カテゴリー別アーカイブ: 新宿校

今日は学科模擬試験でした。

こんにちは。学生課です。

今日は夜間部生を対象に学科模擬試験が行われました。
新美では全学院生に無料で多摩美系、武蔵美系の類似問題を実施しています。
各回ごとに自身の実力や、志望校判定をみて現状を知るだけではなく
苦手な分野やステップアップするためのアドバイスも記載されています。

特に私立美大を目指す人は学科の点数がポイントになります。合格に近づくために学科の苦手を
克服していきましょう。

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新宿校では昼間部生や土日受験科を対象に月曜日、火曜日、水曜日に
夜間部生は土曜日に美大学科対策の授業を実施しています。
無料で体験もできますので気軽に1F総合受付までお越しください。

多摩美の小論文の添削講座も昼間部、夜間部問わず受講できます。
多摩美の学科では小論文の得点の割合が大きいので、こちらもしっかり対策していきましょう。

また校外生の方は全国公開美大学科模試も実施しています。
詳しくはこちらをご覧ください。

 

こんにちは。通信教育です。

 

新美の通信教育では、細分化された美術系大学の入試に対応、各科コースで、基礎から専門課程まで幅広く対応しています。

遠距離のため通学できない方、

高校の部活でまとまった時間が取れない方、

社会人から受験を考えている方、

など様々な方が受講されています。

志望大学の専攻に対応した基礎的な課題を中心に実戦的な課題まで、皆さんそれぞれの進度や強化したい課題等、個別カリキュラムを組み、添削指導します。

詳しくはこちらをご覧下さい。

 

通信教育は隔週金曜日にupします。

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木炭デッサンと紙のお話

こんにちは。油絵科の関口です。ゴールデンウイークもあと2日。休みというのはあっという間に過ぎてしまうものです。皆さんも残りの休みを有意義に過ごして下さい。

さて以前も「木炭について」と題して書きましたが、今回は作例を上げながらデッサンについて書いていこうと思います。
以前のブログについてはこちらからご覧下さい。↓
http://www.art-shinbi.com/blog/20131118/

 

木炭デッサンギャラリー

OLYMPUS DIGITAL CAMERA これはスーラの石膏デッサン。日本の受験生のデッサンとはかなり違いますね。ちょっと硬いけどカッコいいですね。

 

ピカソ11歳これはピカソ11歳の時に描いたベルベデーレ。ちゃんと空間が描けています。これを小5?6年生くらいの子が描いた、と考えると恐ろしいですね。

レオナルド1495-1510これはレオナルド・ダ・ヴィンチの「聖アンナと聖母子」の為のデッサン。油絵とは構図や顔の表情もかなり異なります。油絵と比べてアンナはかなり老けていますが、マリアは抜群に美しい表情で描かれています。

 

マティス1910
これはマティスの初期を代表する「ダンス」の為のデッサン。描いては消し、描いては消し…を繰り返して、画面にどう収めるか?を探った跡が残っています。木炭は消しやすい素材なので、その特徴を最大限に生かした作品になっています。決して写実的な表現ではありませんが、躍動感に溢れる作品に仕上がっています。

 

スーラ、トロンボーン奏者1887
この作品もスーラのデッサンです。これは少し木炭紙っぽい目が入っています。
以前のブログで「木炭紙に描かれた素描を時間がある時に探してみます」という様な事を書きましたが、残念ながら殆ど見当たりませんでした。
この作品はどうやら木炭ではなく、コンテかクレヨンの様なもので描かれている様です。トロンボーンの辺りには白い描画材(何を使っているのかは不明)も使われています。

 

コルヴィッツ1933
これはケーテ・コルヴィッツのデッサン。(ちなみにコルヴィッツは女性作家です)この作品も紙は木炭紙っぽい目のある紙に描かれていますが、描画材は木炭ではなく、コンテで描かれています。

 

コルヴィッツ1905
こちらもコルヴィッツ。この絵も木炭紙に木炭で描いたように見えますが、実は銅版画です。

 

日本の受験では「木炭紙に木炭で描く」という行為は当たり前の様に行われていますが、どうやら世界的には珍しい事のようです。
安井曾太郎恐らく明治の後半から大正に掛けて、安井曾太郎がフランスのアカデミー・ジュリアンでデッサンを学んだ時、そこで使われていたのが木炭紙だったのではないか?と思います。そこで学んだデッサンの理念を日本に持ち帰った時に、併せて木炭紙に描かれる事も導入された可能性が高い、と僕は考えています。

今から20数年前、芸大油画専攻の試験が上野校舎ではなく、国技館で行われました。それまでは木炭紙だった試験用紙がTMKポスター紙になった時、フランスのMBM木炭紙のメーカー、アルジョマリー社はかなりの経営危機に陥ったのではないでしょうか。当時の芸大油画専攻の受験者数は2700人程度でした。一人あたり年間数十枚は買っていた筈ですから、数十万枚も急に売れなくなった計算になります。
数年前から再び芸大は上野校舎で木炭デッサンに戻りましたが、もしメーカーが潰れていたらどんな紙に描く事になっていたんでしょうね?

実は日本のメーカーが作っている「アトリエ木炭紙」なる紙も存在します。クロッキー帳にも目が入っている紙がありますよね?少し黄色味掛かったあれです。あの紙が厚くなったと言ったらイメージしてもらえると思います。ちょっと描いてみましたが、思ったより描きやすい紙でした。

 

木炭紙以外に木炭を使った事が無い人は、是非一度違う紙にもデッサンをしてみて下さい。世界標準を肌で感じる事が出来ますよ。

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さて、1月から4ヶ月に渡り、毎週月曜日にブログをアップしてきましたが、来週からは他の先生にバトンタッチして書いてもらいます。これからは4週間に一回のペースで僕に当番が回ってきます。毎週楽しみに読んで下さった方、4週間後にまたお会いしましょう。

日本画科便り1-2014スタート-

日本画科です。

いよいよ2014年度がスタートしました。今年度も頑張って「全員、志望校合格」を目標に頑張っていきましょう。

 

今回は、日本画科の案内をしたいと思います。

新美日本画科は東京芸大、私立美大、国公立美大、その他私立美大の入試情報と入試課題の緻密な分析によってカリキュラムを作成しています。年間を通じてデッサンと着彩をバランスよく学習していくカリキュラム編成です。

指導は、受講者のレベルに沿った丁寧な対応が特徴です。その理論的で分かり易い指導は各自の課題点をクリアにしていくものです。個別の実技指導も行いますので、初心者も安心して受講することが可能です。

特に1学期は日本画科の受験に必要な「型」を構築していきます。昼間部終業後は「学科授業」、もしくは「夜間制作特訓(希望者)」に分かれ、各々の課題点克服のための対策に取り組みます。また、高校生を主とする夜間部は、“4日に1課題”というカリキュラムサイクル。基礎をしっかり習得し、芸大美大受験に必要な対応力を鍛えます。「全員現役合格!」を目標に、ひとりひとりのレベルに沿った丁寧な指導を心掛けています。

少数制の徹底した個人サポートで高い合格率。緻密な入試分析と分かり易い指導理論でどの美大入試にも強いのが新美日本画科です。また、清潔度の高い環境は空調設備も万全のため、安心して課題制作に集中することが出来ます。

 

日本画科に興味ある受験生がいらっしゃいましたら是非見学にいらしてください。

日本画科受験についても質問があれば講師がお答えします!お気軽にどうぞ!


 

2013年度合格実績     ※2013年度在籍者数23名中

東京芸術大学2名(過去3年間 9名合格)

多摩美術大学日本画10名、武蔵野美術大学4名、東北芸術工科大学5名、女子美術大学5名

広島市立大学1名、北海道教育大学1名

1-6←春の合格者作品展

1-7←春の合格者作品展

バルテュスのマニアックなお話

こんにちは。油絵科の関口です。最近はかなり暖かくなってきましたね。

さて、上野の東京都美術館で開催されているバルテュス展はもうご覧になりましたか?今日はそのバルテュスについて書こうと思います。

若き日のバルテュス若き日のバルテュス(マン・レイ撮影)

実はバルテュスというのは本名ではなく、通称だそうで、本名は「バルタザール・クロソウスキー・ド・ローラ伯爵」と言います。フランスで生まれていますが、ポーランド貴族の流れをくむ家柄の伯爵で、由緒ある家系に育ったようです。
父親のエリックは美術史家、画家、舞台美術をやっており、母親のバラディーヌも芸術家だったそうです。兄のピエールは小説家として活躍していましたし、彼は画家(素描家)という側面もありました。

ピエールの作品
バルテュスの兄、ピエールの作品

以前、全く予備知識が無い状態で、ピエール・クロソウスキーという画家のデッサン集を見ました。「かなりヤバい感じの絵を描く人だな?」と思っていたら、後日バルテュスのお兄さんという事が判明し、ビックリした覚えがあります。(このブログに載せられるのはこれが精一杯です。どんな風にヤバいのか興味がある人は、是非検索してみて下さい)

ちなみにバルテュスは独学で絵を学んでいるそうですが、幼少の頃から実家にマティスやボナールがよく夕食に訪れたそうです。他にも作曲家のストラヴィンスキーやバレエダンサーのニジンスキー、詩人のリルケといった大物芸術家達も家を訪れていたようです。一般の家庭では考えられない様な幼少期を過ごしたに違いありません。

ところで、このバルテュスの展覧会、以前も東京駅のステーションギャラリーで見た事がありました。その時のカタログに書いてある年数を見ると、1993年とあります。あれから20年以上も経っているという事実にビックリしてしまいました。

今回の東京都美術館に於けるバルテュス展は、初期の作品やアトリエを再現したセットまで展示してあり、一見の価値はあると思います。

中でも初期の「夢見るテレーズ」は、良い作品だと思いました。頭上に乗せられた両手辺りのマチエールには、かなり苦労した跡が見受けられます。写真では分かりにくいと思いますが、何度も何度も描き直して、納得いくまで弄り続けないと、こういう表情にはならないのです。マチエールを付けようと思って出来たマチエールでは無く、自分の理想とする内容を追求した結果得られたマチエールなので、リアリティがあります。

夢見るテレーズ1938
バルテュス 「夢見るテレーズ 」1938年

個人的に面白かったのは、バルテュスのアトリエを再現したコーナーです。彼の使っていた筆や使いかけの絵具、顔料の瓶、パレット、椅子、イーゼル、作業着、描きかけの作品、絵具の付いた床…油絵を描いている人なら、一つひとつの痕跡から彼の制作していた姿が想像出来るのではないでしょうか?

それから、写真を見てバルテュスの使っている絵具のメーカーも興味を持ちました。ブロックス、レンブラント(ターレンス)、シュミンケ、マイメリ…愛用していた絵具からも彼の好みが分かります。

?あと、先程「独学で絵を学んだ」と書きましたが、それを実感できたのはアトリエに置かれたパレットです。パレットには描いている人其々の性格が出るものですが、ああいうパレットを見たのは初めてです。

パレットカタログに載っていたアトリエの写真。僕としては面白いものが沢山あります。

細かいところをじっくり見ていくと、面白さ満点です。皆さんもゴールデンウイークを利用して、見に行ってみてはいかがでしょうか?