…」というような言葉か念仏か、はたまたイスラムのモスクのお祈りの様な、歌らしきものを低く歌っているようす。
正直、普通の感覚なら不気味でちょっとドン引きしそうですが、私は何回も見ているうちにすっかり「有りだな」って思っています…。たぶん。

 

続いて先日、このオペラシティの上の階にも面白いものを見つけました。

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何だかわかりますか?

 

これも、目にしたときのインパクトはかなり凄いです。

パブリックアートで台座が無い彫刻というのも新しいし、ビジネスマンやOLさんが歩くフロアの中央に男性の裸体の彫刻・・・もはやドッキリの番組収録かと思うほど(笑)。

人体と認識するその形状を、同時に単なる金属の塊として意識しない日常。その違和感。

本来アートを鑑賞する前提の無いパブリックなスペースに、唐突に設置するこのハイセンス。

各地の駅前に佇む裸体彫刻の不自然さとは明らかに違うレベルの自然な不自然。

見たらきっと笑いますよー。

 

この作品はアントニー・ゴームリーの彫刻

この人の作品は、私達の知覚が理解していること、理解していないことを、試し、問いかけ、示してくれるようであり、まぁ、単純に見ていて本当に楽しい。

興味のある人は油絵科の図書でその他の作品も見る事が出来ます。

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西新宿の超高層ビル群の一帯(新美から徒歩15分圏内)には、バブル期に設置されたパブリックアートがいくつも点在しているようなので、お散歩のついでに見て回ってみようと思う今日この頃です。

受験生の皆さんも勉強の合間に、ほんのちょっと周りの景色に目を向けて見てください。面白いものや思いがけない現代美術との出会いがそこかしこにあるかもしれません。そうやって審美眼を身につけるのも、とーってもたいせつですよ。

次回は、この人の作品かなぁ…。

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