カテゴリー別アーカイブ: 彫刻科

新美の「雰囲気」

こんにちは学生課です。
今日は新美を紹介します。

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正面玄関。
エレベーターで各アトリエとつながっています。

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スロープを挟んでもう一つ入り口があります。
こちらは総合受付で、申込みなどの窓口です。

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エレベーターで2階にあがると学生課と基礎科のアトリエがあります。
各美術館のチラシや割引券、招待券もあったりするので気軽に来てください。

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自習室や学科の教室

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5階には画材店のtoolsがあります。
画材だけでなく、お菓子にも力を入れてくれています!

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新美の油絵科には大量の書籍があり
授業後は学生たちが日々研究をしています。

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デザイン、工芸、日本画アトリエ

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彫刻科の道具たち。

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ざっくりですが紹介してみました。
これからも新美の「雰囲気」を紹介していきます!
では。

実在実習 石膏取りグループ。

こんにちは。彫刻科の小川原です。木彫に加えて石膏取り組も雌型、雄型作りを終え、仕上げに入っています。
今回は自刻像の石膏取りを行いました。首像だけで結構大変ですよね。大学に入ったら等身大の人体や、それ以上のサイズのもので型取りをすることもあるかと思います。今のうちに型取りの技法の理屈を知っておくと良いと思います。?IMG_3444

さて、それではこれまでの優秀作品から僕が選んだ作品を紹介します。
昼間部生の作品です。
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カッパーヴィーナスの顔はもう少し美しく描きたかったのと、ミケランジェロの台座の形の狂いが気になるところですが、全体に自然な空間が表現できていてよいです。色幅豊かな印象が魅力的です。

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続いてチャボの塑造です。自然な動きと形の魅力が出せていると思います。動物は動くモチーフなので、ただその場その場で見て直す。ではなくて、チャボそのもののイメージを情報としてしっかり頭に入れて、それを再現するように土に置き換えるのが重要です。

夜間部生の作品。

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非常に立体的に描けていてよいです。モチーフの隅々までしっかり観察し、粘り強く画面に表現していこうという意識の高さに好感が持てます。クロッキー力を磨いて上達の速度を加速させていきましょう。

現役生も浪人生に引けをとらない作品を打ち出してきていますね。まだ制作時間が長いとはいえ、着実に実力をつけてきています。夜間部生にはどんどん昼間部生を脅かす作品を出していってもらいたいです。逆に昼間部生には流石うまいなぁと目標とされるような作品や、制作に対する姿勢を見せてもらえたらうれしいです。

話は変わって基礎のデッサンの参考ということで生徒に混じってデッサンのデモンストレーションを行う機会がありました。今回はメディチを描きました。基礎のデッサンなので彫刻っぽい(笑)デッサンにならないようあくまでベーシックな進め方になるよう心掛けました。とにかく印象と調子をしっかりと追っていく。これに徹しています。

アタリからしっかり印象を拾っていくことが大切です。構図、比率、動き、構造、これらも同時に確認しながら進めます。
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光源を設定し、調子を乗せていきます。とにかく調子の流れが外れてしまわないように隣同士で、もちろん全体でも自然に色の変化をつなげていきます。この段階で顔がしっかり似せられると良いです。
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ガーゼを使って空間や質感に変化を作っていきます。基本的に奥行き面や下面はおさえて鈍い色にしています。ただ全体では完成のイメージを見越して感覚的にもう少し複雑な捉え方をしています。
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ここまでで作り上げてきたベースを活かして更に具体的に形を引き出していきます。最終段階で少し炭をおさえながら(落としながら)進めていくことを見越して、日なたの部分以外はやや濃い目の炭をのせています。但しそれでも調子の流れは自然でないといけません。
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最終段階でも常に全体の調子の自然さと、形の変化(フォルム感)に気をつけながらギリギリまで色幅を増やしながら探っていきます。キワや回り込みは擦筆でしっかり決めて行ってぼんやりした感じにならないように気をつけます。
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今回も指導しながらだったので3時間も描いてないくらいですが、この描き方だと進める流れさえ外さなければどんどん決まって行くため、3時間が6時間になってもそんなに印象は変わらないかもしれません(やることがなくなってしまう)。とにかく出だしから慎重に「外さないこと」「画面全体をコントロールすること」「常に一手前の作業を活かすこと」を考えて行うので、クロッキー力さえ身につければ失敗は限りなく少ない進め方と言えるのかもしれません。逆に勢いや感情、(情熱的な作業)に任せて進める部分がないので面白いデッサンにはなりにくいですね。
みなさんも自分でデッサンの進め方を振り返ってみて、どこに問題点があるのか客観的に見直して見ると良いです。弱点を補強すると上達も早いですよ。
さて、次回は氷室先生のアップです。お楽しみに!

彫刻科 実材実習!!

こんにちは!彫刻科の新任講師の稲田です。よろしくお願いします!!
4月からの緊張感も少し緩んで来た頃ではないでしょうか。彫刻科はこの時期、実材実習に突入しています!木彫や石膏取りなど普段はなかなか縁のない素材に触れる事で新鮮な経験となると思います。
ということで、今回は生徒の作品&実材実習のレポートです。おまけで新任講師の自己紹介がてら制作している作品の紹介もしていきます。
では!さっそくデッサン&塑造の作品から紹介して行きましょう!!

円盤投げ(木炭デッサン)
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円盤の動きに反応して実直な観察が好感が持てるデッサンです。構造的にもう一歩踏み込んで行けるとさらによくなるでしょう。

ミロのヴィーナス頭部(模刻)
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良い観察から生まれた模刻です。像の持っている張りやたるみにまで神経が行き届くようになるとヴィーナスらしさにもっと迫れるでしょう。

 

 

ここからは、実材実習の様子を紹介します!!今回紹介するのは、木彫です。各自「手」をテーマに取り組んでいます。

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まずは、木に作りたい形をデッサンしていきます。

 

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次に、大きくのこぎりや鑿で形を彫り出していきます。

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鑿とハンマーで彫り進めます。

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鑿の扱いにも慣れてきました。

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みんな、だいぶ手の形が出てきましたね!あと1週間完成に向けてファイト!!
実在実習は木彫組と首像の石膏取り組と分かれて行いました。石膏取りは次回紹介します。

 

 

最後になりましたが、簡単に僕の自己紹介がてら、過去の作品を紹介して締めくくります。
僕は大学に学部、大学院の修士過程、博士過程と9年間いたのですが、その間何をしていたかというと、、、ただひたすら制作していました。大学の思い出は、夏に蒸し風呂みたいな木彫室で木を彫っていた記憶と冬の極寒の中、外で石を彫っていたことです。それでも、その経験があるからこそ自分を信じて制作を続ける道を選んだと思います。
生徒のみんなも大学生として生活する日が来ますが、今日やっておけばよかったとか明日やればいいやという気持ちでは自分が納得出来る作品は絶対に作れません!!今日することは今日のうちに!!新美での1年を実りあるものに一緒にしていきましょう。言いたいことは言いましたので過去の作品を紹介して終わりにします(笑)

修士過程で制作した作品「かわきの肖像」

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修士過程で制作した作品「きえさるひと」

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博士過程で制作した作品「ある日の肖像」

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博士過程で制作した作品「静かな立像」部分

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博士過程で制作した作品「ひとりとふたり」

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こんな感じで僕は人の形をテーマに作品を作ってきました。話し出すと切りがないので作品を紹介するだけにしましょう。ちょうど実材実習で木彫を彫っているところです気になることがあったらどんな質問でもどんどんしてください!!

次回は一巡して小川原先生です。よろしくお願いします!!

彫刻科 GWまでの近況

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こんにちは彫刻科の氷室です。

次の試験こそは!と新しいスタートを切った気持ちも、やや1年が長く感じられはじめられる頃ではないでしょうか。
実技は丸々自分自身なので、事あるごとに、まだまだ!と言われる部分と、いやここは認めて欲しい!と言う所と様々ぶつかる点もあるかと思いますが、お互い目指すべき最終地点は一緒なので、目標へ向かってたくさん葛藤していきたいですね。まずは目の前の出来ることに取り組んで行くことからでしょうか。

1学期では山場が6月に有る様に思います。気持ちが揺らいだらどの様に気分転換していけるのかが鍵になりますね。
デッサンの悩みはデッサンでしか解決できませんが、気持ちの問題は何かしら気分転換が必要な時も有りますよね。本を読んだり、音楽を聴いたり、散歩をしたり、体を動かしたり、バイトへ行ったり。
まずは6月へ向け!GW、エネルギーチャージをして下さい!

今回、おっと気になった作品を上げてみたいと思います。

自刻像2点です。
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もう一歩骨格の強さが欲しい所ですが、水粘土を活かした表現を楽しいんでいる魅力がある作品です!
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首の表現やまだ力不足な点もありますが、表情は特に自然な表現が出来ており、思わずホォーと見入ってしまう作品です。髪の毛の表現も上手いですね!

F君のデッサン
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ラオコーンの動きに良く反応で出来ています。伸び側の肋骨の奥行きと深さがもっと欲しいですが、表情にもしっかり手が入っていて勢いのある1枚です!

S君のデッサン
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大きな形態感をしっかり保ったまま細やかに描写が乗っており、かつ繊細な炭幅が奴隷の像の魅力を際立たせています。とても良い感度で描かれた1枚です!

こちらは、夜間部Mさんの模刻
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頬骨やおでこの形の表現にもう一歩踏み込んでいけると良いですが、とても素直に観察してある作品です。その観察こそが模刻の命です!

手の塑造Y君
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腕から手のひらにかけての軸や指先の表現はもう一歩欲しい所ですが、力強く言い切りのある作品で良いです!

S君の塑造
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大きく内在している張りと表情ひとつひとつの影の深さがもう一歩マッチしてくると最高ですが、ポーズや表現にしっかりこだわりが感じられます!

この上記2点はGW明けから始まる、木彫実習へ向けてのマケットも兼ねての制作でした!

F君の塑造
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上にそっともう片方の手が繋がっていたのですが、思い切ってなくしてみました。この1本の手でも、十分に彫刻として成立すると思います。腕の筋肉や指先に描けての流れ、素描センスを感じます!

Iさんの塑造
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素直に観察し制作されているとても良い作品です!両手の動きから作られる流れや溜まってくる空間が織りなす魅力は観ていて引き込まれます!

夜間部O君のミロビの模刻
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髪の毛もしっかりと追って行くこの集中力は、果たしてどこからやってくるのでしょうか!?目や唇に落ちる影の部分の表現がとても効いています!首の作りはもう一歩ですが、とても良い作品です!

最後に私個人の話になってしましますが、4月に色々な縁あって2種類のグループ展に参加させてもらいました。
私の出身高校が美術科がある高校だったのですが、その同じ高校出身で年齢はまちまちですが、今も様々な場所で制作・活躍をされている方々が集まった珍しいグループ展でした。
exhibitionA
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『流灯』

もうひとつは、2013年、2014年と栃木県茂木町での野外展に参加したのですが、同じ展示に参加している作家さんから声をかけて頂いてのグループ展でした。東京工科大学に在籍されている方の鑑賞のサイクルと言うテーマの研究とコラボレーションさせてもらい、かつて経験した事がない展示内容になりました。
セカンド オピニオン
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『余白と輪郭と #5.6』

次回の彫刻科ブログ更新日は16日です!担当は、新しく講師としてお迎えした稲田先生です!!
ぜひ自己紹介も兼ねて、宜しくお願い致します。

2015彫刻科!

こんにちは!彫刻科の小川原です。2015年度がスタートしました!今年はこれまで以上に個々の実力を引き上げていけるように課題も厳選し、的を絞った指導をしていきます。頑張りましょう!

さて、これまでの昼間部の課題は特訓課題ばかりだったので夜間部の学生の優秀作品を紹介します。
夜間部Mさんの作品。
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自然な調子の流れが魅力的です。スケール感もあり、特に体の仕上がりは抜群です。頭部の形がややぼやけているので、もう少し大まかな角を捉えてまとめられるとさらに良いです。

夜間部E君の作品。
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明解な調子の扱いがすっきりとした画面をつくっています。特に体は完成度が高く、見応えがあります。もう少し頭部に描写が入れられると尚良いです。

夜間部Kさんの作品
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マルスのこの位置は動きを出すのも立体感を出すのも一番難しいですが、とても良く印象が引き出せています。構図はやや大きいので画面が窮屈になっています。次回から気をつけましょう。

夜間部O君の作品。
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直前で全消ししてやり直しましたが、短い時間でよくここまで持ってきました。調子のコントロールが美しいです。もう少し構造のぶつかるところ(特に腕と胸、肩と首)に具体的な形が感じられるよう描き込めると良いです。

夜間部Mさんの作品。
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クロッキーがとてもうまかったのでのせました。印象が良い以上に色の置き方や線の運び方が素晴らしく、またそれらを短時間でこなしている事に驚かされます。
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こちらはMさんの本番の作品です。やはり印象を掴むのが上手いと思います。見た物を見たまま描ける力が彼女の武器でもあります。今回は質の悪い木炭で後半まで進めてしまい、木炭を買い直してから時間的にギリギリでしたが、内容は良いです。道具にもこだわり、自分の実力を最大限出せる状況を自分でつくっていく事は大事な事ですね。

さて、今年は新たな社会人の講師の先生に指導に入ってもらう事になりました!指導も熱心だし、作家としても意識の高い方なので、よく話を聞いてみるとおもしろいと思います。盛り上がっていきましょう!

さて、今回ちょっと遊びでヘルメスを描いてみました。
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出だしでは構図やバランス、動き、構造に気をつけます。
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調子は構造に乗せていくように。印象も徐々に引き出していきます。
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これで完成!と思った段階からさらに20%くらいレベルを上げる事を考えると隙のない作品になります。
何が遊びかと言うと、今回は何も見ずにヘルメスを描きました。思い出のヘルメスです。実際のヘルメスはこれとは違う形をしているはずですが、ちゃんとヘルメスに見えると思います。全ての作業を「ヘルメスらしさ」という事に向かって進めていく事で、結果「ヘルメスらしいもの」が残る訳です。実際はもちろん見て描くのですが、本当に全てに渡ってそのモチーフらしさに反応できているのか?そこを考えてみて下さい。輪郭が違うのも、顔が似てないのも、色が汚いのも、ヘルメスらしい印象ではないはずです。

去年僕の作品紹介をしていましたが、途中で切れていました。すみません。すでに完成しています。木彫一木彫りの大きな作品です。腕とか一部寄せ木していますが、木彫の世界では約70%以上が元の木だったら一木彫りと言うとか言わないとか。
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最後に、最近片手間で始めた作品を紹介します。
動物の頭骨にエポキシパテを盛ったり削ったりして形にします。これは猫の頭骨。
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一部元の形を残して自然につながるように加工します。
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彩色して完成。今回は壁にかけられるようになっています。頭骨は元の形がカッコいいので、元以上に魅力的にしていくのが難しいところですね!
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彫刻科の更新は隔週土曜日です。次回は氷室先生です!