カテゴリー別アーカイブ: 新美

彫刻科 2学期中盤!!

受験当日に近い形でののプレ体験ができる、大きなチャンス、公開コンクールが終わりました!
皆さん、いかがでしたでしょうか!?
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熱意ある学生が、沢山集まってくれて多いに盛り上がりました!!結果が出て、それぞれの課題点も見えた、良い機会だったのではないでしょうか。試験当日までに、その課題へ向けて日々挑戦し、克服出来るよう頑張りたいですね!!
この後の企画に、11月29日の日曜日に行われるプレ冬期で、新美の彫刻科では、『模刻ゼミ』を行います!!
模刻が得意な主任が、実際にデモンストレーションを行いながら、模刻のポイントを指導していきます。
塑像コンクールの模刻では、まだまだ全体の実力は十分とは言えない結果に終わったので、模刻をもっと上手くなりたい人は、この機会に是非参加してみてください。
もちろん無料です!

(このコンクール後に、主任の指導付きデモンストレーションが入った、ジョルジョの模刻課題では、実際に皆の実力が、合格レベルが見えて来るぐらいに、ぐっと上がりました!!)

冬期講習も、さらに模刻に力を入れていきます!芸大合格を狙っている学生は、この機会を逃さず、是非、冬期講習を受講してみてください!

さて、ここからは、最近の優秀作品の紹介です。
S君のデッサン
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視点がはっきりしていて、明快なデッサンです。最初から、こう描きたいというビジョンがしっかりつながり、表現出来た1枚ですね。動き、構造、量感、大切な3大要素が意識できています◎

S君の塑像
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友人像です。課題以外で自主的に挑戦しただけあり、生き生きした作品が誕生しました!受験に徹する制作から抜け出した、作る楽しさが伝わって来る作品は、めったに出会えません。とても魅力がある作品です。自信を持って大学に行きたいですね!

夜間部 現役生のMさんの塑像作品
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鳩を素直に観察できている作品です。作り慣れていなくても、とにかくよく見て、形を作り、表情を作り、バランスを取ることで、ここまでの表現ができるのだと、改めて感動しました。良い仕事ができています!◎

同じく、現役生の素描です
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同じく、素直に描けている素描ですね!肩や、腰から足へのつながりである骨格であったり、正中線に於いての左右のバランスを、もう一歩高めたいところですが、量感や表情が自然に表現できており、足元の空間、佇まいに視線が引きこまれます!本来のあるべき素描という言葉を考えさせられる1枚です。

個人的な話になりますが、9月に茂木里山アートフェスタと言う野外展に参加してきました。
その時の作品です。野外展示に参加しはじめて3年目、やっと自然と作品のことが微かに見えてきた感じがした3年目でした。
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[入口と形と出口と]

今現在、数人の学生は、大型模刻に挑戦しています!
その様子は、次回の小川原先生のブログ(11月7日アップ予定)で紹介されるかと思います!!
楽しみにしていて下さい!!

10/25、11/1、3に東京芸大デザイン科公開コンクール開催!!

こんにちは。
総合コースの滝口です。

新美の公開コンクールは、今年で何と60回目!!
とっても歴史あるイベントですね。

僕も約20年前位、新美で公開コンクールを受けていました。
10月後半や11月になって来ると、やはり実技で負けたくないという闘志がメラメラと湧いてきます。
1浪の時は回りに多くの多浪生がいて、何とか勝ちたいと思っていました。
デッサンが入賞とは行かなかったですけど、健闘出来て4位を獲得出来たのは、やはり今でも達成感のある思い出として残ってます。
2浪の時は逆に気持ちが空回りして、最悪な結果に終わってしまい、色々なドラマがあるな??っと思います。

公開コンクールは、実際の試験のイメージトレーニングとしては、凄く良い機会だと思います。
緊張したり、焦ったり、調子が良かったり、楽しめたり・・・
普段の指導ありの時や、学内のコンクールとは違い、違う予備校等や違う環境で描いてみるのも本当に勉強になります。
現役生も試験に近い雰囲気を味わう良い機会だと思います。
是非良い刺激になってもらえたらと思います。

新美の東京芸大デザイン科の公開コンクールは、デッサンが今度の日曜日10/25に開催されます。
新美では、今年度から芸大でも実施される石膏デッサンと構成デッサンを事前選択して行い、それらを同時に採点や講評します。
石膏デッサンと構成デッサンの上位の作品は、どのように一緒に並べると評価がつくのか等、僕らもとても楽しみにしています。
奮ってご参加してみて下さい!!

色彩構成と立体構成は、それぞれ1週間後の11/1と11/3に開催します。
多分立体構成の公開コンクールは新美のみだと思います。
今年で3回目の立体構成ですが、平面だけでなく立体も色々な作品を目にしておく事は、とっても大事だと思います。
東京芸大デザイン科と同じ試験科目でこの時期に受けておくと、実際の試験の日程のイメージがしやすいと思います。

下の石膏デッサンと構成デッサンの作品は、デモンストレーション作品です。
こんな風に2つが同時に並ぶのは、また新しい時代ですね。
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それでは皆さん、是非新美の公開コンクールチャレンジしてみて下さい!!
http://www.art-shinbi.com/contest/index.html
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映像科:公開コンクールのレポート

こんにちは、映像科講師の森田です。すっかり秋も深まってきたこの頃ですが、いかがお過ごしでしょうか。武蔵美に通っていたことがある自分としては、このくらいの気温になると芸祭を思い出します。今週末は武蔵美、来週には多摩美の芸祭がありますね。入試対策もそろそろ力が入ってくる時期だと思いますが、たまには息抜きを兼ねて、大学に足を運んでみるのも良いかもしれません。

さて、先週の10/11、12は新美の公開実力模試、いわゆるコンクールが行われました。講習会生や外部から参加してくれた方なども多く、なかなか盛り上がった2日間となりました。残念ながらスケジュールの都合などで今回受講できなかったという人もいると思いますので、このブログの方にも課題と解説を載せておきます。武蔵野美大映像学科の一般入試の傾向と対策について、ここで一度確認しておきましょう。

■感覚テスト(必須科目)
下記の文から想起する状況のイメージ、あるいは出来事のイメージを解答欄に絵と文章で表現しなさい。
「境界に触れていた」(B3画用紙/3時間)

感覚テストは映像学科を受験する学生ほとんどの人が制作する(一般方式では必須の)実技です。例年短い文章やキーワードをきっかけにして絵と文章で「映像のワンシーン」を創作します。去年の入試の問題は「空白が生まれた」というものでした。「空白」を何として設定するのか?ということが大きな問題になりますが、空間的な空白だけでなく、時間的な空白、あるいは記憶の中の空白、など様々に考えられると思います。感覚テストを制作する場合、なるべく具体的な場面を想像してみることが重要です。特に文章では、絵だけでは伝えきれないその場のリアルな状況や出来事が読み手に伝わるかどうかがひとつの評価基準となってきます。また画材として指定されている色鉛筆やパステルで描くことに慣れておくことも大切だと思います。

大原
(*参考作品:公開コンクールと同じ出題)

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■小論文(選択科目)
配布された4種類の「木目柄折り紙」の観察と考察から、あなたなりの論点を発見して、「○○の捉え方」と題して論じなさい。(600字以内/2時間)

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映像学科の小論文は、毎回何かモチーフが手渡されて、そのモチーフを観察することから論文のテーマを見つけるという、ちょっと独自の出題になっています。ちなみに去年の問題では、紙風船と白いゴム風船がひとつずつ渡されて「○○の魅力」というテーマで論文を書くという内容でした(「○○の魅力」に言葉を当てはめて題名にします)。この小論文の問題文の「観察や考察」は目で見ることだけではありません。触ってみたり、匂いを嗅いでみたり、何か書き込んでみたり…など。実際に今回の「木目柄折り紙」の場合でも、試験時間の前半には「鶴を折ってみる」「くしゃくしゃにして紙としての質感を与えてみる」などの色々なことをしている人もいました。そういう「行為」から、自分が発見したことを論文にするということが求められています。もちろん文章としての一貫性は必要ですが、テーマについては自由な発想で望むことが大切になってきます。

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■鉛筆デッサン(選択科目)
配布されたモチーフ2点を構成して描きなさい。(B3画用紙/3時間)

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鉛筆デッサンは卓上で3時間。大学の説明によれば「オーソドックスな描写力を見るための試験」ということですが、映像学科らしく(?)毎年他の学科のデッサンではあまりお目にかからないモチーフが出されます。また例年の傾向として、小論文と鉛筆デッサンで同じモチーフ(あるいは一部同じモチーフ)が出題されています。今回のコンクールでは、小論文のモチーフと似た木目のカッティングシートを三面に貼った石膏の立方体と、正方形のフェルトの布を渡しています。なかなか手強いモチーフではあると思いますが、まずはしっかり形を取れるように、対策をしておきましょう。

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(*感覚テストの講評風景と最後の結果発表&授賞式)

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【追記】
武蔵美に関しては公募制推薦入試の方も出願直前となっていますが、先日映像学科の公式サイトの方で「Q&A」のページが更新されていました。特に去年から変更になった推薦入試(クリエーション資質重視型/ディレクション資質重視型/英語力重視型)については、かなり詳しく質問を想定してその解答が掲載されています。推薦を受験する人はもちろん、映像学科を受験する予定の人は、必ずチェックしておいてください!
http://eizou.musabi.ac.jp/qa/

あなたはツルツルがお好き?

こんにちは。油絵科の関口です。
さて、今日のタイトルはキャンバスやパネル等の支持体の話で、決して脱毛エステのお話ではありません(笑)。

新美でも大学でも、生徒からキャンバスの下地をツルツルにしたいんですけど…という話をよく聞きます。その質問にはちゃんと答えますが、本音を言わせてもらえば、僕はあまりお勧めしません。その訳は・・・

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ダ・ヴィンチ作「リッタの聖母」 板に油彩

リッタの聖母
ダ・ヴィンチの作品は、まさにツルツルの代名詞みたいなもの。その完璧なぼかしにはスフマート(煙を意味するイタリア語、fumoから来ている)という特別な名前がついている。

 

僕も学生時代、パネルに自分で白亜地などの下地を施し、ツルツルにした経験があります。完全にピカピカにした下地は、思わず頬ずりをしたくなるほど美しく(笑)、その上に絵を描くのを躊躇ってしまう程です。

僕が当時好んでやっていたのは、炭酸カルシウムにチタニウムホワイトを少量混合し、膠水で混ぜた塗料をヘラや刷毛で塗る、白亜地と言われるものです。それを一度水で濡らして、掌で擦って磨き上げていきました。サンドペーパーで磨いたものよりもツルツルになり、まるで大理石のような半光沢のある、とても美しいものが出来上がります。磨く方法は他にも数種類ありますが、長くなるので今回は割愛します。
完璧な下地が出来た後、いざ絵を描こうとすると、何だか折角綺麗に出来た下地を汚す様な感覚に襲われ、中々描き出す事が出来ません。この感覚は、一度でも下地をちゃんと作った人なら、きっと分かってもらえると思います。

勇気を振り絞って描き始めると、今度は画面がツルツルなので、画面の上を筆が滑る様な感覚に違和感を覚えます。筆跡は激しく残り、作品が完成する頃には、最初に想像していたビジョンなど脆くも崩れ去っています。完璧な下地が出来ればできる程、そのショックの大きさは計り知れないものになってしまいます。

ルネサンスの頃の画家は、白くてツルツルの下地の上に絵を描いていました。イタリアでは石膏地、ドイツやフランドルでは、白亜地が使われています。絵の具は豪快に盛り上げるのではなく、女性がお化粧を施す様に薄く丁寧に扱って行きます。
よく考えれば、そんなストイックで繊細な作業、僕に向いている訳がありません(笑)。

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ヤン・ファン・エイク作「ルッカの聖母」 板に油彩

暗部には透明な絵の具を何回も塗り重ね、重層化された絵の具で次第に厚塗りになって行きます。明部は下地の白を透かせていくところと、白を混ぜた絵の具を不透明に乗せるところを作ります。
受胎告知X線
ダ・ヴィンチの受胎告知(部分)右は同じ絵のX線写真。
以前もこのブログに書きましたが、シルバーホワイトは鉛を主成分にしているので、X線を通しません。白く映っているところがホワイトを足しているところになります。意外と大胆に描いていますね。こんなに大胆に描いていながら、仕上がりが滑らかなのは本当に信じられません。
※ところどころ横に入っている線は、木目と思われます。

今皆さんが描いている支持体はキャンバスなので、下地をツルツルにして描くのには向いていません。白亜地や石膏地は硬くて脆い性質があるので、弾力のあるキャンバスの上に施すと、ひび割れはまず避けられません。下地をツルツルにするには、実は板の方が向いているのです。
キャンバスにはキャンバスの良さがあり、キャンバスの弾力や布の織目を利用して描く方が、効果的で自然な行為だと思っています。

“くにたち”の1日体験

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国立校です。

2学期も1ヶ月が過ぎ、大学通りも秋の雰囲気が漂い始めています。
高3生は入試に向けて徐々に緊張感が高まってきています。

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さて、これから美大受験の勉強を始める高1、2年生・中学生の皆さん。
国立校では、今週の日曜日に1日体験が行われます。

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◎制作風景DSC_1532

◎講評風景(グループ別)1体/グループ講評2

◎合格者作品展示DSC_1216

道具の使い方からデッサンの基本を1から丁寧に指導してもらえるので、初心者でも安心して受講できます。
また、個別面談では美大の専攻を相談したり入試の内容を説明してもらう事ができます。
デッサン用具も用意してありますので、気軽に参加してください。