カテゴリー別アーカイブ: 油絵科

いよいよ2学期末!構図を楽しもう!

12月になり冬本番!という寒さになってきました。
皆さんもそろそろ二学期も終わりますね。

冬季講習に入る前にこれまでの自身の作品を振り返る時間も作ってみてはいかがでしょうか?
ということで基本のように思われる”構図”について考えてみましょう。

あなたは絵を描く時に構図にどれくらいの重みを置いていますか?

私、個人的には絵の制作者が誰かに向かって何かを伝える武器(道具)の一つになる大切なものだと考えています。
そこで、西洋絵画の印象派にも影響を与えた浮世絵の中から北斎の絵に隠された技のほんの一部を、ご紹介します!

北斎は毎回、人々を飽きさせない工夫を凝らした大胆な構図や奇抜なアイデアを「富嶽三十六景」に盛り込んでいたのです。近景は大きく、中景、遠景と行くに従い小さく様々な遠近法を用いて描いている。

「尾州富士三原」など最たるもので、手前の大きな桶の中に遠く小さく富士が描かれた、遠近法を巧みに用いた大胆で斬新な構図です。

強風で大変なことになっている「駿州江尻」は曲がりくねった街道が画面奥へと小さくなっていく奥行き感が楽しいですね。現在の絵画では一般的な描き方ですが、当時の浮世絵版画にとっての風景の扱いは背景やあしらい程度のものでしたので、ちゃんとした西洋絵画の遠近法を取り入れた「富嶽三十六景」は大変目新しく映ったのだと思います。

北斎は「北斎漫画」の中で「三ツワリの法」という独自の構図法を紹介しています。
西洋絵画の基礎的な構図法に三分割法というのがあります。これは簡易的に黄金分割の安定感を画面にもたらす便利な手法で、オランダから入ってきた絵を独自に分析し、その法則を発見したのは、おそらく北斎が初めてなのではないでしょうか!?

画面の上下左右を三等分して「二ツを天とすべし、一ツを地とすべし」と地平線の取り方を教え、縦の等分線では透視図法の消失点を説明しています。

「江戸日本橋」は消失点のある遠近法を用いた分かりやすい例です。川を中心に両岸の蔵をだんだんと小さくして目線を誘い、消失点の先には江戸城が配されて富士のお山と肩を並べるという構図、考え抜かれた緻密な構成なのです。

また北斎は絵手本「略画早指南」の中で、「規矩の二つをもって諸々の画なすの定位を教ふ」
つまりコンパスと定規で作図の原理を教える。幾何学的な視点を重要視していたのです。
そのコンパスと定規を駆使して描いたのが、「神奈川沖浪裏」。
大小いくつも描ける円と、山と波の三角、静たる山と動の波、緻密な計算の上での大胆な構図は時代を超え、海を越えて絶賛されています。

おまけにもうひとつ、北斎の遊び心を感じる“隠れ富士山探し”なる楽しい構図もご紹介します!!
「江都駿河町三井見世略図」などの瓦屋根の三角と富士の三角をリズミカルに並べた美しい構図はよく知られていますが、よ~くみると一見それとはわからないように富士山のシルエットが隠されている絵があります。

↓この中の隠れた富士を探せるかな??↓

このように視線を誘導しながら見せたい物へ誘っていくことなど今後の制作に役立てられればとおもいます。

では、冬季講習も頑張っていきましょう!!!!

油画科 コンクール

こんにちわ
新宿校 油画科 夜間部講師の山田です。

近頃急激に冷えてきましたね。体調管理には充分注意していきましょう!

二日間公開コンクールお疲れ様でした。
この時期のコンクールは大詰めを迎える前に今一度、自分を見つめ直すいい機会だと思います。

さて今回のコンクールの出題は
『人間の営み』がテーマでした。
とても普遍的で広義な言葉でもあり、みなさん多いに悩んだことかと思います。
ある意味では、よっぽどでは無い限り何を描いても問題は無いテーマであるからこそ、何を選択するのかが難しかったのではないかと思います。
そもそも美術、絵画の歴史自体が人間の営みと言うこともできますね。
またあらゆる世間ないし世界の出来事も人間の営みと言えるでしょう。
絵の事を考えるのは当然大事な事ですが、
表現者としてあらゆる物事に興味を持ち、日々何を見て、何をどう考えいるのかという事も大事な事だと思います。

そしてこの場を借りて『人間の営み』をテーマに作品を残したベン・シャーンという作家を紹介したいと思います。


ベン・シャーン (Ben Shahn)
1898年9月12日-1969年3月14日
リトアニア生まれ、アメリカ合衆国の画家
リトアニア芸ユダヤ人

人をモチーフの主題とする作家は数多くいますが、彼は社会派リアリズムの画家として戦争、貧困、差別、失業などをテーマにした絵画を制作し、上流階級であろうが街の洗濯婦であろうが区別なく人を描いた作家でした。

また1954年の核実験で被爆した第五福竜丸をテーマにしたシリーズやフランスのドレフェス事件をテーマにしたシリーズ、ガンディーやキング牧師など世界で起きているあらゆる時事や事件を人物を描く事で表現しています。
 

彼が石版画職人だったこともあり、版画の作品が多く見られますが線の取り方や形が面白いですね。彼のように世界で起きている事や日常で見かけて気になった事などをマメに絵に起こす事があらゆる想定課題にも対応できる力を作る秘訣かもしれませんね。

興味のある方は是非調べてみて下さい!

ではまた!

学祭

こんにちは油絵科です。

最近はすっかり寒くなって秋らしくなってきましたね。

この季節はいろいろな大学で学祭が開かれています。昨日は武蔵野美術大学の学祭を見に行きました。

       

ムサビまでの道はきれいで散歩に最適な道。毎日歩くのは大変そう?受験生のときは土が凍って滑った記憶があります。今回は写真を取り忘れたので夏のオープンキャンパスのときの写真です。

 

海賊っぽい雰囲気で会場はまとまっていました。

 

ムサビの吹き抜けが気持ちよい2号館。

展示では色々な作品をみることができました。

 

新美出身の櫻井あや乃さんの展示

 

頑張っていっぱい描いています。しっとりと湿った空気感できれいな作品でした。

 

小さい陶器のオブジェもかわいい。

 

見たことある!!と思ったら、夜間部から受かった柴田さんの展示もありました。

ドローイングブックも面白い内容でした。

 

いま新美でやっているムササビのアブラ展に出品されている小林 瑚七さんは学祭でも展示されていました。大作をいっぱい描いてパワフルな作家です。

ムササビのアブラ展は今週の土曜(11月2日)の夕方にトークイベントがあります!!

面白い展示なので楽しみです。トークイベントは内外問わず参加できますので、武蔵野美術大学志望の人もそうでない人もぜひ新美に来てください!!

練馬にて『優雅な秘密』を見る。

こんにちは、油絵科の鷹取です。

油絵科では面接などで学生の好きな作家をきく機会が多いのですが、
そこで最近よく耳にするようになった人がいます。
それはアメリカの絵本作家、エドワード・ゴーリー。
実際の事件にもとずいた絵本で、作者本人がどうしても描かずにはいられなかったという、
『おぞましい二人』で日本でも名前を聞くことが多くなったと感じます。

先日ふと時間ができた時、そういえば練馬区立美術館でゴーリーの展示がやってるなぁ、行ってみるか!と、ふらっと行ってきました。

電車を降りてすぐ、旗がゴーリー仕様に。

晴れてぽかぽかで気持ちのいい中、ぽかぽか気持ちいいとは対極の展示へ到着。

残酷、不条理、道徳や倫理観に触れるような内容でありながら、淡々と、どこか軽快に、そして繊細に描きあげられた作品は、内容が重くとも心をは不思議と重くならない。
重くはならないけど何か不安になる、でもどんどんみたい、なんだか不思議な魅力だなぁとまじまじと見入ってしまいました。

そして作品解説がまた面白い。
基本的に描きなおしは嫌、描きなおすなら加筆で何とかしたいし、ダメなら上から紙を貼って直したい、(確かに紙が上から貼られている作品ありましたね)
大きいのは描きたくないから引きのばして使ってほしいし、
人を不安にさせるのが私の使命なんだ!!
などなどゴーリーの人間性が垣間見えてとても面白かったです。
猫がものすごく好きだから猫のイラストだけはただただ果てしなくかわいいのも笑ってしまいました。

展示の最後には、ゴーリの様々な絵本が自由に読める場所も用意されているので、いろいろ読んでみたいと思っていた人にもおすすめです。(長時間居座ってました・・・)

そしてミュージアムショップのグッズがどれもこれもものすごく可愛かったので、
これはゴーリー好きにはたまらないんだろうなぁと思いました。

「エドワード・ゴーリーの優雅な秘密」展は
2019年9月29日(日)~11月24日(日)まで練馬区立美術館で開催されているので、興味のある人はぜひ足を運んでみてくださいね。

 

人体のプロポーションをフィギュアで捉える!

こんにちは
新宿校 油絵科夜間部 山田です。

合同コンクールも終わり、皆さんメンタル体調共に元気に頑張れていますか?
来週から人物週間がはじまるので、今回は以前に授業で軽く触れた事もあったのですが
人物のプロポーションを把握する際にタメになるデッサン人形について、この場を借りてチョコっと紹介していければと思います。

皆さんも昔からお馴染みの球体関節人形は見たことありますよね?持っているという人も多いかもしれません。

でもあれって良く良く考えてみると、人の形と言うには中々難しいものがありますよね。
自分も持っていたのですが、これを参考にポーズをとらせてドローイングをやろうとしても中々しっくりこない…

そこで自分が趣味で持っていた『グラップラー刃牙』に登場する愚地独歩のフィギュアの方が余程為になる事に気付きました!

関節のギミックも多く、いろんなポーズをとらせてテンションを上げながら描く!笑
原作者の板垣恵介先生の筋肉はデフォルメも激しいのですが、実は医学的に正しいという噂も…

それは置いときまして、人の形を捉える為のフィギュアも今は良いものがたくさん出ています!価格帯もマチマチなのですが、まずは比較的お求め安いこちらから!

モデル人形 マネキン デッサンドール PVC 可動式 リアル 人形 素体 全身ドール 筋肉質体型 デッサン フィギュア

価格は1600〜1900円程。こちらは関節を軸に腕部や脚部のリーチ、サイズ感を捉えるのに向いていますね。主に多方向から対象を描かなければならない漫画や、イラストなどで使われる事が多いですが、故に人物の全体像を把握するにはこれとないツールになってます!
ただ、このタイプのフィギュアで確保できないのが、人体の柔軟性。実際人間はプラスチックでは無いので皮膚や筋肉が身体の動きに合わせて変形しますよね。

 

そこで出てくるのがこちら!

TBLeague 1/12 スーパーフレキシブル 男性シームレスボディ ヘッド付 ステンレススティールスケルトン サンタン TM02A (PH2019-TM02A)

TBLeague 1/12 スケール フィギュア 素体 シームレス ボディ グラビアモデル素体セット 白色肌 PHMB2018-T01A

皮膚はシリコン、骨格はステンレスでできており、動きに合わせて筋肉、皮膚も変形するかなり人体に近いヴィジュアルを再現してます!(女性の髪型がそこそこ面白いことになってますが笑)

シリコンシームレス、ステンレス骨格のカテゴリーはそれなりに歴史があり、昔はなかなかお値段が張るモノでしたが最近では4000〜5000円位でお買い求めできるそうです!
ホビー面が強めなのであまりデッサン人形として使われる事は無いと思いますが、寄り人体をリアルに把握することができますね!

 

1/12 東亜重工製第四次生産 合成人間 1/12スケール ABS&PVC製 塗装済み 完成品 可動フィギュア

こちらは完全に趣味の世界になってしまうんですが、『デッサン人形』で検索すると何故か出てくる『BLAM!』『シドニアの騎士』でお馴染み弐瓶勉先生の東亜重工製合成人間。
う〜んカッコイイ・・・
弐瓶先生は美術系で熱狂的に好きな方が多い印象がありますね!

 

とりあえず今回紹介するのは以上になります。

脱線気味な物も入ってきてしまった感じはありますが笑
立体的に感触で人体を把握し、良く観察し、頭に入れておくのに越したことはありません。
まだまだたくさん為になりそうなフィギュアはあるので興味のある方は是非調べてみて下さい。
そしてお財布に余裕があれば一体でも購入してみてもいいかもしれません!