カテゴリー別アーカイブ: 新宿校

デザイン科夜間部より

こんにちは。デザイン科夜間部講師の大島です。

昨日は多摩美の田口先生を迎え、新学科として今とても注目されている統合デザイン学科の説明会が行われました。

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グラフィックデザイン学科とプロダクトデザイン学科の良いところを取り入れたようなカリキュラムがとても魅力的。かなり忙しそうな学科ではあるけれど、充実した学生生活が送れそうですね。併願しやすそうな入試課題なので、ちょっとでも興味がある人は積極的に受験する方向で考えてみましょう。なんなら私が受験したいくらいです。

 

さて夏期講習も中盤に入りました。
現役生もちょっとずつ成長の兆しをみせていますので、その成果の程をちょこっとだけ紹介させてください。以下は「お菓子と両手」という課題で、すべて現役生(高3)の作品です。

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こういうアイス、そういえば子供のころ食べましたね。
ソーダ味で、夏の暑い日、セミの鳴き声を聞きながら友達と半分こして…幼い頃の記憶が蘇り、講評中に思わず郷愁にかられてしまった作品です。手の描写はもっとイケると思います(木の棒の描写はいいと思います)。

 

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サイコロキャラメルは他の人もモチーフにしてましたが、これは持ち方を工夫してますね。間近でみたときの描写も丁寧でした。紙の厚みや質感をちゃんと表現していて「わかってるな…」と思います。ポーズは少々アクロバティックで、実際やってみると指がつりそうです。
ちなみに明治のサイコロキャラメルの発売は1927年だそうです。86歳。すごい。

 

 

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流れのある連続性が美しく分かりやすい作品ですね。上手にモチーフを利用しています。
手の描写と形がまだ気になるかな…とはいえ今の時期としては描写や考え方は良い感じなので、このまま頑張ってほしいですね。ちなみに私はたけのこの里より断然きのこの山派です。

 

 

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ドーナッツの輪っかと、片方の手でつくった輪っか。
これもテーマが分かりやすい作品です。手の描写は悪くないんですけど、ドーナツの質感描写がもう少し美味しそうに描けてると良かったですね。業界用語でいうと、いわゆる「シズル感」というやつです。
どうでもいいんですけど以前フランスのスターバックスにて、日本語のイントネーションで「チョコレートドーナッツ」って屈強そうな黒人の店員に言ったらまったく通じなかったどころか爆笑されたことがトラウマです。

 

最近は美大を目指すきっかけがアニメや漫画やゲームという学生がたくさんいます。

むしろ私たちの多くはレンブラントやミケランジェロをみて美術の道を歩むわけではありません。幼い頃からアニメや漫画のキャラクターをノートに模写したりしながら絵が好きになり、その延長線上で美大を目指そうと思う人も多いのではないでしょうか。

そうして美大予備校に通い始めるわけですが、当然そこではこれまで趣味で描いていたような絵は描けず、予備校で用意されたモチーフを描かされ、講評では形が狂っているなどと指摘されます。本当はイラストや漫画を描くのが好きだっただけなのに、いきなり「デッサン」や「デザイン」の勉強を始めさせられるのです。

そうして予備校生活が漫然なものとなり「自分がなにをやりたいのかわからなくなってきた」「なんのために予備校に通っているのかわからない」と感じ始め、いつしか楽しかったはずの絵を描く行為が徐々に苦しくなってくるという人もいるのではないかと思います。

そこで、いわゆるサブカルチャーからの流れでなんとなくデザインに興味を持った学生には私はこの本を見せることにしています。

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これは「アイデア」という有名なデザイン誌ですが、近年サブカルチャーの分野におけるデザインも特集されています。普段目にしているような漫画からここには絶対掲載できないような本までデザインの対象として扱われています。

この「アイデア」誌に目を通すと、予備校で学んでいること(デザイン科の受験勉強)が、どう自分が好きなもの(漫画やアニメ)に結びつくのか少しイメージしやすくなるのではないかと思っています。

「資生堂の広告いいよね」とか「田中一光のグラフィックデザイン格好いいよね」なんて会話ができれば話は早いのですが、普通に日本で暮らして来た高校生が、全員が全員いきなりそんな知識と感性を持つのは無理があるでしょう。というわけで、こういったところから少しずつ「デザイン」のことを理解して好きになってもらえればと思っています。

この本は私物ですが、興味がある人は声をかけてもらえれば見せることができます。
思い悩んでる人は是非どうぞ。

学生課です!

こんにちは。学生課です。本校舎の1階にいます。
学院でのことで、何か困ったことがありましたら、気軽に相談しに来てください!

夏期講習も中期が始まりました。
そろそろ疲れがたまってくる時期かと思いますが、、日曜の休講日までがんばりましょう!
で、休講日はゆっくり休むのもよいですが、、、 美術館などめぐってみるのもよいですよね。

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学生課には大学や美術館、個展の案内などのチラシがたくさん届きます。(並べてみました)。
たまに無料招待券があったりしますが、早い者勝ち。ぜひ立ち寄ってみてください。

今年も遠方からたくさんの方が夏期講習に参加いただいています。
東京に来た機会を利用して、いろいろな美術館を廻ってみてはいかがですか?

 

夏期講習会

私立美大デザインコースの笹本です。

多摩美大グラフィックコースの作品を数点紹介します。

昨日のデッサン課題は、「1枚の鏡を持っている両手」でした。

まだ課題点は残っていますが、夏期講習会で最初の手のデッサンとしては、なかなか良い出来だと思います。(上:現役生、中:現役生、下:浪人生)

夏期講習

夏期講習

夏期講習

 

もうすぐ夏期講習会の折り返し地点です。しっかりと体調管理をして後半に臨みましょう!

 

ー青森ー

油絵科 松田です

先日休みを利用し、青森県立美術館と、十和田私立現代美術館まで行ってみました。

青森県立美術館は三内丸山遺跡と隣接していて、15000年前の縄文遺跡と、現代の美術館が
同じエリアに結合しているというとても興味深い施設です。
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美術館の一番広い部屋には、横9m 縦15m というシャガールの巨大な作品が3枚も飾ってあり、東京では味わうことの出来ない贅沢な空間を体験できました。
遺跡の展示部屋には完成度の高い土器や、それらの失敗作などが微笑ましく展示してあります。

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15000年前に作られた土器や遺跡を、現代の美術作品と同時間に体験しながら考えさせられる
良い場所でした。

次に向かった十和田市立現代美術館では、良質な現代美術作品が沢山見れます。

ロン・ミュエク 『スタンディング・ウーマン』
高さ4m、巨大なおばさまの立像ですね

キム・チャンギョム 『メモリー・イン・ザ・ミラー』
日常風景の映像の中に、実像と虚像が錯綜します

ハンス・オプ・デ・ビーク 『ロケーション(5)』
薄暗いドライブインの窓から果てしなく続く高速道路がリアルに
再現されています

スゥ・ドーホー 『ゴーズ・アンド・エフェクト』
数万体の樹脂人形が肩車の連続で天井から吊り下げられています

チームラボ 『生命は生命の力で生きている』
書を映像科し四季の中で生命の移り変わりを表現されています

その他に野外展示作品がありましたので画像を添付します(野外展示は撮影が可能でした)

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以上は作品のほんの一部です。 興味のある方は、美術館のHPなど覗いてみてください。

時間の合間を縫って、趣味の山登りなんかを、、、
八甲田山周辺です。 自分の作品制作にとっての良い取材ができました。

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まだまだ暑い日が続きますが、皆さん体に気を付けながら夏期講習を楽しんで下さい。
ではまた次回に

映像科の夏期講習2013・予告編

こんにちは。映像科の森田です。
暑い日が続いたかと思えば突然の夕立に見舞われたりと、お天気に翻弄される日々ですね。さて、映像科の夏期講習は29日の月曜日から始まります。既に受講している人も、まだ迷ってる人(?)もいるかもしれませんが、今回は夏期講習の授業の内容を紹介しておきます。中期と後期を合わせて24日間の長丁場なので、しっかり体力をつけて乗り切りましょう!

●中期【EA】7/29~8/10 私立美大映像総合Ⅰ+推薦入試対策コース…
武蔵美や造形大、日芸の一般入試対策はもちろん、9月以降に各大学で行なわれるAO入試、自己推薦入試や公募制入試の対策もするコースです。推薦入試は学科や実技ではなく、これまでに制作した作品ファイルや、プレゼンテーション、面接などによって合否が決まります。そんなわけで中期の12日間には、映像実習(ショートムービー制作)や、プレゼンテーション課題、映像作品研究などを行ないます。実際に撮影や編集をして映像作品を作るとともに、映像についての自分の考え(どうして映像を志望したのか?映像で何を表現したいのか?など)きちんと言葉で伝えられるようにしておきましょう、という内容です。ちなみに映像実習はグループで行なうのですが、毎年この実習を通じて内部生外部生関係なく、他の学生の面白い趣味や意外な一面が垣間みられることで、交流が生まれることもあるとか。入試の対策でありつつ楽しんで受講してもらいたいです。

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(2012年の夏期講習から/新宿御苑にて映像実習の撮影風景)

●後期【EB】8/12~8/24 私立美大映像総合Ⅱ+一般入試特訓コース…
後期も引き続き武蔵美を中心とした一般入試の対策を行ないます。武蔵美の感覚テストや造形大の構想表現、そして各大学の小論文の対策にも力を入れています。映像の試験の評価のポイントが他の専攻と違ってわかりづらい!教えてくれ!という人は今からでも間に合いますので、ぜひこちらのコースへ。ちなみにこの後期の期間に武蔵美映像学科の教授にお越しいただいて、進学相談会・特別編を行なう予定です。映像学科の授業の紹介や、入試(一般/推薦)についての質問コーナーなど、オープンキャンパスではタイミングが合わず聞けなかった人も、ここでしっかり聞いちゃいましょう。そして後期の最後にはコンクール(実技の模擬試験)もあります。実技試験独特の緊張感にも少しずつ慣れてくださいね。

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(2012年の夏期講習から/去年も開催した進学相談会の様子)

◎おまけ
夏期講習の授業の中では、古今東西色々な映像作品の紹介もします。少し前ならばなかなか観られなかったような映像作品も今はネットで簡単に観られるようになったこと思うと……感慨深いですが(高価なDVD買ったことなど)、それはさておき今回は映像科の学生そして美大受験生ならば知っておきたい、基本の短編映像をいくつか紹介します。

○『Powers of Ten/パワーズ・オブ・テン』チャールズ&レイ・イームズ(1968,1977年)
椅子のデザインで有名なイームズ夫妻は映像作品も制作しています。自邸のポートレート的映像『House』やアスファルトに水が流れる様子を淡々と映した『Blacktop』などおすすめはたくさんありますが、一番有名なのはこの『Powers of Ten』だと思います。日常的な光景からズーム・イン/アウトだけで全く未知の光景を見せてしまう8分間。

○『事の次第』フィッシュリ&ヴァイス(1987年)
写真や立体作品も制作しているペーター・フィッシュリとダヴィッド・ヴァイスによる映像作品。セリフも音楽もなく、物の動きや現象だけが写されています。約30年前の作品ですが、あまりにも有名な作品なので、この作品からインスパイアされた映像を見たことがある人もいると思います。そういう意味でもぜひオリジナルを観ておきましょう。

○『谷川俊太郎&寺山修司ビデオレター』より(1982年)
詩人の谷川俊太郎と映画や舞台などの制作をしていた寺山修司は、かつて16回にわたってビデオレター(身の回りのものを日記的に撮影して送り合う)を行なっていたのですが、これはその中の谷川俊太郎が寺山修司に送った映像です。自分の持ち物を「これは私の〇〇です」という端的な言葉とともに写した映像からは、映像と言葉の関係について、など色々考えることができます。

*講習では映画などの長編も紹介しますが、今回はさわりだけということで。続きは夏期講習の教室で!