日別アーカイブ: 2017年8月6日


パレットハンター

こんにちは。油絵科の関口です。皆さん元気に絵を描いていますか?
さて、新美で指導していると、生徒のパレットが否が応でも目に入ってきます。このパレットは、画材の中でも脇役として扱われて、語られる事は少ないと思います。そこで今日はパレットに焦点を当てていきたいと思います。

これは王道のパレットの使い方。明度と色相が端から順番に並べられ、パレット上でグラデーションになるように色を置き、中央で色を混ぜて使用します。

ここから先は学生のパレットです。
油絵科は色んな意味で自由な科なので、そのパレットも実にバラエティに富んでいます。
ただ自由とは言え…思わず「おい!」ってツッコミを入れたくなるものも多数存在します(笑)。
例えばコレ。

チョビッと出すにも程があるんじゃない?って感じですが、本人は水彩と同じ感覚なんでしょうね。にしても色相は偏ってるし、白は5種類も出して拘ってる!いや、よく見ると左にもう一種類のホワイトがちょっと多めに出されていますね(笑)。謎が深まるパレットです。

そしてコレ。

上と同じくチョビッと派ですが、明らかに穴の穴の意味が分かってませんね(笑)。お?い、そこは親指を入れる穴ですよ?。しかも自分から見て手前に絵の具を出したら、色を混ぜにくいでしょ(笑)。まぁこの子は椅子の上に置いて描いてるんでしょうけどね。

余談ですが、キャンバスサイズのサムホールと言うのは、このパレットが語源だって知っていましたか?昔、持ち運び用の道具箱に入れる為、小さなパレットが流行したそうです。パレットには当然持つための親指の穴(thumb hole =サム・ホール)が開けられています。そのパレットに絵を描いた…という説が残っています。それなのにサムホールの木枠裏の刻印がSMっていうのが意味不明ですが…
おっと話が逸れましたね。


この人のパレットは一見そんなに変じゃないと思うかもしれませんが、彼は右利きです。という事は裏にして使っていたという事です。本人に聞いたら、指の周りが痛くなってしまい「どうも変だなぁ」と思っていたそうです(笑)。

あと段ボールでこんなのを作ってきた子がいました。
ちゃんと折りたたみ式だそうです(笑)。でもダンボールじゃ油が染み込んじゃうでしょ(笑)。

流石にこんなのばっかりじゃマズイので、良い意味で変わってるのも紹介しますね。

この人のパレットは、まるで荒々しい抽象絵画の様ですが、タッチの大きさやストローク、彩度の抑え方や鮮やかな色の利かせ方、絵の具の厚さに幅がありますね。結構上手に絵が描ける人だという事が伺えます。


この人のパレットもグレーの作り方がとても綺麗です。ところどころ紙パレットの白が覗いていたり、下から白い調子が透けているのも綺麗に見える要因です。これを見ただけでセンスが良いというのが伝わってきます。


この人のは何と形容したら良いのでしょうか?でもコッテリしたマチエールの作品になるんでしょうね。

あと、以前海老澤先生が課題でモデルさんに持ってもらう木製パレットを自作して来た事があったのですが、それがあまりにも素晴らしい出来でしたので、是非紹介したいと思います。

それなりの大きさのあるパレットなので、少し重量があります。そこで負担を軽くする為に持った時、身体にフィットする様に下方にえぐられたカーブがついています。一度持たせて貰いましたが、重心もバッチリで「これなら長時間持っていても疲れないだろうなぁ」と思いました。

それから、こんなのをメールで送って下さいました。グザヴィエ・ド・ラングレの技法書に載っているパレットだそうです。面白い形ですね。海老澤先生、貴重な資料をありがとうございました。

これより下は、名だたる巨匠達のパレットです。
カンディンスキー
ゴッホ
ゴーギャン

セザンヌ
ピカソ
マティス

こうやって色んな人のパレットを見ると、その人の性格が見えてくるような気がしますね。皆さんも隣で描いている友達のパレットを一度覗いてみてください。よく知っている人なら、その人らしさが滲み出ていて、思わずニヤッと笑ってしまう筈です。パレットハンティングというのは結構楽しいですよ。


先端科:夏期講習会Ⅳ期、明日からはじまります

こんにちは先端科です。

Ⅱ期(素描小論対策)お疲れ様でした。
6日間 9時から18時まで、集中して制作したこともあり、だいぶ上達したと思います。
体力も消耗しますので、美味しいものを沢山たべて、夏バテには気をつけて下さい。

また、新美の先端科は、Ⅱ期、Ⅳ期、Ⅵ期と講習会と講習会の間に一週間ほど日があります。
この時間を使って、個人資料ファイルに載せるための作品を制作してください。
講習会中に、アドバイス、講評など行います。

新美夏期講習会先端科
https://www.art-shinbi.com/event/2017/summer/subject/sentan/index.html

明日から始まるⅣ期のスケジュールをお伝えします。
パンフレットと若干ですが授業日程の入れ替えがあり異なります。

 7(月) メディア演習 ドローイングのワークショップ
水彩絵の具、クレヨン、色鉛筆、など出来るだけ様々な種類の絵を描くための道具
を持参する。これ以外にも試してみたいものがあれば持参してもらいたいです。必ずしも描画道具でなくてもよいです。例えば「醤油」とかも。
 8(火) ゲストアーティストによるワークショップ
“遠くのもの(こと)”との通信手段としての地面を表現しなさい。
 9(水) 1日で作品を完成させる
自分の素材を持ち寄る。20種以上持参すること。
10(木) 一次試験対策 素描と小論
11(金) 芸大合格者によるデモンストレーション
素描と小論の昨年度の入試問題を合格者と一緒に行います。
12(土) 作品講評会