カテゴリー別アーカイブ: 留学生

振り返りと今後について

 

こんにちは、留学生コースです。
一学期終了まであと一週間となりました。

今週は、デザイン科では模擬試験、映像科では期末コンコールが開催され、留学生も日本の生徒と同じ課題、同じ制作条件で参加しています。
この成績は直接受験結果につながるものではありませんが、今現時点での自分の実力を確かめる大事な機会ですので、ぜひ積極的に取り組み、今後の課題につなげていってもらえたらと思います。

 

今年度は1月(スタートアップコース)から新美の授業に参加している留学生が多く、今在籍しているほとんどの生徒が半年間をともに過ごしてきました。
この半年間を振り返ってみると、みんなが大きく成長してきていることを実感します。
最初は日本のデッサンや美術用語に慣れず、講評についていくのが精一杯だったのが、今では自分から先生に質問することも増え、コミュニケーションがスムーズにできるようになりました。
作品が上位に選ばれることも増えましたね。

 

しかし、受験まであと半年……
夏期講習からは更に緊張感を持ってたくさんのことを吸収し学んでいくことになるでしょう!
夏期講習の留学生コースでは、

 

○ 専門課題を短時間で制作する
○ 日本語でプレゼンや面接の練習をする
○ 志望理由書の準備

 

こういった内容が加わります!

母国語に頼る時代とは完全におさらばですね……

 

さらに、夏の間にぜひ取り組んでいただきたいことを挙げておきましょう。

 

○ 絵画、デザイン、映像など、関心分野の展示・公開を見に行く
○ 本や資料、インターネット等を利用して専門分野の研究をする
○ ポートフォリオ提出が必要な生徒は作品制作や準備を進める

 

研究する、というのは、ただ見る・知るだけではなく、自分が何を求めどんなことに反応するのか、なぜその作家や作品が魅力的だと感じるのか、自分の関心分野が日本でどのように発展してきたかなどについて追究することです。
こういった積み重ねは、いずれ面接で生かされます。
視野を広げ、表現を豊かにするために、楽しみながら勉強していけるといいですね。

 

★ ポートフォリオの指導に関しては、こちらのイベントもぜひチェックしてみて下さい!

https://www.art-shinbi.com/event/2021/21event-s_s_s/index.html

留学生の夏

こんにちは、留学生コースです。

 

蒸し暑い日が続きますね。
EJUやJLPTの試験日が近づいてきているので、必死に勉強している留学生もいるのではないでしょうか。
日本語学校に予備校に勉強……この夏も忙しくなりそうですが、元気に戦っていきましょう!

さて、夏といえば夏期講習です。
留学生にとってはライバルと差をつけられる大きなチャンスでもあります。
夏が明けるとあっという間に受験シーズンに突入していくので、そうのんびりはしていられませんね。
今年の夏期講習は7/14(水)〜8/21(土)夜間留学生コース(デザイン系)は全6週、以下の日程で行われます。

 

Ⅰ   期   7/14(水)〜7/17(土)  
Ⅱ   期   7/19(月)〜7/24(土)     
Ⅲ   期   7/26(月)〜7/31(土) 
Ⅳ   期   8/2(月)〜8/7(土)   
Ⅴ   期   8/9(月)〜8/14(土)    
Ⅵ   期   8/16(月)〜8/21(土)  

 

※ 授業時間は全期17:30〜20:30、課題は志望校別となります。

※ デザイン系以外は日本人と同じコースを申し込んで下さい。授業内容は応相談。

※ スケジュールの都合上夜間しか参加できない日本人生徒も上記留学生コースを申し込むことができます。志望校別の課題となります。

 

 

去年の夜間留学生コース(デザイン系)はこんな様子でした。
難しいモチーフもあり、3時間で描く課題もあり、みんなひーひー言っていたのですが、
がんばってついてきてくれました。
今年も先輩たちに負けず、しっかりここで力をつけましょう!

 

 

また夏は夏期講習以外のイベントも盛り沢山です。
特にポートフォリオが必要な留学生は、こちらのイベントも要チェックです!

https://www.art-shinbi.com/event/2021/21event-s_s_s/index.html

 

 

ニホンゴ、ムズカシイ②

こんにちは、留学生コースです。

 

現在留学生コースでは、第2回目小論文課題の添削を始めているところです。
添削していると気になるのがやはり漢字の使い方です。
日本は漢字を使う国ですが、同じく漢字を使用する中国語圏の留学生にとって、日本語で文章を書く時に意外にもミスしやすいのがこの「漢字」です。

 

その原因の一つが簡体字と繁体字です。
簡体字を使用する中国人留学生にとって繁体字は「書き慣れていないが読める」もの。
しかし繁体字を使用する日本人にとって簡体字は「読めないものがほとんど」になってしまうのです。
もちろん「人」や「日」や「手」や漢数字などといった画数の少ない文字は日中ともに同じ漢字を使用しているものも数多くありますが、そうでないものもたくさんあります。
まずそのことを理解しておくことが必要ですね。

また、同じ字でも意味が全く異なる言葉もあります。
例えば中国語にも「手紙」という言葉はありますが、トイレットペーパーという意味です。
これは有名(?)ですね。
漢字だからなんとなく伝わるだろうと思い込んでしまうと大変なことになります…

 

 

美術予備校でよく使う言葉の中にも、間違いやすいものはあります。
似てるようで違う言葉にも注意しなければなりませんね。

稜線   ーーー  明暗交界线
反射光  ーーー  反光
定規   ーーー  尺子
絵具   ーーー  颜料
面接   ーーー  面试

 

映像科の生徒は、映画のタイトルに注意しましょう。
直訳してしまうと全く伝わらないものもあります。

『サイコ』      ーーー  『精神病患者』
『レオン』      ーーー  『这个杀手不太冷』
『勝手にしやがれ』  ーーー  『筋疲力尽』
『風と共に去りぬ』  ーーー  『乱世佳人』
『暗殺の森』     ーーー  『随波逐流的人』
『欲望』       ーーー  『放大』
『初恋のきた道』   ーーー  『我的父亲母亲』
『あの子を探して』  ーーー  『一个都不能少』
『恋する惑星』    ーーー  『重庆森林』
『ブエノスアイレス』 ーーー  『春光乍泄』
『楽園の瑕』     ーーー  『东邪西毒』

 

 

こういった思い込みやミスを減らすには、まずは日本語の文章を読む・調べるところから始めましょう。
美術関連の書籍を日本語版で読んだり、日本語のウェブサイトやアプリを利用したり、
【違いに気づく】ことから始めましょう。

日本の美大を受験するにあたり、日本語を丁寧に扱うということはとても大切なことです。
ぜひ自分に合った勉強法を見つけ、表現の幅を広げられるよう日々積み重ねていって下さい。

 

ちなみに……
新美にはこんなのも置いてます。
気になる方は留学生担当講師に声をかけてみて下さい。

ニホンゴ、ムズカシイ①

 

こんにちは、留学生コースです。

ジメジメした季節がやってきましたね。
もうすぐ梅雨入りしそうな予感です。
留学生の中には日本の梅雨を初めて体験する人もいるのではないでしょうか。
体調を崩さないよう、気をつけて過ごしましょう。

 

 

 

 

 

 

 

↑ 雨のお知らせ

 

ということで(?)、雨とはあまり関係ありませんが、美術用語について少しお話します。
留学生のみなさんは、画材名や用語をどれくらい日本語で言えるようになりましたか。
ものの名称がわからないと、先生とのやりとりや講評などで「???」となりやすいですよね。
実際、留学生からの質問でかなり多いのがものの名称です。
特に外来語は難しいですね。
日本語には外来語が多く含まれているのですが、美術用語も例外ではありません。
いくつか例を挙げてみます。

 

デッサン フランス語
カルトン フランス語
バルール フランス語
イーゼル 英語
パース(パースペクティブ) 英語
ガーゼ ドイツ語
ポートフォリオ 英語(イタリア語Portafoglioが語源)
デスケル(デッサンスケール) 和製仏英語

 

いかがでしょう。
来日したばかりの英語圏の留学生に「デッサン」と言っても通じなかったのは、フランス語だからですね。(思い込みからの失敗、反省)
中国語でもあまりこういった外来語の使い方をしないので、中国語圏の留学生も少し戸惑うと思います。
聞き慣れない言葉ばかりですが、くり返し使っていくことで少しずつ身につけることができます。自分から声に出してその言葉を使う機会を増やしましょう。
なんとなく聞き取れるからと安心していると、いざ話そうとするとき出てこなかったりします。
面接で「あれです、あれ」とならないよう、今のうちに覚えておきましょう。

 

以前、「ポートフォリオ」がどうしても言えなくて「フォトポリオ」と言い続けてしまった留学生がいました。
それはそれでかわいくていい……のか……?

 

 

 

小論文のコツ

こんにちは、留学生コースです。
皆さん、GWはいかがお過ごしだったでしょうか。
連休というのはいつもあっという間に過ぎていってしまいますね。

今回は、留学生の小論文課題について。

新美では4月から小論文課題がスタートし、
段階を踏んで徐々に日本語作文に慣れてもらうのですが、
毎年この時期に「何を書けばいいかわからない」という相談をよく受けます。
「論文」と聞いて、難しく考えすぎてしまっているからですね。
学術的な論文を書かなきゃ…とプレッシャーを感じる生徒もいます。

こういった悩みは早めに解決し、どんどん手を動かせるようにした方がいいですね。

そこでまず大切なのは、すごいことを書いてやるぞ!という気持ちから解放されることです。
日本語で文章を書くということを特別視しすぎず、
観察したこと、感じたこと、考えたことなどを簡単な言葉で正確に伝えるようにしましょう。
背伸びしなくて大丈夫、ということですね。
ささやかな発見でもいいので、自分の視点を育てるところから始めていきましょう。


わかっているけどペンが進まない…という人は、日本語の小説やエッセイを読んでみるのも一つの手です。
村上春樹、向田邦子、さくらももこなど、書店で入手しやすいエッセイ集から始めてみるのがいいかもしれません。

↓こちらもおすすめ「窓ぎわのトットちゃん」


「文体練習」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

また新美では卒業生の優秀作文を読むこともできるので、
そちらもぜひ参考にしてもらえればと思います。
人の書いた文章を読んでいると、その人のことを知れたような気がしてきますね。
その感覚を身につけるといいです。

試験科目といえど、美大受験はおもしろく学んだ方が総合的に伸びることが多いので、ぜひいろいろ試してみてください。
そして志望理由書や面接にもぜひ生かしていってください。