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彫刻科2月後半

彫刻科の新妻です。いよいよ芸大1次試験が迫ってきましたね。世間はバタバタしておりますが、できる限りの予防をして、目の前のやるべきことをやるだけです。

忘れもしない2005年の冬、はじめて世間的にノロウィルスが流行った年。1浪の芸大入試を前々日に控えた僕はノロにかかってしまいました。(今考えるとそんなに重度のではなかったですが、すごい気をつけてた分メンタル的にはザワつきました)1次のデッサンは持ちこたえましたが、2次素描は試験中も具合が悪く、いつもの半分位のクオリティーになってしまい、落ち込みながら予備校に戻りました。翌日2次塑像の行きの電車でも体調悪い波が襲ってきましたが、試験に行くとき聞こうと思って作っておいたオリジナル選曲MD(ナツい!)を聞きながら、なんとかやるしか無いっ!と気持ちで保ってたのを覚えています。課題は石膏模刻。試験が始まってからはいつも以上に空間を広く使えて、今まで指導されてきたことが一番実感として理解できる実技が出来ました。まわりの受験生がどんどん形が崩れていく中で、アトリエを無尽に動きながら像を観察し、「模刻が解ったぞー!」という喜びを感じながら、夢中で、でも冷静に作ることができて、初めて完成レベルまで持っていくことが出来ました。(1次試験の通過者でも模刻の印象を合わせられる人は少なかったです。)帰りに予備校の先生に内容を電話報告した時に「なんかスッキリした感じだね笑」と言われてノロもすっかり治ってることに気づきました。ヤバイかも。。。となった時に気持ちが折れなくて本当に良かったです。その年で僕の浪人生活は終わりました。

他の受験生も大なり小なり何かしらの不安要素を抱きながら試験に望んでいるはずです。でも最後は自分のやってきたことを信じて腹をくくれるかが大切なんだと思います。体と気持ちは繋がってます。残りの時間を悔いなく走り抜けましょう!

では秀作を紹介します。まずは昼間部生のデッサンから

全体感、体の密度がいいですね!自然な印象どりが出来ています。

 

顔が難しい位置ですがハメてきましたね!

 

描きっぷりがブルータスに合ってますね!

 

大きい構成が捉えられてるだけではなく、細部の観察も丁寧なのが好印象です。

 

うまいです!

 

パジャントの正面ってこうだよなぁっていうところをしっかり掴んでます!

 

視線の射抜く感じがカッコイイ。あんまりない位置ですが責任もって画面作りできてますね。

 

派手な作品ではないですが、地道に積み重ねた仕事に好感が持てます。

続いて塑像

いろんなニュアンスや要素をトータルで掴まないと似ないのがアバタですが、落ち着いてもってこれてます!

模刻はなんといってもぱっと見のクロッキー的情報が物を言います。ゲタの印象を上手に拾っています。

パーツばかり作りこみに行かずに地道に形の展開を追ったことが形の強さの印象の再現に繋がっています。

難しい像ですが大事なポイントは網羅しています。自信に繋がる実技でした。

作りこみは群を抜いてました。目線の合い具合も気持ちいいです。

これまでの人物系の塑像課題の集大成的なやり取りが出来た作品でしたね。

ここからは夜間部生作品です。

出だしから安心して見れる実技でした。奥への抜け方が美しいです!

実際に触れそうな炭使いが魅力的です。顔も似てます。

構造的な形の強さが目を引きます。着実に進歩しています!

横位置であることをとても良く意識できているデッサンだと思います!

 

あんまりかぶらないように色んな人の作品を載せました。ここに載らなかった人も含めて、今年はみんなにチャンスがあるといえるレベルの高さです。強みと弱みを自覚し、ビビりすぎず、自分にはこう見えたよ、こう捉えたよと責任持って言える実技を本番も現場においてきて下さい。