カテゴリー別アーカイブ: 油絵科

国立校の5月後半です。

過ごしやすい季節です、そろそろ梅雨が近づいてきた気配がしますね。国立校です。

授業あたって、色々な資料を見せたり実演したりしています。今回は、実演したり、解説に使った参考資料を少し見せていきます。

鉛筆の乗せ方や、鉛筆の色の作り方、形の捉え方、進め方の手順などなど、分かりやすく解説しながら実演しています。

黒板を使って講評でも解説します。

進め方が理解することが、上達の第一歩になります。

綺麗な色の組み合わせや、構成なども見せることで理解が早くなります。もちろん、自身で調べていくことも大事です。日頃から資料になりそうなモノを積極的に集めていきましょう。

油科は、ちょっと面白いモチーフを描いています。観察や興味から自分で絵を作っていくことが大切ですね。何事にも好奇心を持つようにしましょう。

ターナーについて思うこと

こんにちは。油絵科の関口です。
今年の5月は気温の乱高下が激しく、体調を壊した人も多いのではないでしょうか?

さて今回は新宿の損保ジャパンで行われているターナー展についてお話しようと思います。僕もつい先日展覧会を見てきました。今回の展示では水彩を中心という構成でしたが、ターナーは水彩の扱いがとても上手なので、興味のある人は必見です。

ターナーはイギリスを代表する風景画の巨匠です。
イギリスはヨーロッパの大国の1つですが、大陸から切り離されているせいか、ルネサンス、バロック、ロココという美術界の大きな流れに取り残されてきた様な印象があります。
そんな中で、ターナーは彗星の如く現れ、19世紀イギリスロマン主義の画家として活躍しました。印象派の先駆けと言っても良いような作品を数多く残しています。
今でもイギリスは国立の美術館がターナー賞というものを設立し、50歳以下のイギリスで活躍する美術作家を表彰しています。イギリス人にとってターナーは特別な存在なんでしょうね。

このターナーも、初期の頃はかなり緻密に描いています。10代後半には既にかなりの力を身につけていた様子でした。近くでよく見ると、鉛筆ではなく、薄い茶色いインクの様なもので下描きをして、その上に水彩を使って描いているのが分かりました。
初期の頃に描かれた下描きの茶色は、セピア(イカ墨)のインクか、没食子(もっしょくし)と言われる、ブナ科の植物に出来たコブ(蜂が木の若芽に卵を産み付ける事でできる)から取れた汁を化学反応させて作られたインクだと思われます。どちらも劣化や退色などで保存や扱いが難しく、現代では殆ど描画材として使われていません。

それから、よく見ると初期の頃と晩年では、青の色味が違います。これは1824年に人工ウルトラマリンが発見された事に起因するのかもしれません。天然のラピスラズリは高価だったので、丁度この頃に安価な人工ウルトラマリンが絵具に採用されたのではないか?と僕は思っています。

1817年の作品

1827?28年の作品

あともう一つ。僕が作品を見て考えたのは、日本でターナーの人気が高い理由です。水彩画が多く、親しみやすいというのもありますが、作品の中に空気遠近法が多用されているのが原因ではないか?と思いました。湿度が高い日本人の感性と、どこかシンクロする部分があるのかもしれませんね。
これから先、鬱陶しい梅雨空になった時に、ふとターナーの事を思い出してみるのも一興かと思います。それでは今日はこの辺で。

追記:5月25日(金)?6月3日(日)
新宿のギャラリー絵夢さんでグループ展を行います。出品は2点の予定ですが、お時間のある方は是非お越しください。
http://www.moliere.co.jp/galerie/

根本 篤志展 新美ギャラリーにて明日より開催

こんにちは、良い天気が続き
夏が近づいている予感がしますね。

新美ギャラリーでは、明日19日(土)より
「根本 篤志展」を開催します。

基礎科の油絵科の講師を担当して頂いていますが、
昨年も六本木で個展をしていて、意欲的に活動をしています。
芸大大学院では版画を専攻していてました。

版画というと小品のイメージがありますが、今回は大きい作品も観れます!

是非、ご高覧ください!!

怪しさ満点の展覧会「PEEKABOO」

こんにちは。油絵科の関口です。
早いものでゴールデンウィークも今日でお終いですね。皆さんは連休はどこかにお出かけしましたか?

ところで、新美が初台に移ってから数年が経ちましたが、目と鼻の先にあるにもかかわらず、僕はオペラシティにあるギャラリーには殆ど足を運びませんでした。これだけ近いと「いつでも行けるから…」と、反対に足が遠のくのかもしれません。
今回はその東京オペラシティ・アートギャラリーで開催中の五木田智央さんの展覧会「PEEKABOO」を拝見してきました。この五木田さん、今回はたまたまネットで作品を見て「面白そう」と興味を持ったのですが、少し調べたら実は僕と同年代という事が判明し、これは是非見に行かねば!…と思った次第です。
初台駅を降りて、そのままエスカレーターで3階まで登ると、アートギャラリーに辿り着きます。


そして入口には何やら怪しげなポスターが…。


作品はかなり大きめのものが多く、号数でいうと150号?200号程度のものがバンバン展示されています。


場内は撮影可という事で、作品に近寄って撮影してみました。怪しげな雰囲気とは裏腹に、技術的には結構しっかりしています。今回の作品は、全てモノクロで、殆どの作品がアクリルグアッシュ(アクリルガッシュ)で描かれているそうです。この花束?のグラデーション部分は、ほぼ一発決めです。アクリル系なので、作品の大きさを考えるとかなりスピーディーに仕事を進めないと、こういうグラデーションは作れません。展示されている作品の制作年も2018年のものが多く、かなり頑張っている人なんだな?と感じました。


僕のお気に入りはこの作品。う?ん、怪しさ満点。どこぞの漫画のように、ゴゴゴゴゴゴ…とか効果音が付きそうです。”そこにシビれる!あこがれるゥ?!”ってね(笑)。それはさておき、ウォームグレーの壁面と良くマッチしています。


この作品は小ちゃい作品の集合体。お客さんも皆携帯で写真をパシャパシャ撮ってました。


近寄ってみると、表現や素材のバリエーションも豊富で、鉛筆でかなりキッチリ描いているのとか、ペンで細かく点描している作品とかもあり、一枚一枚かなりこだわって描いているのが分かります。結構見応えありますよ。


こちらは廊下に展示されているレコードジャケットサイズの連作。モデルは全て往年のプロレスラーです。自分の趣味の為だけに描いている感じで、ある意味 見る人のことを殆ど置き去りにしていますが、こういうのを描いている時はムチャクチャ楽しいんでしょうね。ここまでやられると痛快です。

新美のすぐ近くで、こんなに怪しくも楽しい展示が行われています。6月24日までやっているようですので、興味のある人や油絵科の人は是非行ってみてください。

↓ 東京オペラシティ ?アートギャラリー
http://www.operacity.jp/ag/

 

国立校新学期開始です。

国立校です。

国立駅前大学通りの桜も新緑となり、新しい一年が始まった感じがします。
そして、国立校の新学期の授業も新しく始まりました。

デザイン・工芸科 最初の課題は瓶のデッサン。

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今週は壺の静物デッサンを制作しています。
デッサンは単純に見て描くだけではなく、理解力が必要となります。
モチーフの構造や光の方向の設定など、一つ一つ説明を聞いて、理解して描いていきましょう。
始まったばかりですが、与えられた時間は限られています。皆さん頑張りましょう!

毎日たくさんの無料体験の生徒が授業に参加しています。
美大に興味がある人は気軽に授業を体験してみてください。
お待ちしています!

 新美 国立校 042-577-1117