カテゴリー別アーカイブ: 新宿校

オンライン授業の経過報告。

自粛疲れという言葉まで出てきましたが、疲れというより発散出来ないことがフラストレーションとして溜まっている感じかな思います。人に会わないで、宿題をこなしていくだけというのは…相当大変なことだと思います。上手く自粛していく工夫が、必要かもですね。

デザイン•工芸科夜間部です。

オンライン授業というのも、最初は難しく慣れないと大変でしたが、慣れてみると大変さは減った気がしますが、やはり対面授業の出来ないことは残念だなーって思います。今出来る最大限をやっていると思うので、ここは我慢するしかないでしょう。授業を開講するのに、場所が変わったりしています。出来るだけステイホームでの授業を心がけていますが、資料を取りに行かなくてはならない時もあるので、新宿校でもやっています。

基礎課題をこの期間中に重点的にやっています。まずは、基本的なデッサンの捉え方や、平面の道具の使い方などの知識的なことをやっています。

自宅でのモチーフ定番の靴です。家に靴がない人はいないでしょう。少し使用感があった方が描きやすいのがポイントですね。

実況リアルタイムで遠隔デモンストレーションもやってもらいました。細かいところは見えずらいですが、一緒に進んでいる点は参考になると思います。

 

水張と烏口溝引きの動画も、再度チェックしておきましょう。

では、次回は緊急事態宣言が解除になることを願いたいですね。

芸大デザインコース

こんにちは。デザイン科の山本です。

オンライン授業にもだいぶ慣れてきて、芸大デザインコースでは思いのほか楽しく授業展開ができています。
資料を多く使いながら生徒にわかりやすい内容を心がけています。
普段の対面の授業では感覚的に伝えている内容も、細かく言語化する事により新たな伝わり方を実感しています。

生徒が自宅にいる「リモート」という状況を生かしたワークショップにも取り組んでみました。
「観察→伝達」がテーマで、自宅の中を条件に従って写真を撮影するという内容でしたが、互いに意見を交換する中で、自分自身を客観視できるものになりました。

以下、オンライン授業内で使用している資料の一部を紹介します。

鉛筆の基礎について


かぼちゃの描写のコツ


ペットボトル、ラベルの捉え方

この時期は、画材を扱う基礎技術と観察とデザインの基本を大事にしています。
くれぐれも感染症対策に気を配りながら、学びましょう!

映像科:合格者インタビュー①・感覚テスト編

2020年春、新美映像科から志望校へ合格した人にインタビューする企画。
今回は武蔵美映像学科の試験で感覚テスト140点というハイスコアで合格した宮脇さんに
実技制作の秘訣から、日頃の生活におけるアドバイスまで、詳しく聞きました。
映像系での受験を考えている人は、ぜひ参考にしてください!
インタビュアー:森田、百瀬(ともに映像科講師)

森田:こんにちは。今日はよろしくお願いします。
宮脇:よろしくお願いします。
百瀬:お願いしまーす。

【感覚テストについて】

森田:早速なんですが、宮脇さんが武蔵美の試験で制作した「感覚テスト」について聞いてみます。感覚テストはキーワードから発想して絵と文章で映像的な場面を表現する問題ですね。2020年度入試の問題では「その先は」というキーワードが与えられました。まずはこの作品について教えてください。


[入試再現作品/感覚テスト/武蔵野美大映像学科]

宮脇:はい。私は感覚テストを制作する上でいつも「場所の面白さ」を伝えたいと思っていました。この作品はトンネルが舞台なんですが、実在する場所です。小さい頃に親とドライブをしたときに通ったトンネルなんですが、どこか普通のトンネルとは違う雰囲気がありました。記憶に残っていたその雰囲気を、この感覚テストで伝えられたらいいなと思って作りました。

百瀬:私はこの作品の2つ目の段落「トンネルの中へ入ると~音は鈍くなる」というところが良いと思います。この作品ではトンネルを水中と重ね合わせていますが、視覚だけじゃなくて聴覚で捉えた情報を言葉で表現してるんですね。別の箇所では、コンクリートの柱に触れてみる触覚的な描写もあります。作品における「感覚の言語化」ということは意識していましたか?

宮脇:意識してました。「場所の面白さ」を伝える上では、その場所に降り立った時の聴覚や触覚といった感覚ーそれを私は「五感の情報」と考えていましたがーを書くことが大切だと思っていました。そのことに気づいたことで、感覚テストを作る手がかりを掴んだ感じです。
文章の表現に関してもう一つ言うと、キーワードの「その先へ」ということを読む側に意識させるために、最初の段落の後に、2行ブランクを入れています。

森田:確かにそうですね。逆にこの部分以外はすべて1行ずつ空いています・・・どういうことですか?

宮脇:最初の段落は作品の導入のようなものとして、文章全体からは切り離すような構成にしています。この作品で問題のキーワードの「その先」というのは、トンネルの中でもあり、トンネルの柱の隙間から見える風景でもあります。でもまずはトンネルに「入る」ということを読む人に強調したいと思ったので、こういう工夫をしています。文章の区切り方については教室で制作をしていたときにも、講評でアドバイスを受けて、かなり気をつけていました。

森田:なるほど、ありがとうございます。・・・と、ここで新美で制作した課題作品も見てみましょう。実は宮脇さんのこの作品には、いくつかのプロトタイプがあります。


[授業作品/感覚テスト型/新宿美術学院映像科]

百瀬:懐かしいですね。課題は毎回違ったキーワードだけど、同じトンネルが舞台になっているんですね。

宮脇:最初の作品は「斜光」というキーワードで制作した作品です(①)。この課題の講評会の時に百瀬先生が「映像装置のように見える」ということを話してくれて。

百瀬:ゾートロープですね(※)。柱から差し込む光が明滅することで、風景の見え方が変化する。舞台設定が面白いと思いました。


※ゾートロープ(Zoetrope)…スリットの間から静止画を見ることで絵が動いて見える。アニメーションの原理が体感できる装置。

宮脇:そのお話を聞いて、あらためてこの空間の魅力に気づいたこともあって、少しレイアウトを変えてリメイク制作してみました(②)。二枚の絵で表現することは挑戦だったのですが、正直ちょっと違うなと思いました。でもこの作品を作ったことで、このトンネルが持っている雰囲気を伝える上では、やっぱり一枚絵の方がいいんだということに気づけました。
その後入試直前の課題で制作したのが③です。この時の課題は「もしも今この瞬間にあなたが旅をしているならば、その旅でどんな印象的な出来事に出会うか」というちょっと変わった問題文だったのですが、「印象的な出来事」という言葉から、やはりこのトンネルが浮かびました。

森田:これは入試の作品とほぼ同じレイアウトです。あ、でも絵と文章は区切られているんですね!

宮脇:はい。画面全体に鮮やかな色を乗せることは試験本番での新しい挑戦でした。ひとつのイメージとして見せることで、この場所の広さを感じさせられるんじゃないかと思って。あと絵と文章をはっきり区切った画面のレイアウトは一見整理されて見えるけど、ちょっと安易かなとも思いました。試験で作品を採点する教授に「簡単なレイアウトを選んでる」と思われたら嫌だなとか(笑)そんなことも考えました。

百瀬:実際に試験本番の作品では、トンネルの隙間から海を見ているということが、画面全体で表現されていますね。全体に入れられた白いタッチがエフェクトになって、トンネル=水中という空間が繋がるような効果が生まれています。

森田:授業で制作するたびに試行錯誤したことが、試験本番の一枚に活かされてることがよくわかりました!

【受験生活について】

森田:ここからは新美で対策した一年間について聞いてみたいと思います。いつ頃から美大の映像系への進学を考えてましたか?

宮脇:元々映画を作りたいという気持ちがあって、在学中に何本か友達と製作したり、映画甲子園に出品したりしていました。映像で受験をしようと思ったのは高二くらい、でしょうか。私の高校に武蔵美を卒業された講師の方がいて、お話を聞いて「武蔵美の映像学科で映画を作りたい」と考えるようになりました。

百瀬:最初に受講したのは通信教育科(注:現オンライン教育科)でしたよね。

宮脇:現役の時は高校が美術科だったので、おもに学校の先生に見てもらって、入試の直前は他のアトリエに行って対策をやりました。でも結果はダメで。もう一年となった時に、やっぱりちゃんと映像科がある予備校に入らないと無理かもしれないと考えて、まずは一学期に通信教育を受けたんです。
送られてきた課題を見て「こんな対策をやるんだ」「面白い…けどちょっと苦手な課題かも」と思ったのは覚えています。たしか最初の課題のテーマは「私の部屋」でした。

百瀬:たしかに映像科の課題って、いきなり「私」のことを聞かれるというか、作る側としては、自分の内面を見せるような部分があって、最初はびっくりするかもしれませんね。
夏期講習から上京して教室での制作になりましたが、その変化はスムーズでしたか?


[課題制作時のエスキース帳/下書きや講師からのアドバイスがびっしり!]

宮脇:高校やアトリエでの制作の経験はあったので授業にはすぐ馴染めましたが、一人暮らしということもあって環境自体の変化の方が大きかったかもしれません。入試の時期がちょうど好きなアーティストのツアー中だったので、その様子をチェックしながら「頑張ろう」と思ってました(笑)。
本格的に学科のスパートをかけたのは11月くらいからでしたね。新美の講習会の学科の授業も取りました。家では集中できないので、家から新美までの間に単語をやることだけは徹底しようと思ってました。あとは…運です。

森田:運も大事ですね(笑)。ところで今後大学では特にどんなことを学びたいですか?

宮脇:映画を作りたい気持ちもあるんですが、今は映像を使ったメディアアートに興味があります。今までは画面の中で成立する映像に取り組んできたので、その枠から映像を解き放つような空間的な表現をしてみたい、という気持ちが強いです。

森田:楽しみですね。じゃあ最後に、いまこれを読んでいる映像科の受験生へ向けて「普段の生活の中でこんなことをするといいよ」みたいなアドバイスがあれば、ぜひお願いします!

宮脇:自分が今まで経験したことを思い出して欲しいと思います。家族とのやりとりとか、些細なことであっても作品になる。それは感覚テストだけじゃなくて映像作品を作るときにも役立つと思います。自分の経験は他人は経験したことがないと思うので。あとは、自分が好きなことを感覚テストに落とし込むことでしょうか。私はどこか行くときに街の様子を見ることが好きだったので、受験の直前でも街の特徴をよく観察していました。日常生活の中に作品の手がかりを探しながら、一日一日を過ごして欲しいです。

森田:今日はたくさん聞けて楽しかったです。宮脇さんのこれからの活躍に期待してます。
百瀬:また新美にも遊びにきてください!


《2020.5 オンラインでのインタビュー/宮脇さんご協力ありがとうございました!》

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自宅課題と遠隔授業試験とGW突入。

GWに突入しています。緊急事態宣言の延長もささやかれていますが…かなり濃厚な感じですね。新美の方もどう対処していくのか、オンライン会議で議論しています。(ブログの下書きを書いた時点では、まだ延長発表にになっていませんでした。)そして、パソコンに向かってしゃべるのも、結構慣れてきました。昔の漫画の世界を感じます。

デザイン・工芸科夜間部です。

 

自宅課題、皆さん家で工夫をして頑張ってくれています。出かけて購入を自粛して、ネットで画材を購入しようとしても、なかなか手に届くのが遅くなるようで大変そうです。地元の文具屋さんで手に入る画材でも良いですし、なければ落書き帳でも良いです。手を動かしていくことが大切ですので、やれる範囲で頑張りましょう。

オンラインでの講評のやり方も、模索しながら形が出来てきた感じがします。生徒側がどんなふうに感じているのかが分からない…のがちょっと不安です。直に顔を合わせて出来い悲しさです。

オンラインでの授業試験も行いました。三時間ほどオンラインしつつ、声をかけながらデッサンの進行をチェックしていく感じとなりました。やってみた感想としては、講評だけでは分からなかったことだらけ…講師側は通常の3倍は疲れたかもしれません。シーンとしてしまうと無理にしゃべってしまったり、慣れてないので緊張してましたね。慣れていくしかないです。

授業時間内に、講師がライブで描いたものを紹介していきます。

クリップスタジオを使って、画面内共有でライブペインティングの親指。進行具合をライブで見れたのはなかなか面白かったです。

YouTubeの動画を見ながらの動物クロッキー。次回は、描いでいるシーンも見せられるといいかもですね。

家にあるもので卓上デッサン。紙もスケッチブックを使用。

まだオンラインでの授業をやらなくてはという状況が続けば、新しい試みをどんどんやっていこうと思います。皆さんも、工夫してやっていきましょう。

映像科:毎日どんな映像見てますか?

こんにちは、映像科です。
前回のブログにも書きましたが、自宅でできる映像科受験対策が始まっています。
オンラインでのグループ講評にも慣れてきて(zoomを使っています)、提出される作品も毎回充実した内容になってきています。今週末の講評では武蔵美の感覚テストのフォーマットの作品を講評する予定。楽しみです!

さて、自宅で過ごす時間が多いと思いますが、皆さん毎日何をしてますか?
気になって前回のzoom講評の最初に聞いてしまいました(「学科の勉強してます」や「制作してます」「映像見てます」などの答えがあり、映像科受験生としてはベストアンサーだと思います)。

さて、今回は映像作品ではなく、映像を見る環境についての話。
ご存知のようにこの期間は映画館も閉館しているところが多く、特にミニシアターと呼ばれるような映画館では、営業ができないことから存続の危機とも言われています。映像に関わる者としてはやはり気になる話題なので、チェックしていました。
このブログを読んでいる人の中にも「頻繁に映画館に行く」「ミニシアター系の映画が好き」という人もいれば「映像は大抵自宅や移動中に見る」という人もいると思います。これを書いている自分も、気になる映画を観に行こうとするとミニシアターと呼ばれるような単館の映画館が多く、利用することも多いです。

映像科のある新宿校の周りだけでもテアトル新宿や新宿武蔵野館、少し足を伸ばして渋谷のイメージフォーラムやユーロスペース、東中野のポレポレ東中野など。。
挙げればきりがないですが、そうした映画館で再び古今東西の様々な映画・映像作品を観られることを祈りつつ、、。同時にこのような映画館を支援する動きも気になっています。
宣伝の意図はないのですが、興味のある人は見てみてください。
ミニシアター・エイド(Mini-Theater AID)基金

自分の場合は、もう一度観たいけどソフト化や配信の予定がないと言われてきた『バンコクナイツ』や、去年観て印象に残っていた『ひかりの歌』といった映画が、このプロジェクトで観られるということに驚きつつ、しかしそもそもひとつの映像作品がDVDという物になって繰り返し観られることや、配信されてデータという形で視聴できるってどういうことなんだろう?と考えてみたりしています(ひとり自宅で)。
普段の生活の中では、自分が見ている映像がどういうルートを辿って目の前に映し出されているのか、あるいは誰にどういうお金を払っているのか、ということはあまり考えないかもしれません。大体がサブスクですし。
この機会に、家で映像作品を鑑賞しつつ、そうしたことを考えてみてもよいのではないかと思いました。

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