カテゴリー別アーカイブ: 新宿校

日本画 プレ夏期講習

こんにちは!日本画の佐々木です。

先日19日は、プレ夏期講習でした。今回は彫刻と合同開催!

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すごい活気でした!
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最初の一時間は、彫刻の講師と日本画の講師それぞれのデモストを見ました!
日本画も彫刻も、大切なことはいっしょですね?。

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制作終了後は日本画と彫刻の先生がタッグを組んで講評です。
それぞれの科の視点から指導を受け、新しい発見も多かったのではないでしょうか?
生徒たちだけでなく、講師たちもかなり刺激を受けました!

日本画、彫刻。科として分かれてはいるけれど、受験で扱う石膏デッサンは基礎中の基礎!
科の違いなど関係なく、柔軟な見方で「似てる!」に近づけていくことが大切なんだな?としみじみ思いました。そろそろ一学期も終わり夏期講習。貪欲にいろんなことを吸収していこう!!

コンテの削り方

こんにちは。油絵科の関口です。
皆さんはコンテという素材は使った事がありますか?油絵科だと、木炭デッサンの時に黒をしっかり付けたい、という時に使う人が多いかもしれませんね。
5552015年度芸大一次素描再現作品(部分的に黒コンテも使用)

さて、前回の記事でクロッキーの事を書きましたが、アトリエでは、鉛筆、ペン、水彩、木炭など様々な素材を使っている人を見掛けます。大きいクロッキー帳には、木炭が描きやすい。という人が多い様な気がしますし、僕も同感です。しかし、欠点としてフィキサチーフを掛けないと、後で裏写りしてかなり消えてしまうんですよね。それが唯一残念なところ。
そこで一度はコンテに手を伸ばすものの、使ってみると思いの外描き辛く、諦めてしまう人も多いのではないでしょうか?

 

コンテは何故使い辛いのでしょうか?理由は大きく分けて二つあります。

①調子のコントロールがし辛く、擦ると汚い調子になってしまう点。

②描いた時に意図しないこの「エッジ」ができてしまい、形になり難い点。

エッジ
このエッジが出来てしまうのは、コンテの形に原因があります。木炭とは違い、角柱の形をしているので、どうしてもこういうエッジが出来てしまいます。(パステルも同様です)

そこで今日はこのエッジ対策をお伝えします。
どうやらこのエッジができない様にするには、特殊な削り方が良いみたいです。
昔の人のデッサンに、コンテを使ったものをよく見掛けます。ほとんどエッジが出ていないので、ずっと疑問に思っていたところ、10年ほど前にとある方からこの削り方を教えてもらいました。
木炭の削り方なら教わる機会がありますが、コンテの削り方は教えてもらう事なんか、まずありませんからね…。僕にとっては、目から鱗でした。コンテの削り方
1.コンテを削る前の状態
2.削るイメージ(角の一つを頂点に斜めに削る感じ)
3.途中まで削った状態。折れやすいので大きめの紙ヤスリを使って慎重に削りましょう。
4.途中から少し左右に傾けて、AとBの2つの面が若干山なりになるように削って完成。削った状態
この削り方。一度試してみて下さい。コンテはクセがあるので、慣れは必要ですが、細い線も引けますし、腹のところを使うとソフトな線が引けます。クロッキーの時に稜線を描く時や、形のの回りこみを描くのに便利だと思います。

細い線説明付き
ソフトエッジ説明付き
写真は緑色のコンテを使っています。今はいろんな色があるんですね。右エッジ説明付き
反対にコンテを左側に傾けると、左側のエッジがシャープに、右側がソフトにできます。

シーレ
エゴン・シーレのデッサン

この削り方なら、こんな感じのシャープな線とソフトな稜線を組み合わせたクロッキーが出来そうでしょ?
あとは練習あるのみです。試験には直接関係ありませんが、油絵科の場合 何がキッカケになるか分かりませんから、是非チャレンジしてみてください。

映像科:武蔵美の「感覚テスト」って?

こんにちは、映像科の森田です。ついこの間一学期が始まったと思っていたのですが、気がつけばもう6月。今週末は武蔵美のオープンキャンパスもあり、少しずつですが受験ムードが出てきた気がします。

さて、今回は前回の「小論文」につづいて、映像科の試験で代表的な形式、武蔵美映像学科の「感覚テスト」について紹介したいと思います。映像に興味を持って大学の映像系学科を志望した人は、最初に思うはずです。「なんだ、この感覚テストって?」

与えられたテーマから発想して絵を描き、文章を書く試験ですが、作品によっては漫画のようなイラストだったり、抽象的なビジュアル表現もあったりして、評価の基準を掴むのが難しいという声を聞くこともあります。実際「感覚テストの対策について知りたくて」という理由で、新美の映像科に相談に来る人も多いです。ちなみに去年の問題はこんな出題でした。

【2016年度 入学試験問題 映像学科 感覚テスト(3時間)】
問題:下記の文から想起する場所のイメージ、あるいは出来事のイメージを解答欄に絵と文章で表現しなさい。
「この時が永遠に続くと思われた」

よく「感覚テストってストーリーを作る試験ですよね?」という質問をされることもありますが、厳密にいえば問題文には「ストーリー=物語」という言葉はありません。あくまでも「“場所”のイメージ」「“出来事”のイメージ」という風に書かれています。実は約10年前までは問題文に「物語(のイメージ)」という表記がありました。しかしその後はずっと「場所」「空間」「出来事」などといった言葉で出題されています。

これは「映像学科に入学してから作る映像作品は必ずしも物語のある映像だけではない」という理由もあるのではないかと思います。つまり明快なストーリーがない映像表現があるように、感覚テストの文章も、いわゆる物語ではなく、散文的な表現、あるいは説明文や日記のような形式…と、色んな文章のスタイルが許容されているのだと思います。実際の作品を見てみましょう。以下は新美映像科の学生の昨年の合格者再現作品です(点数は150点満点で135点でした)。

感覚テスト

主人公の「私」と「父」「兄」が登場するこの作品の文章も一種の「物語」と言えますが、人物の細かな設定や究極的な結末のようなものは示されていません。むしろ長い物語があるとして、その中の「(印象的な)ワンシーン」を切り取ったという印象です。このように感覚テストの問題文の「場所のイメージ、あるいは出来事のイメージ」を別の言葉で言い換えるならば、物語よりはやや短い「シーン=場面」を創作する試験問題だと考えられるかもしれません。

また、これもよく聞かれることとして「文章の“オチ”が考えられなくて…」という質問を受けることがありますが、「物語」という基準だけが求められているわけではないこともあり、わかりやすい結末や教訓(?)が必要なわけではありません。むしろ無理にオチをつけようとすることによって、説明的になりすぎたり、「これ、ちょっと都合良すぎるんじゃないか」という印象になったりするので、そこは逆に気をつけたいところです。

小論文と同様に感覚テストも、日頃の観察や発見が作品のアイディアに繋がります。カメラを持ち歩いている人がつねに写すものを探しているように、感覚テストのアイディアも気にしてみると色々なところにあるのだと思います。

日本画 夏までに!

お久しぶりの更新になってしまいました、佐々木です。

今回は最近の生徒作品をご紹介します!
まずは石膏デッサン。

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4月に集中的にデッサンに取り組み、問題点を洗い出し、かなりしっかりとした作品が出始めています。
本当にちょっとした考え方、見方の転換で、見えてくる世界がガラッと変わるのがデッサンの面白いところです。

続いて着彩

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絵の具の基本的な特性や扱い方からはじまり、着彩をする上での意識やポイントなどを見なおしています。着彩は、デッサンがどれくらいできているかに出来が連動してくるのでなかなか難しいですが、根本から考え方をつなげていくことでクリアにイメージを持つことが出来ます。
着彩もまた、いい作品が出始めてきていますね。

これからくる夏期講習。一番時間をかけておもいっきり取り組めるその時までに、頑張るための基礎力はしっかりつけておきたいですよね。
技術をつけるためにも、まずは意識や考え方の不足、偏りを無くして万全の状態に皆をもっていきます!ぐんぐん成長する皆に、講師たちも燃えております!がんがんいくぞー!!

彫刻科 1学期中盤戦

こんにちは!彫刻科講師の稲田です。
1学期も中盤に差し掛かってきました。5月は悩みながらも各自、粘り強く課題に立ち向かっていった姿勢がデッサンや塑造から感じられました。6月もこの調子で走り続けましょう!!

今回は昼間部生のデッサン2枚を紹介します。

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組石膏の場合、像を取り巻く空間の観察がどれだけ出来ているかがストレートに画面に出ます。奥に抜ける空間が弱い部分も見受けられますが、作者が課題として取り組んでいた構造に沿って細部が自然に見えてくる見え方に一歩近づいたデッサンになったのではないでしょうか。

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こちらの静物デッサンは丁寧に素直な観察が魅力的なデッサンです。誠実な観察からくる描写は人を説得させますね。ここからさらに画面の奥に向かう空間を意識的に作って行くことやモチーフに重さを感じれれるようになればさらに高いレベルになる可能性を感じさせます。

作者2人はそれぞれ取り組んでいる課題がありますが、今回紹介したデッサンにはそれぞれが良い方向に向かう兆しが見えています。この見方と感覚を大切にコンスタントな結果に結び付けて行きましょう!!

話は変わりますが先日、丸の内を歩いていたら道に作品が並んでいました。彫刻ではジュリアーノ・ヴァンジ、三木俊治、三沢厚彦などなど見応えのある作品が設置されていました。美術館ではない場所で見る作品はまた新鮮な目でうつりますね。
近くには三菱一号館美術館などもあるので散歩がてらに見に行くのもいいかもしれません。

では!今回はこのくらいで。次回は小川原先生です。宜しくお願いします!