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5月、6月の先端芸術表現科の様子

こんにちは。先端芸術表現科です。

6月9日日曜日に、今年度の第2回の作品講評会が開かれました。第一回目の講評会から1月たち、その間に行った課題で得た学びや、そこでの成果物なども起点にしながら、第2回の講評会では少しずつですが受講生の方の興味のあり方や様子が垣間見えるようになってきたように感じられます。

さて5月には3つの課題を行いました。

まず最初の週は、身体と声、言葉について考えるワークショップ。ゆっくりと歩くことや、音風景に耳を傾けること、声を出すことを通して、日常的には意識化されない身体やそれとかかわる空間をとらえ直す試みでした。

また、教室を完全な暗室にしてそこで成立する作品を制作する暗室のワークショップも開催しました。まず教室のすべての窓、すべての人工の光源を覆い隠し光を遮断します。その作業自体が、光について考える時にはとても面白いものです。そして完全な暗室になった教室で、しばし座ったあと、その暗闇でしか成立しない作品を着想し実現します。また講評後には、教室全体を大きなカメラオブスクラにして皆で投影される外の像を眺めました。15世紀くらいから絵画を描くのに用いられたようですが、これが今日私達がカメラと呼ぶものの原型になっています(カメラとはそもそもラテン語で「部屋」を意味し、オブスクラは「暗い」を意味するので、「暗い部屋」というのがカメラオブスクラの直訳になります。英語でも「曖昧な」とかを意味するobscureという単語がありますが、その語源になっている言葉ですね。)

暗すぎて写真は撮れなかったので以下のような謎の光源の画像。

先々週に行ったのが、素材とコンセプトの関係について考えるための課題演習です。受講生には、素材を10個持参してもらい、こちらが提示するキーワードから一つ選び、自分が持ってきた素材を用いて制作してもらい、タイトルをつけます。タイトルは、選んだキーワード自体は使用しないというルールでつけられます。そして講評会では、プレゼンテーションはなしで、制作物とタイトルのみを皆でみて、そこから考えられることを検討し議論します。通常先端の講評会では、自作のプレゼンテーションも重要な要素としてとらえ、それも必須にしていますが、今回は素材とコンセプトの関係それ自体をとらえ直すことにより、逆にプレゼンテーションという場において何を説明し、どのような言葉を用いればよいのか、ということを再考してもらうことを目指しました。

さて、6月から7月にかけては、1学期最後の講評会に向け、課題演習や制作を行っていきます。
スケジュールは以下の通りですので、無料体験を検討されている方は、ぜひ参考にしてください。無料体験の申し込みはこちらになります。

11 火  素描
12 水  素描
16 日  総合実技
18 火  小論文
19 水  小論文
23 日  課題演習
25 火  素描
26 水  素描
30 日  課題演習
7月
2 火  作品制作日(1Fギャラリーも使用可能)
3 水  作品制作日(1Fギャラリーも使用可能)
7 日  第三回作品講評会(1Fギャラリーも使用可能)
9 火  1学期のまとめ(記録、作品テキスト)
10 水  1学期のまとめ(記録、作品テキスト)

そして夏期講習の申し込みも始まりました。
新美の先端科の夏期講習は、8時間という授業時間が特徴です。長い授業時間を活かして、通常では行えないような腰を据えた制作と講評が可能になります。受講生の方の思考と制作を一日ごとに推し進め、秋から直前までの礎となるような課題や講評を、錬磨した言葉と講師達自身の経験をもとに、受講生の方それぞれの関心に応じて行っていきます。

授業内容やコースの取り方に関しての質問などありましたら、お気軽にご連絡ください。

 

 

 

 

芸大デザイン総合コース

こんにちは。

先日、工芸科と合同リサーチ課題で小石川植物園に行ってきました。

野生さの残る起伏に富んだ地形と、様々な種類の植物を観察しました。

後日それぞれの視点で作品制作し、アトリエ廊下に展示しています。

今はまだ考えていたことがうまく表現できなかったりもしますが、日々の受験課題の合間に自らモチーフや課題を探して制作提案する大切さを作品から感じます。

 

第2回構成ゼミ(レイアウト)、第3回構成ゼミ(コンセプト)も充実した内容でした。

短時間で構成案を何個も出す経験をきっかけにしてこれからの制作に活かしていきましょう。

 

石膏描き出しコンクールに向けてデッサン課題を励んでいます。

 

 

デッサンについて考える日

皆さんはなぜデッサンをやるのでしょうか。

受験生ではなくても、絵を描く皆さんはデッサンというものを必ずやっていることと思います。

では改めて、皆さんはなぜデッサンをやるのでしょうか。
試験で出るから、先生に言われたから、上手くなりたいから。
どうでしょう。
私たちの先輩も、そして巨匠と呼ばれる人たちもみんなデッサンをやっています。

 

ピカソ(引用:https://matome.naver.jp/odai/2138467508251908201より)

モランディ(引用:https://dessinweb.jp/SHOP/MO-0003.htmlより)

ドガ(引用:http://kousin242.sakura.ne.jp/tanaka/近代/ドガ/より)

レンブラント(引用:http://www.artmuseum.jpn.org/rembrndtjigazou.htmlより)

ダヴィンチ(引用:https://matome.naver.jp/odai/2135487510919505801より)

 

鍛錬というものもあれば、それだけで作品と言うものまで、色々なデッサンが存在しています。皆さんはどういう意識で、いま目の前の画面と向き合っているでしょうか。

私も、新美の先生方もみんな同じ道を歩んできました。そして、デッサンとは何か、なぜデッサンをするのかという問いをどこかで必ず考えてきたことと思います。

基礎科は全ての科の志望の学生が在籍しているため、油絵、日本画、彫刻、デザイン、工芸の先生が日々入れ替わりで教えています。
授業の中で話したりもしますが、それぞれの先生で、視点が多少違います。物を捉えるための基礎部分は同じなのですが、考える軸や重きをおいている部分が違うことがあります。

それはおそらく、科が違うからということなのですが、ではなぜ科が違うとデッサンが変化するのでしょう?
同じデッサンをしていても、違う考え方があるというのは当たり前のようでいて、少し不思議です。

6月23日のイベントでは、同じ静物モチーフを5科の先生が描きます。
そして、科ごとの意識の違いの話から、最初に書いた「なぜデッサンをするのか」という話まで座談会の形で皆さんにお話ししようと思っています。

デッサンをすることがどう将来に結びつくのか、これも皆さんが知りたい疑問なのではないでしょうか。卒業生、在学生、それぞれの経験をお話しします。

ただ闇雲に目の前に出されたモチーフを描くだけではなく、なぜデッサンをするのかが少しでも明確になれば、自分の思い描く絵に辿り着く手助けになるのではないかと考えています。
当日は僕らが喋るだけでなく、皆さんの質問も受け付けて答えていきたいと思っています。

基礎科生だけでなく、受験生、新美生じゃない方々も是非参加して頂けたらと思います。
当日はデッサンについて、普段考えないことを皆さんで考えてみませんか?
お待ちしています。

お申し込みはこちらから
https://www.art-shinbi.com/event/event-drawing-discussion.html

映像科:課外授業&映像制作実習

こんにちは、映像科です。5月後半から6月上旬にかけての木金日コースの授業では「映像について広く/深く知る」ことをテーマにして特別授業を行いました。

まずは課外授業として映像メディアを扱う会社「東京光音」さんに見学へ。
新美新宿校のご近所にあるこちらでは、映像の修復・復元に関わる業務をされています。見学では社員の方に映像メディアの移り変わりについてのレクチャーをしていただき、その後実際にフィルムやテープといった映像メディアをデジタルデータに変換する作業を見せていただきました。35mmフィルムが4Kに変換されるプロセスを見ることはとても貴重な体験でもあり、講師も含めて「映像」について考え直すきっかけにもなりました。(東京光音さん、ありがとうございました!)

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日曜日の授業では現在日本科学未来館で開催されている「文化庁メディア芸術祭」の受賞作品展へ。二会場あり見て回るだけでもなかなか大変で課外授業らしい記録を撮れませんでした・・・。この日の課題としては、自分の興味と繋がりそうな作品をジャンル問わず取り上げてレポートしてもらいます。メディア芸術祭はアートとしての映像だけでなく「エンターテイメント」「アニメーション」「漫画」と様々なカテゴリがあります。

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そして先週は久しぶりに教室に戻り、木金日の3日間で映像制作実習です。プロジェクターを使って映像を『投影する』ことを条件として映像インスタレーション作品を制作するという内容。グループワークですが、誰かひとりのアイディアを実現するというよりは、ディスカッションしながら具体的な内容やテーマを深めていきます。制作期間は実質2日間でしたが、予想以上に手の込んだ作品が見られました。

なお今週末は「映像鑑賞課題」と「武蔵美のオープンキャンパス見学」。
来週からは実技試験に近い形式の制作を行います。

新紙幣

こんにちは、油絵科です。

今年4月に新紙幣のデザインが発表されましたね。渋沢栄一、津田梅子、北里柴三郎と紙幣の顔も世代交代ですね。油絵科では新札のトーンがきれいだと話題になりました。

ところで今使用している紙幣は銅版画(どうばんが)で刷られていることをごぞんじですか?じつは国立印刷局に務める工芸官が原図を描き、銅板にビュランと呼ばれる道具で線刻をして原版を製作しています。手作業で作られていると知ったときは驚き、お金をおろしに行ってしばらく鑑賞しました。

(上写真)ビュラン

工芸官は普段からデッサンや版画などを行って技術の研鑽を積んでいるそうです。工芸官には、シンビから芸大の版画を出て務めている人もおり、その方の参考作品が図書室の作品棚に入っています。

この間、フロッタージュ技法を試しているなかで、興味本位でお札を使ってみたのですが、面白いことに透かしの凹凸や目の不自由な方のためのマークなどが浮き出てきました。

レリーフとしても非常に優れた紙幣ですね。

 

実は美術でも、お金をモチーフに制作された作品があります。

※めくるめく現代アート(フィルムアート社)の裏表紙

赤瀬川原平は「宇宙の罐詰」も有名ですが、ゼロ円札等、お札を題材にしている作品もあります。原寸の200倍に拡大した「復讐の形態学」や案内状の片面に印刷、零円札なども作っていました。

美術手帖でも付録として、千円札を半分に割った印刷物(くつけてはいけない)を出版しています。

残念ながら赤瀬川原平は、千円札の作品で有罪となってしまい、作った原板を没収されてしまっています。

零円札の作品は、最近ネットで45万円の値段がついていました。

 

新紙幣の発行はまだ先ですが。楽しみですね。