カテゴリー別アーカイブ: 新美

芸大デザイン・工芸コース

新宿校デザイン・工芸科 芸大コース講師の山本です。

公開実技模試、先週日曜日に鉛筆写生が終了しました。参加いただいた皆さん、ありがとうございました!レベルの高い作品が多く並び、充実した模試になったと思います。

そして11/5(日)はデザインⅠ(色彩)、11/12(日)はデザインⅡ(形体)の模試です。詳細は下記URLからご確認ください。

https://www.art-shinbi.com/koukai/2023/

2学期授業では夜間部を中心に基礎的な内容の講座を行なっています。今一度、足りていない基礎力を補うことで短い試験時間での制作に対応できたり、クオリティを上げるきっかけとなり得ます。画像は公開実技模試(鉛筆写生)の講評の様子と、授業内での講師デモストとレクチャー
の画像です。

《基礎科》決断をするということ

朝起きて今まではすぐに布団から出れたのに、
この数日すぐに起きられないことが増えてきました。
日中の気温はそこまでではないのですが、
朝方の気温がだいぶ下がってきましたね。

どうも基礎科の名越です。

布団から出て、やらなきゃいけないことがあるとわかっていても、
”早急にやらなきゃいけないこと”じゃないと頭が理解してしまうと
(今日はゴミ収集車朝からこない、とか)体が動かなくなってしまう。
そう、これが冬ですね。
さあ起きるぞ!これするぞ!今日はこれやるんだ!という気持ちが
体を奮い立たせてくれるのかもしれません。
高校生の時、朝5時半に起きて7時前に学校に着いて、吉野家の牛丼を食べて
そこからサッカー部でもないのに朝礼までサッカーをしていた時期がありました。
あれは一体何だったのだろうと今更になって思うのです。(しかも冬)

「私はこれがいい、こうしたい!」という気持ちは絵を描くうえでとても大事なポイントになってきます。
意志というのは如実に絵に反映されます。

色、筆圧、構図、さまざまなところに見えてきてしまうのです。

例えばデッサンの場合、
「いつか形が合うかな〜」「こんな感じの色かな〜」
という”なんとない仕事”が続いてしまうと、全体的にずっと何とないデッサンになってしまいます。
質感や形などがずっとモヤモヤしているのです。
形を決定するポイント、質感を決定するポイントがずっと定まらないからなのかもしれません。

平面構成の場合、
”何をいちばん伝えたいのか?”
というコンセプトが曖昧なままスタートしていくと、何となく並べただけの絵や、
モチーフがまばらに並んだ(目が散るとかって言います)絵になりがちです。
これはモチーフの並べ方もそうですが、隣同士にのせる色、画面とモチーフのサイズ比
角度など、全ての決断が”何となく”になってしまうことで、いわゆる見え方の弱い絵になってしまうのです。

油画科などの場合、
自分の視点や考えを絵に投影するので、いちばん反映されるのかもしれません。
よく油画の先生が「これは何が見せたいの?」とか「テーマは?」と言っているのを耳にします。
デザイン科の自分としては、油画の課題は自由度が高くて結構何をやればいいのか
自分だったら迷うだろうなあといつも思ってしまいます。(だからデザイン科なのですが、、、)
たとえて言うなれば、とんでもなくメニューの多い中華屋さんというか。。
無限にあるメニューの中から今日食べるメニューを一つ決めないといけないわけですから、
それは迷いますよね。優柔不断の僕はいつもすごいなあ、と思ってみています。

もちろんみんながみんなサクッと決めて描いているわけではないし、みんな毎回悩んでいるのだろうな、とも思います。
そんな時は一つの指針として、前回講評で言われたこと、というのを参考にしてみてもいいかもしれません。
「前回こんなことを言われたから、それを全面に出せるテーマにしよう」とか、
一つ目的が決まると、そこを足がかりに、やりたいことを決めていけると思います。
ただ闇雲に手を伸ばすというのも良いかもしれませんが、やってきたことの点と点を線で結ぶ
ようなイメージで何かの決断に導いていってあげると良いかもしれません。

( 油画科のパレットが僕は個人的にとても好きで、この上でああでもない、こうでもないという脳の中のような世界が広がっているように見えたりします。頭の中を具現化してるように見えるのです。)

何科に関しても、決断というのは一つの課題中何百回とやってきます。
その時に判断できるかどうかは、最終的に「自分を信じられるか?」ということだと思います。
その昔アニメの主人公が「自分を信じる自分を信じろ」と言っていました。
受験のその日に自分を信じて線を引けるか、色を乗せられるかは
結局今まで自分がやってきたことに自分が自分を信じられるか?ということなのかもしれません。

 

 

基礎科ではまだ受験は先の話にはなりますが、
自分を信じることのできる地盤づくりをしっかりと指導していければなと日々思っています。
そして私も、どんなにメニューが多いお店でも、迷わず「ラーチャー!」と
言えるような講師を目指したいと思います。

では

映像科:秋(から冬へ)

こんにちは、映像科です。
今日で10月も終わり。まだまだ暖かい日もありますが、着実に秋も深まりつつあります。
秋の先には冬。冬になれば冬期講習。webでは早くも受講生募集のお知らせが出ています
まだ少し先ですが、カレンダーに記入して気持ちの準備をしておきましょう!

以下は11月のカリキュラムになります。
今年度の受験を予定している方は、ぜひ(急いで)駆け込んでください…!
また来年度以降の受験を考えている方も、見学やご相談を受け付けています。

11/2(木):小論文対策or鉛筆デッサン対策
11/3(金):祝日のため休講
11/5(日):実技(感覚テスト型)/講評

11/9(木):小論文対策or鉛筆デッサン対策
11/10(金):志望校別対策(併願校課題 制作)
11/12(日):実技(感覚テスト型)/講評

11/16(木):小論文対策or鉛筆デッサン対策
11/17(金):志望校別対策(併願校課題 制作)
11/19(日):実技(感覚テスト型)/講評

11/23(木):祝日のため休講
11/24(金):小論文対策or鉛筆デッサン対策
11/26(日):実技(感覚テスト型)/講評

+

前回に続きイベントのお知らせ。
「武蔵野美大映像学科 ディレクション資質重視方式」の対策授業は以下のスケジュールです。
・11/4(土)15:00〜20:00
・11/11(土)15:00~20:00
・11/18(土)15:00~20:00
・11/25(土)15:00~20:00

内容は4回異なりますが、1回からでも受講できます。詳しくはこちら
構想力テスト対策は毎回行いますので、出願予定の方はぜひ受講してみてください!

+

また12/9(土)には「冬期講習直前講座」と題して一日限りの授業をします。
7月にも行った「『感覚テスト』を攻略する」の冬編になります!
詳しい授業内容はこちらを。

引き続き体調管理に気をつけながら(時には息抜きもしつつ)対策を進めていきましょう!

///////////////////////////////////////////////////////////////
映像科の授業
オンライン教育科(映像コースも開設)
ena美術新宿 映像科 公式X(旧Twitter)
ena美術新宿 映像科 公式Instagram

彫刻科:公開コンクールお疲れ様でした。

講師の新妻です。新美彫刻科の公開コンクールお疲れ様でした。今年はマルスを出題しました。

今年は例年よりも参加者が多く、上位の作品は例年の今の時期としてはレベルの高いものが多かったように感じました。と同時にまだマルスという人体彫刻の持つ「そのものらしさ」についての読み解きよりも描き手の思い込みが先に透けて見えたり、頭部と胸部の関係を空間的に捉えている(捉えようとしている)作品が少ない印象でした。まだ時間はあります。デッサンや塑像で伝えるべきことは描き手が思っているよりもシンプルなことだったりします。そこをクリアにしていくために今一度自分の制作を整理して受験の後半戦に向かっていきましょう!

1位。スモールa評価が出ました。この時期に、この制作時間で、このアングルで、(しかも現役生で)結果が求められる場面でここまでマルスに寄り添ってデッサンできていることが素直にすごいなぁと思いました。グレーのトーンの扱いや空間設定のシビアさなど、ここからもモチーフに対しての興味理解を深めていけるよう貪欲に制作してほしいと思います。

2位。全体的な印象の良さが自然と目に入ってきました。ここぞという場面で基本を外さない、それだけでもむずかしいことですが、そこからどこまで観察と表現をリンクさせてこだわれるかは、まだ伸び代がたくさんありそうです。

3位。良いプレッシャーの中で仕上げてきた作品で絵としての冴えが抜群です。影のエリアやラインにまだやや強引さが感じられるので空間に置かれた物体としての自然さで最後は判断してあげられると強みが活きると思います。

 

続いて普段の習作紹介に移ります。

新宿中央公園での風景素描です。普段の課題では固く空間的なアプローチが鈍くなりがちな作者ですが、新鮮なモチーフのおかげか、日差しの爽やかな広場の抜け感を短い制作時間の中でも表現できました。

風景素描と同じ作者のデッサンです。空間への捉え方が今までのものから一段抜けてきたように思います。形に対してはもっと本物に寄り添っていきましょう。

表現のイメージについてはいつも模索している作者の、泥臭く形に執着した一枚です。地道に積み重ねた仕事が何よりも雄弁に語ってくる、そういう作品をいつも期待しています!

手と任意の生物を構成して作品にする課題です。アイデアを聞いたときに、造形や粘土の色味や質の差の表現で幅が出しやすい良いチョイスだなと思いました。背中の硬質な感じや、そこをノックするような手の内在する力の表現にもう一押しリアリティが欲しいところです。

大胆に塑像板の裏まで絡みつく足が、選んだ生物らしさを強調しています。手のクオリティやシルエットの手らしさがタコと同等の魅力を持ってそこにあるとなお良いですね。

複数の手を海中の珊瑚やイソギンチャクのイメージを持って作りました。手の配置を空間の中で上手く扱うことで影の色味やシルエットが効果的に見えてきます。選んだシチュエーションや生物へのこだわりや引き込みをもっと思い切ってあげても良いかなとも感じました。

続いて夜間部生の作品です。

グデアの模刻です。デッサン、塑像ともにメキメキ上達している最中です!序盤から大きな組み立てを意識して、グデアらしさを常に感じながら作れている様子でした。この調子!

騎馬像らしい威厳のあるガッタメラータ像をこの位置から仰ぎみた時のスケール感が伝わってきます。6h描きの作業の采配もだんだん板についてきましたね。

絵的に良い感じなだけじゃなく立体として紙の中に成立するように描くには?という作者の課題がだんだんと身を結び始めてきました。形やラインの印象も手なりのものが消化されてきました。

アトリエの中から廊下を見たようなアングルの室内空間を素描しました。しっかり建物の構造的な形は合わせつつ、馴染みの場所を眺めているようなじんわりした空気感が出ていて良いですね。部屋のプレートの入れ方がニクイ。

留学生の自画像です。試験時間を想定した中でも完成度を上げてこれるようになりました。成長を感じます!

基礎科生も頑張っています。

本人の雰囲気が出ています。前回作ったときよりも立体的な面性やパーツの周りの形を観察できました!

初自刻像です、上手です。作り初めから完成までの間でのアドバイスをどんどん吸収していけました。視線も作品的に活き活きした印象があって良いですね!

こちらもかなり本人に似ています。首周りや様々なアングルからの形の印象も確認できるようになってきました。今後が楽しみです!

今回は以上です。ではまた!

秋葉原校 近況

秋葉原校です。

先日武蔵美、多摩美系デザイン公開模試が終わりました。実力を発揮できた生徒、発揮できずに悔しい思いをした生徒と様々だったと思います。大人数で志望校の課題を制作し、点数や順位がつく数少ない機会なので入試に向けてうまく活かしてほしいです。

秋葉原校では早速授業で模試のリメイクをやってもらいました。課題においてリメイクという作業はとても大事だと思います。一枚一枚着実に積み重ねていきましょう!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

油絵科の課題は来週から絵本制作です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

校舎には毎年生徒が描いた絵本が増えてます。作る方も講評も楽しそうですね!

 

受験を意識するとどうしても忘れがちになりますが、楽しんで作品を作るというのが良い作品を生み出す元になると思うので楽しく絵を描きましょう!