カテゴリー別アーカイブ: 油絵科

進学説明会と告知

こんにちは、油絵科松田です。

 

7月31日、今年も広島で行われた進学相談会へ今年も参加してきました。

暑い日にもかかわらず遠方から多くの学生さんにお越し頂き、ありがとうございました。

 

中国地方の大学や専門学校が中心の説明会でしたが、関東からは武蔵野美術大学、多摩美術大学、東京造形大学さんが参加されていました。

 

新美としては今年で二回目の参加なのですが、開場と同時に作品を持ち込まれて来る学生さんが多く、事前に承知されている方が多いのだと驚きました。

昨年も感じましたが、広島は美術に関心がある高校生が多いのですね、また縁があれば新美でお会いしたいものです。

 

私は山口県出身なのですが、地元で高校生の時に通っていた研究所の先生も来られていて、久しぶりにお会いできました。 今年もお会いできるかもと、期待していたので嬉しかったですね。

 

余談ですが、会場で忙しかったせいもあり今年は写真を撮り忘れてしまいました。前日の夜に市内を散歩した時の写真しかありません、、、お見せできればよかったのですがごめんなさい。
ブログ用2014広島1 ブログ用2014広島2

  • ここからは告知になります。

◎二学期生のための特待生試験が 8月26日(火) に行われます。
申し込み締め切り日は 8月24日(日)PM16:00までとなっておりますのでお間違えのないようご参加ください。

 

◎9月15日(月・祝)には高校1、2年生のためのデッサンコンクールが開催されます。
こちらは参加費 無料となっていますので、これから芸大、美大受験をお考えの方は気兼ねなく参加してみて下さい。
応募締め切り日は 9月12日(金)PM16:00までとなっております。

 

◎? 全国公開実力コンクールが9月から各課順次開催されます。
こちらは高校3年生と浪人生が対象となります。
油絵科は11月に開催予定ですので少し先ですが参加お待ちしております。

 

講習会に参加中の皆さん、地元で頑張っている皆さん、まだまだ暑い日が続きそうですが体に気を付けて制作、楽しんで下さいね。

夏期講習も後半戦!

こんにちは!油絵科昼間部の箱岩です。

台風11号の影響で各地に豪雨が降る週末でした。都心部も局地的な暴風雨で交通の乱れが少々あったようですが、無事に夏期講習中期が終わりました。私の担当するクラスでは、毎年この時期に芸大合格者の再現資料20~18年分程を見せつつ受験傾向の大きな流れを理解してもらうべく海老澤先生の解説付き面接が行われています。海老澤先生の情熱には本当に頭が上がりません。なんと1組2名づつ平均3時間半の面接なんですよー(笑

これは、外部講習生(現役生)も内部生も区別無く、平等に資料をみせています。表現の自由度や方向性の幅を理解したうえで自由に研究していってもらうための戦略なんです。他の予備校には真似しようが無い、圧倒的な合格者数を有効活用した新美ならではの指導といえるでしょう。クラスの皆さんは是非、この講習会中に沢山の実験をして自分らしい表現を模索してみてください。

さて、中期講習期間中に、「裏美術」の定義づけのための作品や資料の募集をしました。ありがたいことに、少しづつですが関心を持つ生徒が現れ、裏美認定を受けて掲示される作品が増えてきました。

現在審議中のエントリー作品

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上段が審判団の承認を得たもの。下段が審議中の作品。却下となったものは返却されます。

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まだ、オリジナルの作品は少数ですね、、、

さて、審議中の審判団の話しの中で、裏美術の判断材料が少しずつですが、まとまりを見せてきています。「裏であることと、下衆である事は少し違うよね」とか「ハードコアな性表現はB級なだけで時代が変わっても表にならなそうだし、今も熱烈なファンはいるから、ある意味で表かな?」とか「表現した内容が読み取れないのは裏なの?」とか「今は理解されないかもしれないけれど、心意気はアートだね」とか・・・

たとえば、こちらの作品。

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表面は少しありがちなイラストの延長といった感じで、正直、この手の試みは自分たちより以前からあると思うんです、けれどキャンバスを裏返したときの印象が裏だと判断されました。本人の意図とは違うでしょうが、これも定義の線引きの為、ご容赦ください。

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芸大を出られた新美の先輩、K山君の作品とテキストが担当の先生からエントリーされていました。彼のアートにかける情熱、天然の感覚には裏美を考える上で手本となる姿勢が見えてきます。最後にそのテキストの一部をご紹介します。

 

アートゾンビに至るご説明

残念なことにわたくしの展示内容を大学側にご理解頂けず、発表の機会を失ってしまいました。

(*彼は、お酒のラベルをモチーフにした作品の展示を予定していたみたいですが、市民向けの展示としては相応しくないと判断されたということです。)

美術表現に対してある一つの価値観だけで統制してしまうことは、独裁者のなせる業だとしか考えられません。

・・・中略

わたくしの気持ちは捨てられた女性のようになったようなもので「勝手に子供を孕まされて、子供ができたら堕ろせ」と言われたのと同じだと考えます(作品は自分の子供のようなものです。)

わたくしの表現は殺されましたので〝ゾンビ″として這回し表現することしか出来ません。表現意欲は殺せないということを提言したいのです。

K山〝ゾンビ″真徳

 

彼は、展示に来る子供たちに配慮して?ピカチュウのゾンビに扮装し会場を徘徊するパフォーマンスをしたそうです。

彼の態度にこそアートの心意気を感じずにはいられません。

時代の無理解と戦う心意気こそ「裏美術」においても大切なファクターなのではないかと思います。ですから、たとえ審議の結果却下されたとしても、あきらめずに挑戦してみてください。第3回の募集は8月20日までの予定です。次回の応募もお待ちしています。

裏技! 早い、簡単、綺麗、キャンバスの張り方

こんにちは。油絵科の関口です。

油絵科の学生の中には「まだキャンバスを自分で張った事が無い」という人もいるかもしれませんね。あるいは「キャンバスは張った事はあるけど、いつもシワがよってしまう」「キャンバスを張るのにいつも時間がかかる」という人も多いのでは? そんな人達の為に、今日は簡単で早く綺麗に張れる、関口式キャンバスの張り方を公開致します。

※ オーソドックスな張り方は、本やネットを捜せばいくらでも出てくると思いますので、ここでは割愛します。

 

用意するものは木枠、キャンバス張り器、ガンタッカ(巨大なホチキスみたいなもの)木枠、キャンバス布、必要に応じてペンチ。(ガンタッカの針を抜く時に使いますが、張り器でも代用可能です)
タックス(キャンバス用の釘)と木槌でも良いのですが、ガンタッカの方が早く打てて、失敗した時にも抜きやすいので、皆さんにはガンタッカをお勧めします。張り器とガンタッカ
ガンタッカ(左)とキャンバス張り器(右)

木枠を用意したら組み立てましょう。角に隙間があると平行四辺形になってしまいますので、隙間が出来ないように気を付けて下さい。張った後に気付いても修正出来ません。角の隙間

木枠を組み立てたら、布を裏にして床に置き、張りしろが同じ長さになる(布が同じ長さにはみ出す)ように木枠を乗せます。

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床が汚れていたり、寝かせるスペースが無い場合は、木枠を立てた状態でこの作業を行います。側面は汚れても問題が無いので、床面に少しだけ布を接地させ、そこに木枠の縁を噛ませるようにして固定すると、悪条件でも張る事が可能になります。立てたまま木枠を置く

この時に木枠の裏面(大きさの焼き印が押してある)が自分の方を向くように気を付けて下さい。木枠は斜めに削られているので、通常は布との間に隙間ができますが、表裏を間違うと、描いている時に木枠の跡が出てしまいます。?L?????o?X?Ì???

 

では布を張って行きましょう。 この張り方は、まず最初に角から張って行きます。1番、2番はキャンバス張り器を使う必要はありませんが、2番にガンタッカを打つ時に3番の方に手で引っ張って1番と2番の間の布が弛まないように注意します。キャンバス張り器を使うのは3番からです。?v?????g
この後は全てキャンバス張り器を使います。3番と4番を留める時、はみ出た部分を織り込みながら上の布だけ張り器で引っ張ってガンタッカで打ちます。?p?Ì?¯?ß?û

キャンバス張り器は挟む所のすぐ後ろに突起がありますが、これを木枠の裏に押し当て、テコの原理で引っ張りますので、女性の力でもちゃんと張れると思います。 その後は木枠を上下にひっくり返して、5番を張り器で引っ張りながらガンタッカで打ちます。6番を打つ時も張り器を使って引っ張りますが、2番の時と同じように7番方向に手で引っ張り、弛まないように気を付けて下さい。 7番、8番も3番、4番同様に端を織り込みながら引っ張ります。
四隅を留めたところこれで四隅が留まりましたね。 この時、もしも上の写真よりも強いシワが角に出ていたら、シワの近くの針を抜き、もう一度引っ張って留め直して下さい。この時点で殆んどシワが無いので、後は安心ですね。

さて、ここから先も通常とは少し変わっています。普通は対角線上にひっくり返して張って行きますが、この張り方は1番の隣から順番に9番、10番、11番と横にスライドしながらバンバン張って行きます。?L?????o?X?Ì???è?Ì???Ô?Q

15号のキャンバスだと、ガンタッカの間隔は4?5cm位で大丈夫だと思います。 コツとしてはAの辺とBの辺の間は、あまり極端に力を入れ過ぎないようにして張って行きます。 Cの辺とDの辺は、力を入れて張って行きます。パンパンに張りたい人は、この時にかなり力を入れてみて下さい。勿論、木枠が折れないように加減は必要ですが…。
通常の張り方と比べて、引っくり返す手間が少ない上、途中からは隣に移動して行くだけなので、かなり早く張れると思います。 それに殆どシワが入らないのが特徴です。
もしシワが入ってしまった時には、最初に留めた所の針を抜いてもう一度引っ張り直せばシワは無くなります。

如何でしたか? 実はこの張り方、プロの額縁屋さんから教わったものを自分なりに改良したものです。皆さんも一度お試しあれ。

新宿御苑でディスカッション

こんにちは、油絵科 松田です。

 

夏期講習、いよいよ始まりました。
今年も暑い夏になるみたいです。
講習会生の皆さん、体調に気を付けて夏期講習を楽しんでくださいね。

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さて今回は一学期後半に行った課外授業(新宿御苑でドローイング)の報告。普段私は油絵③というクラスを担当していますが、このクラスでは毎年恒例になっています。

今年は少し長い3日間という時間を使い、のんびりと自分の制作テーマを探してもらいました。

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最終日にはこれまた毎年恒例のディスカッション、、、お昼に皆で昼食をとり、テーマを決めてのお喋りですが、閉園時間まで話が途切れませんでしたね。

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皆の普段考えている問題や、絵に対しての情熱などの話を通して、制作する動機や性質の一端を知れたように思います。

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後日、一応作品の講評はしましたが、実を言うとこの授業の作品の出来、不出来はほとんど見ていません。

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個々には様々な価値観や多様性、経験があり、それらを認め合える関係性を見つけ出してくれればと願った授業です。

実際にディープな内容の話や、意見のぶつかり合いといったこともありましたが、お互いを少し深く知れる機会になったような気がします。

絵具の講習会

こんにちは。油絵科の関口です。一学期の最終日に、株式会社クサカベさんによる絵具作りの講義、及び実習が行われました。術開発部課長の小川さんが丁寧に分かりやすく、絵具の事、オイルの事などを説明して下さいました。

今回は昼間部の希望者と、期末テストと重なっていない夜間部生が参加し、一緒に勉強しました。

クサカベ説明会1

 

これは二つの液体を混ぜて、化学反応で顔料が作られる事を説明してくれているシーンです。ちなみに液体を混ぜて作られるこの色は、プルシャンブルーだそうです。クサカベ説明会2

クサカベ説明会3
あらあら。真剣に説明を聞く学生に混じってトゥールズの池田さんまで(笑)。

 

クサカベ説明会4
初めて見る絵具の原料に興味津々の学生たち。

 

クサカベ説明会5
今回の実習ではウルトラマリンブルーの顔料を使って、透明水彩絵具、ガッシュ(不透明水彩)、アクリル絵具、日本画の絵具、油絵具の5種類を作りました。バインダー(接着剤)の違いで、絵具の名称や特徴(色、艶、乾燥時間など)が異なるのがよく分かったと思います。

 

クサカベ説明会6
5人一組のチームになって、お互いに協力しながら絵具を作っています。

皆でワイワイ、キャーキャー言いながら、まるで小中学生のように大騒ぎしていました。教える立場の小川さんはかなり大変だったと思いますが、少しでも材料や絵具について興味を持ってもらえたなら、今回のイベントは大成功だと思います。

 

油絵科のブログでは、材料についても時々取り上げていますので、興味のある人は読んでみて下さい。かなりマニアックですが、将来絵を描く上で役に立つ情報もあると思いますよ。

 

「ホワイトについて①」

http://www.art-shinbi.com/blog/20140127/

「ホワイトについて② シルバーホワイト編」

http://www.art-shinbi.com/blog/20140203/

「ホワイトについて③ ジンクホワイト編」

http://www.art-shinbi.com/blog/20140217/

「ホワイトについて④ チタニウムホワイト編」

http://www.art-shinbi.com/blog/20140303/