カテゴリー別アーカイブ: 新美

映像科:冬期講習の授業風景

こんにちは、映像科講師の森田です。冬期講習も全部の日程の半分を折り返して、徐々に制作のテンションも上がってきました。

この日の課題は武蔵美の感覚テストを想定した課題。午前の3時間でB3サイズを一枚制作して、中間講評を経て午後はリメイクでもう一枚。この時期の一日2作品は一年の中で一番ハードなスケジュールかもしれません。なんとかこの時期を乗り切って直前講習に繋げるためにも、体調管理だけはしっかりとしておきましょう!

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日本画科便り17ープレ冬期講座「花講座3 ?花が描けるようになる-薔薇編」

日本画科です。

先月、11月30日(日)、プレ冬期講座「花講座」が開催されました!

題して、

新宿美術学院日本画科 花講座3「花講座3 ?花が描けるようになる-」総集編?花を描く上で大切なポイントを解説?!

春の講座“百合編”、初夏の講座“菊編”に続く「花講座 ―花が描けるようになる―」の第三弾!!!

当日は「花を描く前にすべきこと」から花を描く実際まで、花を描く上で大切なポイントを解説。短い時間でしたが、日本画科受験における大切なこと、型について、そして花の描き方(テクニカルなこと)などを中心に進行しました。

特に今回は講師のデモンストレーションをふまえて、複数本の花どうしの関係性の捉えかた、考えかたを踏み込んで解説しました。モチーフどうしやその内部の関係性を捉え表現することが日本画科での描写の基本になります。今まで漠然と考えていた関係性についての概念をより理解できたのではないかと思います。

「花講座3 ?花が描けるようになる-総集編」スケジュール

午前9:00-12:00

1準備

・水切り方法、セッティングについて

・道具について

2描き始め

・花を捉える前に―構成、配置、アングルについて

・アタリの置き方、形を描く上で大切なポイント

・花と茎と葉―それぞれの役割

午後13:00-17:00

3関係性

・関係性について-関係性とは?

・関係性の考え方と捉え方

4仕上げ

・質感表現について

・明度、彩度、色価について

講評17:00-18:00

個々の長所と課題点を分かりやすく提示します。また今後の学習ポイントについてアドバイスをします。

質問&個人指導コーナー 18:00-19:00

以下、今回の講座の様子です!

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今回のモチーフです。ピンクと白の薔薇の関係性から空間や薔薇らしい表情を描きたいですね。

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まず花の角度、高さの設定をします。最も美しい形、葉の重なるを探しながらベストな位置関係を探ります。この時点から既に作品を作る意識で行っています。

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デモンストレーターの作業工程を時間ごとに解説しながら制作しました。描き始めの鉛筆の持ち方、筆圧、捉えるべきポイント…など実際の作業を見ながら理解を深めていきます。

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今回も多数の方々が参加し、熱気あるアトリエになりました。

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過去の講座の作例やデモンストレーターの作品です。講師が芸大入学後の課題で描いた門外不出の花の写生も見ることができます!より高いレベルで意識を持って制作することは何より大事なことです。

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下描きの素描が完成しました。花の形態やリズムが過不足なく捉えられており、早く彩色をしてみたくなるような素描ですね。

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短い時間でしたが、力作がならびました!

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一緒に制作したデモンストレーターの視点から実践的なアドバイスが伝えられています。

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一人一人の良さや今後の課題を分析した丁寧に講評が行われました。この後さらに個人指導が入りました。

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ちょっと写真がブレましたが完成作品です。モチーフの薔薇がもつ印象を的確に捉えた優れた作品になりました。実物は日本画科アトリエにありますので興味があれば見にきて下さいね。

 

これで今年度の日本画科花講座は終了です。ここで得た経験をこれから受験を乗り越える為の手がかりにしてもらえれば嬉しいです。

保護者対象・入試ガイダンスのご案内 12/28(日)10:00より

こんにちは。冬期講習会イベントとして、これから美大受験を目指す高1、高2生の保護者様を対象とした、
「美大入試ガイダンス」を実施します。
美大進学に向けて、どのような準備が必要なのか?入試の仕組みから受験対策、大学卒業後の進路までを分かりやすくご説明いたします。ご予約不要ですので、ぜひご参加お待ちしております。
(なお、1日体験講習で実施しました入試ガイダンスと同内容になります)

保護者対象(高1,2生) 美大入試ガイダンス
日時:12/28(日)10:00~12:00 
会場:新宿美術学院 新宿校講演

年末年始 休館のお知らせ????

こんにちは。年末年始の休館日は、以下のようになっております。

【新宿校】
・12/31(水)~1/2(金) 休館
※12/31(水)の学科講座に関する当日のお問い合わせは、新宿セミナー(03-5309-2531)までお願いします。

【国立校】
・12/30(火)~1/2(金) 休館
※冬期講習期間 12/22(月)~29(月)  1/3(土)~6(火) の国立校受付時間
9:00~16:30

★お間違いのないようお願いいたします。

 

オイル(画溶液)について② カテゴリー編

こんにちは。油絵科の関口です。
先週は冬期講習に入った途端、急に寒くなりましたね。インフルエンザも流行っているそうなので、皆さんも十分気を付けてお過ごし下さい。

さて、先週の続きです。
油絵に使うオイルは沢山ありすぎて難しいですよね。今日はカテゴリーに分けながら説明しようと思います。

オイル

 

?揮発性油
揮発精油
・テレピン
・ペトロール
文字通り揮発してしまう油で、乾くと何も残りません。水彩絵具でいう水みたいな存在です。
揮発する(乾く)スピードは早く、テレピンのみなら大抵10分以内に乾きます。
描き出しや絵具やオイルを希釈する(緩くする)のに用います。他にもダンマル等の樹脂を溶かすのにも使います。

 

?樹脂
樹脂には大きく分けて天然樹脂と合成樹脂があります。種類も色んなものがありますが、よく使われるものは二つになります。
樹脂
天然樹脂
・ダンマル樹脂溶液(ダンマルバニス)
ダンマル樹脂の役割は、乾燥を早める事、ツヤを出して膜を作る事、乾性油と混ぜて絵具の弾きを抑える事です。
性質としては乾燥が早く(揮発性油に溶かしているので、揮発性油が揮発すると大体乾く)乾いてもベタベタしています。完全に乾くと硬く固まりますので、柔軟性がありません。完全に乾いても、揮発性油には溶けてしまいます。乾燥後は若干黄ばむ傾向があります。これらの理由から単独で使うのはお勧めしません。

 

合成樹脂
・アルキドメディウム
合成樹脂のアルキド樹脂は乾燥が非常に早く、数時間で接触乾燥する為、速乾性のオイルやチューブ入りのメディウムにも多く使われています。乾燥後は若干黄ばんだり茶色っぽく変色する傾向がありますが、強度的には天然樹脂よりも若干の柔軟性があって比較的安定しており、変色を計算に入れれば十分に使えるオイルだと思います。特に受験生には欠かせないオイルなのではないでしょうか。個人的にはシッカチーフ(乾燥促進剤)をオイルに混ぜるよりはアルキド樹脂を混ぜた方が、色んな意味で安全な気がします。

 

?乾性油
油絵具には必ず入っている重要なオイルで、顔料を画面に定着する接着剤になります。但し受験生は、乾燥の遅い乾性油を使いこなすのはかなり難しいかもしれません。
乾性油とは文字通り「乾く性質のある油」の事を言います。ここで言う「乾く」とは、常温で酸素と結びついて固まり、再び元の液体に戻らない状態を指します。専門用語では酸化重合と言います。逆に不乾性油というのもあり、文字通りいつ迄経っても乾きません。サラダ油やオリーブ油等がそれに相当します。乾性油には種類も色々あり、サフラワー油、クルミ油、ヒマワリ油等も乾性油ですが、日本ではあまり出回っていません。
あと、粘度の強い(水飴状の)スタンドリンシードやサンシックンドリンシード、他にも普通のリンシードより乾きの早いボイルドリンシードという加工された乾性油もあります。乾性油に何を使うかは絵のタイプや自分の好みによります。

乾性油
・リンシード
・ポピー

・スタンドオイル

それぞれの特徴を簡単に説明すれば以下のようになります。

・リンシードオイル(亜麻仁油)
乾きが早い(と言っても1?3日程度)
固着力が強く堅牢
値段は比較的安い
乾燥後、黄変する(光に当てると元に戻って透明になるのでそんなに心配しなくても良い)

 

・ポピーオイル(芥子油)
乾きが遅い
堅牢性はリンシードに劣る
サラサラしている
乾燥後黄変しにくい(実際は少し黄変する)
値段が高い

・スタンドオイル(リンシードオイルを空気に触れさせずに加熱したもの)
乾きが遅い
粘度が強い(トローンとした水飴状)
黄変しにくい(実際は少し黄変する)

 

?乾燥促進剤
シッカチーフ?・シッカチーフ
シッカチーフは乾性油を早く乾かせる為に入れるものですが、少量で十分に効果があります。大抵はオイルの10%未満に抑えるように書かれています。
シワが寄ったり、ヒビ割れを起こしたり、自然発火したり、トラブルになる事が多いので、あまりお勧めしません。

 

簡単に書いたつもりなんですが、種類が多いのでどうしても長くなってしまいますね。もっと詳しくてマニアックな内容は、また今度アップしますね。