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夏期講習会も大詰めです。

デザイン工芸科夜間部です。

夏期も大詰めに入り、昼間部の生徒に混じって制作する機会も、後少しです。

夜間部としては、1日みっちりと時間をかけて制作出来て良かったと思います。上達への何かしらの手応えを、掴んでくれたかなって思います。

それはさておき、夏期講習会の中盤の授業終わってからの時間をちょっと使って「納涼スイカ割り大会」を行いました。

生徒もデザイン工芸科だけでなく、いろいろな科の生徒がたくさん参加してくれて、大いに盛り上がりました。スイカはモチーフとしてデッサンを描いた後に、ありがたく感謝して割って参加者のみんなで食べました。

勉強の合間に楽しむ機会も大切なのではないでしょうか。ちょっとしたストレス発散になったことと思います。

 

あとちょっとで夏期講習会も終了したします。体調管理には気を付けて乗り切りましょうー。

 

彫刻科 夏期講習も後半戦です!

こんにちは!彫刻科の小川原です。夏期講習に入って学生の実力がどんどん上がっていくのが目に見えて感じられて嬉しいです。この調子で行きましょう!

直近の優秀作品を各課題1枚ずつ紹介します。
現役生の作品。

雰囲気に逃げること無くどんどん形を描いていける攻めの姿勢がとても良いです!!いつもこのくらいのレベルが当たり前のように描けると良いですね!

浪人生の作品。

動物は表面の観察だけではどうにも出来ません。内部構造を含めたそのものの理解が不可欠です。他の課題に比べて練習量が少ないですがここまでやれると言うことは何でも見切る力がついてきたと言うことです!この調子!

浪人生の作品。

講習も後半に入り、ほぼ試験時間での制作ですが、十分な仕上がりです!調子も美しくキレがあって良いですね!

現役生の作品。

とても難しいポーズだったと思います。なおかつ難しい位置から描いています。この作品は人体としてモデルさんをゆったりと捉えて生き生きと描けています。魅力的です!

浪人生の作品。

外国人モデルさんの首像です。彫りが深く、奥行きの強い構造を持っているので自然な観察で捉えれば自ずとカッコいい作品になります。完成度も素晴らしいです!

浪人生の作品。

とても印象よく描けています。逆行での調子の配分もちょうど良く、実力の高さが伺えます。

浪人生の作品。

短い時間でここまで出来たら言うこと無いです。十分でしょう!出だしから安定していました!

浪人生の作品。

描いて形にしていくことに悩んでいましたがこれでいいと思います。技術にとらわれること無く、今の実力で普通に描けばこれだけ良い物が描けると言うことです!頑張ってください!

さ、夏期講習も最終週に突入です!僕としてはもう一段階レベルを上げていきたいところです!目標を高く持っていきましょう!!

先日新しい作品が完成しました。10月1日に新美のショウウィンド?に展示する予定です。

 

先端芸術表現科夏期講習後期のお知らせ

こんにちは。先端芸術表現科です。

先端の夏期講習の2ターム目が終わりました。
1ターム目は一次対策を集中して行いましたが、2ターム目では制作に繋がる課題や作品講評なども含む、総合的な対策を行いました。

初日は物を分解、解剖し、そこで発見したことをもとに制作する、観察の課題を行い、
二日目はグループワークで、新しい遊びを作るという課題を行いました。

物の機構や構造、触覚的な質感を頼りに、そこからコンセプトを立ち上げて制作することを目指したのが初日の課題です。

二日目は、グループでディスカッションしながら、ものではなく、ルールや規則を作ることで、遊びないしはゲームを作りながら、関係性やコミュニケーションをテーマにする作品について考えました。

最終日の講評会では、作品自体の完成度としてはまだまだですが、現段階での自らの興味やモチベーションが直に現れたものたちが集まり、有意義なものになりました。再制作やさらなる興味の追求を通して、夏期講習最終タームでも、さらにブラッシュアップされた作品が最終日に提出されることになるのではないかと、今から楽しみになっています。

さて、先端の夏期講習3ターム目は、8月20日(月)から6日間です。2ターム目と同様に、総合的に対策を行います。

20(月)一次対策(素描・小論)
21(火)一次対策(素描・小論)
22(水)総合実技
23(木)ゲスト講師によるレクチャー、課題
24(金)作品制作
25(土)作品講評会

23日のゲスト講師によるレクチャー及び課題では、先端を卒業し現在アーティストとして活動している方をお呼びし、自らの活動の紹介及び活動に関連する課題を行います。

初めての方も3ターム目からの受講でもまったく問題ありません。初日にこれまで制作したものの写真や、自らの興味関心を伝えることのできるものがある方は、ぜひご持参下さい。多くの方の受講をお待ちしております。

それでは、先端芸術表現科でした。

藤田嗣治について(下地編)

こんにちは。油絵科の関口です。台風が去って、また暑さが戻ってきましたね。そして次々と台風が発生しているようですが、皆さんも体調を壊したり夏バテしたりしないように、しっかりご飯を食べましょう!

さて先日、空き時間を利用して東京都美術館で開催されいる「没後50年 藤田嗣治展」を見てきました。今日はそのレポートです。

藤田嗣治はエコール・ド・パリ唯一の日本人画家で、おかっぱ頭、丸眼鏡、チョビ髭という出で立ちが印象的ですね。え?僕が藤田に似てるって?よく言われるんですが、別に真似てる訳ではありませんよ。チョビ髭だって生やしてないでしょ?

今回の展示では、初期の頃から晩年まで網羅しており、初来日の作品も多数ありました。非常に見応えのある展覧会だったと思います。
初期の作品では、東京美術学校時代からフランス留学し、キュビズムや当時の美術界の影響を受けた作品から風景画や静物画まで展示されています。単身フランスに渡り、見るもの全てが新鮮で、それまで日本で勉強してきた美術が、ひどく時代遅れである事を実感していたはずです。サインもフランス流にFoujitaとし、貪欲に色んなものを吸収しようともがいている姿が目に浮かびました。
初期の風景。有名になる前の絵なので、スタイルはかなり異なりますが、味わい深くて、なかなか良い作品です。本物を見て思いましたが、実は黒の使い方が上手いんです。

しかし、日本人である藤田がその名を轟かせたのは「乳白色」と称される下地に、細い線描で描いた、まるで日本画の様な作品でした。藤田はどの様に下地を作って、どの様に描いたのか?は絵描き仲間にも秘密にしていた様です。そのミステリアスさと変わった風貌も手伝って、一気にブレークする事になりました。

最近の研究では、藤田の乳白色の下地の正体が少しずつ分かってきました。体質顔料である炭酸カルシウムを油絵具のシルバーホワイトと混ぜて画面に塗布していたようです。炭酸カルシウムは油と混ざると若干黄色くなる傾向にあり、その分量を調整して乳白色を作っていたようです。そして仕上げにベビーパウダーを使って表面に浮いた油分を取り払っていたらしいのです。


ここに写真家の土門拳が、藤田のアトリエで撮った写真があります。彼は当時唯一制作の現場に立ち会うことが許された写真家と言われています。写真にはベビーパウダーが写っているのですが、藤田は肌が弱く、その為に用いられていた…と長年信じられてきたそうです。しかし近年絵の修復の際に画面からタルク(ベビーパウダー)が検出され、ベビーパウダーを使っていた事が判明しました。
写真に写っているのは、和光堂のシッカロール。昭和を感じるデザインです。

通常は、油性下地の上に水性の墨汁で描く事は出来ません。ベビーパウダーとは意外な材料ですが、油性下地に墨汁を使う事を可能にした、魔法の粉なのです。
さて、まだまだ書きたい事はありますが、長くなりそうなので、今日はこの辺で…。今度は藤田の線の秘密に迫ってみたいと思います。乞うご期待下さい。