作成者別アーカイブ: admin

日本画科- 実りの秋&講師デモンストレーション?

日本画科講師の金子です。

木々も徐々に色づき始め、そろそろ紅葉が楽しめる季節となりました。

今日から10月。

10月といったら、私たちにとってはやはり「芸術の秋」でしょう。でも、この季節は五穀や果物が実ることから、「実りの秋」とも言いますね。

受験においては、この時期に育むことが出来るかどうか、そのためにしっかり頑張れるかどうかが今後の“分かれ目”なように思います。自然界の実り同様、この時期の実り具合が、年明け(入試直前)の立ち位置を決定付けるのではないのでしょうか。

ですから、とても大切な時期だと感じています。

一方では台風や前線の影響で雨が降りやすい時期でもありますね。

先週26日、日本画科では校外授業を行いました。台風20号が接近中であいにくの天候でしたが、午後にはなんとか晴れ間が広がりました。

校外授業で程良く息抜きが出来たところで、新たな気持ちで課題制作に向かいましょう。

日本画1

 

― 9月末は日本画科の行正衣里講師(ゆきまさえり・東京藝大在籍)がデモンストレーション〈着彩写生〉を行いました。

このデモンストレーションは、新宿美術学院のポスター化の予定で行われたものです。校長先生始め撮影に携わっていただいた各主任講師の皆様、モチーフ準備に携わっていただいた各関係者の皆様に心より感謝致します。

尚、このデモンストレーションはコマ取りのプロセスと共にポスター掲載されます。発行時期は来年春予定ですので、是非お手に取っていただければと思います。

ちなみに、動画の同時撮影も行われました。動画はYoutubeでアップされる予定ですので、こちらも視聴いただければと思います。

今回こちらのブログで、行正講師の描いたデモンストレーションの過程の一部を載せたいと思います。

日本画2←書き出し時。”アタリ”の段階です。空間、台、位置関係を把握していきます。

日本画3←デッサン終了時。ここから色を置き始めていく段階です。

日本画4←着彩開始。リズムを大切に、全体の印象を押さえていきます。

日本画5←最終段階。ここからディテール調整を行います。

画像はここまで。完成画像は大きく掲載されます!是非、ご高覧下さい。

行正先生、大変お疲れ様でした。

今後、デッサン課題、着彩課題の通常課題のほか、B全サイズの「大作着彩(昼間部のみ)」、「一人一卓課題(昼間部・夜間部)」、「私大対策(昼間部・夜間部)」、さらには「AO入試対策(昼間部・夜間部)」などの課題を準備しています。

尚、今週は二学期コンクールと先月の保護者会を踏まえた面談(個人指導)の傍ら、基礎科の講師を招いた実技指導の充実を図っています。

― 最後に。

10月13日と14日に「全国公開実力コンクール」を開催します!

課題は「着彩写生」です。受験生、現役高校生の皆さん、是非奮ってご参加下さい。

 

馬肥ゆる秋ですね?。

こんにちは油絵科昼間部の箱岩です。
季節の進行がはやくなって、めっきり秋の気配ですが、体調を崩しやすい時期です。受験生の皆さん、体調管理に気をつけていきましょう。

20130928165633-0001

今日は、東京芸術大学が初開催した、美術学部入試説明会に行ってきましたので、そのご報告をします。
説明会は約1時間スライドによるカリキュラムの説明や、芸大出身の作家や先輩たちからの受験生へのメッセージなどが紹介され、続いて試験の主な流れや評価のポイントなどが説明されました。これらは、既に芸大のHP等に紹介されたものと同一の情報なので、詳しくは芸大のHPを御覧ください。
今回の特典は、実はこの後で紹介された過去4年分の合格者の作品画像で、よく予備校のパンフレット等で見かける再現制作の作品ではなく、当然、実際の試験の絵をスライドで見せていただきました。
残念ながら、会場は撮影も録音も禁止ということでしたので、文章のみでお伝えしたいと思います。
私も芸大の受験に長く携わっていますが前代未聞の画期的な出来事でした。説明会開催に踏み切った芸大に拍手を送りたいと思います。
内容は各年、各課題ごとに4~5名分を見せた程度ですが、受験生の絵が見れたので、いろいろと思うところはありました。
個人の感想としては、「試験本番のライブ感の中で、個々の思いや考えは、どんなレベルであろうと絵に表れるもの。そして、その子の持つ魅力は、どんな形であれ、必ず理解されるのだなぁ」ということ。絵は巧さじゃない。好きであること、のめり込める存在であるかのほうが大切。
この考えが確信的になったことは、自分の中で大きかったと思います。

2学期に入り、各自の考えや感情の動きに作品が不安定に変化をすることと思いますが皆さんの制作の傍らで、皆さんの放つ魅力や想いや感性を、しっかり晴れた眼差しで見つけていけるようにと意気込む帰り道でした。

さて、今週からセンター試験の出願が始まります。出し忘れなど無いよう十分気をつけてご準備下さい。

国立はお祭りでした。

国立校 基礎科です。

ずいぶんと秋らしく涼しくなりました。
学業も制作も、はかどる季節です。

この週末、国立市では谷保天満宮の例大祭がありました。
普段は静かな住宅街なのですが、この日ばかりは屋台にお神輿と、
なかなかのにぎわいです。
谷保天満宮は学業の神様です。
いつかきちんとお参りに行ってみたいと思います。

お祭り

お神輿

授業中もお祭りの賑やかな音が聞こえてきましたが、みんな集中です。

デッサン

国立校では、10/24(土)・10/26(土)・11/23(土・祝) 13:00~14:00 の3日間、
美大を目指すお子様をお持ちの保護者の方にむけての
進学説明会を行います。
授業の見学のみでも結構です。
美大を受験したいけれど、どんな学校や科があるのか、
どのように勉強したらよいのか、
簡単な疑問から、専門的なご質問まで、お答えいたします。
お気軽にお立ち寄りください。
お問い合わせはこちらまで。
http://www.art-shinbi.com/02kunitachi/access/index.html

映像科・作品研究(秋の遠足)のレポート

こんにちは。映像科講師の森田です。朝晩はすっかり涼しくなり季節の変化を感じる日々ですが、一年間のカリキュラムもちょうど折り返し地点。これまでは基礎的な描写力や文章力を身につけることが目標でしたが、この先は試験の点数を意識しながらの制作になります。映像科の試験では絵だけでなく、文章表現やテーマの設定によって総合的に評価されるので、ひとりひとりが自分の表現を様々な角度から鍛え上げていく必要があります。

そんな中、先週の金土日コースの授業はちょっと趣向を変えて、新美から徒歩3分、走れば1分のオペラシティ・アートギャラリーへ。『アートがあればⅡ 9人のコレクターによる個人コレクションの場合』という展覧会をみんなで観に行きました(金曜日)。とはいえただの遠足ではありません。200作品以上の展示の中から自分が興味を持った作品をピックアップし、教室でその作品についてのレポート記入と研究発表を行なってもらいます(土曜日)。そして最終的にはその研究発表を参考にしながら、自分が制作することを想定した映像メディア作品の展示プランをプレゼンテーションする(日曜日)という、推薦入試対策も兼ねた特別授業でした。

IMG_0052 のコピー

IMG_0045 のコピー

『アートがあればⅡ』という展覧会自体は個人のコレクションによる展示なこともあり、比較的絵画や写真の作品が多かったのですが、日曜日のプレゼンテーションはあまりそれに捕われず、みんな自由で壮大な、ある意味突き抜けた発想で取り組んでくれました。その一例、ということで授業内でプレゼンテーションしてくれたプランから紹介しようと思います。

□タイトル:『壁をなくすノート』
□素材、メディア:ビデオ映像(15分・ループ再生)、本
□内容:映像と一冊の本によるインスタレーション作品。映像と本はそれぞれ二つのパートに分かれている。日本の小説家と海外(英語圏)の小説家に協力してもらう。日本のことを少し知っている海外の小説家に、知っている日本語を挙げてもらう。日本の小説家はその単語だけを使って小説を作る。同様に日本の小説家は知っている英単語を挙げ、海外の小説家はその単語を使って小説を書く。映像ではその小説家たちが単語を思い出しながら口にする場面を映し、鑑賞者はその映像とともに、実際に書かれた小説を読むことができる。
□テーマ:「言葉の壁をなくす」私たちが別の言語を持った人と通じ合うことができないのは「言葉の壁」のためである。だが、私たちが言葉とは別のかたちで自分の考えを表現しようとすることで、その壁を越えて通じ合うことができるのではないか?

映像を「空間を構成する要素」や「物語を伝えるメディア」と捉えることもできれば、もっと広く「何かの行為を記録する方法」と考えることもできる。プレゼンテーションとその後のディスカッションではその発想の違いや、想定したアウトプットの面白さについて意見を交換しました。どの人のアイディアも「それ、大学に入ったら実現した方がいいよ」という感じで、全体的になかなかハイレベルなプレゼン大会でした(時間はやや押し気味でしたが…)。ともあれこのように受験課題の制作でもなく、コンテンツのとしての映像を観るだけでもなく、映像の可能性についてかなり自由に考えてみたりすることもきっと大切なはず。という充実の3日間でした。

さて、そんなプログラムを経由しつつ映像科では当面の目標としての「武蔵野美大型コンクール(10月13日・14日)」に向けて、今週来週と感覚テストと小論文の特訓課題も行ないます!

今のこの時期にこそしっかりと蓄えを

デザイン科総合コースの滝口です。

頑張った夏期講習も、季節の変化とともに少し落ち着いてきて、寒くなってくると少しずつ試験に近づいてきているなと思い始める時期かなと思います。
ちょっとこの時期って、ふっと落ち着いてしまう感覚と漠然とした不安感にも似た焦りが行ったり来たりします。そんな時期だからこそ、今の内に色んな吸収や刺激を与えていく事って大事だなと思います。

総合コースでは、9月の始めにイベント課題として上野にある様々な施設(上野動物園、国立科学博物館、国立博物館など)を各自取材をして、それを元に自由に作品を作ってみるという課題もしました。
01
3カ所なので、先生方もそれぞれ分かれて引率していきましたが、僕はあまりじっくりと見たことのない国立博物館に行きました。生徒とともにじっくりと博物館を見て回りましたが、古美術や国宝なども多いので作品の撮影は無理かなと思ったんですが、半分以上は撮影が可能で、ただ見るだけでなくて自分で興味ある部分などを写真で残すことが出来たので、とっても取材として僕も充実した1日でした。
02
03
↑浮世絵の部分ですが、細かく見ていくと色々と遊び心にあふれていました。

新学期で色々な課題やレクチャーなども総合コースではしていますが、2学期からしっかりと始まる私大対策なども含めた内容として、色々なデザイナーやデザイン書籍を見て、自分に新しい感覚の刺激を与える実習もこの時期にしています。
実は、僕自身とても美術書、とくに写真集やデザイン書籍の収集が好きで、個人で古本屋や書店などを回って漁っています。最近では、オンラインのみの書店とかもあるんですよ。

その中から、ここ2ヶ月ほどで集めたのと総合コースの図書に追加されたデザイン書籍の表紙だけ一部お見せします。(内容を書き出したら、多分それだけでブログも書けるかなと思うので)

まずはADC年鑑。こちらはデザイン科総合コースでは年代が抜けてしまっているのもありますが、近年のもしっかりと置いてあります。ADC年鑑って定価だと2万1千円もする書籍。古書を回っていたら2012年度版が1万4千円でありました。勿論買いです。
04

こちらは、日本のデザイナーでは基本の巨匠シリーズで、永井一正さんと亀倉雄策さんのデザイン書籍。内容はもちろんの事、値段もちょっと受験生には定価で買うにはお高いか・・・6千円程度。でも、頑張って探せば3千円で見つかるかも(というか見つけた)
05
そして、デザイン雑誌の中では幅広くデザイナーの作品や企画を紹介してくれる雑誌アイデア。お金ある人は定価でしっかりと買って欲しいですが、なんと言っても1冊大体3千円程度。そう何冊も買えません。
でも、お金がないとこういう書籍は手に入らないと思っているのは、大きな間違いです。この下のアイデアの値札をよく見てください。実は、1冊105円です。なんとペットボトルのジュースよりも安い!中を見ると、時代的には90年代と古いですが、内容はとっても良いです。古くても良いデザインは良いのです。
もちろん近年のも置いてありますよ。
07

立体にも、とっても参考になる図書も最近増やしました。左がオランダのインテリアデザイナーの特集。右が子供の家具の紹介本。こちらも実は値段を見ると105円と500円だったりします。
08

生徒たちにも、どうしてこんなに安い書籍を見つけられるのですか?って聞かれますが、それは大好きな趣味であり長年で培われた勘です。そんな僕個人の趣味を、新美デザイン科総合コースのみんなにもお裾分け。集めた書籍をみんなで閲覧したり収集したり。
09

この今の時期だからこそ、色んな刺激をしっかりと蓄えて、これから向かっていく試験にも、その先のデザインという世界への準備としても、こういう自分の足を使って集めることや自分の世界にとどまらず好奇心を持つ習慣を養ってもらえたらと思います。

総合コースでは、さらにただ見たり集めたりだけでなく、それを活かしてみる訓練も授業で取り入れています。知っている、見たことあるでは、それらは自分に吸収されているという事ではないですからね。

追記:
僕個人の趣味の写真集のコレクションで、某美大での簡単なレクチャーもしたことがあるのですが、ここでも「デザインで見る写真集」をテーマで紹介してみたいなと思っていたんですが、ちょっと長すぎるかなと思ったので、いつか別の機会で。写真集も本当に奥深い世界ですよ。1冊だけ紹介。
12
↑これは、今年出た中平卓馬とホンマタカシのアメリカの出版社から出たコラボレーション写真集。
13
↑開くとリング式なので3ページになるんですよ。とっても面白い作りです。