カテゴリー別アーカイブ: 彫刻科

彫刻科 ダイジェスト!!

彫刻科の氷室です。

みなさん、冬期講習はいかがでしたか
ともすれば無理かもしれない!と言う濃密なスケジュールを日々葛藤しながらこなしていく皆さんの姿には、毎日目頭が熱くなる思いでした。
1学期からの地道な努力が、今になって結果へ結びついてきました。希望がはっきり見えてきた冬期講習だった様に思います。
本当にお疲れ様でした!
ほんの少しの休憩、お正月ですね!
イメトレをしながら、少し身体を休めて下さいね。

ここからはダイジェストです!
まず始めに朗報がひとつあります!!
中国からと台湾からの留学生2名が多摩美術大学彫刻科の推薦入試で、見事合格を勝ち取りました!!!
面接特訓や作品作りなど様々な壁を乗り越えての合格、本当におめでとうございます!!!!!

デッサン、作品作りやファイル作り、面接の特訓、作文特訓など試験当日まで、やらなければならない課題はたくさんありますので、推薦入試では、早めに対策に取りかかることが決め手となりますね!!

さて冬期講習での優秀作品を紹介する前に!
2学期最終日に、夏期講習にも講師として来てくださった、作家の阿部光成さんと主任の小川原先生による彫刻論を行なって頂きました。
その時の様子を少し紹介させてもらいます。

阿部さんの彫刻論では、「彫刻の根幹」をテーマに話を聞くことが出来ました。
矢じりが同時期に別の大陸で自然多発した話を導入に、同じ彫刻と言うものを思考していた、出会ったこともない国も違う4人の作家。
ブランクーシ→橋本平八→ジャコメッティ→若林奮。
上記の順番にそれぞれのつながりや発見を手がかりに彫刻の根幹とは一体どの様なものなのかを探り、根底に迫るを話して下さいました。
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なかなか個人で勉強しても難解なところを、分かり易く、また個々で考えさせてもらえる様に語って下さいました。
この話を皆さんにしてくださった阿部さんの思いとは?作品を作っていく時に、いつかその話が思い起こされる時が来るかもしれません。
そのときには、また違った角度で物事が考えられる様になっているかもしれませんね。

阿部さん とても貴重なお話を本当にありがとうございました!

続いて小川原主任の彫刻論では
東京芸術大学の案内や、教授方の作品紹、そして小川原主任が気になる作家をピックアップしての彫刻作品を多数紹介をして下さいました。
色々なタイプの彫刻作品を見る事ができ、良い刺激になったのではないでしょうか。
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本当にまたとない機会になりました!
阿部さん、小川原主任、本当にありがとうございました!

おまちかね、ここからは冬期講習、前期・中期間での優秀作品の紹介です。

K.S君のデッサン
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F.Tさんのデッサン
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T.U君のデッサン
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A.Sさんの作品
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F.Tさんの作品
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R.Y君のデッサン
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T.U君のデッサン
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R.Y君の作品
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Y.S君の作品
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Y.M君の作品
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A.Sさんのの作品
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T.U君の作品
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R.Y君の作品
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R.Y君のデッサン
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A.Hさんのデッサン
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A.Hさんのデッサン
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T.U君のデッサン
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T.U君のデッサン
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以上、2014年最後の優秀作品紹介でした!
いよいよ!という気持ちも入り込み、集中力や意気込みがとても高まった一日一日でしたね。
一日制作にも少し慣れてきたのではないでしょうか。それぞれの良さが、ぐっと一段伸びた冬期講習だったと感じます。

塑像も素描もデッサンも、さらには鍛えに鍛えられ、みなさんのタフさも確実にレベルが上がってきています!
(試しに4月に描いたデッサンと比べてみるとどうでしょうか?)
どんな悔しい結果になっても何を言われても、食らいついて毎日課題に、時には自分に負けずに戦ってきた成果がでできています。
ここには掲載できなかった優秀作品も多々でました。

反省と前進、全体と細部、精神と体力、出来るだけどちらかに偏らない様に、バランスを考えることは全てにおいて大切ですね。
体が資本なのは言うまでもないので!風邪を引かない様に美味しい物を食べて、良い年をお迎え下さい!

悩んでも明日は、受験はやってくる! だったら2015年も負けずに、タフに乗り越えて行こうぜーーーーーーーーーーー!!!

ムサビ自己推薦結果。2学期末の優秀作品。奴隷プロセス。

こんにちは。彫刻科の小川原です。
11月末にムサビの自己推薦入試の合格発表がありました。今年の受験者は11名で、合格者は5名でした。新美からは3名受験して、3名全員が合格!!素晴らしい結果でしたね!
それまで全てが未経験であっても時間をかけて作品制作を行い、面接、作文、ファイル制作の対策がすることで、しっかりと合格を手にする事が出来ると言う事が実証されたと思います。そういったサポートがしっかり出来る体制が推薦入試を勝ち抜く為には最も重要なのだと実感しています。
合格おめでとう!

さて、2学期後半は短時間特訓や構成課題が多かったのでブログに載せられる作品が少ないですが、いくつか紹介していきたいと思います。
K.S君の作品。6時間。
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最近は芸大の入試傾向として模刻が続いています。それも割と小振りなモチーフが連続して出題されています。今回の課題は入試に合わせて6時間で制作してもらいました。短時間での模刻となると、観察と同時に構造や印象の分析が必要だったり、増してやアバタのように皆がつくり慣れている像だと、事前の知識が制作のスピードを早める事にもつながるので、それまでの経験がしっかり役立てられるかという事も重要になります。この作品はアバタを説明する上で必要なポイントがしっかりおさえられている事が評価できます。

T.U君の作品。6時間。
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明解かつ自然に全体が捉えられています。像全体が持つ印象(動きや量や形)を高い精度でまとめあげられている事がこの作品が評価に値する最大のポイントと言えるでしょう。この作品も6時間制作ですが、本番もブレること無く合わせていけると良いです。

R.Y君の作品。6時間。
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やや伸び、たわみの表現に対して消極的な面も伺えますが、画面をコントロールする力は素晴らしいです。顔を似せてきている事にも好感が持てます。安定感は1度限りの受験を勝ち抜く為に重要な事なので、入試までしっかりバランスを保ちながら照準を合わせていって下さい。

T.U君の作品。7時間。
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モデル首像です。一見荒々しいようですが、土付けのすべてが形のリアリティに反応出来始めています。方法論としてではなく、実感を持ちながらこの表現を追求していって下さい。もともとデッサン力があるのでかなり効果的に結果に結びつくはずです。

K.S君の作品。6時間。IMG_0231

以前から土付けに魅力があり、それが強みでした。しかしどこかで構造のずれがあり、それが作品として大きくマイナスになってしまうのがもったいない点でしたが、この作品は全体がかみ合って響き合わせられていると思います。その事で自然に生命感がしっかり出ている事がこれまでの作品と違うところです。作業が狭い視点になる事のないよう気をつけて、作品全体での魅力をしっかり考えていければ全く問題ないです。

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土付けに独特の柔らかさがあり、魅力を感じます。鼻の下面の不自然さや、耳や髪の説得力不足が補えたら素晴らしい作品に化ける予感をさせてくれる。そんな作品です。この時期6時間でこのくらい出来るのであれば十分間に合うと思うので引き続き頑張って下さい。

T.U君の作品。6時間。
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土の一手一手の重みが増してきたように感じます。ただ表面をならしていくのではなく、全てに厚みと緊張感を感じてやり取りしていく事で初めて作品に深みが与えられるでしょう。そうして初めて生身の人間の魅力が表現できる訳です。かなり良くなってきました。これからが楽しみです。

小川原。奴隷プロセス3.5時間。
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アタリから全体のバランス(動き、量、印象)を、最も魅力的な構図となるように心掛けながら捉えます。

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内側の構造を確認しつつ、アウトラインの精度も一緒に高めていきます。

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光源を整理しながら調子を乗せていきます。顔も具体的にはまだしませんが、細部もサイズ感や位置関係を含め似ている事をこの段階で確認します。

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ガーゼで奥行きのある面や下の面をおさえて空間表現の為の下地をつくります。手前部分は全くガーゼを使っていないのが分かると思いますが、こうして下地から表現に差を付けるのも最終的に要素の多い作品に仕上げていく上で重要な事です。

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少しずつそれぞれの形を具体的にしながら完成のビジョンを高めていきます。この辺りの段階はそのまま最終的な完成に影響してくるのであまり狂いは残しておきたくはないです。

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完成に向けて全体のまとまり感や、より具体的な印象を深めていきます。画面を触りすぎて弱まってしまうようならこのあともう一度下地として強めていく作業を入れたりもします。

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最終的には作品としての言い切りをしっかりやりきりましょう。言いたい事が曖昧な作品はスルーされてしまいます。その上で、表現が独りよがりでなく、第三者が共感できるものであれば必ず評価されます。デッサンもあくまで美術表現である事を忘れないで下さい。形を合わせるだとか、調子をコントロールするだとか、完成度を上げる。と言ったものは当たり前の事です。それを責任を持ってやり切った上で何が言いたいのか。それをはっきりさせましょう!

さて、冬期講習がはじまり、受験も目前となってきました。緊張感も高まってきた事と思います。しかし焦ってはダメです。焦っても何も良くなりません。残りの時間でやれる事は限られている訳だし、その時間を最も有効に消化していく為に何が必要か考えてみて下さい。
残りの時間の使い方次第で結果はかなり変わってくると思います。受験間近とは言え、恐いのは「受験」しか目に入らなくなってしまい、自分の作品が冷静に見えなくなってしまう事です。
悔いの残らないよう、やるべき事をやりきりましょう!

 

 

 

2学期も終盤 2014年も終盤

彫刻科の氷室です
紅葉が綺麗な季節ですね! 
みなさんは3連休、何か作品や展示を見に行きましたか?
他予備校の公開コンクールへ参加した学生もいた様ですね。お疲れ様でした!

私は、善福寺公園で行われているトロールの森という野外展に行ってきました。
散歩しながら紅葉を見るには最高のお天気でした!
気持ち良く太陽の光を浴びたり、野外での展示について考えたりのんびりした時間を久しぶりに過ごしました。

IMG_2422-1??????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????? 最近知り合いになった松田絵梨子さんと言う作家さんの作品です。
鏡の中に自分の一部を入れて撮影をすると言う作品で、再度周りに写り込む自然について考察するという鏡をテーマにした作品です。

ここからは最近の課題の優秀作を品紹介していきます!

手とマスクを使った構成  写真は作品の1部分ですが、面白い作品がでました。
K.S君の作品(1部分)
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T.U君の作品(1部分)
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マスクに手が何かしらのアクションを加えている構成2点

Y.M君の作品
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R.Y君の作品(1部分)
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手をマスクとの構成として使った作品2点

色々な捉え方で、作品の幅が広がりますね!

ジョルジョの模刻
T.U君の作品
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首の魅せ方や切り口、頭部の形がやや丸く見えてしまいますが、表情はこれから戦いに行くジョルジョらしい印象が良く作れています!

アポロと角材の組石膏
R.Y君のデッサン
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形にも妥協せず、光や石膏の白い印象も綺麗に拾えています!視点も感じますね!

ブルータスの模刻
R.Y君の作品
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やや心棒からの位置が怪しいですが、誰よりも一番モチーフから離れての観察が出来ていました!その結果、全体の印象がよく捉えられています。

K.S君の作品
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塑像は斜めから見た時の形が重要です!そこがきちんと意識出来ていますね。影の色味も綺麗です!

T.U君の作品
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彫りが浅くも深くもない、ブルータスの難しい表情に良く迫れています!客観的に観察できています。

こちらはK.S君の作品2点
ヘルメスの模刻とメヂチの模刻
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写真で見るとやや首の付け根辺りが柔らかく見えてしまいますが、髪の毛の面を意識した作りこみや、肩から首の出方など丁寧にじっくり観察ができています!

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髪の毛の作り込みにおいて、大きな頭部の形の角をもっと意識出来るとなお良かったですが、印象を合わせてきました!この調子で行きましょう!

ヘルメスのデッサン
K.S君のデッサン
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とても良く観察できています!光と形の両方を貪欲に追いつつ、顔の印象にも迫る完成度の高い魅力がある1枚です!
細部に迫れるだけ迫り、かつ全体感を損なわずに描けると強いですね!

奴隷のデッサン
K.S君のデッサン
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形と光を追って行く独特の質感が奴隷の魂が肉体に閉じ込められている様を上手く拾い上げています!
今しか描けないデッサンだと思います。とても綺麗なデッサンですね!

R.Y君のデッサン
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顔周りの黒さが少し重たく感じてしまいますが、しっかりと視点を逃さずに奴隷の印象や形を丁寧に描けています!

Y.M君のデッサン
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腰回りとねじれに対する光の変化がやや単調ですが、回り込みにある光が丁寧に拾えているので、紙に対してのなじみが良いです!石膏の白さも感じますね。

T.U君のデッサン
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良く観察されているデッサンです。どこを取っても形がしっかり描けています!やや横に太ってしまったので、ねじれが弱く感じますが言い切りの強いデッサンです。
回り込みにもう少し遊びがあっても良いかもしれません。

こちらは自刻のトルソ作品2点です
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両作品ともに課題以外の時間も使い丁寧に製作に向き合った作品です!大学に入ってからの制作に近い課題になったのではないかと思います。
実際に作っているのは自分の体ですので、後ろや横を観察するのが非常に難しかったと思います。筋肉の付き方や骨格を自分でさらに勉強しながら、不自然さと戦った作品は、とても魅力がありますね!
後ろで見ていて、うんうんと頷きたくなる集中ぶりでした。やはりこつこつ時間をかけて制作に挑むのも楽しいですよね!
早く大学へ行きたいという思いが強くなったのではないでしょうか?
本当に今しかできないこの様な作品が、この新美のアトリエから生まれたことに感動しました!!

今、目の前に置かれているモチーフを描く、作る
短時間でのたくさんの課題をこなしていく事も、大学に入ってからの基礎力に、さらには未来で役立つ力になってる事は間違いありません!

受験と言う時間の制限に負けずに行きましょう!!

今日出来る事を先延ばしにせず、精一杯向かえることが凄い事だと思います!!
風邪を引かず、まして骨折なんてせず、歩いてアトリエへ来て絵を1枚描いて帰れる事、何気ない日常は本当に凄いことです!^^

いよいよ冬の到来
風邪にはき気をつけて、栄養をしっかり取って下さいね!

さーーーこれからだ!!!!!

次回の更新は12月16日 内田先生の担当です!

2学期中盤の優秀作品。

お久しぶりです!彫刻科の小川原です。さて、今年も残すところもう2ヶ月無いんですね。時が経つのは早いな?と実感させられます。
1学期は基礎力の拡充!
夏期講習は一気に経験値を稼ぐ!
で、2学期は何かと言うと「作品追求!」これに尽きます。これまで学んできた事で、かなり多くの事が出来るようになってきているはず。その分落ち着いて作品と向き合い、さらに良くしていく事についてじっくり考えられるようになっているのではないでしょうか?冬期講習からはもう実戦に向けての最終仕上げに入っていきます。なので腰を据えて作品を研究できるのは今のうちです。抜かり無く自分の作品の方向性を見極めていって下さい。
それではこれまでの優秀作品を紹介します。

自刻像
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2日制作課題でしたが、ほぼ1日でこの状態にまで持ってこれていました。完成度が高く、良いと思います。この先の作品のビジョンがしっかり持てるようになると、同じ時間でもさらにレベルの高い作品が目指せるようになるはずです。髪の表現はもう一つ研究を深めたいところです。

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頭部の表現がとても良いです。ちまちま細部に走っている訳ではないのに、しっかり端々の表情が作れているし、全体を一つとしてみたときのまとまりも良いです。逆に首、肩、胸が曖昧になってしまっていて、作品の説得力を壊してしまっているのがもったいないです。

素描、両手。木炭紙にコンテ。
T.U君の作品。
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夜間残って自主的に仕上げた作品です。コンテは最近使い始めたばかりですがすでにモノにしたようですね。さすがです。指一本一本のクオリティがさらに高まると尚良いです。

片腕
H.Iさんの作品。
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非常に丁寧に形が探れていて、強いリアリティを感じる事が出来ます。切断面をあえてすっきりさせたのも、他の部分との兼ね合いとしては正解だったと思います。

Y.T君の作品。
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力強い筋肉の表情がリアルに表現できています。筋肉を作る時、筋肉の方向ばかり探ってしまうと変に表面的で筋っぽくなり、つたない表現に見えてしまいがちですが、輪切りの断面方向に形を探る。という事がしっかり理解できてとても良い作品に仕上がりました。

T.F君の作品。
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こちらも力強い男子の腕っぷしが良いです。張りのある表現に魅力的があります。手のポーズはもう少し変化のある魅力的なものが探せるといいです。

F.Tさんの作品。
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全体での動きに連動感があり、自然な表現が出来ていると思います。特にマイナス印象なところは無いので、もっと早い時間帯からどんどん攻め込んで、仕上げてしまった状態からさらに追求の1手が入れられるようになると良いです。

ラオコーン
A.Sさんの作品。
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体の表現が魅力的です。光から陰への無理矢理感の無い自然な変化が深い探りとともに表現できているのが素晴らしいです。頭部はやや描写に走った部分があり、立体感が弱まってしまっているので、ごちゃごちゃしているところも出来るだけ整理し、それを大事にしながら描き進められるよう努力してみて下さい。

ガッタメラータ
H.Iさん。(現役生)
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素晴らしい内容です。粘り強い作業の積み重ねが強い説得力となって作品に魅力を与えています。
後頭部はやや色がつぶれてしまっていますが、マイナスにはならないところまで持ってこれているので、次回からまたこの問題が克服できるように頑張ってみて下さい。

Y.T君の作品。(現役生)
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形の精度が高く非常に似ているのが魅力です。回り込みの処理が甘く、奥まっていく空間性が弱いものの、手前に引き出す強さがあるのでぎりぎり持っていると言えます。あとは単純に技術を高めてくれれば良いです。

石膏像床置き。ブルータス
K.S君の作品。
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全体を包み込むように大きく捉え続けていたのが印象的でした。全体が見渡せているので外しが無く、安定して完成まで持ってこれました。非常に頼もしいです。

ジョルジョ
R.Y君の作品。
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これまで課題であった、画面にピントを合わせる。という事が少しずつ出来るようになってきました。顔と首のつながりに関してはもう少し自然に出来たら良かったです。とは言えやはり安定感のある作品だと思います。

ガッタメラータ
Y.M君の作品。
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序盤からしっかり完成をイメージして作業が積み重ねられたように感じます。モチーフを「石膏像」として、そして表現を「石膏デッサン」として型にはめるのではなく、あくまで静物もチーフとして丁寧に観察し、描写する姿勢に好感が持てます。

ジョセフ
T.U君の作品。
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とにかく上手いです。デッサンもしっかりやりきるとこんなに描けるもんなんだなと改めて実感させてもらったように思います。これからも自信を持って突き進んで下さい。期待しています。

ラオコーン
H.Iさん(現役生)の作品
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ラオコーンの躍動感溢れる動きが良く出せています。炭使いはまだまだつたないところがありますが、粘り強い観察と描写に好感が持てます。炭の扱いに関しては、感覚的に動かしていくだけでなく、作業の重ね方によってどのような効果が出せるかいろいろ試してみて引き出しを増やしてみて下さい。

さて、どうでしたでしょうか?実は裏課題で、皆が自刻像と手を取り組んでいる時に一部の人には自刻像(トルソー)に挑戦してもらいました。その作品は来年度パンフレットに掲載予定なので楽しみにしていて下さい!

2学期も後半戦に入りますが、この時期公開コンクールがあったり、入試も近づいてくるので周囲のレベルと自分の作品を比べてしまい、それが気になって作品に乱れが出てしまう人も多いです。そんな人に一つアドバイス。「そんなの気にする必要ないですよ?。」

もちろん入試を乗り切るに当たってどの程度のレベルで合格できるのか、という水準を意識するのは当然の事なのですが、大抵の場合、周りを意識してしまっている人はその水準のトップグループより先のレベルの事は考えていないと思います。
僕が何を言いたいのかと言うと、「受験で合格できる目安」にばかり目が行ってしまい、本来目指すべき、本当に魅力的な、あるべき作品の姿が見えなくなってしまってはいけないという事です。
もし、あなたが芸大に合格したい、と思うなら、「受かるレベル」を追いかけるだけではダメです。「こう描けば評価されるんでしょ?」を元に表現されたものは本人の美的実感を伴わない表面だけで、中身の無い作品にしかならないのです。まずは自分の作品としっかり向き合い、足りないものがあるなら一つ一つ焦らず埋めていきましょう。その上で、上限を定める事無く常に表現の可能性を見極めていって欲しいです。何事にも通じる事ですが、その道のトップを切り開いていく人は周囲のレベルなど気にしていないはずです。常に先を見据えて突き抜けていくからトップになれるのだと思います。そのくらいの気持ちがあって、やっと勝ち取れる合格なのです。
頑張りましょう!応援しています!

次回、彫刻科は11月25日(火)に氷室先生による更新です。お楽しみに!

いよいよ・・・

冬が待ち遠しい彫刻科講師内田です。

朝晩寒くなり、いよいよ受験シーズンという感じがしますね。あちらこちらで、コンクールも開催され、浪人生はいつもと違うメンバーと、現役生は先輩に混ざり、皆それぞれ刺激があったのではないでしょうか?

受験が近づき不安を感じる人、勢いに乗る人、様々いるでしょう。
合格する保証は誰一人にもありません。だから不安になるのですよね。でも、あなたが受かる可能性だってあるのです。私は自画像が苦手でしたが、試験に出るかもしれないので家で自主練しました。(但し嫌にならない程度に。←ココ自分の中ではポイント!)結局上手くならなかったのですが、やるだけやったので当日出たら描くしかないし、努力したことは自信になりました。ただ毎日やれることを真摯にやっていれば、下手なはずの自分も受かったりするのです。
でも人それぞれなので、腹をくくって苦手分野はやらずに、できる方面をとにかくレベルを上げるっていうのもありかもしれません。運良く試験に出ないかもしれないし、出ても久しぶりすぎて新鮮な気持ちで描けるかもしれないし。はたまた、例えば素描、自画像が苦手でも静物が得意でレベルアップしてきたならその力で突然自画像も描けるかもしれない。少し極端な話をしてしまいましたが、受験は結局自分次第。そのためにはやはり、自分にベストだと思う方法で、やるだけやってみるしかないのです。本番当日、誰にも頼れない中、自分なりにやってきたという自信が味方してくれるはずです。

さてそれでは早速、新美生の自信作を見て行きましょう。

まずは人体です。

I.Hさんの作品IMG_9078n

全体的に自然な仕上がりです。さらに上を目指すなら、曲げているポーズのせいか、遊脚のひざ下が立脚より長く見える気もします。気にならないレベルですが、左右や手前奥の位置関係を意識して、より自然になるよう微調整しても良いかもしれません。線のストロークももう少し柔らかくなると肌の柔らかさが出そうです。

同じくI.Hさんの作品IMG_9092n

こちらは一枚目より線が目立たず柔らかい空気感が伝わります。曲げた奥の膝が少し内向きに入っている感じがとてもよいですね。

 

H.Aさんの作品IMG_9084n

胴体部分は人体の柔らかさがでていますが 足首、くるぶしがもう少し自然だとなお良かったのではないでしょうか。ちょーっと、このくるぶしはいかついね。全体的には人体のボリュームが出てて良いです!ポーズも自然。

同じくH.Aさんの作品IMG_9096n

こちらは肩甲骨の表現が少し強引かもしれません。全体的に強いストロークの線画目立ちますが、伸び縮みを捉えようとしているので印象は悪くない線です。

M.Yさんの作品
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鼻の下に落ちる影など強すぎて目鼻がはっきりしているせいか、顔の表情が少し硬く見えますが実感ある炭が乗っています。横位置でも体手前奥の伸び縮みが上手く表現できています。特に奥側が絶妙。手前の脚は、少し肌や筋肉の張りの表現が固いかも。

同じくM.Yさんの作品
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腕やお尻の光の抜き方が単調になっているかもしれません。肘と腰の間の空間を活かしながら丁寧に光を白でぬけるとより良くなりそうですね。バランスは良いでしょう。炭もたっぷりのって味わい深い素描になっています。

S.Kさんの作品IMG_9104n

肘周りが小さく見えますが、輪郭線がやわらかく、人体を取り巻く空気感を意識して描けています。空気感を感じる素描、大好物です!が、これ以上白くなると人体の存在感も薄くなってきてしまいそうなので注意しましょう。

T.Hさんの作品

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腕の表現や体の質感がよく描けています。ただ、体に対して少し首が細く見えてしまうことと、首と顎下の描写をもう一歩突っ込んで描きたいです。

次の二人は普段の木炭紙の倍版で描きました。
U.Tさんの作品
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横から見たら、どのくらい足を前に出しているか、身体のそり具合などが想像できるほど、緻密に描いています。左腕と身体の間の空間もこだわりが感じられます。きれいです。

Y.Rさんの作品
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全体感は良いですが、じっくり見て行くと奥の遊脚が、手前の立脚の膝下と比べ長くなっています。かかとの位置が、画面のもう少し上に位置するとよかったかも。かかとが尖って見えるせいもあるかもしれません。人体素描はポーズが多少ぐらつくので、画面の中で見たとき、より人体のバランスが自然になるように微調整して合わせてしまって良いでしょう。

次は塑造です。
U.Tさんの作品

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途中パーツの張りから頭部の張りまでバチバチに目立っていましたが、最終的には部分的にならず、全体的にまとめ、強い模刻像となりました。

S.Aさんの作品

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指先で押さえる仕事が多く、指先単位の凹凸が目立っていましたが、最終的には頬の張りが出て、グデアのカチッとした雰囲気が表現出来ました。顔も似ています!

S.Kさんの作品

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バランスはよいですが、首周りが弱そうです。肩へのつながり具合、鎖骨周りなど切り口の先にある形や構造を、より一層意識してみましょう。頭は重いので、芯棒に頭部を支えられてるのではなく、(粘土の)首が頭部を支えているような安定感が首に出せると良いですね。

デッサンに戻ります。
同じくS.Kさんの作品

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パジャントの首がすっと立ち上がる緊張感が出せました。髪と首周りの空間も綺麗に出ています。(パジャントって微妙に顔で正中線がずれているんですよね?。知ってか知らずかいい具合に描いてますね。)

M.Yさんの作品

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パジャントの横位置は頭部が大きく、前から見た時より迫力あったりします。カチッと全体を捉え、安定感のあるデッサンです。首向こうに落ちる影、個人的にグッと来ます。

続いてウサギさんにいきます。まず素描から。
U.Tさんの作品

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精度の高い素描です。特に顔から背中にかけては、触った時の肉質感や体に沿う柔らかい毛並みのふわっとした空気も感じられます。毛色の違いまで緻密に表現しているところは好感が持てます。この描写力はかなり自信を持って良いですね。

H.Tさんの作品

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書き出しのクロッキー的な捉え方が非常に、いや、異常に?良かったと思います。そのため、最終的にうさぎのボリューム感が上手く捉えられています。描き込みがH系の硬い鉛筆が多かったので、なかなか描写が詰まっていきませんでしたが、粘り強く描けました。(・・・やれば出来るのは皆知っています。毎回粘れ!)

T.Hさんの作品

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出だしなかなかプロポーションが取れませんでしたが、最終的に自然に描けました。素描の雰囲気も戦って描いたような熱い、温もりある素描になりました。実際より気持ち胸がむくむくしてるかな?

Y.Yさんの作品

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影が縞模様のように主張していましたが、最後に大きな面で光を整え、ベタッとしていた床も横からの光を入れて前足とお腹の空間も出せてこれました。背骨の膨らみは少し強いですが、毛の流れをよく観察していて、頭部の骨格に沿った毛並みも丁寧に描写できています。

続いて塑造です。

T.Hさんの作品

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前足と地面の空間が生かされ、佇まいが自然です。柔らかいポーズで体重移動とプロポーションがマッチしていて、動いている一瞬を捉えられた感じのする作品で好感触です。

I.Hさんの作品

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こちらも同じく、どこに力が入ってそういう動きになっているのかがピタッと来る作品です。今挙げた2人共通して全体感は良いのですが、周りと差をつけるためにはもう少し指先、地面との接地面まで手を入れていきたいですね。(写真で見るとまあまあですが。実際見ると少し大雑把だったので・・・)

 

さてさて次は夜間部です!

まずはデッサンから。

S.Rさんの作品
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脇が実際より少しぎゅっと詰まっている感じがありますが、炭のバランス、光と影の響き合いがきれいです。へそ下が真っ平らになっていましたが、少しの凹凸も見逃さず、身体のどこに力が入っているかなども考えながら何度も探っていきましょう。

T.Yさんの作品

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胸の張り具合、両腕の位置関係など、背骨のS字も良く出せています。構造や全体感がしっかり捉えられるようになってきたので、石膏デッサンは、アウトラインだけでなく光影の量もミリ単位で合わせていくと、もっと説得力あるものになります。しつこくモチーフに食いついていきましょう。(いやー、でもかなりレベルを上げてきましたね。)

お次は自画像。

S.Aさんの作品

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目がグッと来ます。眼差しが美しい。正面構図でも直立な固さがなく、頬の側面、耳への奥行き・髪のエアリー感。上手い!首の付き方が少し・・・・・・・でも良い!

T.Yさんの作品

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若干、目の収まる位置が不安定ですが、顔の表情が緩くて(←いい意味で!)良いです。頭部と体がゆるっと傾いていて(←いい意味で!)ゆったりとした空気が感じられ、全体感の良い作品になっています。

I.Hさんの作品
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顔のパーツが骨格におさまり、安定感ある自画像です。奥行きも出ています。願わくば鎖骨も丁寧に描きたいところですが、髪の表情、首の表情、顔の表情と、形を追った線で詰めてきたのでとても良いです!

最後にうさぎさんです。

T.Aさんの作品

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力みや強引さがなく自然な素描です。手数は少なそうですが指先の表現はよく観察しています。目の前でこっちの様子をうかがう、あのうさぎの雰囲気が出ていますね。素描の中で必要なところにピリッと少し強い線が効いています。(いつの間にそんな小粋なコト出来るようになったんでしょう・・・いい。)

S.Aさんの作品
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素描の精度が上がっていますね!潤いのある瞳や動きのあるポーズで身体の伸び縮みも自然です。少し前足が上がっていて、体を丸めている様子にグッと来ます。毛並みもふんわり最高!(あ、耳の折れた感じが、これ以上やると若干嘘っぽくなるかも?)

 

すでにうろ覚えの記憶ですが、私の現役浪人のときよりみんなの方が断然上手だと思います。それでも生意気にも粗探しをして注文つけてしまうのは、まだまだ伸びしろが感じられるからです。まだ受験まで日数もあるし、上手くいった人もこれで満足してたらもったいないですよね。上手くいかなかった人も本番に向けて予備校で失敗して改善していけばよいのです。一度失敗すると覚えるしね。

って感じで、講師らしいことを言いつつ途中ぼやきを入れつつ、次回(11/11)の小川原先生へたすきをつなげます。では。