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芸大油画現役合格者に聞く①

こんにちは。油絵科の関口です。これから数回に渡って2017年度芸大油画専攻合格者にインタビューしたお話を載せたいと思います。芸大合格者の今年一年は一体どんな感じだったのでしょうか?人によって様々だと思いますが、その辺も含めて皆さんにお届けしたいと思います。

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発表の日に新美で油絵科の合格者で記念撮影。用事があって早く帰ってしまった人もいるので、これで全員ではありませんが、皆嬉しそうな顔をしていますね。

さて今回は新宿校夜間部から現役合格した、山道くんにインタビューしました。山道くんは直接僕が受け持っていた事もあり、なんだかんだで40分以上に及ぶロングインタビューになったのですが、何回かに分けてお届けします。これから受験生になる皆さんには、1つのケースとして是非読んでもらいたいな…と思います。
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関口:この度は芸大現役合格おめでとうございます。
山道:ありがとうございます。

関:ところで山道くんは普通科の高校出身だったよね?
山:そうですね。一般の普通科の高校で、美術部にも入っていませんでした。小3位の時から地元の絵画教室みたいなところには通ってましたけど…でも、教えてくれるって感じてもなくて、絵画だけじゃなくて、陶芸とか色んな事をやらせてくれる、体験みたいなところでした。

関:へ?。そうだったんだ。確か新美で初めて見たのは去年の春期講習だったよね?
山:そうですね。その前に一回無料の1日体験に来て、その後春期講習に来ました。

関:春期の事は今でもハッキリ覚えてるんだけど、カタチが取れて空間が出せるな…というのが印象に残ってて、来てくれたら良いな…と思ってたんだよ。でも家が遠いから新美には来てくれないんだろうなぁって思ってたんだよね。確か家は江ノ島の方だよね?
山:はい。でも1時間位で来れるんで。

関:へ?。そんなもんなんだ。意外と近いんだね。
山:はい。ちゃんとリサーチして来ましたから(笑)。快速とかに乗ればその位で来れます。

関:そんな遠い中で、新美に来ようと思ったキッカケって、どんな感じなのかな?
山:体験の時なんですけど、他の予備校に行った時に「褒める」っていうのが多くて、自分は絵を始めるのが遅かったから「これで褒められるっていうのは絶対に無いだろう」って思ったんですよね。そんな中でメッチャ褒めに来るから、なんか信用出来ないなって(笑)。

関:信用出来ない(笑)
山:新美は普通に「こんなんじゃ受験ヤバイでしょ」みたいな感じで普通に言ってくれたので。

関:それ言ったの僕じゃないよね(笑)。誰だろ。厳しめだったのかな?
山:いやぁ。全然厳しめでは無かったですね。本当に普通に自分のイメージしていた通りに言ってくれた感じです。

関:それは良かった。その後、春期講習に来て、夜間部の先生の他に昼間部の先生にも教えてもらったじゃない?どんな印象だった?
山:そうですね。そんなに技術的な事は教えないんだな、と。

関:そうね。僕も含めてあんまり技術的な事は言わないよね?ていうか、特に僕は年間通してあんまり言わなかったよね(笑)。かと言って別に精神論でも無いし。一体何を教えてたんだろうね(笑)。
山:(笑)でも、春期講習の時は「焦ってた…」っていうのもあると思いますけど、ヤル気はありましたね。

関:そうだね。いつも遅くまで残ってたしね。
山:自分の中では焦りがあったので。

関:常に焦ってた?
山:いやぁ、夜間部に通うようになってからは、段々焦らなくなったというか。

関:結構変な子もいるしね(笑)。まるで動物園みたいな(笑)。
山:そうですね(笑)。美術系の高校の人には基礎力や技術的な事は敵わないな…て思ってたんですけど、普通科の人も結構いましたし…変な人もいましたけど(笑)。

関:最初の頃に感じた、僕の山道くんに対する印象っていうのは、形に対してのこだわりが強かった…っていう。まあ、だからかもしれないけど、ずっと見ててもさ。なかなか進まないし、手が遅かったよね。いやぁ?そりゃぁちょっと要領悪いでしょっていうか、いわゆる不器用っていう…ね(笑)。でも良いものを持ってるな…ってずっと思ってたからね。だから短絡的に「ここをこうやれば…ね?何とかなったでしょ?」みたいな感じにはしたくなかったんだよね。
山:ああ。なるほど。

関:それに山道くんは、自分で納得できるところにいかないと、絶対前に進めないタイプなんだろうな…とは思ったよね。だから、上手くいかなくても尻を叩く様な事は殆ど無かったと思うんだよね?
山:そうですね。あんま無かったですね。

ー次回に続くー

芸大入試を終えて。入試再現作品掲載1

こんにちは。彫刻科主任の小川原です。13日に東京芸術大学の合格発表がありました。合格を勝ち得た人、また惜しくもかなわなかった人、様々だと思います。どちらにしても入試は節目ではありますが過程でしかありません。自分を高めていくために今後も努力をしていくことに変わりはないのだと思います。大学に進む人は自身の世界を広げ、のびのびと制作に励んで欲しいです!
またもう1年入試にチャレンジする人や今年初めて受験する現役生達には、やるからには必ず結果につなげる気持ちで1日1日を大切に取り組んでいって欲しいです!僕達講師は全力で応援するので一緒に頑張りましょう!!

さて、今年の新美彫刻科の入試の結果を振り返ってみたいと思います。
多摩美、ムサ美の入試では、推薦入試、一般入試、センター利用入試とも全員が正規合格でした!補欠が出なかったのは素晴らしい結果だったと思います!
そして芸大入試では、4名が合格しました!うち1名は現役合格です。新美生の4人に1人が芸大に合格した事になります。講習会生の数に頼らず良い結果が出せました。

こうした成績を残すこそが出来たのは、もちろん学生の個々の努力の賜物なのだと思いますが、個々の特性に合わせて徹底して教えていくことだったり、出来ないことを放っておかず、日々解決していく指導の方針が、学生の努力に上手く噛み合った結果だと思います。

来年度も一層気合を入れていきましょう!予備校選びに悩んでいる方は是非相談に来て下さい。特待生試験もあります!春期講習に来てみるのもいいと思います!この1年を全力で駆け抜けられるよう一緒に頑張りましょう!

東京芸術大学の入試再現を始めてもらっています。ここまでに出来たものを紹介します。実物は新宿校で見ることができるので是非実際に見に来てもらえると良いと思います。普段制作していた作品も展示しています。

1次素描再現 パジャント
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2次素描再現 青銅時代トルソーと石(石膏)
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2次彫刻 自刻像
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映像科:感覚テスト再現作品&イベント情報

こんにちは。映像科の森田です。
映像科では各私大の発表も終わり、入試再現作品展示の準備をしています。
新美にいる一年でどれだけたくさん描いても、入試で制作するのはたった一枚!
合格したみんなの渾身の感覚テストを見て、読むことは楽しみでもあります。

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作品は来週から新宿校で展示されることになるので、ぜひご覧ください。
また、映像科では一般入試の感覚テスト、小論文、デッサンだけでなく、
推薦入試のポートフォリオや合格者レポートも閲覧できるようになる予定です。
こちらも、受験を考えている人はじっくり見て(読んで)みてくださいね。

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さて、ここからはイベント情報です。

数年前に新美に通っていて、この春に藝大の映像研究科(大学院)アニメーション専攻を
修了する学生の方から、修了制作展のチラシとリーフレットを持ってきていただきました。
(ありがとう!)
修了制作展ですが、二年生だけでなく一年生の作品も同時上映されるようです。
3/11?3/17まで渋谷の映画館「ユーロスペース」で開催されています。
アニメーションに興味がある受験生のみなさんはぜひ。

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他にも新美のすぐ近くにあるICCでは
「アート+コム/ライゾマティクスリサーチ 光と動きの『ポエティクス/ストラクチャー』」
「オープン・スペース 2016 メディア・コンシャス」
が3/20まで開催されています。
映像だけでなく空間演出やデザインに興味がある人もぜひどうぞ!

基礎科生、受験生になる。 04

今回は水粘土で立体構成です!

課題は「新しいモンスター・妖怪」をデザインしなさい。」です!

イメージ構成の一種ですが、イメージを三次元に具現化する際、どれだけ自分の中でリアルに設定が出来るかがキモですね!

水粘土という素材も積極的に扱えていて、みんな新しいモンスター、楽しく表現出来ました!

これからもアイディアを形にするという事を、楽しんで突き詰めて行って下さいね!!!

 

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海と陸が活動範囲。体重は120kg。陸ではノロイが海では機敏!さびしがりやで遊んで欲しくて漁船によくいたずらをする。かなり厳しく怒られるが、愛くるしい表情で見られると思わず漁師も許してしまう。

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咲いて咲いてちゃん。最長2m伸びる触覚で弱った植物に触れると、たちまち美しい花に!街の美化運動のため生まれた。日本全国(北海道をのぞく)に分布。2017年度からフィリピンに海外派遣され、バナナを救うために活動予定。

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恥ずかしがり屋の妖怪でいつも何かにくるまっている。絶えず布や紙をまとっているため、誰もその実体を見たことがない。恥ずかしさゆえなのか最近ではまとう布の分量が増え、隠れたいわりには主張のある大きさになってしまっている。放おっておいて欲しいのか、気づいて欲しいのか、、、周りでは「めんどくさいやつ」と思われはじめている。

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身長は7m?9m。100年ほど前には20mを超えるものもいたとかいないとか。主食は岩。見た目はかなり屈強だが、性格はおだやかで優しい。体が大きいので役に立つ事もあると思いきや、ほとんど動けないので残念極まりない。花が好きなので、咲いて咲いてちゃんと一緒にいる事が多い。

フクロウとミミズクのお話

こんにちは。油絵科の関口です。
さて、今年の芸大一次試験では、油画専攻では珍しく鳥の剥製が出題されましたね。恐らく過去を遡っても剥製が出たのは初めてではないか?と思います。
モチーフは選択できましたので、剥製を描いていない人もいると思いますし、剥製を描いて落ちてしまった人には申し訳ありませんが、今回のブログはフクロウとミミズクのお話です。
フクロウ
ところで、皆さんはフクロウとミミズクの違いはご存知でしょうか?耳が付いているか付いてないか、の違い?いやそんな馬鹿な…と思ったあなた。実は正解です。簡単な分け方ですね(笑)。ミミズク
正確には羽角というもので、あれは耳ではなく飾り羽なのですが、日本では耳に見立ててミミズクという名前が付いているそうです。生物学的にはフクロウもミミズクも殆ど一緒のものらしいです。ちなみに今回出題されたミミズクは、受けた人の話を統合すると、トラフズクという種類ではないかと思います。
フクロウはその可愛らしい外観とは裏腹に、猛禽類というワシやタカに近い分類になります。他の鳥と決定的に異なるのは、夜に活動して狩りをする、夜のハンターという点でしょう。
正面に目が付いているのは、肉食の捕食動物の特徴で、両眼で1つのものを見るという仕組みは、獲物までの距離を正確に把握する事が可能になるのです。その代わり、フクロウの仲間は眼球が殆ど動かせず、視野も人間より狭いので、辺りを見渡す時には首を回転させるしか手立てがないそうです。ミミズクの目
確かにこの鋭い眼はどう見ても獲物を狙うハンターの目です。

 

大きい顔は、獲物の音を聞き逃さないよう進化したようです。メンフクロウを始めとするフクロウの多くの種類は、耳の付いている位置が左右で異なり、左右の耳に届く僅かな時差で、音の方向をより立体的かつ正確に把握する能力が備わっているのだとか…。メンフクロウ
メンフクロウ

動物の獲物や敵の位置を把握する能力を定位と言いますが、フクロウの仲間は音源定位という能力を備えています。脳内にある細胞が、空間内の特定の領域から発した音のみに反応するんだそうですよ。凄いですよね。ところが今回のモチーフにあったトラフズクは、どうやら両耳の位置は左右対称らしいです。メンフクロウとトラフズクは脳の構造も違うんでしょうかね?・・・自然界って摩訶不思議です。
今回の知識の半分くらいはCS番組のアニマルプラネットから得たものですが、こういう事実を知ると、本当に自然界の奥深さを感じます。

二次試験まであとわずか。一次を通過した皆さん。是非頑張ってきて下さい。