先端科_食べられないお弁当

こんにちは、先端科の冨樫です。

忘れないうちに宣伝をひとつ。今月21日(日)に、プレ夏期講習会があります。「はじめての総合実技対策」ということで、総合実技を意識しながら、WSに近い課題を用意しています。参加費無料ですのでぜひ。先端科を受験しようか迷っている人も、こういう機会に雰囲気をつかみに来てみるといいと思います。

ところで、先端科の1次試験は、素描か小論文、どちらか得意な方を選択することが出来ます。デッサンにしろ小論文にしろ、まずは対象をよく見ることが重要だとよくいわれますね。でも、ものを「見る」ってどういうことでしょう?ましてや、「よく見る」って、どういうことなのでしょう。

僕自身は普段、映像メディアをつかって作品をつくることが多いので、今回はすこし遠回りをして、映像ってなんなのかという視点から、「よく見る」ことについて考えてみたいと思います。

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ここで唐突ですが、みなさんは「みにくいアヒルの子」ってご存知でしょうか?

といっても、かの有名なアンデルセンの童話ではなく、96年にフジテレビで放映された岸谷五朗主演のドラマの方です。96年というと、予備校生のみなさんの中にはまだ生まれてもいない人もいますから、リアルタイムで観ている人はいないかもしれません。かく言う僕も、たまたま実家にあったVHSで観たのでした。岸谷五朗演じるちょっぴり破天荒な「ガースケ先生」と、それぞれに悩みをかかえた小学生たちとの交流を描いたドラマで、涙無しには観られないシーンのオンパレードです。

なかでも僕がほとんどトラウマ的な記憶になっているほどよく覚えているシーンがあります。(僕自身小学生だった頃の記憶を頼りに思い出しているので、細部が間違っている可能性大です。)第6話は「日本一のお弁当」という回なんですが、ガースケ先生が、お母さんのいない「優子」ちゃんに、お弁当を作ってあげるんですね。料理の苦手なガースケ先生は、七転八倒しながら、それでもなんとか頑張って工夫をこらしたお弁当を完成させます。翌日、河原で写生大会のあとのお弁当の時間です。優子ちゃんはガースケ先生が作ってきてくれたお弁当の蓋を期待と不安の入り交じった気持ちで開けます。

するとどうでしょう、弁当箱一杯にびっしり敷き詰められたご飯の真ん中に、紅一点、梅干しがひとつ乗っかっています。見事なまでにシンプルな、これぞ日の丸弁当です!(もちろん、それが優子ちゃんをどれほど落胆させたかはもはや言うまでもないでしょう。)優子ちゃんはあんまりかなしくって、がっかりして、怒って、そのお弁当を河原に投げ捨ててしまいます。投げられたお弁当は逆さまに河原に転がって、白いご飯はもう草まみれ、泥まみれです。

さて、前置きが長くなってしまいましたが、もう一度だけ、河原に転がったガースケ先生のお弁当をよく観てみましょう。ひっくり返ったお弁当には、ガースケ先生が苦労して作ったタコさんウインナーや、卵焼きやなんかのおかずが、びっしり並んでいます。もうお分かりですね?ガースケ先生は、おかずをご飯の下に隠しておいたのです。先生は、喜びを倍にしようと思って、工夫を凝らしたつもりだったのですね。喜びの前に、がっかりのワンクッションをひとつ置くことで、お弁当の中身そのものは変わらないにもかかわらず、喜びはずっと大きくなります。でも、優子ちゃんには惜しくもそれが伝わらなかった。

哀しい場面です。ガースケ先生の愛情は、伝わらなかった。無駄になってしまった。でも、ほんとうにそうでしょうか。お弁当は埃まみれで、たぶんもう食べられないでしょう。でも、食べられなくなったとしても、優子ちゃんは、ひっくり返ったお弁当の、ぎっしりつまったおかずを「見る」ことでなら、ガースケ先生の愛情を感じ取ることができます。そしてここがポイントです。あたりまえのことですが、ドラマを見ている私たち観客は、優子ちゃんのように、お弁当を実際に食べることはできません。しかしいま、お弁当は、優子ちゃんにとっても食べられなくなってしまいました。すると何が起きるでしょうか。食べられないそのお弁当をただ見つめることしかできない優子ちゃんの眼差しが、このとき、観客の眼差しと等しくなっていることがわかるでしょうか。こうして、私たち観客は、優子ちゃんと「同じように」、ガースケ先生の愛情を感じ取ることができました。

簡単にまとめてみましょう。目の前のものをよく見もしないで決めつける優子ちゃんが悪いのだ、という非難は間違ってはいないでしょう。ただ、見事な日の丸の裏に、おかずが隠してあるなんてことを見抜けるかと言われると、もし僕だったらと考えると、まったく自信がありません。よほどの好奇心か、ひねくれた根性がなければ、そんなこと思いつきもしないと思うのですが、みなさんはどうでしょう?もし観客である自分が優子ちゃんの立場だったにしても、やはりお弁当は食べることができないものになってしまっただろうと思います。何が言いたいのかというと、つまり、ガースケ先生の愛情は、「食べる」ことではなく「見る」ことによってしか伝えることができないものなのではないかということです。なぜなら、映像は、食べることができないからです。映像で食べることも、映像を食べることもできません。ただし、映像は、「見る」ことができるのです。

さて、最後にもうひとつだけ。「見る」ための手段といえば、映像の他にも、たとえば絵画がありますね。ちょっと考えてみて下さい。今日話した<ガースケ先生の愛情>を、絵で描くことはできるでしょうか?

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表現すること。

渋谷校の箱岩です。

本来なら10日水曜に更新なんですが、ありがたいことに月火水の生徒が多くなっていまして、ちょっぴり忙しかったりで余裕がありませんでした。うっかりしていて、すみません。

いよいよ梅雨の声が聞こえてきましたが、体調管理はできているでしょうか?

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油絵科の授業は、ものを観察する基本を学ぶ為の普っ通~のデッサンからスタートして、

今週は、自分の考えや気持ちを画面を通してどのように訴えるべきか?

俗に言うところの構図の問題へと進んできました。

写真は、通称「構図ドリル」でお勉強中の油絵の生徒さんです。

その昔、東京芸大の斉藤教授や私が受験生だったころに熱心にやっていた、巨匠の作品から明暗を抜き出す遊びを、文字通り超コンパクトにして大量にこなすドリル形式のトレーニング。数式の問題や単語のトレーニングと同じくコツコツやるのがコツ。

でも、単純だけど意外におもしろいと思います。

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油絵科は、曜日によってばらついていますが、ゆっくりと人数も増えています。講習会からは更に生徒が増えて、一段と活気が出てくるのではないでしょうか。

プレ夏期講習もございますので是非興味が有る人は、ご参加を。

さて先週末は、受験科デザイン工芸科・油絵科共に保護者会が開催されました。

生徒の御父母とお話しすると、いろいろなご意見や御要望に出会います。一つ一つのお話を聞きながらも御父母のお子さんへの期待や、心配する親心が伝わってきまして、中学3年生の受験生を持つ親としましては共感しきりでした。勉強熱心な御父母の様子に、親としても見習うところがたくさんございました。今後の指導にもしっかり取組みたいと思います。

現役生の指導は、背後で支えるご家庭や高校の先生方の思いごと受け止めながら、本人の可能性を最大限に伸ばすことなんだと実感しました。

一方で生徒の気持ちも経験が浅いせいもあって、日替わりでころころと表情が変わっていきます。なるべく多くの対話をしながら一人一人のモチベーションを引き上げていこうと心がけていますが、全部の気持ちを拾えているのか?なんてことが、気になってしょうがないってところが油絵科らしさですかね。

けれど、日替わりの気分の斑が連続して、自分のリズムが作られ、間合いが作られ、表現の基となる今の自分が形づくられると思います。「心とはコロコロと転がればなり」です。絵画の世界は手先の上手、下手なんてどうでもよくて、気分や気持ちが伝わるか否か。共感を呼ぶか否か。それは、描写力達者なほうが良い場合もあれば、あきれるほどの脱力の中で語られる場合もあると思います。

まとめるなら 「描写力 < 思いの強さ」 これはとっても大事だということ。

もし絵を描いていて、何かしっくり来ないことが有るとすれば、それは受験の為にという理由で無感情に筋トレをさせられているからであり、絵画の本質とは違う物差しをあてがわれているからかも知れません。

「自分を表現すること」

もし、美術の世界に足を踏み入れ、それを望むなら、新美の油絵科を一度覗いてみるべきだと思います。絵画の懐の深さを味わってみてください。

それでは、渋谷校でお待ちしております。

 

 

平面構成入門

基礎科講師の吉村です。

5月から専門課題が始まっている基礎科ですが、
今回はデザイン・工芸科の課題を紹介したいと思います。
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入門編ということで、
まずは画材に慣れることを目標に、”SHINBI”の文字を
アクリルガッシュで描きました。
一週間という短い時間でしたが、
初めての生徒も楽しく出来たのではないでしょうか。
ここで学生の作品をいくつか紹介します。

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配置も自分なりに考えて、クールな作品に仕上がりました。
グラデーションや陰が効いてます!

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シンプルでグラフィカルに動きを表現していてこちらもかっこいい。
作業も丁寧ですね。

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少し線はゆるいですが、テーマが面白い!
言われてみれば、”SHINBI”と”SUSHI”って字面が似てる^^

今回の課題では平塗り、溝引き、烏口の使い方を中心に指導しました。
基礎的な課題ではありましたが、
しっかりテーマやコンセプトを持つことを意識して作品を仕上げることができたと思います。
自分の作品を見て、いろんな人が楽しんでくれたり、
想像を膨らまして見てくれることがデザインの楽しい所ですね!
今後の平面構成が楽しみです!

デザイン・工芸科 夜間部

こんにちは。デザイン工芸科夜間部です。

6月も中旬となりました。これまでは、共通の基礎となる課題を中心に制作してきました。

15日からは各志望校別にクラスを再編し専門課題を制作します。

たまに、昼間部デザイン総合、工芸総合、私立美大コースと同じ共通課題に取り組み、浪人生の制作手順も見ながら、夏期講習に向かっていきましょう。

これから始める方も随時募集しています。

柔軟な指導を心掛け、一人ひとりの進路指導にも当たっていきます。

夜間2015.6.09

2015年夏期講習会パンフレットできてます!

こんにちは。学生課です。
夏期講習会のパンフレットを2F学生課、1F総合受付にて配布中です。
今年の表紙は日本画の佐々木先生が描いてくれたもので
月夜に集う、猫の集会をイメージして制作されたそうです。
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本物のサイズはP150号(約2.3m x1.6m)ととても大きな作品です。
本当のサイズで見てみたいものです。

さて新美では夏期講習会に先駆けて「プレ夏期講習」というイベントを行います。
このイベントでは実際の入試に即した課題や
初心者のための、道具の使い方から学べるコースもあります。

この夏、本格的にレベルアップする前に一度体験してみませんか?

お申し込みはこちらまで。