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彫刻科:9月後半の 授業作品紹介

こんにちは、講師の新妻です。

すごしやすい気候になってきましたね、制作が捗ります。

もうすぐ各予備校の公開コンクールラッシュです。それが終わると今年の受験期も折り返し地点かなと思います。まだ実技が完璧ではなくてもいいので後半戦に向けて自分の現在地と何をするべきなのかは冷静に見定めていたいところです。

では授業作品の紹介に移ります。

ヘルメスらしいゆったり柔らかな形態感を感じる一枚です。頭部に対する顔のはまりにまだ若干の固さを感じます。平面座標的な観点に多方向から見たときのイメージも重ねていきましょう。

視点とスケール感が気持ちいい一枚です。描写に関してはそこまで密ではないですが、やり切って不和が残るよりも良い選択です。

講師がモデルを務めました。見知った人物を1日制作した粘土の活きの良さがうまくでています。首回りはまだふわふわしています。

嵌め込みが心地よいクロッキーです。この波の乗り方をデッサンでも常に感じていたいものです。

第一印象がよくてスッキリかっこいいです。固さは減ってきているので横位置ならではの厚みの意識をさらに序盤から組み込んでいきたいです。

顔がちょっと広めですが難しい円盤投げの構成をよく捉えています。模刻力は大きな武器です。ここを盤石なものにしつつ、物づくりをする上でのウィークポイントを淡々と減らしていくのも多浪生の戦い方です。

 

続いて現役生、基礎科生の作品です。

 

描き出しから最後まで良いテンションで時間を使えていました。まだ形の狂いや単調さはあるので、「今、良い感じなのか?どう見えてるのか?どう伝えたいのか?」を前向きに意識していきましょう!

スタートから感覚的に良いバランスで進めていけました。少し荒付の名残で細めですが、自分なりの気付きと彫刻的ポイントの指摘を組み込みながら像に近づいていく姿勢を今後も大事にして欲しいです。

基礎科生らしからぬ精度の高さと粘土の表現力です。作者持ち前のカンの良さはもちろんありますが、細かな知識や熟練の技術がなくても見えているものの美しさやカッコよさに真っ直ぐ向かっている、その方向のブレなさが一番大事だよなーと常々思います。

今回は以上です、ではまた。

彫刻科 2学期スタート!

こんにちは!彫刻科の小川原です。2学期がスタートしています!僕は入試において、夏期講習と2学期をセットに考えて、この部分は1年の中でもそれぞれの作品観を深めていくのに最も重要な期間であると思っています。失敗も全然あっていいので、どんどん挑戦し、視野を広げていって欲しいと思います。

また、2学期はコンクールなどのイベントが目白押しです。節目節目で現時点での実力を確認した上で、目標を明確にして突き進んでいってください!

それでは9月前半の秀作を紹介します。
昼間部生の作品

自刻像です。かっちりと仕事をやり切っていて良いです。これまではかっちりしていても骨格そのものの狂いが目立ちましたが、それがないのですっきりと印象が見えてきます。

やや表現にかたさがありますが、以前よりずっと安定した作り込みができるようになりました。特に前半はもっと粘土を動かしながら生命感を捉えていくような実感が持てると良いです。

紆余曲折ありながら、結局は素直な見方に戻ってきましたが、正直それで良いです。現時点ではどんなにうまい受験生であっても「彫刻」として考えたら経験不足であるので、まずは素直にものをとらえる方向性で答えを出すことを目指して欲しいです。

意識が高まってきています。まだ知らないことや、油断するとつまらないことにとらわれてしまってコントロールを失うことも多いですが、相当気をつけてここまで来れています。この調子でいきましょう。(目がもう少し自然に印象が捉えられるとさらに良い作品にできます)

メリハリがあって明解さが魅力的な作品です。顔は顎(エラ)の形がゆるいのと、手前の目がもっと似せられると良いです。が、そういったことも今後の目標として示した「まずは塊として画面内に置く」という考え方、捉え方に挑戦し、得るものがあれば一気に解決してしまうと思います。

普段は悪くないけど終わりが決まり切らないということが多かったですが、今回はしっかり完成度を上げてこれました。「人に見てもらう」という事を常に意識して取り組んでください。

ピタッとした土づけの質が緊張感があり魅力的です。構造面に関しては最終的に見ないでも作れるくらいの判断力を身につけられると良いです。

かっちりした言い切りが魅力的な作品です。さらに挑戦的なポーズを試みてみても良いかもしれません。

勢いのあるポーズが良いです。関節の表現はやや弱いので、さらに引き締めていきましょう。

基礎科生の作品。


抜群に印象が良いです。色が形になりきっていないところもありますが、これだけ意欲的にモチーフを捉えられることに感心します。
ジョルジョを難度の高い位置からこれだけ捉えられたら立派なものです。作品やモチーフに対峙するテンションがとても良いです。何より自分の意思をしっかり持って画面を動かしていること。これがいいです!このデッサン に関しては、やや頬の印象が痩せているかなと思いますが、全体の印象はとても良いです!

 

2学期はそれぞれに乗り越えて欲しいテーマを与えて行こうかなと考えています。なんとなく日々の課題をこなすのではなく、目的意識をはっきり持って挑んでください!

彫刻科:9月になりました

 

こんにちは。彫刻科です。

もう9月ですね。今年度後半戦スタートです。

夏季講習後の休み期間過ごし方はそれぞれだったかと思いますが、うまくリフレッシュできましたか?

どこか出かけたり映画や本を見たり自分の好きなことを彫り下げてみたり人と話したり……実技以外のインプットの時間を作ることは客観性や知識・アイデアを得るために大事なことです。

予備校で手を動かさない日常の中にも実技に活かすことができるヒントは数多くあると思います。

 

今回紹介します学生作品は手と布の構成です。

手はずっと自分の視界にあるとても身近で複雑なモチーフです。

選ぶポージング、指先の力の込め具合、関節の曲げかた一つで見る人へ与える印象が変わります。

毎日見て使っているものですから狂いは相手にすぐに見つかります。しっかり捉えたいところです。

 

1作品目

布を拾い上げる自然な動作を取り込みました。指先のつまんでいる付近の作り込みや、チラッと反対側への抜けを作ることで軽やかさを出しています。布の表情はもうひと粘り欲しいとこです。

 

2作品目

先ほどとは対照的な作品です。布の構成となると空間を大きく使いたくなりがちですがこれは前腕まで作って一つの塊として質感の違いを追いながら作ってます。

螺旋に螺旋を重ねてる感じはちょっと新鮮に見えますね。

 

本日は以上です。

実技頑張っていきましょう!

彫刻科:夏期講習おつかれさまでした!

こんにちは、講師の新妻です。

長かった夏期講習も今日で最終日です。成長できたこと、課題が見つかったこと、うまくいった作品、悔いの残る作品、全てが今後の糧になります。平時の授業で夏期の経験を咀嚼していきましょう。

技術面でのステップアップがあった分、バタバタだった夏期講習から今一度自分の身の回り、アトリエ周り、制作に向かうスタンスを再確認しましょう。彫刻は空間と物質を扱う芸術です。良い作品を作る上で必要な事は既に彫刻の領域内に含まれているはずです。今自分ができる事をまずは当たり前にこなしていきましょう!

では作品紹介に移ります。

 

人体としての自然さをはめつつ、「ここが見たい」と思った箇所が雰囲気でごまかさずに描写できてるのも好印象です。

 

難しいアングルでしたが、足先から首つきまでの反りの動きをうまくつかめましたね。

 

私大対策の自画像です。首の不確かさや所々パキパキ感はありますが、絵としての主張や説得力の明快さがそれを上回っていて、全体としてポジティブに見えてくるところがいいですね!

 

夏期の間でかなり動物塑像のやりとりに深みが出てきました。シュッとしたフォルムの中にある流れや柔らかさが無理なく表現できています。

 

完成度はまだ浅いですが、少ないやりとりの中で仕事は的確でした。形のはまりは自然で動物塑像の大事な要素を掴んでいます。

 

基礎科生の作品です。持ち前のバランス感覚で最終的に上げてきましたねー。荒付の中で骨格、姿勢を捉えていく意識を高めていきましょう。

 

若干頭部が遠くにあるように感じますが、仕事が安定していて大きなボリューム感が気持ちいいデッサンです。あとはフィニッシュの着地のイメージを明快に!

 

基礎科生の作品です。素直にラオコーンを感じていて、体は彫刻的にも魅力的です!頭部の立体設定が整理できてくるとなおgoodです!

 

丁寧にジョルジョに近づけてこれています。表面のニュアンスをつかむ力は抜群なので、もう一踏ん張り遠目の印象を合わせたいところ!

 

夏期講習で自信がついてきたように感じました!この勢いで欲張っていきましょう!

 

頭部にもう少し大きな立体感が欲しいところですが、全体を柔らかく捉えていて、表現力豊かな一枚です!

今回は以上です、ではまた!

彫刻科 夏期講習後半戦!

こんにちは!彫刻科の小川原です。

夏期講習も早いもので後半戦突入です!皆盛り上がって制作に取り組んでくれていますが、特に現役生は昼間部性と混ざっての制作でいい刺激をもらっていると思います!2学期に向けて糧としていきましょう!

それではここまでの預かり作品を紹介します。

昼間部生の作品。
情緒ある炭使いが魅力的です!見えたものをただ羅列するのではなく、どう感じたかを大事にしている姿勢が良いです。

上の作品と同じ作者2枚目。大分感覚的な仕事をモノにできてきました!形の精度は徹底していきましょう!

客観的に視点や状況が表現できています。空間を丁寧に表現できていて魅力があります!

現役生の作品。

ジョセフの印象がとてもよく出せています。塊の空間がさらに自然に出せると良いです!

昼間部生の作品。

かなり難しいモチーフですが、ブレずに印象が捉えられました!

現役生の作品。

光を意識した表現が美しいです。具体的な形の描写がこのベースを壊さず入れられると良いです!

昼間部生の作品。

外国人モデル首像です。印象よく、完成度の高い作品にできました!

言い切りの強い作品です。描写も魅力的です!

現役生の作品。

バランス、印象が良いです。さらに特徴が作り込めるとグッと魅力が高まると思います!

基礎科生の作品。

バランスよく骨格や印象をまとめられています。さらにリアリティについて考えていきましょう!

昼間部生の作品。


ヌードデッサンのためのクロッキーです。自然なポーズの状態が描けていますね。固くなくて良いです。

上の作品の作者は普段から人物クロッキーに取り組んでいます。何を見て、何を表現するのか。大事なものはなんなのか。それがわかっていれば答えは出たも同然です。

浪人生も現役生も基礎科生も実力が上がってきました!この調子で夏期講習を走り切りましょう!