カテゴリー別アーカイブ: 新宿校

日本画科 夏、ラストスパートです!

こんにちは、日本画の佐々木です。

夏期講習後期は、なんとアトリエ満員御礼状態で、たくさんの生徒が切磋琢磨しています。
徐々に疲れも見え始めていますが、絵の内容も、夏を迎える前とは変わってきているのではないでしょうか??

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生きたカブトムシや金魚を描いたり、芸大生デモンストレーターと一緒に制作したり・・・
カリキュラムの内容も、夏らしく、楽しくなるように、講師みんなで考えました!
楽しいどころか、辛かったわ!という人も、いるかもですが・・・。

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夏期講習も残すところあと少し。
最後まで描ききりましょう!

映像科:写真展のお知らせ

こんにちは、映像科講師の森田です。
世間がお盆休みになると朝の電車がちょっとだけ空くのが有り難い今日この頃ですが、いよいよ夏期講習も後半戦。このまま最後まで駆け抜けたいものです。

今回は現在開催中の写真展のお知らせです。去年新美映像科で一緒だった3人が下北沢のギャラリーで展示をしています。僕も今日行ってきたのですが、3人3様でなかなか見応えのある展示でした。週明けの17日までですがぜひ足を運んでみてください!

「写真ワークス」ギャラリーHANA
2015年8月12日(水)~17日(月) OPEN 11:00-19:00

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油絵具の色ついて(青色編)

こんにちは。油絵科の関口です。
前回はルネサンスの頃に油絵に使われていた「赤」について書きましたが、今日は「青」について書こうと思います。

現在使われている、コバルトブルー、セルリアンブルーなどのコバルトを原料としている青色顔料は19世紀の中頃から使われる様になりました。プルシャンブルーは18世紀から使われています。
名前は色んなものが付いていますが、サファイアブルーやコンポーズブルーなどのフタロシアニン系の混色でできる青も20世紀に入ってからの絵の具です。

 

ウルトラマリンブルー
この色は、昔はラピスラズリから採取されていました。ヨーロッパでは殆ど取れない鉱石でしたので、アフガニスタンや西アジアから「海(地中海)を越えて来た色」として伝えられ、それで「ウルトラマリン」という名前が付いたそうです。原石は綺麗な青い色をしていますが、実はかなり不純物が多く、石を砕いただけでは綺麗な青い顔料になりません。cristaux de lazurite sur calcite (Afghanistan)
ラピスラズリの鉱石

チェンニーニの「絵画論」の中で紹介されている精製法を簡単に説明すると、粉砕したラピスラズリを油や樹脂で練ってパテを作り、薄めた灰汁の中で揉むと青い顔料だけ抽出されるそうです。ヨーロッパでは輸入に頼るしかなく、精製法が複雑な為、高価な色として知られ、17世紀では何と金よりも高価だったそうです。
先日の芸大説明会で技法材料研究室を訪れた時、奥の方にラピスラズリの鉱石と青い色の塗布サンプルが置かれていたので、気になって助手の人に尋ねると、やはりチェンニーニの技法で天然のウルトラマリンを作ったそうです。

その昔、この青をふんだんに使えたのは、人気と実力のある画家だけでした。初期ルネサンスを代表する巨匠、ジオットは壁画に惜しみなくラピスラズリを使いました。
PadovaScrovegni1305
パドヴァにあるスクロヴェーニ礼拝堂、ジオットによるフレスコ画 (1305年頃)

真珠の首飾りの少女1655
17世紀の画家、フェルメールの「真珠の首飾りの少女」(1655年頃) のターバンのところに使われている青もラピスラズリです。

ちなみに現在使われているウルトラマリンは人工のもので、化学組成は殆ど天然のものと同じです。人工のウルトラマリンの方が不純物がない分、色が鮮やか。粒子が細かく、均一で絵の具にしやすい。化学反応で作れるので安価です。僕のオススメはマツダスーパーのフレンチウルトラマリン。通常のウルトラマリンよりもちょっと高いですが、発色の良さは国内外にある他のどのメーカーと比較しても群を抜いており、本当に絶品です。

 

よくウルトラマリンブルーを和名で「群青」と表現する事がありますが、ラピスラズリの和名は「青金石」とか「瑠璃」と表現します。
日本画で使われている「岩群青」という色はアズライト(藍銅鉱:らんどうこう)と言われる鉱石を砕いたもので別の色です。昔は日本にも豊富なアズライトの鉱床がありましたが、今では取り尽くしてしまったため、現在では輸入に頼るしかなく、かなり高価という事です。
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海外で採取されたアズライトの鉱石

 

ここのところず?っと暑い日が続いていましたので、青い色で少しでも爽やかな気分を味わってもらえたなら幸いです。夏バテしないように、しっかりご飯を食べて、元気に暑い夏を乗り切りましょう!

基礎科 夏の講習会上半期ダイジェスト!!

新美基礎科の夏期講習、ちょうど半ばもすぎました。
続々と夏の成果があがってきています。
今回は皆さんの頑張っている授業の様子、傑作の一部(上半期)をご紹介します!

【デッサンコース】

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【油絵コース】

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【彫刻コース】

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【日本画コース】

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【デザイン・工芸コース】

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まだまだ、下半期へつづきます!

映像科:夏期講習会・中間報告

こんにちは、映像科講師の森田です。東京の連続する猛暑日と同じくらい暑い/熱い映像科の夏期講習は続いています。
普段は画用紙と原稿用紙に向かうことが多い映像科ですが、8/3からのⅢ期では推薦入試の対策をメインに、連日映像作品の制作やプレゼンテーションなどしています!
この日は「ポートフォリオ制作・ワークショップ」と題して、自分がこれまで制作してきた映像作品や写真作品(またはこれから制作する予定の作品)をファイルのかたちでまとめるためのレクチャーとパイロット版の制作をしました。推薦・AO入試で映像メディア系の学科・専攻を受ける人にとっては差し当たりポートフォリオなどの作品提出がありますが、美大に入ると自分の作品をまとめる機会はつねにあるので、そのための練習でもあります。

午前中はまず、古今東西様々なアーティストやデザイナーの作品集を見ながら、作品のメインビジュアルの見せ方やテキストの解説、ファイルのレイアウトを研究してみます。「映像を紙媒体で魅力的に伝えるにはどうしたら良いか?」意見交換もします。

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午後はデザイン学科出身の野澤先生によるレイアウトの基礎講座を踏まえて、実際に自分の作品をファイルのかたちにしてみます。最後には一人ずつタイトルを付けて発表。今回のパイロット版の制作を踏まえて、残りの期間でブラッシュアップしていきましょう!

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この機会に映像科の合格者のポートフォリオの一部を紹介。
以下は昨年の武蔵美映像学科クリエーション資質重視型の合格者の再現ポートフォリオです。写真を使った平面作品と展示のドキュメントが中心。かなりシンプルな、ともすればちょっと不安になるくらい寡黙な印象のファイルですが、テーマやコンセプトなどしっかり考えて解説を添えているところなどが評価されたようです。

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こちらは数年前に東京造形大学AO入試でアニメーション専攻に合格した学生が制作したポートフォリオ。一転してこちらは表紙からして楽しそうなつくり。全体を通じて「絵を描くことが得意でデッサン力にも自信あり」ということをアピールしつつ、一方でアニメーションの原理的な部分にも興味があるということを、一冊でうまくまとめています。

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ちなみに作品提出期間は、東京造形大学の各専攻は9月、武蔵美映像学科のクリエーション資質重視型は11月となっています。推薦入試を受けようと思っている人は(夏休みの自由研究的に)これまでの自分の作品、活動をまとめておくようにしましょう。