彫刻科 2学期のスタート課題秀作

こんにちは!彫刻科の小川原です。夏期講習が終わってまた普段の制作のペースに戻りますが、2学期は実力を深め、確かなものにしていくのに最も重要な時期です!のんびりしているとあっという間に入試直前っていうことになってしまうので、日々の課題に対して目的意識を持って臨みましょう!!

さて、まだ2学期始まって間もないですが皆気合が入っていてとても良いです!いい作品も出ているので紹介します。

昼間部生の作品。ジョルジョ。

とても完成度の高い作品に仕上がりました。欲を言うと向かって左側の目の立体感がもう少し欲しかったり、顎のあたりのコントラストがやや強いのが少し気になるくらいでしょうか。
意欲的な作品で、作者の意志の強さが伺えます。この調子で行きましょう!


印象がとてもよいです!まとまりがあってとても見やすい作品に仕上げられました。あまりこういうやりきりを見たことがないので今回この作品が出せたことを自信にして下さい!僕も嬉しいです。特に頭部の周り込みの表現が単調で固さを感じてしまうので、その点考えてやれれば間違いない作品です!


情熱的です!こういう生きた炭使いは狙ってできるものではないので真にリアルな印象を受けます。もったいないのは顔の表情です。奥の瞳の向きが合っていないので焦点がズレて見えます。それだけでかなりマイナスなので気をつけましょう。

夜間部浪人生の作品。ヘルメス。

実際に見た印象に比べてどうこうというより単純にぼんやりした作品が続いていましたが今回はしっかり詰め切る事ができました。段取りとしてやるべきことをやったかどうかは結局関係ないです。しっかり今現在作品がどういう状態にあるかを「目を開いて」反応していくことが重要なのです。この内容が続けばオーケー!

夜間部現役生の作品。パジャント。

炭使いは拙いですが急激に上達してきました。丁寧な観察と描写、そしてやりきり。このペースで伸びていってくれたら入試でも結果が期待できそうです!意欲をどんどん高めてぶつかっていって欲しいです!期待しています!

昼間部生の作品。アバタのヴィーナス。

正直うまいなと思いました。僕は浪人の時模刻には自信がありましたがここまでの意識ではやれていなかったように思います。時々微妙に外す部分が自分で気づいて修正できればぶっちぎれそうです。


上の作品は粘土の質感が感じられる作品でしたが、こちらの作品は徹底的に表面をつなげています。結果としてはどちらも正解でしょう。出来たものの印象が良ければそれで良いのです。やりきって尚似せてこれているこの作品からは作者の実力の高さが伺えます。

2学期は色々試していって、さらに結果を出していくことも大切だと思います。なんでもやってみることは大切だけど、毎回作品には責任をもつということを怠ってはいけません。それが出来る人、出来ない人では全く成果が変わってきます。僕は皆に期待しています!!頑張りましょう!

 

さて、前回紹介したブロンズ作品も先日完成しました!


命というものは不安定なもので、生と死の境目は明確でありながらも紙一重です。普段は意識していなくても、それはまるで生と死を分かつ山の稜線をゆっくりと歩いているようだと感じます。

 

推薦ポートフォリオ講座

こんにちは。
本日は推薦入試対策ポートフォリオ講座を実施しました。
初めてポートフォリオを制作する人、すでに進めている人と様々でしたが、
少しでもより良いポートフォリオを作るきっかけになってもらえればと思います!

ポートフォリオの台割表を制作。実際にプレゼンテーションしてもらいました。
人に伝える、伝わる資料にする大切さを学べたのではないでしょうか?


他にも、きれいに作品を撮影する方法や、加工の仕方のレクチャーもありました。

推薦入試対策はいよいよ佳境!頑張りましょう!!

新美ではこの後も日曜特訓、推薦入試対策を予定しています!
ぜひご参加お待ちしております。

 

『絵を描き続ける』という人生

こんにちは。油絵科の関口です。ここ数日は肌寒いくらいの陽気が続き、そうかと思うとまた暑さが戻って来たり…これでは身体がついて行けませんよね。皆さんも体調管理には十分気をつけましょうね。

さて、高校生は既に二学期がスタートしているところが殆どですよね。夏期講習は丸一日絵だけを描いていた人も多かったと思いますので、高校生活に戻って「ああ、そう言えば、こういうのが日常だったんだ…」と感じているのではないでしょうか?『絵を描く』という行為が、非日常的な行為であった事に気付かされる瞬間ですね。

そのうち皆さんも『絵を描く』ということが日常になって行きます。現時点では不安な事もあると思いますが、自分が『絵を描き続ける』という人生をイメージしてみて下さい。数十年後に振り返った時、今はそのスタート地点にいる状態なのです。

 

最近ふと「もし自分が『絵を描かない人生』を選んでいたら、どんな人生だったのだろう?」と思い、不安になる事があります。「一体自分には何が出来たのだろう?」と。…今の皆さんとは逆ですね(笑)。
僕は高校を卒業するまで、瞬間的には何かに興味を持つ事ができても、絵以外で何かに没頭できるものには出会えませんでした。当時は自分に才能があるかどうか?など、全く考えた事もなく、ただひたすら好きな『絵を描く』事に没頭し、上手くなりたい一心で、心配する親を説得し上京して来たのです。

自分が新美生だった頃、先生はこう言いました。「絵描きというのは職業の名称ではない。生き方なんだ!」と。

人生を歩んで行く中で、国籍、性別、年齢、立場も越えて色んな作家さんと出会い、美術に携わる人の純粋さや直向きさを目の当たりにして来ました。時には影響を受け、意見を交わし合い、楽しい想いも、辛くて苦しい想いも、沢山重ねてきました。そしてこれからも、それは続いていきます。
いろんな方から届くDMの数々。これは9月前半のものの一部。1週間で10枚以上来ることもあります。全てに足を運ぶのは難しいですが、なるべく見に行くようにしています。

自分が『絵を描き続ける』という人生を選択した事に、一切後悔はありません。それが自分の生き方なのですから。

渋谷校2学期授業開始。夏期講習会の一コマ

彫刻科 夏期講習が終わりました

彫刻科講師の氷室です。
夏期講習も今日で最終日ですね。みっちり課題がつまっており時間も長かったため、体力的にも疲れが溜まっているのではないでしょうか。
本当にお疲れさまでした。
この夏で、1学期よりも色々な事が見えて来たのではないでしょうか。
頑張ったかいがあり、みんさんの実力がグッと伸びて来たことを私も実感しています。
濃密な指導に負けずに、夜間部生も昼間部生と対等に渡り合えていました。
また昼間部生にとっては、課題が明快になりましたね。
刺激と充実のある夏期講習になったのではないでしょうか。

ここからは、夏期講習後半の優秀作品の紹介です!
正直、どの作品もハイレベルな実技だと思います!!


印象も良くバランス・動きが取れており、難しい位置ですが上手いです!ピントを作れると文句なしです!

この位置から良く体の奥行きが作れています!ブルータスの力強さも感じられ、かっこ良い1枚です!

未完成ではありますが、捉え方が上手ですね!アムールの特徴も良く見ています!見方が洗練されています!


現役生の作品です!!上手いです。
お腹周りはもう一歩描き込みが欲しいですが、バランス良くベースが作れています。周りの空気も取り込んでいきながらピリッとした形態感と優しい描き込みが魅力的です!印象も良いです!


丁寧に触る様に形を探れています!プロポーションも捉えられており、さらに人体を描く楽しさが伝わってきます!久しぶりに、かっこ良い人体デッサンを見ました!


どの角度から見ても上手だな!と思える模刻に出会えるのは、珍しいことです!立体を捕まえにいく醍醐味を本人が感じているのではないでしょうか。秀作です!


小さな動きまで、丁寧に捉えてあります!仕上げていく集中力が凄いです!影の印象も拾える様になってきました!


円盤も動きを捉える事が難しい像ですが、よく観察出来ています!構造、量感、動きに安定感があります!

彫刻Ⅰへの課題も、実際の試験では何が出題されるか分からないため、紹介は出来ませんが
夏期講習での結果としては、魅力的で説得力のある実技結果に繋がっているなと、個人的には感じています。

また少し休みの期間に入りますが、展示や作品を見にいく時間も作ってください!
そしてよく充電して2学期に臨みましょう!
私も頑張ります!
2学期に入るとあっという間に3月がやってきますからね。

それでは、夏期講習、本当にお疲れさまでした!


2017 7月 新生堂ギャラリー グループ展示にての作品です。足を運んで頂いたみなさん、ありがとうございました。嬉しかったです。氷室