日別アーカイブ: 2019年2月4日

不器用な君達へ捧ぐ…

こんにちは。油絵科の関口です。私大の受験も始まり、普段はユルユルの雰囲気の油絵科のアトリエにも、少し緊張感が漂う様になって来ましたね。普段はハチャメチャな子でも、追い込まれると本気モードになるんだな…って、特にこの時期には思います。


さて、今迄ずっと油絵科の学生を見てきて感じるのは、致命的なほど不器用な人が多い…ということ。一般の人からしたら「なんでこんな簡単な事が出来ないの?」と思われる様な事が上手くこなせません。器用な人間からしたら「はぁ?あり得ないでしょ?」みたいな感じですよね。
反対に不器用な人からすると「ええ、そうですとも。器用なあなたには一生理解できないでしょうね…」といった感じで、心中穏やかではないでしょう。普通の人からしたら些細なことでも、不器用な人にとっては、切実な問題だったりしますからね。


かくいう自分も不器用な人間の一人。どういう訳か他人からは器用そうに見られる事が多いのですが、生き方も含め、中々のレベルなんです(笑)。僕の場合は極端に苦手な事と、それなりに器用にこなせる事の両方を持っているので、初めてその極端な不器用さを垣間見た人には、一様に驚かれます。そんな事もあり、不器用な人間には妙な親近感があるのです。

不器用な人間は思います。「なんで他の人は簡単にこなせるのに自分には出来ないんだ?」「自分は何か大切なものが欠けているのか?」と。
しかしそんな事で気を揉む必要はありません。美術の世界はとっても懐が深く、どんなに不器用な人でも受け入れてくれる優しさと暖かさがあるのです。
僕は時々不器用な学生に「出来ない事があっても良いじゃない!」と言いますが、それは気休めや励ましでも何でもなく、本気で思っている事なのです。そういう人は将来「普通の人には絶対に出来ないことを成し遂げる」と信じています。そして「人の総量っていうのは基本的に一緒なんじゃないかな?」って思っています。
今は周りが羨ましく思うかもしれませんが、燻ったエネルギーをしっかりと貯めて、将来に役立てて貰いたいな…と思います。


不器用な君達を何だか他人事とは思えず…
心から応援しています。