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彫刻科 夏期講習に向けて 7/16(日)石膏顔似せテクニック実践講座

こんにちは!彫刻科の小川原です!

1学期も終盤ですね!新年度入ったと思ったらあっという間にここまできてしまいました。受験生の皆さんはどうでしょうか?すでに確実な実力をつけることができたという人はほとんどいないと思いますが、重要なのは今年度末に待ち受けている受験で合格を果たすために、今何をしておくべきで、どこまで出来るようになっておきたいかということをしっかり意識しておくことです。
漫然と日々の課題をこなしていっても上達はしますが、結果勝負ができるほどの実力がついてこず、入試に間に合わない!ということになってしまう人が多いと思います。(せっかく頑張っているのにもったいない)
どう学んでいくかが最も重要です!入試を乗り越える上で最高の条件を整えましょう!

↓僕の考える最強4箇条!!
・心身の健康を心がけよう!(どのような理由であれ、欠席や遅刻が多いほど上達は遠のきます!)
・自分が今何を集中的に学ぶべきか、目標を明確にしよう!(何も考えずに頑張っていても問題は解決しません。また、変に考えすぎてもそれはそれで上達にブレーキをかけてしまいます。大事なことをシンプルに理解していくことが大切です!)
・毎回作品に対してやりきることを前提に取り組もう!(たとえ失敗したとしてもやりきることを連続で経験する中で、どう対処していくべきかが見えてきます。いい感じだけど途中だね。だと、「頑張って完成させてみよう」という話にしかならないです!)
・制作に取り組む上での「ワクワク」「ドキドキ」を忘れないでください!(受験生とはいえ学生の皆さんは表現者としてすでにスタートを切っています。作者の気持ちがこもっていない作品に対して第三者は共感できません!)

彫刻科はほぼ全ての人が素人の状態から始めるので、差がつくとしたらこの辺かなと思っています。もちろん感覚的に能力の差はあるでしょうが、そうした微々たる差よりも圧倒的にこれらによってついてくる差の方が大きいと思っています。

さて、夏期講習を目前にして、今できること。ということですが、7/16(日)のイベントで、「石膏像顔似せテクニック実践講座」を開催します。
石膏デッサンは顔が命というほど顔を似せることが重要ですが、大体の人は苦手意識を感じていると思います。例年合格していく生徒を見ていて思うのは、「顔によって制作のペースを乱されない」ということです。顔が重要と言いつつも、顔を必死で似せようとしている人は結果似ないし、物凄い時間のロスをしていて結局全体での完成度も上がりきらないのではないでしょうか。
顔に苦手意識を感じていない人は、顔に時間をかけないし、その分画面全体に意識を回せるので圧倒的に優位に立てるのです。
この問題については夏期講習を目前に控えたこの時期にしっかり対処しておく必要があります。(もちろんこの講座1日で解決するわけではないですが、確実に良い方向に軌道修正をすることができると思います。そのうえで今後の特訓で解決していくことが可能です!)
それこそこの先ずーっと苦手意識を持ったまま2学期、冬期講習、、入試直前、、、と問題を先延ばしにしてしまうとまさに入試に間に合わないことになってしまいます。
顔が苦手という人から、むしろ全体的にクロッキーが苦手という人まで、必ず参加してほしい内容になっています。問題解決に向けて一緒に頑張りましょう!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

↓イベントは新美ホームページから申し込んでください
https://www.art-shinbi.com/event/2023/23event-s_s_s/s_s_s-F.html

それでは前回のブログからここまでの預かり作品を紹介します。

昼間部生の作品。
石膏像のマスクを「有機的」というテーマで制作しました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マスクを2つつくるのはなかなか大変ですが、かっちり作りきれていて良いです!2つのマスクが引っ張りあっている間の現象の表現についてはさらにイメージを深めて欲しいです。(普段から様々な現象によって起こる形の変化について敏感になってほしいです)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

水の流れのようなものに乗っているマスクです。陰の見え方が彫刻としてかっこいいです。(この手の表現は陰の落ち方が単調になりやすいですが、この作品は複雑な状態で完成度を上げてきています)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マスクが「何か」に変化していく状態を魅力的に彫刻しています。「何か」の形が一定でないのも良いです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マスクがしっかり作られている分、溶けている表現が映えますね。溶けている状態についてはよりリアリティのある表現を目指していきたいです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こちらも溶けている状態を作品にしています。地面に落ちたところの表現に関してはさらに選択肢を増やしていけると思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マスクから菌類が生えてきています。個人的にはさらにマニアックに増殖させたものを見たくなりました。

続いて以前の芸大入試課題の過去問。「ヴィクトルユーゴーの写真と、ロダン作、ユーゴーのマスクを資料としてユゴーの肖像彫刻を作りなさい」という課題を行いました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

人物として自然なポージングで表現しました。微妙に動きをつけるのは良いですね。完成度もいい感じです!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

粘土の質感がとても魅力的な作品です。マスクを主に参考にした場合、マスクそのものがロダンの強烈な感性によって作り上げられた作品なので、その生き生きした土付に自分の感性を乗せていくのは難しかったと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

思い切った動きをつけました。肖像彫刻としてかっこいいですね!毛の表現も自分なりにやりきれていて良いです。カッティングについては逆に作品の魅力を下げているのでさらにセンスを磨いて欲しいです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今回の課題は模刻ではないので、参考資料をどう捉えていくかが重要です。その中でこの作品はユゴーを人間臭く表現できていると思います。

昼間部生のベルベデーレ1日描き

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

調子が張り付くように表現できています。美しい炭使いが良いですね!逆に強い動きや大きな空間によって起こる見え方、感じ方の変化が感じ取りにくいところもあります。さらに研究を深めていきましょう。

ここからは夜間部生の作品です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

首肩がついてくる像の模刻は難しいですが、かなりの精度で合わせてこれ、同時に似ていることも素晴らしいです。あくまで模刻も人物彫刻として捉えることが重要です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

本人が常に状況を判断して作品をコントロールできているところがとても良いです。とはいえまだまだ出だしの立ち上がりにはかなり不感を感じる場面もあるのでより意識を高めて完璧を目指していきましょう!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

感覚的なタイプなので時間の経過とともにだんだん良くなっていきます。今回はなかなか頭部の動きがはまらず、そこが最終的にもネックになってしまっているのはもったいないです。(まだ手放しで似ている。とは言えない。)出だしに関してはまだ理解と把握が追いついていないので、意識的に取り組んで解決していきましょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

6時間での制作です。短い時間でのやり切りは素晴らしいと思います。かなり良いのですが、首が形になっていなくて顔が浮いて見えたり、若干顔が似ていなかったり、惜しい点が先に見えてきてしまいます。弱点になってしまう要素に気ずきさえ出来ればそれ以外は全く問題ないのでさらに注意してみてください。

以上です。
1学期以降、より実践的に経験を積み重ねていきましょう!この夏で自分なりの成果を一つでも多く獲得できるよう頑張りましょう!

オンライン教育科

こんにちは。オンライン教育科です。

今週は1学期 6月ターム講評期間です。

 

◯2023夏期講習会 いよいよ7/22から始まります。

 

 

◯2023オンライン教育科夏期講習会 も同時期に開催されます。

Ⅰ期 申込締切 7/27(木)

7/30(日) 10:00〜 オリエンテーション

8/2(水) 〜12:00締切 中間講評

8/6(日) 個別時間 オンライン講評

 

Ⅱ期 申込締切 8/3(木)

8/6(日) 10:00〜 オリエンテーション

8/9(水) 〜12:00締切 中間講評

8/13(日) 個別時間 オンライン講評

オンライン教育科夏期講習会の課題数は、デッサンと、専門課題の2課題です。講評はWebミーティングツールを利用したリアルタイム講評になります。作品のやりとりは全てオンライン上で行い、制作途中での質問などはメールで随時受け付けながら、遠隔の受講生をサポートしていきます。

※2課題の内容は、受講生個別にカリキュラム組みます。

 

 

◯第20回特別講義は7月末に配信予定です。オンライン教育科では、毎月約3課題(生徒によっては5課題)を生徒に送付し、その講評を webミーティングツールを用いて行っています。 講評はマンツーマン形式で、30分程度の時間をとり、各月の終わりに行っています。それに加えて、オンライン教育受講生のみを対象とした特別講義を各学期に2回行い、受講生の受験対策及びモチベーション維持に役立てることを目指しています。

 

 

オンライン教育科  新美の指導を遠隔地の方にも!

オンライン教育科は、時間的・地理的な理由で各校舎に継続的に通学できない方のためのコースです。Webミーティングツールを利用したオンライン上でのリアルタイム講評、録画による動画講評、豊富な参考資料によって、遠隔地の方の芸大・美大受験をサポートします。講評は全てマンツーマンで行われ、受講生の進度に応じて、カリキュラムを組みながら進めていきます。

◯新受講生は申込後、随時Webミーティングツールでのオリエンテーションを行い、インターネット接続や、制作環境、志望校などを面談で確認し、カリキュラムを確認します。初回講評日もこちらのオリエンテーションで決定します。

*Googleアカウント=Gmailアドレス取得してお申し込みお願いいたします。

 

オンライン教育科では、
油絵、日本画、彫刻、デザイン、私立美大デザイン、工芸、映像、先端芸術表現、建築、デッサンの10講座を開講していきます。

高3・受験生は 10講座 【月5課題コース】と【月3課題コース】から選択になります。

高1・2生は原則【3課題コース】です。

映像科:夏期講習直前講座のお知らせ

こんにちは。映像科です。

7/8(土)に一日だけの特別授業を行います。
題して「映像科「感覚テスト」を攻略する」です!
詳しい授業の内容はこちら

絵と文章で表現する「感覚テスト」は武蔵野美大映像学科の実技試験の形式です。発想や画面構成の自由度が高いので、なかなか制作の方針が定まらないという人もいると思います。
この授業では過去の合格者の作品を分析しつつ、特に発想の仕方について前半にレクチャーを行います。その後実際に一枚の作品を制作してみます。制作後は一人一人の作品にコメントをします。
映像科受験生は夏以降も感覚テストの対策を行うと思いますが、その対策の指針を見つけることがこの授業の目的です。既に感覚テストを制作したことのある人も、初めて感覚テストを制作するという人も、奮ってご参加ください!

引き続き夏期講習会も受講生を募集しています!
この夏から本格的に対策を始める方も対象にした全2コース。詳しくはこちらまで。

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彫刻科:1学期もあとわずか

講師の新妻です。

タイトルどおり、1学期もそろそろ終わりが見えてきましたね。

課題を制作する中で、自分の中のイメージや実感と作業が結びついてきた人、弱点や気をつけることがはっきりしてきた人、まだ思うように作品が形にならずに落ち込んだり焦りがある人。。様々だと思います。あるいは日によって違ったり。

個人的に大事だなと感じるのは実制作の「前」と「後」だと思っています。アトリエに来て実際に作ったり描いたりしている最中ももちろん大事なんですが、予習(やるべきことの確認、前回の反省点、作品のイメージ、)と復習(制作中に起こったことの振り返り、分析、)をしっかりやることで実際に制作する時にやることがクリアになってきます。

自分の話でいうと、学生の頃に比べて自分の作品を作れる時間は減りましたが、代わりに上で書いたようなことは以前よりも意識するようになって、むしろ制作のスピードや精度は上がっている気がします。

アトリエに車で向かう間に「今日はあの辺を重点的に彫り進めよう」とか「この前ココとココの関係が変なのことに気づいたからそれを直すところから始めよう」とか考えながら向かって、制作終わりで「今日の目標がどのくらい達成したかな、新しい改善点、問題はどこにあるかな」と最後彫り途中の作品を眺めて確認してから帰ります。作品をいじれない時でも、他の人の作品や身の回りのいろんな出来事に、何か自分のつくっている作品にプラスになる要素はないかなーとアンテナを張っておいたりと、意外と直接作品を触ってない時にやれることって結構いっぱいあります。

課題数や内容は同じでもそれ以外の時間の使い方はそれぞれに委ねられています。一見制作のためじゃない時間のなかにもきっと何かヒントがあるはずです。ものづくりをする人としてのこだわりや責任感、美意識を新美アトリエでの制作を軸にしながら各々養って行って欲しいです。

前置きが長くなりましたが最近の作品紹介に参りましょう↓

まず昼間部生の作品です。

 

 

 

 

 

 

物量の持つ密度と余白が空間として見えてきて、見やすさと情報の詰まり方のバランスがいいデッサンだと思います。

 

 

 

 

 

 

 

作者の持ち味が画面全体で発揮された一枚が出ました!描き手の形に対しての実感が伝わってくるようなデッサンです。

 

 

 

 

 

 

 

制作の早い段階から「ブルータスってこういう彫刻だよね?」っていう要素を外さず進行しているところが一番いいなと思いました。

 

 

 

 

 

 

 

引きの印象がとても良くて、いい距離感で自分を捉えているなと思います。

 

続いて夜間部です。

 

 

 

 

 

 

 

静謐で大人な雰囲気の一枚です。シンプルに良い絵だなーと感じさせます。

 

 

 

 

 

 

 

顔の印象や色味と形態感の連動がうまくいきましたね。また一歩成長したデッサンになりました。

 

 

 

 

 

 

 

途中描き込むうちにスケール感が浅くなりそうだったところで再度設定を強められたのが良かったと思います。

 

 

 

 

 

 

 

課題に対して物怖じせず自分が良いと思ったプランをやり切っていて頼もしいです。マスクの精度も申し分ありません。

 

 

 

 

 

 

 

手の所作も気が利いていて、作品やモチーフに対する作者の感性が見えてきます。

 

今回は以上です!ではまた

 

 

留学生の6月

 

こんにちは、留学生科です。

みなさん、初夏を楽しんでいますか。
新年度が始まってから2ヶ月以上が経ちました。
一学期終了まで時間がそう長くありません。
(怖いことを言うと、)留学生試験まであと半年です。夏が近づけば近づくほど、いよいよ猛特訓の季節!といった感じで、留学生たちは張り切っているように見えます。

EJUやJLPTの季節でもあるので、やることがたくさんある中でしっかり体調管理をしながら進めていきましょう。

 

先日デザイン・工芸科夜間部では、【デモストを見るだけの日】がありました。
日本のデッサンが大事にするもの、そして時間制限がある中でデッサンを描くとはどういうことなのか、とても学びが多かったのではないでしょうか。
言葉で説明してもピンとこなかった部分も、自分の目で見れば一目瞭然。
気づきを話してくれた生徒もいます。

その後平面構成についても、一人一人面談をしてじっくり話しました。
今自分が抱えている問題、その問題はどこからくるものなのか、どうすれば楽しさに変えられるのか、それぞれがよく考え、整理しようとしている様子でした。
今すぐに全てを掴めなくても、感触を確かめながら前進していけるといいですね。

 

何かを理解する感覚というのは、複雑な糸で絡み合っているような気がします。

理解できたと思っても、その一本一本の糸をつまみ出すことは、たとえ本人であっても容易ではなかったりします。
だからこそ、一つ一つの体験を大切にして欲しいものです。

デッサンも、日本語も、平面も、さらには自分自身に対する研究も、今後熱を帯びていくことを期待しています!