カテゴリー別アーカイブ: 彫刻科

彫刻科:9月になりました

 

こんにちは。彫刻科です。

もう9月ですね。今年度後半戦スタートです。

夏季講習後の休み期間過ごし方はそれぞれだったかと思いますが、うまくリフレッシュできましたか?

どこか出かけたり映画や本を見たり自分の好きなことを彫り下げてみたり人と話したり……実技以外のインプットの時間を作ることは客観性や知識・アイデアを得るために大事なことです。

予備校で手を動かさない日常の中にも実技に活かすことができるヒントは数多くあると思います。

 

今回紹介します学生作品は手と布の構成です。

手はずっと自分の視界にあるとても身近で複雑なモチーフです。

選ぶポージング、指先の力の込め具合、関節の曲げかた一つで見る人へ与える印象が変わります。

毎日見て使っているものですから狂いは相手にすぐに見つかります。しっかり捉えたいところです。

 

1作品目

布を拾い上げる自然な動作を取り込みました。指先のつまんでいる付近の作り込みや、チラッと反対側への抜けを作ることで軽やかさを出しています。布の表情はもうひと粘り欲しいとこです。

 

2作品目

先ほどとは対照的な作品です。布の構成となると空間を大きく使いたくなりがちですがこれは前腕まで作って一つの塊として質感の違いを追いながら作ってます。

螺旋に螺旋を重ねてる感じはちょっと新鮮に見えますね。

 

本日は以上です。

実技頑張っていきましょう!

彫刻科:夏期講習おつかれさまでした!

こんにちは、講師の新妻です。

長かった夏期講習も今日で最終日です。成長できたこと、課題が見つかったこと、うまくいった作品、悔いの残る作品、全てが今後の糧になります。平時の授業で夏期の経験を咀嚼していきましょう。

技術面でのステップアップがあった分、バタバタだった夏期講習から今一度自分の身の回り、アトリエ周り、制作に向かうスタンスを再確認しましょう。彫刻は空間と物質を扱う芸術です。良い作品を作る上で必要な事は既に彫刻の領域内に含まれているはずです。今自分ができる事をまずは当たり前にこなしていきましょう!

では作品紹介に移ります。

 

人体としての自然さをはめつつ、「ここが見たい」と思った箇所が雰囲気でごまかさずに描写できてるのも好印象です。

 

難しいアングルでしたが、足先から首つきまでの反りの動きをうまくつかめましたね。

 

私大対策の自画像です。首の不確かさや所々パキパキ感はありますが、絵としての主張や説得力の明快さがそれを上回っていて、全体としてポジティブに見えてくるところがいいですね!

 

夏期の間でかなり動物塑像のやりとりに深みが出てきました。シュッとしたフォルムの中にある流れや柔らかさが無理なく表現できています。

 

完成度はまだ浅いですが、少ないやりとりの中で仕事は的確でした。形のはまりは自然で動物塑像の大事な要素を掴んでいます。

 

基礎科生の作品です。持ち前のバランス感覚で最終的に上げてきましたねー。荒付の中で骨格、姿勢を捉えていく意識を高めていきましょう。

 

若干頭部が遠くにあるように感じますが、仕事が安定していて大きなボリューム感が気持ちいいデッサンです。あとはフィニッシュの着地のイメージを明快に!

 

基礎科生の作品です。素直にラオコーンを感じていて、体は彫刻的にも魅力的です!頭部の立体設定が整理できてくるとなおgoodです!

 

丁寧にジョルジョに近づけてこれています。表面のニュアンスをつかむ力は抜群なので、もう一踏ん張り遠目の印象を合わせたいところ!

 

夏期講習で自信がついてきたように感じました!この勢いで欲張っていきましょう!

 

頭部にもう少し大きな立体感が欲しいところですが、全体を柔らかく捉えていて、表現力豊かな一枚です!

今回は以上です、ではまた!

彫刻科 夏期講習後半戦!

こんにちは!彫刻科の小川原です。

夏期講習も早いもので後半戦突入です!皆盛り上がって制作に取り組んでくれていますが、特に現役生は昼間部性と混ざっての制作でいい刺激をもらっていると思います!2学期に向けて糧としていきましょう!

それではここまでの預かり作品を紹介します。

昼間部生の作品。
情緒ある炭使いが魅力的です!見えたものをただ羅列するのではなく、どう感じたかを大事にしている姿勢が良いです。

上の作品と同じ作者2枚目。大分感覚的な仕事をモノにできてきました!形の精度は徹底していきましょう!

客観的に視点や状況が表現できています。空間を丁寧に表現できていて魅力があります!

現役生の作品。

ジョセフの印象がとてもよく出せています。塊の空間がさらに自然に出せると良いです!

昼間部生の作品。

かなり難しいモチーフですが、ブレずに印象が捉えられました!

現役生の作品。

光を意識した表現が美しいです。具体的な形の描写がこのベースを壊さず入れられると良いです!

昼間部生の作品。

外国人モデル首像です。印象よく、完成度の高い作品にできました!

言い切りの強い作品です。描写も魅力的です!

現役生の作品。

バランス、印象が良いです。さらに特徴が作り込めるとグッと魅力が高まると思います!

基礎科生の作品。

バランスよく骨格や印象をまとめられています。さらにリアリティについて考えていきましょう!

昼間部生の作品。


ヌードデッサンのためのクロッキーです。自然なポーズの状態が描けていますね。固くなくて良いです。

上の作品の作者は普段から人物クロッキーに取り組んでいます。何を見て、何を表現するのか。大事なものはなんなのか。それがわかっていれば答えは出たも同然です。

浪人生も現役生も基礎科生も実力が上がってきました!この調子で夏期講習を走り切りましょう!

彫刻科 1学期後半の預かり作品。7/10(日)公開石膏クロッキーゼミ開催!

こんにちは!彫刻科の小川原です。

1学期ももう後半ですね!新学期始まってからここまでの期間でかなりの成長をしてきました!これだけの実力があるのなら今大事なのはまさに「勢い」です!限界を自分で定めてしまわずに、進化し続けていけるだけのモチベーションが維持できるかどうか。これが合格を手に入れられるかどうかの鍵であると思っています。まあ実際は1年通して気持ちを高めてやり通せる人は少ないですが、そういう人はほぼ確実に芸大に受かっていきます。僕は今の時点では実力よりもこっちの方が大事だと思うくらいです。

また夏期講習でも盛り上がっていけるように気合入れていきましょう!

イベントの告知です。7/10(日)描き出しを極める!石膏クロッキー徹底特訓!
<トルソー編>
※クロッキーコンクール付き開催!

東京芸大の試験の出題内容は多様化の傾向があります。
頻出の石膏像が一通り上手く描けたとしても全く安心出来ません!特にトルソーの形を印象よく捉える難易度は胸像の比ではないです。むしろ次元が違う話だといっても過言ではありません。
動きやプロポーションを印象に合わせてコントロールするためには、「形をよく見て、丁寧に描く(見えた情報を見えた順に捉えていく)」という意識では不十分であり、「常に全体を把握していること(像の理解が先にある必要性)」が不可欠です。
石膏像を「形」として見て写すレベルを超えて、「人体」として意識し、表現できるレベルを目指してください!

この講習では、石膏デッサンを研究しつくした講師がデモンストレーションを交えながら理論の解説から実践まで徹底的に指導します。
また、講習の最後にクロッキーコンクールを行います。弱点を見極めて、課題克服の目標を立てましょう!
新美のホームページから申し込みをどうぞ!

https://www.art-shinbi.com/event/2022/22event-s_s_s/s_s_s-A.html

それではこれまでの預かり作品を紹介します。

まずは昼間部生の作品。

クオリティの高い作品になりました。印象がとてもよいです!

こちらも高い完成度です!ポツポツも作ると印象がグッと引き締まりますね。この調子で頭頂部もポツポツを表現したいですが、時間が足りないのであれば全部でなくてよいので必要な箇所を作り込んでうまくフェードアウトして行ったりするとよいです。

土のおさえ方に緊張感があり、実際のグデアの張り詰めた印象が良く表現できています。

印象が良く捉えられています。ここまで言い切れれば言うことないです。

フォーンの動きによく反応した仕事ができていると思います。力作ですね!回り込みはもう少しきい感を感じていきたいです。

好きな石膏像好きな場所に設置して描く課題でした。髭の男がステージに立っているような雰囲気です。後ろのカーテンに落ちる影がまたいいですね。

超見上げの微笑みの天使。顔の構造が自然になってきてよいです。

組み石膏デッサンです。ミケランジェロの印象が良いですね。炭の扱いも研究してかなり改善してきました!

手前のジョセフから奥の馬頭の鼻先までの距離感がとてもよく感じられます。完成度の高い作品です!

色々な設定で狂いが多かったですが修正が効いていい作品になりました。描き進めることよりも自分の作品が自然な状態であるか警戒しながら、空間を実感して作品に落とし込んでいくことが重要です。違和感に気づけることがまず大事です!

木曜日夜間にヌードクロッキー会があります。彫刻の基本は人体ですよね!人体について理解し、表現できるまでに感覚を高めることはとても重要です!このような感覚がすべての問題の解決策に繋がるので、入試に出ないからとおろそかにしないで皆に向き合って欲しいと思っています。

普段から電車や街で自主的にクロッキーをしている学生がいます。「形を見る」「空間を見る」「状況を見る」「存在を見る」20秒で描くとしたらあなたは何を見て何を描きますか?
デッサンでも塑像でも、皆形や印象が狂うのは絶対的に見る力が足りていないためです。予備校に入って1、2年ほどではどれだけ頑張っても足りないのだと思いますが、だからこそそれを伸ばしていく必要があります。受験は運とは関係無いものです。得意なモチーフとか、不得意なモチーフとか、そんなことを超えたところで挑戦してほしいと思います。

基礎科の生徒も育っています!

構成もポーズも自分でどんどん考えてグイグイ作っていました。意欲の高さが作品に気迫を与えています!

動きをよく捉えてきました!やや顔が縦に短いのが惜しいですが、これだけコントロールできることは素晴らしいことです!

 

以上です。受験はとにかく合格してなんぼのところがありますが、受かった後も大事なのは「向上心」や「探究心」です!それがなければそもそも美術をやる意味はないのではないでしょうか。
芸大に合格できた人であっても、結局はそこまで彫刻が追及できないまま彫刻から離れてしまう人も少なくありません。彫刻という世界に少しでも関わってくれるなら、それを一生の宝物にしてほしいと思います。ひとまず何か掴めるまでは苦労しますが、必死で食らいついてくれればいずれ大きなものが手に入ります。ああ。彫刻やってよかったなあ。あの時頑張ってよかったなあ。と思えるような今を過ごしてほしいと思っています!

一緒に頑張りましょう!

 

 

 

彫刻科、学生作品6月

こんにちは、彫刻科の坂下です。

デッサンも塑像も完成のイメージをしっかり持つことが大事です。

夏期講習までに自分の弱点と強みを洗い出していく意識で一つずつ課題をこなせるといいですね。

 

昼間部 円盤投げ

円盤の腰付きや頭部の動きが見れてきてます。もう少し明るい部分の形を複雑に捉えていきたいです。

色感、炭のやわらかさに加え、形の張りがでてくるともっといいですね。
顔側、粘って合わせてきました!足回りがもう一歩!

 

塑像、構成課題。手とマスクです。

腕の伸びた先に指の接点の繊細さ、緊張感のあるマスクが作れました。

腕の動きに連動するような地山を展開してます。リズム感がありますね。

上に向かう手に対して逆の動きのマスク。いい見せ方ですね。

逆さまで難易度がグッと上がるなかで似せてきました。

夜間部 アムール

これまでタッチが荒くなってまとまらないことがあったのですが、ここではいい塩梅で噛み合ってきました。

基礎科

ヘルメス。頭部の倒れてくる感じを出すのが難しい位置ですが、炭をうまくコントロールして動きにつなげています。

皮膚感がいいですね。シワや爪も形にハマってきてます。次は手首にも動きを入れるといいと思います。

牛骨にあたる光の印象をしっかり見れています!布も自然で綺麗です。

 

今回は以上です!

自分に厳しく!どんどんテンションあげていきましょ〜!