月別アーカイブ: 2018年8月

先端芸術表現科夏期講習後期のお知らせ

こんにちは。先端芸術表現科です。

先端の夏期講習の2ターム目が終わりました。
1ターム目は一次対策を集中して行いましたが、2ターム目では制作に繋がる課題や作品講評なども含む、総合的な対策を行いました。

初日は物を分解、解剖し、そこで発見したことをもとに制作する、観察の課題を行い、
二日目はグループワークで、新しい遊びを作るという課題を行いました。

物の機構や構造、触覚的な質感を頼りに、そこからコンセプトを立ち上げて制作することを目指したのが初日の課題です。

二日目は、グループでディスカッションしながら、ものではなく、ルールや規則を作ることで、遊びないしはゲームを作りながら、関係性やコミュニケーションをテーマにする作品について考えました。

最終日の講評会では、作品自体の完成度としてはまだまだですが、現段階での自らの興味やモチベーションが直に現れたものたちが集まり、有意義なものになりました。再制作やさらなる興味の追求を通して、夏期講習最終タームでも、さらにブラッシュアップされた作品が最終日に提出されることになるのではないかと、今から楽しみになっています。

さて、先端の夏期講習3ターム目は、8月20日(月)から6日間です。2ターム目と同様に、総合的に対策を行います。

20(月)一次対策(素描・小論)
21(火)一次対策(素描・小論)
22(水)総合実技
23(木)ゲスト講師によるレクチャー、課題
24(金)作品制作
25(土)作品講評会

23日のゲスト講師によるレクチャー及び課題では、先端を卒業し現在アーティストとして活動している方をお呼びし、自らの活動の紹介及び活動に関連する課題を行います。

初めての方も3ターム目からの受講でもまったく問題ありません。初日にこれまで制作したものの写真や、自らの興味関心を伝えることのできるものがある方は、ぜひご持参下さい。多くの方の受講をお待ちしております。

それでは、先端芸術表現科でした。

藤田嗣治について(下地編)

こんにちは。油絵科の関口です。台風が去って、また暑さが戻ってきましたね。そして次々と台風が発生しているようですが、皆さんも体調を壊したり夏バテしたりしないように、しっかりご飯を食べましょう!

さて先日、空き時間を利用して東京都美術館で開催されいる「没後50年 藤田嗣治展」を見てきました。今日はそのレポートです。

藤田嗣治はエコール・ド・パリ唯一の日本人画家で、おかっぱ頭、丸眼鏡、チョビ髭という出で立ちが印象的ですね。え?僕が藤田に似てるって?よく言われるんですが、別に真似てる訳ではありませんよ。チョビ髭だって生やしてないでしょ?

今回の展示では、初期の頃から晩年まで網羅しており、初来日の作品も多数ありました。非常に見応えのある展覧会だったと思います。
初期の作品では、東京美術学校時代からフランス留学し、キュビズムや当時の美術界の影響を受けた作品から風景画や静物画まで展示されています。単身フランスに渡り、見るもの全てが新鮮で、それまで日本で勉強してきた美術が、ひどく時代遅れである事を実感していたはずです。サインもフランス流にFoujitaとし、貪欲に色んなものを吸収しようともがいている姿が目に浮かびました。
初期の風景。有名になる前の絵なので、スタイルはかなり異なりますが、味わい深くて、なかなか良い作品です。本物を見て思いましたが、実は黒の使い方が上手いんです。

しかし、日本人である藤田がその名を轟かせたのは「乳白色」と称される下地に、細い線描で描いた、まるで日本画の様な作品でした。藤田はどの様に下地を作って、どの様に描いたのか?は絵描き仲間にも秘密にしていた様です。そのミステリアスさと変わった風貌も手伝って、一気にブレークする事になりました。

最近の研究では、藤田の乳白色の下地の正体が少しずつ分かってきました。体質顔料である炭酸カルシウムを油絵具のシルバーホワイトと混ぜて画面に塗布していたようです。炭酸カルシウムは油と混ざると若干黄色くなる傾向にあり、その分量を調整して乳白色を作っていたようです。そして仕上げにベビーパウダーを使って表面に浮いた油分を取り払っていたらしいのです。


ここに写真家の土門拳が、藤田のアトリエで撮った写真があります。彼は当時唯一制作の現場に立ち会うことが許された写真家と言われています。写真にはベビーパウダーが写っているのですが、藤田は肌が弱く、その為に用いられていた…と長年信じられてきたそうです。しかし近年絵の修復の際に画面からタルク(ベビーパウダー)が検出され、ベビーパウダーを使っていた事が判明しました。
写真に写っているのは、和光堂のシッカロール。昭和を感じるデザインです。

通常は、油性下地の上に水性の墨汁で描く事は出来ません。ベビーパウダーとは意外な材料ですが、油性下地に墨汁を使う事を可能にした、魔法の粉なのです。
さて、まだまだ書きたい事はありますが、長くなりそうなので、今日はこの辺で…。今度は藤田の線の秘密に迫ってみたいと思います。乞うご期待下さい。

今年最後の夏、渋谷校で石膏デッサンを自主トレするか

平成最後の夏の終わりに、「渋谷で石膏の自主トレ」  略して…
”S.S.J.”

もうこの夏は2度と戻ってこない。
思いっきり指導や講評を気にせず描いてみないか!

日 程 :2018年 8月29,30,31日の3日間。1日ずつの申し込みが可能。

時 間 :A.M.10:30?P.M.5:30(お昼休憩などは自由。時間内入退室自由)

金 額 :内部生事前予約1日1000円。当日申し込み1200円
外部生は予約、当日共に1200円。当日入室時に受付で直接お支払いください。(税込料金)

予約方法:この用紙に必要事項記入の上、新美受付に提出。
または電話(03-6419-7281渋谷校)にて申し込みください。

モチーフ:マルス、ヘルメス、パジャント、ブルータスなどを用意の予定。
日によっては石膏デッサンデモンストレーションがいる場合もあります。

8/26-28の間は受付が閉まっていますので、夏期講習会中のご予約をお勧めします。
当日受付も出来ます。是非ご参加下さい。

申し込み用のチラシはこちらからSSJ18年9月チラシ

渋谷校のツイッターにもアップしておきます。

映像科:夏期講習レポート②&入試情報

こんにちは、映像科の森田です。
映像科の夏期講習も折り返しです。
先週7/30?8/4は推薦入試対策コースということで、熱い(暑い)6日間の授業が行われました。

前半3日間は映像作品研究として様々なジャンルのショートムービーを鑑賞したり、
映像作品のアイディアの構想、プレゼンやディスカションの対策をしたり、
初台にある美術館「ICC(インターコミュニケーションセンター)」に見学に行ったりもしました。

後半3日間はそれらの研究を踏まえて、最終日に発表する作品の制作を行います。
上映作品はギャラリーのシアター部分で、写真やインスタレーションは展示として発表。
また映像や写真だけでなく、パフォーマンスやVR的(?)参加型作品など、ジャンルも様々。
8/4は公開講評会として、映像科の学生以外の人にも作品を鑑賞してもらいました。

講評会の最後には昨年度新美映像科に通っていた、
武蔵美映像学科の公募推薦クリエイション資質重視型の合格者のトークイベントも開催。
終わってみればあっという間でしたが、充実の6日間だったと思います。
この成果を自信にして、夏期の後半以降推薦入試の準備もどんどん進めて行きましょう。

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さて、来週13日からは一般入試に特化したコースが再開されます。
武蔵美映像学科の感覚テストをはじめ、東京造形大や日芸の映像系学科・専攻の対策を行います。

また、武蔵美を受験する学生の皆さんは18・19日の「真夏のオープンキャンパス」も要チェック。
特に気にしておきたいのは学科試験(国語・英語)についてです。
以前のブログでも書きましたが、今年から「映像学科」「クリエイティブイノベーション学科(新学科)」は「造形構想学部」となり、これまでの学科試験の内容とは変更が予想されています。
今回のオープンキャンパスの「造形構想学部 学科試験対策講座」(両日とも12:40?13:20)にはぜひ足を運んでください。

それでは引き続き体調にも気をつけて、充実した夏にしましょう!

秋葉原校:夏期講習、折り返し地点。

秋葉原校の石崎です。早いもので夏期講習会も折り返し地点に入りました、、と今、この文章を打ち込んでびっくりしちゃいました。時間は有限ですから、できることは今頑張りましょうね。

夏休み中も学科のプリントは毎日更新しています!
私大志望者は実技も学科もバランスよく!を心がけましょう。

プリントは毎日やっているけど、イマイチ不安だ、、、という方には学科対策の講座もあります。
あいにく英語は終了してしまいましたが、
⭐?8/7(火)~8/11(土)に多摩ムサの国語
☆8/14(火)~8/18(土)に多摩美の小論文の授業があります。
まだ席には余裕あります。野澤先生の授業は本当にわかりやすくておすすめです。

実技の方でいうと、デザイン工芸科は前半は武蔵美の対策を中心に行いました。
Ⅲ期末には、実際の試験に近いかたちでの模試を実施。
短い時間内で、必要な仕事を的確に選んで描写する難しさをみんな感じていたようでした。

その中で、3時間でこれだけ完成度をあげてきた作品も出てきました。
まだまだこれからというところもありますが、良い感じですね。

デザイン工芸科では後半は多摩美の対策がメインになってきますが、
希望があれば志望校別コースで武蔵美対策も可能です!
そのほか、筑波大や金沢美術工芸大など地方の国公立対策も志望校別コースまで。

油絵科や日本画科、基礎科各コースもまだまだ受講募集中です。
ただ、今後の申込み状況によっては打ち切る可能性もありますので、ご検討の方は早めにお申し込みください。

そうそう二学期の特待生も募集が始まっています。
秋葉原校に入学希望の方も、新宿校で試験は行いますのでご注意ください!

詳細はこちらをチェック。

夏はまだまだ続きます!体調管理には気をつけつつ、頑張りましょう。
それでは!