彫刻科 勝負の2学期!

こんにちは!彫刻科の小川原です。彫刻科では2学期に指導に頼らず自力で高いレベルの作品を目指すべく各自目標を持って制作に取り組んでもらっています。もう芸大入試まで半年を切りました。来年は大学生になるつもりで今年やるべきことをやりきるという事が大事です。
そもそも大学生になる前にしっかりした実力をつけておかないと実際彫刻の制作に直面した時に何もできないということになりかねないです。4年間というのは本当にあっという間なので、何もできずに卒業を迎えてしまったという事のないようにして欲しいです。頑張りましょう!!
さて、それではこれまでの優秀作品を紹介します。
昼間部生の作品。パジャント。
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彫刻科ではパジャントのような繊細な像は苦手意識の高い人が多いように感じますが、髪の毛や衣のシワなどは実際はただの表面描写ではいい表現は出来なくて、彫刻科ならではの構造に対する捉え方というものがかなり重要になっています。この作品はそうした部分を表層だけでなく、内側の形をしっかり捉えて表現しようとしているところが評価できるところだと思います。

自刻像。
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自分と向き合うという事は、彫刻家である以上は一生つきまとう問題です。「自分とは何者なのか」「自分はなぜここにいるのか」「自分がこの先どこに向かっていくのか」その答えは自分自身でしか出すことは出来ません。自刻像という作品はそうした問いかけに対する最もシンプルな答えなのではないでしょうか。予備校ではまず最初に形に対する指導がなされますが、形を自然につくる。というレベルを超えて「内面」の表現ができるようになったら、それは本物の力であると言えるのだとおもいます。

夜間部生の作品です。ヘルメス。
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夏期講習からこの作品までにかけて相当な実力の伸びを感じます。描く力は現時点でも十分に感じます。これからさらに観察力をつけて指導に頼らず安定した作品が打ち出せると良いです。
部分的な間違い探しになってしまうのではなく、その像全体が持っている印象に反応して手が動かせるようになって欲しいです。

さて、先日新美全体で「わたしを描きなさい」という内容で合同コンクールが行われました。
彫刻科で優秀だった作品を紹介します。
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ただ単にデッサンとして「描く」ということに収まらず、ひとりの人間としての存在感そのものまで表現しています。引き込まれる作品でした。

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帽子を巧みに使って空間を表現しています。表現力、画力の高さを感じます。

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現役生の作品です。鉛筆の扱いがとても上手です。画面全体が破綻なく丁寧にコントロールできているところがとても良いです。

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同じく夜間部生です。一見写真のような色の扱い方が特徴で、とても高い表現力、観察力を持っています。

さて、10月11,12日は公開コンクールがあります。実際の試験以外で環境の変わった状況で緊張感のある試験を受けられるいいチャンスだと思います。ぜひ学外から多くの方に腕試しに来てもいらえたらなと思います。

秋の立体!!!

こんにちは

建築科講師の半田です。

 

夏が過ぎて、受験の近さをやっと感じてきた顔つきと言動が、教室内の雰囲気を変えたように思います。

 

 

立体構成も段々それっぽくなってきました。

 

 

春過ぎには精神的な叱咤激励ばかりだった講評が、デザイン構成やディティールの収め方に

ついての講評になっていることに、ふと気が付きました。

 

きちんと成立している作品を見ると、時間内に完成させるという、試験における一番大きな課題をへの意識が伺えて、安心しました。

 

これはもちろん立体構成に限ったことではなく、どの課題にも当てはまることです。もはや勉強の試験にも同じことが言えますし、実際社会に出ても、期限内であることが大前提なことばかりです。

 

その感覚を一番養えるのが、やはり立体なのだと思います。

立体が成立しなければ、評価はくだされないことがほとんどですから、初めに思いついた案がどう変わろうと、それをポジティブに臨機応変に展開していく技術が身につくのだと思います。

 

なにより、生徒の楽しさが伝わってくるのがいいですね。

 

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少しずつ、頑張れ受験生!!

高校生デッサンコンクール開催

高校生デッサンコンクール開催していたんですね~。

シルバーウィークは渋谷校受験科の保護者会があったりで、私は不参加でしたが、新宿校はとっても盛り上がっていたようです。
遠方からも参加があったそうで、集まった作品は200名以上。

予想をはるかに超えていますねぇ。本当に驚きました。

皆さんの熱気を想像して私のモチベーションも上がっちゃいます。

ご参加いただいた皆さん、お疲れ様でした。

渋谷校の基礎科生のみなさんも、多数参加しました。

参加するからにはいい結果を出してほしいと思いまして、、、2週ちょいを石膏課題に使いました。

形が苦手だという生徒の皆さんにとっては少し苦しい特訓期間。

ですが、渋谷スタイルは先生が日替わりなので、いろいろな先生から遠慮なく形を直すように指摘されます。

口頭で伝わらなければ、加筆やデモストで指導していきました。

また、客観的な把握の仕方や修正の仕方を次々に教わっていました。

マニアックな先生も多いので、触る人、舐めるように見回す人、とにかく図る人、と関わり方もいろいろです。
すると、少しづつ的確に捉え、的確に描くことが出来始めます。

学年も経験値も関係なく、やればやっただけ上手く描ける。

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生徒作品です。時間が短く手数はこれからですが、印象の捉え方は自然になってきました。

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コンクール本番の成功も失敗も時の運ですが、底力をつけることは少しできたのではないかと思います。

思うような結果が出なかった人も、ドンマイドンマイ。

次の機会に向けてコツコツ頑張ろうねっ!!

こういうシンプルな競技って、スポーツでもそうなんですが、ほんとに楽しいですよね。
私はこういう遊び、ムキになるタイプです(笑)

特に油絵科を志望しているんでなければ、石膏デッサンは受験のマストアイテム。

皆さんも、引き続き頑張ってみてください!!!

映像科:『Your Body is Yours』

こんにちは、映像科の講師の森田です。
二学期はイベントも盛りだくさんですね。前回告知した公開コンクールは受験に直結したイベントですが、先週行われた「全科合同・秋のデッサン祭」は「祭」というのにふさわしく、授業という日常を飛び越えて、なかなかの盛り上がりでした。
日程の問題もあり映像科からは参加した学生がいなかったのですが(ファイン系/デザイン系を前にして「デッサン祭」という響きにちょっとひるんでしまったのかも…)、審査の方は映像科主任として参加させていただきました。「わたしを描く」という課題へのアプローチの面白さや、それぞれの得意技を活かしたデッサン、デッサンとは言えないくらいにコンセプチュアルな作品など、映像科の実技を制作する上でも参考になることが見えてくると思います。
講師による審査は終わりましたが、webでの投票はまだできるらしいので、ぜひどうぞ!

*  *  *

さて、そんな中今回は秋のオススメ展覧会情報です。シルバーウィークは新美のイベントが盛りだくさんだったため、先週自主的なシルバーウィークとして大阪の国立国際美術館にヴォルフガング・ティルマンスの『Your Body is Yours』を観に行ってきました。会期は23日までということで、お勧めしたところで今から観に行くことはできないですが…。しかしティルマンスについては映像科の人はもちろん、それ以外の専攻の人もぜひチェックしてみてください。

2012年東京都現代美術館のトーマス・デマンド展や、2013年国立新美術館のアンドレアス・グルスキー展など、ここ数年ドイツの現代写真の大規模な展覧会が開催されていますが、ティルマンスもドイツの出身。ドイツの現代写真というと教科書的には、デュッセルドルフ芸術アカデミー/ベッヒャー夫妻の影響が言われます。デマンドやグルスキーはその系譜として説明することもできると思いますが、ティルマンスの写真は一見するとそういった作品とはまた違った印象を受けます。

ティルマンスの作品の特徴としては、それが「スナップ写真」であること、あるいは「スナップ写真のように見える写真」であることが挙げられます。特に初期の頃の作品では小型のカメラで身近な風景や友人を写したものが多いですが、そうした写真がなぜ作品になるのか?というのは、それ自体が写真について考える上では本質的な問いでもあります。近年の作品では写真プリントそれ自体をオブジェクトとして意識するような作品があったり、複数の写真を重ねてひとつのイメージを構成していたり、さらに今回の展示では、プリントアウトされたテキスト(主にはニュースサイトなどの記事や図版)がインスタレーションの一部として、撮影された写真と(ある意味では同等に)扱われていたりして、全体として「イメージとは何か」ということを考えさせられる作品です。

また写真の展示の仕方も「ティルマンス以前/以降」と言われることがあるくらい、今ではそれほど新しさは感じないですが、サイズの違った写真を壁面にランダムに貼っていく方法、その貼りかたもテープやピンで留めたりなど、一見するととてもラフに思えますが、隣り合った写真同士の関係や、空間全体のレイアウトなど(当たり前ですが)実際は計算されたインスタレーションとして制作されています。今回の展示では10以上の展示室それぞれがかなり明確なテーマによって構成されていて、単に写真を写真として「見る」というよりも「(複数の写真の繋がりを)読む」ような体験ができます。

…と、少々硬めに解説してしまいましたが、実際にその展示を見てみると普通に「かっこいい」とか「写真って面白い」という感想が挙げるのもティルマンスの写真の特徴です。日本では11年ぶりの大規模な展覧会とのことでしたが、さて次はいつでしょう? 興味を持った人は海外まで出かけるか、写真集を眺めつつ気長に待ちましょう。

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図録はこんな感じ。中を開くとタイトル『Your Body is Yours』の文字が。

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自画像クイズ

こんにちは。油絵科の関口です。
さて、新宿校では9月の2?3週目に掛けて、科の垣根を越えて、全科合同コンクールを行いました。実施された日はバラバラですが、B3サイズ縦構図限定の二日描き。課題は「わたしを描きなさい」鏡の使用は自由、というもの。油絵科の学生にとっては普通の課題ですが、他の科の学生にとっては難しい課題だったかもしれませんね。
実直に鏡を見て描いた、いわゆる「自画像」として魅力的な作品や、面白い発想の作品など、色んなものがあり、審査していて楽しかったです。
各階の廊下には、上位作品が貼り出されていますので、興味のある人は、色んなフロアを訪れてみて下さい。残念ながら今回上位に選ばれなかった人も、勿論この結果が全てではありませんので、今後のバネにしてもらえたら…と思います。

 

コンクールはさて置き、今日は自画像に焦点を当ててみたいと思います。
自画像と言っても色んな解釈があると思いますが、狭義には「自分自身を描いた肖像画」という事になります。

様々な画家が自画像を描いています。さあ、誰が描いた自画像か分かるでしょうか?

自画像1自画像2自画像3自画像4自画像5自画像6

割とメジャーな画家ばかりですが、これが全部分かった人は、よく勉強している人だと思います。
こうやってみると、本当に個性的で色んな自画像がありますね。答え合わせは一番下です。

自画像7自画像8自画像9自画像10自画像11自画像12

どうでしたか?「ん?、何か見た事がある」「これなら知ってる!」という絵もあったと思いますが、もし半分も分からなかった人は、もっと色んな作品を見た方が良いと思います。絵の勉強は、描く事と同じくらい、絵を見る事が大切ですから・・・。

答え
1.ドラクロワ、2.ハウズナー、3.ピカソ、4.フリーダ・カーロ、5.北斎、6.フロイド、7.ベーコン、8.ベックリン、9.ボナール、10.ヤンセン、11.マティス、12.モンドリアン、13.ラファエロ、14.ルーベンス、15.ルソー、16.レオナルド・ダ・ヴィンチ、17.ウォーホル、18.モディリアーニ、19.アンソール、20.エル・グレコ、21.カラヴァッジョ、22.デ・キリコ、23.クレメンテ、24.ゴーギャン、25.ゴッホ、26.ゴヤ、27.コロー、28.シーレ、29.ダリ、30.セザンヌ、31.シャルダン、32.ティツィアーノ、33.レンブラント、34.松本竣介、35.靉光