カテゴリー別アーカイブ: 油絵科

新美油絵科の夏は盛りだくさん!!

こんにちは。新美油絵科鷹取です。
Twitterでもいっていましたが今年の夏は盛りだくさんです。
夏期講習直前講座での実践的戦略から遊びの中で生まれる戦略を学び、そのまま夏期講習に突入。
講習会中に諏訪敦先生にきていただく特別講評会があり、
さらに油絵科特別企画展。
うーん。盛りだくさん。

夏の特別展示については新美コンテンツチームのブログでも発表されましたが、
改めてこちらでも。
今年の夏、油絵科企画で展示をする流れになったとき、どんな展示ができるかな?
と先生たちと話し合っている中で、考えてもみれば新美出身者で今も活躍してる人いっぱいいる!という話になり企画が進んでいきました。
今受験真っ只中にいる学生たちに、あんな人もこんな人も受験生だったんだよな、
と何か励みになってくれたら嬉しいです。
協力してくれた皆様ありがとうございます!!

【展示タイトル】
「To Rewind Time -受験生だった作家たち-」展

【展示期間】 8月16日〜9月30

【展示概要】
新宿美術学院の油絵科は、高い藝大合格率を誇るとともに、今まで数多くの才能豊かな作家たちを輩出してきました。今回SHINBI GALLERYにて開催される企画展「To Rewind Time -受験生だった作家たち-」では、第一線の現場で活躍している油絵科の卒業生たちをピックアップし、合格作品を含む当時制作された作品を紹介いたします。
創作という行為は、受験を経て大学に入学した後も、卒業した後もずっと続いていく営みです。現在それぞれの分野で活躍している作家たちも、かつては皆さんと同じように悩み、試行錯誤を繰り返していた受験生だったかもしれません。各々の道程に想いを馳せながら、ご高覧いただければ幸いです。

新美出身であり、この度この企画に参加していただける作家さんを紹介します。(以下50音順)

◆大坂秩加/アーティスト
合格年度2005年
国内外にて作品を発表

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆多田恋一朗/アーティスト
合格年度2012年
多数展示にて作品を発表

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆友沢こたお/アーティスト
合格年度2018年
東京藝術大学在学、4年生、個展、グループ展多数発表

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆福本健一郎/アーティスト
合格年度2007年
国内外にて作品を発表

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆松田修/アーティスト
合格何度2003年
多数展示にて作品を発表

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆宮本瑛未/アニメーション作家
合格年度/2014年
革命アイドル暴走ちゃんにアニメーション作家として参加。多数映像作品発信。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆山口つばさ/漫画家
合格年度/2010年
現在アフタヌーンにて、ブルーピリオド大好評連載中

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆吉田晋之介/アーティスト
合格年度/2005年
多数展示にて作品を発表

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

全ての画像は当日展示される作品の一部なので全貌は会場にて!
会場は撮影禁止なのでここでしか見られない貴重な展覧会です。

自分とは少し遠く感じる歳が離れた人達も、あの時は受験生だったのだ・・・。

 

原爆の図丸木美術館

こんにちは油絵科昼間部です。

一学期も終盤になって夏休みが近づいてきましたね。昼間部では素描から始まりイメージトレーニングや構図のノウハウなど、表現の土台となる課題を行いました。年間を通して新鮮な経験を積み立てていってほしいと思います。

良い作品を作るには、描くことと共に、多くのものに触れることで目を肥やし、判断力を身に着ける必要があると思います。今回のブログでは、見に行ってほしいおすすめの丸木美術館について紹介しようと思います。

https://marukigallery.jp/

丸木美術館は、埼玉県のちょうど中心当たりで、つきのわ駅(新宿からだと1時間半ほど)のさらに徒歩30分先にある美術館です。都内から足を運ぶにはなかなか気合のいる場所にあります。というのも、もともと丸木位里さん丸木俊さんご夫妻のアトリエだった場所を改装して建てた美術館のようで、収蔵されている作品もお二人と母親の丸木スマさんのものがメインとなっております。

美術館の裏手は斜面になっておりその先に川が流れており眺望の良い立地です。またベンチがあるので休憩がてら景色を眺めるのもよいと思います。ちなみにちょっと大変ですが徒歩で向かうことがおすすめです。丸木美術館の作品を見る体験として体を動かしてちょっと疲れているくらい、自身の息遣いを感じながら鑑賞するのがちょうどいいのかなとも思います。

いろいろ面白い美術館ですがびっくりすることに原子力発電所で作られた電気を使わないために東電と契約せず、太陽光発電で施設の照明や空調をつけているそうです。私が見に行った時は扇風機が回っていました。原爆の図がある美術館として一貫した意見で運営されていることが本当にすごいことで応援したい気持ちです。

肝心な展示ですが、「生きる」ということを意識せざるを得ない内容になっており、圧巻なのが巨大な屏風(訳2x7m)が所狭しと並んだご夫妻の共同制作である原爆の図でした。生と死の狭間にあり、肉体から魂がにじみ出て大気へと蒸発するような群像は、焼けただれた醜さや悲惨さを超越した力強い生命のありようを感じました。

墨などと共に木炭を多用して描かれており、見慣れた素材のはずなのですがここまで素材が何か別のものに変貌して昇華されているのは見たことがありません。油絵科の受験では木炭の素描課題が課されていますが、一つの境地としてぜひ受験生の内に見てほしいです。

そして丸木スマさんの水彩を中心とした作品も非常に魅力的で、とても愛らしい動物や生き生きとした植物に彩られた、原爆の図とはうって変わって、和やかな作品で癒されますが、ただかわいらしいだけではなく、無邪気さと無慈悲さが同居したような自然の姿、何か達観した包容力をもって表現されて感じました。息子の俊さんの勧めでご高齢で絵を描き始めたそうですが、絵画は誰でもいつからでも始められ、開花することが出来る分野なんだなと改めてうれしく思いました。絵を描くことは作業的なことだけではなく、人生をとして多くの経験のもとで培われた見方や判断力こそが手を動かし感動を生むのだと思います。

皆さんも受験だからと言って課題を繰り返すだけでなく多くの経験を通して刺激を受け、楽しみながら試行錯誤していきましょう。今回は美術館の紹介でしたが美術に限らず他の分野にも目を向けることもよいかもしれません。

《油絵科》夏期講習会、申込み始まる!!

こんにちは、油絵科です。

ここ数日暑い日が続いていて、梅雨だということを忘れてしまいそうです。
確実に夏の足音が聞こえてきている今日この頃、夏期講習会の申し込みが始まりました。

皆さん、夏の予定は決まってきましたか?
夏期講習会の内容を少し紹介しておきます。
新美の夏期講習は1日8時間講習です。普段より長い制作ができより集中して描くことができます。いつも放課後しか描けない高校生も思う存分絵が描けるチャンスです。

東京芸大 合格者作品

 

コースは大きく分けて2コースです。
芸大などを中心に総合力を身につけたい人のための素描強化コース、総合力強化コース、イメージ力・実践力強化コース。
武蔵野美術大学や多摩美術大学など私立大学を中心に考えている人のための私立美大・強化コースです。私立美大・強化コースでは各大学に合わせた指導を丁寧に行っています。

両方コースともにⅠ、Ⅱ、Ⅲ、Ⅳ期は人物(モデル)課題が入っています。人物表現は各大学ともに何かしら関係した課題が出ることが多い重要なモチーフです。
人物はすぐに描けるようにはならないのでクロッキーなど日頃から取り組んでおくことが大事になると思います。まとめて描く機会も少ないと思うので是非チャレンジしてほしいです。

 

Ⅳ期、Ⅴ期にはイメージドローイングがあります。
イメージドローイングは特に新美で力を入れている課題です。
イメージドローイングとは聞き慣れない人も多いかと思いますが想定課題とか文章だけの課題に必要なイメージ力をつける課題になります。

描写力があってもイメージ力がないとなかなか絵になりません。
モチーフの無い文章だけの課題は苦手な人も多いと思いますが、この課題をやることによって答え方のコツがわかっていきます。

毎年、この課題をやることによって、苦手な人がどんどん枚数をかけるようになっていくのをみています。たくさん枚数を描く楽しい課題です。

 

Ⅵ期はスケッチブックと油彩を付け合わせた課題です。
東京芸大は近年スケッチブックやスケッチ用紙など本人の思考を見るような課題を出しています。スケッチブックの使い方は人それぞれですが使い方によれば絶大な効果が得られます。

どのように使えば効果的なのかを過去の合格者の例などを参照しながら学んでいきます。

 

また、Ⅲ期では、希望者に武蔵野美術大学の説明会と特別講評会を開催します。

日程が合わなくて、ムサビの説明会になかなか行けないとか教授に絵をみてもらいたいと思って絵いる人は是非参加してください。

特別講評会では諏訪教授に講評してもらえるので見てもらいたい作品を1~2点持ってきてください。直接アドバイスをもらえるまたとない機会です。また説明会では作家として活躍されている諏訪先生自身の話も聞けると思います。

ムサビを受験する人、考えている人は必須ですね。ムサビを受験しない人ももちろん参加できます。

 

例年、関東近隣や地方からもたくさんの受験生が来てくれます。昨年も大坂、熊本、京都、長野など地方から来てくれた受験生が東京芸大に合格しています。また私立美大もたくさん地方出身者の人たちが合格しています。

関東の大学受験を考えている人や迷っている人がいたら是非来てください。進路のことなど面接で丁寧に相談します。また経験の少ない人でも安心して受講できるようにアドバイスしていきます。

推薦を考えている人はポートフォリオの指導も行っています。

また、過去の作品の画像などを持ってきてくれると指導の参考にもなります。

 

 

夏期講習は暑いし、一日中制作するので大変だと思いますがものすごく成長する時期です。

いろいろなものを見てたくさん吸収して自分の幅を広げましょう。そしてたくさん制作をして経験値をどんどん上げていきましょう。

新美でお待ちしております!!!

夏期講習会
https://www.art-shinbi.com/season/summer/subject/aburae/index.html

新宿美術学院 油絵科のツイッター
https://twitter.com/shinbiabura

 

 

 

 

 

何故人は絵を描くのか?

みなさん、こんにちは。

新宿校 油絵科 夜間部の山田です。

そろそろ梅雨入りの時期に入り、気温の変化も激しくなり体調を崩しやすい季節です!     体調管理には充分に注意していきましょう!

4月のブログで渋谷校の箱岩先生が「洞窟壁画」について触れられていましたが、僕も全く同じ事をその時期に感動を受けてまして、一方的ににシンクロしている!というプラス感動の元、今回は「洞窟壁画」の中でも特に自分が心を打たれた「ショーべ洞窟」についてお話したいと思います!

そもそも絵を描いている人間であれば、誰もが「何故自分は絵を描くのか?」という問いにぶつかると思います

それは言い換えれば「何故人は絵を描くのか?」という問いと同義になります。

そして、「人はいつから絵を描いているのだろう?」という問いにも広がります。

今回お話する「ショーべ洞窟」の壁画の制作推定年数はなんと!!…32000年前!!
これだけでまずロマンの塊ですよね!
只、これに関してはそれまで有名だった「ラスコー壁画」が15000年前であり、それを遥かに塗り替えてしまったため、宣伝目的の誇張だ!と主張する人もいて、論争になってる様です。

「ショーべ洞窟」は1994年にフランス南部のアルデシュ県で3人の洞穴学者によって発見されました。今では絶滅してしまったホラアナライオン、ケブカサイ、マンモス、ハイエナ、野生のウシやウマ等々わかっているだけで260もの動物画が描かれているそうです。

動物好きとしてはユーラシア大陸にライオンやサイがヨーロッパにいたという事実が絵で表現されているという事自体にテンションが上がってしまいます!

しかもこれ、フラットな面にではなく洞窟の凸凹を利用して反立体で描かれています!更に炭の濃淡の調子もうまく利用して写実的に表現されています!

当時、制作者は深い洞窟の中で作業をしている訳ですから、当然明かりがないと絵は描けません。深い洞窟の中で火を燃やし続ければ当然酸欠状態になるので半分トリップ状態で幻覚を見ながら描いていたと言われています。

大学時代、ある映画監督から面白い事を聞きました。「人間が映画館に行くのは古代の暗い洞窟の中で火を囲み、音楽を鳴らし、幻覚や幻視を見ていたのと同じ事をしている。」

洞窟壁画は絵画でもあり、インスタレーションでもあり、果ては映像作品とも考えられる!
あらゆる芸術表現のルーツと言えるのかもしれません!!

ではまた!

自粛中でもできること!

こんにちは。

せっかくのGWなのに美術館や展覧会は観に行けない状況になってしまいましたね。

そこで今回はお家で出来る
美術史について勉強してみてはいかがでしょうか?
まず、美術史ですが
歴史嫌だなーー。と思う方もいるかもしれません。

しかし、美術史とは、ピラミッドが作られていたような古代から現代までの美術の歴史です。
芸術家が過去から学び新しいことに挑戦して1つ1つの作品が生み出し進歩していく壮大な物語です。
過去から学ぶというのは、過去に作られてきた作品や、師匠から、伝統的な表現方法やテクニックを学ぶこと。

美術史を知ると、歴史は常に先に先に進んでいるのではなく、過去の時代への立ち戻りというのか、流行が戻ってきたというべきか、戻ったり、進んだりして現代まで続いてきていることがわかります。

例えばルネサンスは、中世のキリスト教中心の世界から、関心が人間へ現実世界へと変わっていったので、古代ギリシアやローマの生き生きとした人間表現などの研究が進みます。

そして、新しいことに挑戦というのは、芸術家は自分のオリジナリティーを発揮するために、過去の作品に対し少しでも差を出そうと挑戦し続けてきているということです。

もうちょっと身近なところで
例えばファッションは分かりやすいです。
流行は毎年変わるけど、過去流行ったものがまた舞い戻ってくることよくありますよね?
また、フリースをUNIQLOが販売した。最初は色もデザインもワンパターンだったけど、その後少しづつ改良されていって、他社も差別化を図り商品を作り出しどんどん進化していった。

もう私たちの周りには当たり前のように定着した商品になってますよね。
美術の歴史もこんな感じに進歩してきたのです。
でもそれは過去の作品が劣っているとか、現代の作品が優れているとかいうことではないのです。

美術史の大切さがわかっていただけましたか?

そこで最初から難しい本を読んでも頭にまーったくはいってきません。

なので最初お勧めしたいのはこちらです。

1

巨匠に教わる絵画の見かた (リトルキュレーターシリーズ)
早坂 優子
↑最もオーソドックスな美術史入門だとおもいます。

2
『近代美術史テキスト―印象派からポスト・ヘタうま・イラストレーションまで―』
中ザワヒデキ
↑こちらは全て手書きで書かれていて読みやすいです。

↓また同作者の現代美術 日本編もあります

3


『チャートで読み解く美術史入門』
ナカムラクニオ(著)

↑こちらはイラストも豊富で見ていてもおもしろいです。

このように様々な本が出ているので自分にあった本をさがし以下のようなことを学べるといいと思います。

  • 各時代の美術の特徴
  • なぜこのような作品が生まれたのか?
  • どのように次の時代に移っていったのか?

では残り短いGWを有意義にお過ごし下さい。