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彫刻科:一学期お疲れ様でした!

こんにちは、講師の新妻です。

猛暑が今週は少し治まってくれてありがたいですね。ここ数年は毎年、半屋外のような自分のアトリエでの彫刻制作は、昼の12〜15時あたりは身の危険を感じるレベルなので避けるようにしてます。

一年の3分の1が終わりました。この一学期でどのくらいの気づきがありましたか?制作に慣れてくればくるほど、自分のキャパの範囲から少しでもいいから背伸びをして何かを見つける意識がないと、なんとなくで時間は過ぎてしまいます。そのためには今現時点でできること、わかっていることに対しては当たり前のようにブレずに仕事をすることも受験においては大切になってきます。それはまるで、気分に流されず任務を遂行するエージェントのように、何度もプレイしながら改善点を模索するアスリートのように、一見アートとは遠いプロフェッショナルがもつ力の出し方に通じるところがある気がします。いろんなところにヒントは転がっています。講師の僕らは大学に受かるため、デッサンや塑像が上手くなるためだけに指導しているわけではありません。これから続くクリエイター人生に活かしていけるような「続ける力」をこの場で養ってほしいと思っています。夏はこれからです!一緒に頑張りましょう!

生徒作品は学期末コンクールの上位作品からご紹介します。

デッサン 1位

総合的な印象の良さが決め手でした。首の形態、胸の張り感、口周りの厳しさなど、まだまだ追求できます!

2位

絵として肉迫していく表現が魅力的です。自分が座っている位置からは見えない(でも立体としては存在している)部分まで網羅するような着眼をより心がけていきましょう!

3位

石膏の白さを活かしながらの密度のある仕事が目を引きました。おでこや、顔側面、肩の断面などあっさりしてるのが惜しい!

塑像「マスクと手を組み合わせて彫刻を作りなさい」1位

この時期らしいチャレンジ精神を感じる作品です。狙いに対しての細かな設定を、魅せ方的にも作りやすさ的にももう一歩詰められると良かったです。

2位

構成やマスクの模刻の精度に安定感があります。そこに絡んでくる手の魅力や認識がマスクに負けてしまわないように研究していきましょう!

3位

現役生の作品がランクイン!手のポーズとマスクの傾きが綺麗にマッチングしています。作りに関してはここから経験値を上げていきましょう。

自刻像の課題です。6時間では詰め切れない細部と全体のバランス、目の表現の駆け引きなど課題の枠を超えた仕事ができました。キャップも本人のキャラが出てていいですね!

アムールの模刻です。作り込むに従って粘土の表現が硬くなっていきがちでしたが、最後まで自然な柔らかさを持ちながら作れました。この感じ大事です。

経験値からの割り切った大きな捉え方から、そこで終わらない地道な描写まで一通りのやりとりを網羅できました。これがアベレージになるくらいの気概でいきましょう!

今期でグッと上がってきました!描きながらも堅実に要素を検証していくように仕事を重ねているのが印象的でした。それが無理のない絵の柔らかさに繋がっています。首から上はまだ立体としての設定があいまいなところがあるので細かな表面に振り回されないように気をつけていきましょう。

夜間部の作品です。

自刻像です。本人の雰囲気を素直な観察でとらえています。おでこや首など地味だけど彫刻的に美味しいところをどんどん掘り下げていきしょう!

高2生の作品です。難しい位置ですがよく捉えています。距離的に遠くに回り込んでいくところの形態感も伝わってくるとなおgoodです!

 

今回は以上です。ではまた!