月別アーカイブ: 2015年4月

ケンチクカのデッサン

 

こんにちは、建築科講師の櫻井です。

もうすぐ四月が終わります。この春から新しく入った生徒の皆さんも、少しずつ建築科のデッサンになじんできたように思います。
建築科のデッサンってなんだろう。
他科のデッサンと並べた時に少しちがってみえる建築科のデッサンについて、今日はお話したいと思います。

以前主任の半田先生がこのブログに書いていたのですが、デッサンは数学的だし、工学的なもの。理論はしっかりとあります。目で見てその通りに描くのももちろん大切なのですが、建築科のデッサン、こと芸大入試に関して言えば、実在しないものを描くことばかりです。だから他の科のデッサンと並べたときに、違って見えてくる。

目の前で静物デッサンのように組まれてはいない、自分の頭のなかで考えるモチーフを、スケール感や影の形を正確に描く。

これだけ聞くとすごくとっつきにくく思えるかもしれませんが、いろんなものは、立方体を一つ正確に描けるだけで描けちゃいます。立方体に一度おきかえてみれば、直方体だって円柱だって円錐だって描ける。その時の「置き換え」の思考回路にさえ慣れてしまえば、どんなものだって描けるようになります。
影も同じ。床に対して水平な一枚の板が床に落とす影のかたちさえわかれば、立方体の落とす影が描けるようになって、「置き換え」をすればどんな複雑な形でもおもしろいくらい! 影を追えるようになります。

いま、この春から入った生徒の皆さんは、この練習の真っ最中です。少しずつ慣れてきたので、いろんなカタチを出してもっとがんばってもらおうと思います。笑
それでは!

 

映像科:新たなスタートに向けて

こんにちは。映像科講師の森田です。
2015年度はじめての新美ニュースということで、あらためてよろしくお願いします。今年度の映像科のブログは「隔週の火曜日」になります。教室の様子やオススメの作品の情報、そして映像系学科・専攻の受験のことなど、映像にまつわる様々なトピックスを(なおかつ他の専攻を志望する皆さんにも役立つようなトピックスを)お伝えしていけたらと思っています!

今回は初回なので映像科の授業についての基本情報を。授業日と授業時間に関して、今年から変更した点もあります。既に授業は4/9(木)から始まってますが、入学は随時可能です。特に「これから受講しようかな」と考えている人は、ぜひ読んで参考にしてください。

映像科の授業は、
・木曜日…17:30~20:30(3H)
・金曜日…17:30~20:30(3H)
・日曜日…9:00~16:00(6H*昼休み1時間)
の、週12時間の授業です。

去年までは金・土・日の3日間連続集中型でしたが、今年からは木・金・日の3日間になっています。週末(特に一学期)は、オープンキャンパスなど大学のイベントが多くあったり、あるいは外部の学科模試を受けてみたいという希望があったり、留学生は日本語の試験があったりと、様々な条件の受験生がなるべく通いやすい時間割ということで、今年から土曜日一日を空けた時間割になりました。

授業の内容はこれまで通り、
【一般入試コース】は、武蔵野美大映像学科、東京造形大デザイン学科映像メディア系専攻、日芸映像系学科の実技と小論文対策を中心に、
【推薦入試コース】は、上記の大学の公募制推薦入試、AO入試など各種推薦入試の対策を中心に、
【留学生入試コース】では、上記の大学、特に武蔵野美大映像学科と日芸映像系学科の留学生入試の対策を中心に、授業を行っています。

ちなみに一学期については【一般入試コース】と【推薦入試コース】は共通のカリキュラムが多いので、「まだ推薦入試を受けるか(受けられるか)決まってないよ」という人や「推薦入試を受けてみて、もしもダメだったら一般入試の対策間に合うのかな?」という人も、迷わず受講することをお勧めしています。
(*ちなみに2015年度の入試では、武蔵野美大映像学科に、推薦入試で4名、留学生が2名合格しています。倍率を考えるとかなりの合格率!)

また私立美大志望の学生、特に映像系を志望する皆さんにとっては学科(主に国語と英語)の対策も、春のこの時期に同時にスタートしたいところです。新美の学科の授業は、
・月曜日…【美大国語】17:30~19:10
・火曜日…【美大英語文法】17:30~19:10
・水曜日…【美大英語読解】17:30~19:10
・土曜日…【土曜英語】14:20~16:00

となっているので、映像科の授業と組み合わせれば、3日間(実技対策のみ)?7日間(実技対策+美大学科をすべて受講した場合)までを選ぶことができます。学科については現段階での到達度も様々だと思うので、レベルに合わせて選択してください。

・・・と、基本情報を最低限お伝えしておこうと思ったら結構な分量になってしまったので、今回はここまでにしたいと思います。ではまた次回!

油絵科学生は必見、片岡球子展

こんにちは。油絵科の関口です。

先日お知らせした通り、今回から油絵科のブログは日曜日に隔週の更新になります。他の先生のブログを期待していた人もいると思いますが、もう1回だけお付き合い下さい。

 

さて、タイトルにある片岡球子という画家をご存知でしょうか?実はこの方、日本画家で103歳という長い人生を全うされた巨匠の一人です。

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「面構 足利義満」1966年

 

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「面構 葛飾北斎」1971年

 

先日竹橋にある国立近代美術館に見に行きましたが、油絵科の学生にも是非見てもらいたいと思い、紹介させてもらいます。

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「枇杷」1930年

初期の作品は、所謂日本画らしい絵も描いています。しかし、途中からは全く以て日本画らしくありません。体質的には完全に油絵向きの人なのでしょうね。

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「山(富士山)」1967年

 

ところで、日本画の特徴として、油絵をやっている人には頭に入れておいてもらいたい事が3つあります。

①基本的に絵を床に寝かせたまま描く。(立てると絵の具が垂れてしまう)

②基本的に岩絵具は混ぜられない。(粒子の大きさ、重さが違うので、混ぜても分離してしまう)

③写生→小下図→大下図→本画というプロセスを踏み、基本的に本画の時には対象を見ていない。

 

上に書いたのは、あくまで原則として…という事です。片岡球子という画家は、完全にこの辺のルールを無視している作品がありました。真近でよく見ると分かりますが、何とキャンバスに描かれた作品もありました。しかもアクリル絵具も併用しています。日本画なのに…キャンバス?…アクリル? 正直に言うと、僕もビックリしました。

 

あと、80代に入ってからの人物画も必見です。モデルをとにかくよく観察し、今迄築き上げてきた自分のスタイルをも無視して、その時感じた生の感覚と感性で生きいきと描かれています。80歳を越えてこのパワー、本当に凄いと思います。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA「ポーズ3」1985年

素材も日本画の岩絵の具、パステル、木炭、作品によってはクレヨンらしきものも使っているものも見受けられます。

ものを見るという事は一体どういう事なのか?絵を作るという事はどんな事なのか?そんな事を考えさせる、良い展覧会です。この機会に是非本物を見てきて下さい。

渋谷校1日体験

こんにちは、渋谷校 古関です。

明日、4月19日は渋谷校の1日体験。

ただいま準備を終わりました。

 

無料体験

無料体験

この後も、通常の授業への無料体験行っていますので。

気軽に、渋谷を見に来てみてください。

詳細

2015彫刻科!

こんにちは!彫刻科の小川原です。2015年度がスタートしました!今年はこれまで以上に個々の実力を引き上げていけるように課題も厳選し、的を絞った指導をしていきます。頑張りましょう!

さて、これまでの昼間部の課題は特訓課題ばかりだったので夜間部の学生の優秀作品を紹介します。
夜間部Mさんの作品。
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自然な調子の流れが魅力的です。スケール感もあり、特に体の仕上がりは抜群です。頭部の形がややぼやけているので、もう少し大まかな角を捉えてまとめられるとさらに良いです。

夜間部E君の作品。
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明解な調子の扱いがすっきりとした画面をつくっています。特に体は完成度が高く、見応えがあります。もう少し頭部に描写が入れられると尚良いです。

夜間部Kさんの作品
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マルスのこの位置は動きを出すのも立体感を出すのも一番難しいですが、とても良く印象が引き出せています。構図はやや大きいので画面が窮屈になっています。次回から気をつけましょう。

夜間部O君の作品。
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直前で全消ししてやり直しましたが、短い時間でよくここまで持ってきました。調子のコントロールが美しいです。もう少し構造のぶつかるところ(特に腕と胸、肩と首)に具体的な形が感じられるよう描き込めると良いです。

夜間部Mさんの作品。
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クロッキーがとてもうまかったのでのせました。印象が良い以上に色の置き方や線の運び方が素晴らしく、またそれらを短時間でこなしている事に驚かされます。
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こちらはMさんの本番の作品です。やはり印象を掴むのが上手いと思います。見た物を見たまま描ける力が彼女の武器でもあります。今回は質の悪い木炭で後半まで進めてしまい、木炭を買い直してから時間的にギリギリでしたが、内容は良いです。道具にもこだわり、自分の実力を最大限出せる状況を自分でつくっていく事は大事な事ですね。

さて、今年は新たな社会人の講師の先生に指導に入ってもらう事になりました!指導も熱心だし、作家としても意識の高い方なので、よく話を聞いてみるとおもしろいと思います。盛り上がっていきましょう!

さて、今回ちょっと遊びでヘルメスを描いてみました。
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出だしでは構図やバランス、動き、構造に気をつけます。
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調子は構造に乗せていくように。印象も徐々に引き出していきます。
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これで完成!と思った段階からさらに20%くらいレベルを上げる事を考えると隙のない作品になります。
何が遊びかと言うと、今回は何も見ずにヘルメスを描きました。思い出のヘルメスです。実際のヘルメスはこれとは違う形をしているはずですが、ちゃんとヘルメスに見えると思います。全ての作業を「ヘルメスらしさ」という事に向かって進めていく事で、結果「ヘルメスらしいもの」が残る訳です。実際はもちろん見て描くのですが、本当に全てに渡ってそのモチーフらしさに反応できているのか?そこを考えてみて下さい。輪郭が違うのも、顔が似てないのも、色が汚いのも、ヘルメスらしい印象ではないはずです。

去年僕の作品紹介をしていましたが、途中で切れていました。すみません。すでに完成しています。木彫一木彫りの大きな作品です。腕とか一部寄せ木していますが、木彫の世界では約70%以上が元の木だったら一木彫りと言うとか言わないとか。
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最後に、最近片手間で始めた作品を紹介します。
動物の頭骨にエポキシパテを盛ったり削ったりして形にします。これは猫の頭骨。
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一部元の形を残して自然につながるように加工します。
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彩色して完成。今回は壁にかけられるようになっています。頭骨は元の形がカッコいいので、元以上に魅力的にしていくのが難しいところですね!
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彫刻科の更新は隔週土曜日です。次回は氷室先生です!