こんにちは!彫刻科社会人講師の稲田です。
早いもので新学期がスタートして2週間が経ちました。新しい生活のリズムが掴めてくるのと同時に1年後を見据えるとついつい余裕がなくなったり、かと思えば1日の長さに疲れたりと気持ちがアップダウンする時期ですね。
スタートから脇目も振らずに頑張ることは当然ですが、人間なのでずっとトップギアで走り続けることは出来ません。休みの日や疲れた時は自分の気持ちをセーブして体と心を休めましょう。
当たり前のことですが見落としがちになっているので、浪人生のみんなには各自、自分なりのテンションをコントロールする術を早い段階で見つけてほしいと思います。
それでは、4月から受験科で頑張っている夜間部生の作品を2点紹介します。
まだまだ荒削りなところはたくさんありますが、ガッタメラータ像への新鮮な気持ちが伝わってくる大変良いデッサンだと思います。
技術はこれからどんどん吸収していきますが、この新鮮な目をこの先も忘れずに!!
続いて昼間部大型石膏模刻です。
粘った甲斐があり中々の力作が完成しました。シビアにみると頭部から首にかけて違和感がまだありますが、ここまでの密度の高い模刻をしっかりとやり切った作者にはまた力が付いたと感じます。
この作品の作者に限ったことではないですが、自分の不得意な見方を鍛えるというのは中々言葉で言うほど簡単ではありません。自分に足りないものを積極的にものにしようと挑んでいく姿勢はとても素晴らしいですね!!たとえすぐには上手くいかなくてもどんどん挑戦する1年にしましょう。
前回のブログで新美彫刻科から芸大に合格した3名の作品が出揃ったわけですが、みなさんはどう感じたでしょうか?
僕が一番強く感じたのは感動の強さがそのまま作品の強度に繋がっているということでした。
つまり、技術はあって当たり前。そこではない感動が作品を通して伝えられるものが出来たかどうかが大切です。
美術の道を志すきっかけは人それぞれですが、そのきっかけには何かしらの感動があったはずです!初心を忘れずとは使い古された言葉ですが、忘れてはいけない言葉ですね。
今年受験に挑むみんなは初心を忘れずに挑戦してください!!
初心を忘れずにのついでですが僕の作品を2点紹介します。
最初の作品は、小学校3年生のときに紙粘土で作った《リンゴ》です。
次は、去年制作した《不確かな輪郭》という作品です。

photo by Omata Hidehiko
小さい頃に感じたものを作り出す喜びは何年経っても覚えているはずです。作品の形が変化しても変わらない感動を追い求めて制作したいものですね!
最後に4月からそれぞれ大学進学、他予備校で頑張ることになった新美出身の彫刻科生の楽しい学校生活と真摯な彫刻制作を願っています!!ファイト!!
次回の更新は、氷室先生です!よろしくお願い致します。