カテゴリー別アーカイブ: 新美

二学期もあと少し。

受験生の皆さん、頑張っておいでですか?

油絵科昼間部 箱岩です。おはようございます。

朝からしっかり挨拶をして清々しい1日を心がけていく。その昔小学校の校長先生がよく言っていました。この歳になるまでそれが習慣になっているのですから、なんてバカ素直な少年だったのか。。。と自分で言ってちゃダメですが。

もう一つ、小学校からずっと心がけていて最近まで常識と思っていたことに、「来た時よりも、美しく」というのが有ります。どんな場所でも人がいれば汚れ、散らかります。そのままにすれば、世界はゴミにあふれてしまう。そんなことを本気で信じて今もその習慣は続いています。

道具の手入れや、アトリエの片付けなどもその一つ。綺麗の感覚は人それぞれですが、ほんの少し、自分が使う前より綺麗にすれば快適な空間になると思うのですがね。

2学期もあとすこし、気合を入れて皆が頑張っていこうという時期、進路のことや、自分の絵のことで、頭の中も散らかっていくようでしたらいけません。

落ち着いて、足元からしっかり固めていきましょう!!

まずは一つ一つの心がけから。。。

さて、先日、そんなもやもやを具体的にして一発解消しようと、多摩美術大学受験者向けに第58回公開コンクールを開催しました。当日は、多摩美術大学の 室越 健美 教授による特別講演を同時開催し、採点後の作品が並ぶアトリエでご自身の受験時代の苦労話や、今の多摩美術大学の状況や学生の様子。また、コンクール作品の印象など丁寧に熱く公演していただきました。

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大変有意義なお話が聞けたようで、当日不参加だった私は参加者のテンションの高さに、充実した内容だったのだと想像するばかりでした。

ご参加いただいた皆さん、ご苦労様でした。結果を参考に頑張って行って下さい。

さて、11月30日には、同じく多摩美術大学の 日高 理恵子 教授による大学説明会を開催することとなりました。日高先生が新美に来校されるのは初めてのことですし、日本画家にして油絵科で教えていらっしゃるので、油絵科をどうお考えか?また、油絵科の学生をどう感じているか?と、どんなお話が聞けるか大変興味が有ります。是非皆さんも、ご参加下さい。

東京芸術大学工芸科 公開実技模試

新宿美術学院三上です。

11月16日と11月17日に[東京芸術大学 工芸科 公開コンクール]が実施されました。
新宿美術学院工芸科は芸大合格者12年連続日本一の実績を持つコースです。
そのため工芸科実技模試は、全国で一番受験者の多い大変活気のあるコンクールとなっています。

今年度模試の出題内容、講評内容は9月に行われた芸大説明会にあわせ、大学のアドミッションポリシーを重視して行いました。
上位入賞者は新美の学生が多かったのが印象的でしたが、全体的にレベルの高い作品が並びました。講評後も多くの外部生が自ら質問に来るなど積極的な学生も多かったです。
入試対策はこれからが本番です。冬期講習、入試直前の対策次第で合格が見えてきます。ぜひ皆さんには来年の春には芸大生になってもらいたいです。
詳しいコンクールの内容は工芸ブログで公開します。

講評風景
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映像科・文章表現特訓のレポート

こんにちは、映像科講師の森田です。

映像科の実技試験対策で他の専攻と一番違うのは、やはり文章を書くことでしょう。もちろん小論文の対策は他の専攻でも行っていますが、映像科の場合はどちらかというと「物語や詩を書くこと」に近い、文章による「表現力」が求められるという特徴があります。そんなわけで一年間のカリキュラムの中では「文章で表現するとは何ぞや?」と考えたり、実験したりできるような課題やワークショップを行っていますが、今回はそんな課題の中でも最も映像科らしい?課題を紹介します。

□課題:目の前に置かれたモチーフ(水の入ったコップ)から得られた感覚、想起した事柄を元に、文章表現しなさい。(2時間/目標10,000字)

普段文章を書くときには限られた文字数でなるべく端的に「説明する」ことを意識していると思いますが、この課題に関してはとにかく文字数をたくさん書く!ということだけを目指して2時間ひたすら文字を書き続けてもらいます。ある意味(というか正真正銘の)苦行とも言えるプログラムですが…、でも「絵を描く」ことにもデッサンがある一方でスケッチやクロッキーもあるように、文章だって言葉を表現のための材料と考えてみれば、こんな試行錯誤からも思わぬ発想が生まれるかもしれません。

ちなみに美術の用語で「シュルレアリスム」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。日常の感覚や個人の意識にとらわれない表現上の様々な実験は美術だけでなく、その後の映画や写真の展開にも大きな影響を与えたとされています。そしてそんな時代にも「自動書記(オートマティスム)」という、今回の課題のような詩の実験がなされたそうですよ。興味がある人は調べてみよう。

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講評ではみんなの感想を聞きながら、文章で表現することについての意見交換をしました。一番多く書いた人で約5,000字(!)、意識が朦朧としつつ途中で睡眠を挟んでみる人もあり、気がついたら物語を創作していた人もいたりして、実験としてはなかなか面白かったです。人生の中で2時間くらいは「コップを見つめながら原稿用紙に文字を書き続ける」という時間があっても良いのではないでしょうか。

さてこの試みが今後の課題制作に活かされることを期待しつつ。いよいよ来週からは二学期末コンクールに突入します。

国立校 写真撮影

新宿美術学院 国立校 基礎科です。

11月も半分以上過ぎてしまいました。
周りは早くもクリスマスの飾りつけが始まっていますから、
国立校でも、クリスマスツリーか、リースを飾りたいなと、
色々なお店をのぞいたりしています。
来月に入ると、国立の大学通りはクリスマスのイルミネーションが始まりますので、
皆さん、楽しみにしていてください。

国立校では、来年度のパンフレットに使用する写真を撮りに
プロのカメラマンさんが来てくださいました。
モデルはもちろん、国立校1期生達です。

カメラ

モデルさん達は、最初は恥ずかしがっていましたが・・・。
撮影3

だんだん慣れてきて・・・。
撮影1

ついにはジャンプまでしてくれました。
撮影6

今どきのJKはダブルピースだそうです。撮影4

男子は力仕事を任されましたが、かなり重いらしく・・・。  先生も思わず笑ってしまいます。
撮影5

撮影後はランチです。  お疲れ様でした。 どんな写真が撮れたでしょうか。
撮影終了

撮影が終われば、気持ちを切り替えて真剣モードに入ります。デザイン

油彩

皆さん、今日は本当にお疲れ様でした。
パンフレットの完成を楽しみにしています。

今週の11/23(土)祝日に、保護者対象 進学説明会を行います。
13:00-14:00 ご予約は不要ですので、お気軽にご参加ください。
(この日は祝日の為授業はありません。)
又、ご質問、ご相談などがございましたら、随時、進学相談を承ります。
お問い合わせはこちら
http://www.art-shinbi.com/sodan/index.html

国立校では12/1(日)・12/15(日)の2回、1日体験講習を開催いたします。
中学生から高校1.2年生対象の、基本のデッサンの講習になりますので、
経験のない方でも大丈夫です。
初めての方もお申込みいただいています。

1日体験 スケジュール

お申込みはこちら。
http://www.art-shinbi.com/02kunitachi/oneday/index.html

 

 

 

芸大デザイン科形体構成の合格者インタビュー ー粘土編ー

デザイン科総合コースの滝口です。
何と先月は勘違いで更新し忘れてしまったので、約2ヶ月ぶりになってしまいます。
もう大分寒くなって来てるし、いよいよ試験も近づいて来てるかなと感じる頃になりました。
新美の2学期も12月7日までなので、後3週間位ですね。

今回は、新美では今年公開コンクールでも初の形体模試も取り入れて、大きく形体構成に力を入れていますが、実際の芸大の試験結果でも、今年の新美からの芸大合格者は形体構成の評価が全員A評価を得ています。

その中で、今年の芸大の説明会のしおりにも掲載された作品の制作者である倉持叡子さんに、形体構成について色々と話を伺ってみました。
倉持さんは、芸大に2浪で合格。現役時代は外部の予備校で、1浪目から新美に来ていました。
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●倉持叡子さん

Q:僕は1浪の頃から倉持さんを見ていて、決して形体構成が最初から得意だという印象を受けませんでした。どちらかと言うと、とても発想に癖が強く、完成度は常に上げられるけど形体の魅力としてはその説明で終ってしまう事が多かったと思いますが、当時はどう思っていましたか?

倉持(以下K):1浪の頃は、現役の頃初めて教わっていた指導の内容がどうしても強く、形体の魅力というよりも発想の説明を完成度を上げて見せるという事が大きかったので、形体の魅力と言われても困る事が多かったです。

Q:それをどうやって克服しましたか?きっかけとかってあったんでしょうか?

K:何度も先生と相談して、自分にとって得意としていた細かいパーツの作りや技法などは、先生も伸ばして行って良いと言ってくれたので、基本となる形体を魅力的にしていく事を気をつけるようになりました。

Q:一言に魅力的な形体と言っても、なかなか難しいと思いますが、何か刺激になるような作品や勉強方法ってあったんですか?

K:以前の予備校では、参考となる作品は上位に上がる作品しか見る事が出来なかったんです。だからそれを必死になって真似ようとして、結局みんな似てしまう。新美だと他の人の作品もとてもバリエーションが多くて、それぞれの人が自分の作品を極めようとしているので、真似しようとしてもなかなか出来ないので、自分にとって何が必要なのかと優秀作品ファイルや、ちょっと耳にした参考になりそうな書籍を見つけて独自に研究していました。特に刺激的だったのは、合格者作品ファイルにあった誰も作らなそうなアプローチの作品でした。

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●ホースと落花生をモチーフに

Q:新美で受けていた指導って、どういった印象だったんでしょうか?

K:先ほど言った、先生と何度も自分の作品の傾向について話を聞けたのが良かったです。三上先生(新美の形体構成専門の先生)が、分かりやすくそれぞれの人の進むべき傾向やポイントを教えてくれて、でも自分からも真逆な作品を作りたいと言ってもやらせてくれて、それで成功や失敗を繰り返しながら自分でも判断出来たので、本当に良かったです。

Q:入試直前の頃の立体作品は、本当に誰も作り出せないような技術と見せ方で、僕らも常に驚かされましたが、実際の試験や入試直前はどういった心境でしたか?

K:試験前でも精神的にはギリギリでした。自分の作り出して行く作品が、常に出来るのかもしくは壊れてしまうんではないかという不安があったからです。でも、それをしっかりと試験で出さなくてはいけない、アピールしていかなくてはいけないと思っていました。

Q:芸大のしおりで掲載されている作品の写真は、壊れていましたね(笑)

K:本当ですね(笑)審査の時は付いていたんですかね?

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●試験再現作品(芸大デザイン科説明会のしおりの写真では、上のコード部分が折れてしまっていた)

Q:試験の作品ではとてもユニークな発想で展開出来ていますね。
(試験課題:エネループの電池とそのロゴやマークなどの要素、「循環」をテーマに)
1浪の頃に癖と感じられていた発想も、芸大が新しく求めている「柔らかな思考」と合致していると思います。単に循環の説明をマークなどの記号ではなくて、電気の循環を自分の得意とする電気コードに結びついている点などですが。

K:そういった思考の訓練みたいなのは、昔からいっぱいしていました。それがたまに行き過ぎてネタのようになってしまう事もあったんだと思います。でも、入試直前の頃は、その発想が常に自分の作品へと導いていけるようになっていました。どんな課題が出されても、連想ゲームみたいに展開されて行ったんです。

Q:何か話を聞いているだけで、あの時は色んな要素が噛み合っていたんですね。

K:はい。

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●試験再現作品の細部

以上ですが、とても長くなってしまうので、今回は立体構成の粘土作品を中心に掲載してみました。この後、紙立体や異種素材などについての作品についても聞いています。それは、また1ヶ月後になってしまいますが、続きを第2回目として書きたいと思います。

冬期講習会の芸大コースでは、後期に特別形体構成コースを新しく設けています。
1月3日?6日の4日間ですが、短い4日間でも充実させた指導や伸びるコツを凝縮させて組んでいます。形体構成を専門で分析/研究している三上先生が、分かりやすく芸大の傾向や粘土の技術なども教えて行きます。

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●冬期講習会後期日程
http://www.art-shinbi.com/01shinjuku/images/pdf/2013winter.pdf

僕の個人的な感想ですが、芸大デザイン科受験にとって形体構成は1つの課題となっているにも関わらず、どこか予備校ごとにガラパコス化された閉鎖的な指導方向になっているなと思っています。他所は他所、内は内です。
公開コンクールでも、今年は新美だけでした。デッサン/色彩構成は連動していて、それこそが芸大受験であると解釈されているかのようです。
芸大デザイン科の説明会でもあったように、デッサンや色彩構成はこれから変革されて行こうとしています。だからこそ、残された形体構成は重要なものとなるだろうと思っています。

それでは、続きをまた第2回目で。