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彫刻科。今日までの秀作を紹介。

こんにちは!彫刻科の小川原です。各予備校の公開コンクールも終わり、それぞれの課題が明確になって来たところだと思います。コンクールでいい成績が取れた人も、上手く行かなかった人も、最後の3ヶ月ちょいで大きく流れが変わってくるところもあるのでこれまで以上に気持ちを入れて課題に取り組んで欲しいです!

さて、しばらく間が空きましたが、これまでの課題の中での優秀作品をピックアップして紹介します。

昼間部生の作品

最近一気に実力が伸びてきて、僕はワクワクしながら制作する姿を見させてもらっています。まだ出だしで安定していないですが、作品をいいものにしていきたい!という想いがひしひしと伝わってくる魅力に惹きつけられます。


ただ手なりでつくっているのではなく、自身の内面性や精神性が込められた深みのある表現ができていると思います。予備校では「彫刻」をつくる為の基礎訓練的なところがありますが、それを抜けた先のビジョン(こだわり)みたいなものは絶対的に持っておきたいところです。


この作品からはすごく人間らしさを感じさせられます。けだるい印象の中に、強い意志のようなものが見て取れます。


上を向いたポーズは表情に陰が落ちずに立体的な形が明るく飛んでしまう事が多いですが、この作品はとてもうまく行っていると思います。それも含めて全体の完成度がとても高く、強い魅力を放つ作品になっています。


正直うまいと思います。描き出しでは距離感の設定(高さによってできる遠近感)が弱かったですが、完成した状態はそれもやりきれています。凄いですね!この調子!


模刻でこれだけ決めてこれる人はなかなかいないと思います。自分の浪人時代と比べても納得の出来です!


形の起伏が表面的でなく、内部の筋骨の印象を感じ取れるところが良いです。何より鳩らしい!当たり前のようですが、これが難しいんですよね。

現役生の作品

彼は最近油画科から転科してきました。石膏デッサンもほぼ未経験でしたが、とても良い内容の1枚を描き上げました!これからどんどん見方や技術を獲得していって下さい!

入試も近づき、実力も高まってきて一層意識が高まっているのではないかなと思います。これまでに学んできたものは確かな力になっているので、後は着実に自信をつけていくことです。自信を持って制作に臨める人が、最後には勝ち残っていくのだと思います。足りないことは全部教えます!!頑張りましょう!

 

明日のギャラリートーク

こんにちは、全科総合部です。
現在、20日まで新美ギャラリーにおいて「渡辺護展」を
開催しています。

今回は、映像などの媒体を通して人間の知覚に訴えかける作品を展示してくれています。

プロジェクターで投影されているノイズのような動きが、鑑賞者の足音に反応するのにもおどろきましたが、他の作品では、モニターの表面に2つのファンが回っています。思いっきり画面を遮っています。
鑑賞者が近づくと・・・・。

明日、新美ギャラリーで16:30より、作家によるギャラリートークがあります。
ゲストに映像ディレクターの宮川貴光さんをお招きして対談をしてくれます。
宮川さんは、藤元明さんというアーティストなどと作品を作っていて、美術と映像の両方で作品づくりをしているということで、今回の渡辺さんの作品の一つのテーマである「境界」という部分で色々話していただけるのではないでしょうか。

興味のある方は、是非お越しください。損はしません。
通りすがりの新美生の方、少し早めに登校して、トークを楽しんでみてはいかがでしょうか?
また、講評会の終わった昼間部生の方々も、帰る前に新しい美術の一片を覗いてみてください。

よろしくおねがいします。

彫刻科twitter開設!

こんにちは!彫刻科の小川原です。彫刻科も遅ればせながらtwitterを始めました!アカウントは@shinbichoukokuです!
ブログでは学生の優秀作品を紹介していますが、twitterではデモストや解説を中心に発信していこうと思っています。フォローよろしくお願いします!

2018全科合同コンクール

こにちは、全科総合部です。

只今、ご存知のように新美のギャラリーでは「全科合同コンクール」展示が行われています。

「わたし自身」を描きなさい、という課題で、新宿美術学院の学生たちが熱意を込めて描かれました。
今回は、その頂点を展示しております。

栄えある第一位は!!

おめでとうございます!!
素晴らしいデッサンですね。さわやかな光や空気を私は感じます!
同時に、工芸科主任高澤賞も受賞しています。

続いて第二位は!!

おめでとうございます!
画像がだいぶ明るくなってしまいました。(作者の方に申し訳ありません)
本物は、もっと良いです。現場に観に来れば一目瞭然!!
3位以降も、後日発表していければと思います。
1位、2位とも違う良さがあるデッサンです。楽しみにしてください!

展示は、予定より延長して今週末まで行っています。
まだ観られていない方は、ぜひこの機会に学生たちの成果を観に来ていただけると喜びます!!

彫刻科 近況

彫刻科講師の氷室です。
早いもので、2学期もあっという間に10月半ばまで来ました。
各予備校での公開コンクールやセンター試験の申し込み締め切りもあり、いよいよ試験の実感が湧いてくる頃ですね。
各予備校のコンクールに参加して、なるべく場慣れしておいた方が経験値が上がり、試験本番での緊張を和らげることに繋がるかもしれません!
結果は、納得いく様に受け止め2学期の糧にして行きましょう。
今時期のもうひと踏ん張りが、大切です!
山あり谷ありでも、普段の実技へ向かう姿勢が、必ず本番の自分の背中を押してくれますから!

さて、ここから最近の生徒作品を紹介します。


奥の顔の印象がもう少しですが、両肩からの首の意識、光の取り込み方、視点の感じさせ方全体に意識が行き渡っており丁寧なデッサンです!


顔の印象、肩の作り方はとても良いです!体の正面から奥に向かってはやや線の描写が浮いてしまっているので、もう一歩時間を掛けたかったですね。


なかなか難しいグデアの印象を比率よく合わせてきています。粘土の色味に深さが出始めているので、張りを意識できればもっと完成度があがるでしょう!


全体の微妙な動きに寄る柔らかさと、眼の印象に強さを感じる魅力のある作品です。首の切り口がやや優しので、表情との兼ね合いがあると良いかと思います。


こちらは現役生のデッサンです。首から頬の形がほとんど見えないのがパジャントの難しい所ですが、しつこく形を追っていく姿勢がとても良いです!手前の布の特徴も臨場感があり、良く表現できています◎上手いですね!

彫刻科の近況は、以上です。

話は変わりますが、最近 『美に生きる』と言う、彫刻家・高村光太郎の本を読みました。

(セミの翅 あつくてしかもあつさを感じさせない様に彫る
これは彫刻上の肉合いと面の取り扱いとによってのみ可能となる。しかもまるでセミの翅の厚薄などという事は気づかず 何だか当たり前に出来ていると思えば最上なのである。
彫刻家はセミの形態について厳格な科学的研究を遂げ、その形成の原理を十分にのみ込んでいなければならない。)

彫刻科を通過する人であれば、誰もが記憶にある高村光太郎の木彫作品。
改めて、文章を読み考えてみる。
ここに彫刻と言う言葉の1つの源があることは確かで、私の憧れの1つであることを再認識しました。
それが全てではなくとも、改めて読むとため息が出てしまいます。
私は、木彫制作からは1番距離が開いてしまっている身なので、より木彫への憧れが募ります。

最近のささやかに感動した出来事でした!

今回の記事はここまでです!
2学期後半へ向けて、しっかり制作のリズムを作って行きましょう!

追伸
小川原主任と私が在学中に担当教授であった彫刻家 山本正道先生の個展が開催されます。
私が、今 ここに居る それは山本先生との出会いがあったからでもあります。
ハッと心に響く そんな作品に出会えるかもしれません。
是非、皆さんに時間を作って観にいってもらえると嬉しいです。


10月16日( 火)ー 11月10日(土)10:30?18:30 日・祝休廊
ギャラリー長谷川にて