日別アーカイブ: 2015年1月18日

高校生デッサンコンクール

こんにちは。講師の小川原です。今日新美では高校生デッサンコンクールがありました。各地から本当に大勢の皆さんに参加していただいて、盛り上がりのある内容になったと思います。ありがとうございました!僕は採点から参加したのですが、制作終了間際、作品の回収の為にアトリエに入った時、まさに熱気が伝わってくるようでした!素晴らしい取り組みだったと思います。
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採点中は校長の三上先生と、デモンストレーションをしてくれた新美出身の芸大生によるデッサン解説が行われました。デッサンって突き詰めていくと結局は感覚で覚えていくように経験を重ねていかないと本当の意味での力はつかないものですが、その導入として知識的側面を理解する事はその後の成長を加速させる為には非常に重要な部分でもあります。そういう意味でも新美のような予備校の存在は大きいものなのかなと自分の受験期の経験からそんな風に感じたりします。
受験って1年で1回しかチャンスがないから出来るだけ手っ取り早く上手くなりたいですから。でもただ闇雲に数をこなしてもダメで、「デッサンの作法」みたいなものを吸収していく必要があります。三上先生はそうした「仕組み」の説明がとてもうまいのでかなり参考になったと思います。今の段階で実感が無くても、これから経験を重ねていく中で必ず役に立つ事を話してくれたと思うので、しっかり覚えておいて壁にぶつかったら思い出してもらえるといいと思います!
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デッサンの解説資料が配布されました。基本的なデッサンの見方、捉え方の解説や、各科の石膏デッサンプロセスも全て入っている保存版です!新美はこうした資料も豊富なので、今回参加できなかった人も次の機会に是非もらっておくと役立つと思います。
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今日のデモンストレーション作品です。
ブルータス。空間のつくり方が巧みで、とても爽やかで心地よい印象の作品だと思います。視線をグッと引きつけたいところ、スッと逃がしたいところ。それらのバランスがとても良いです。
画面全体の調子に無駄が無く、響き合っている事にも注目してほしいです。お?!やっぱり芸大生って上手いな?って感じさせられる1枚です。(遠目でも良く見えますが、近目でどこを見ても意図的に表現に変化があって飽きさせない内容になっています。)IMG_1298
マルス。像の持つ量感を説明していく時に、最終的な作品のビジョンが曖昧なまま無理にコントラストを上げて形の角を表現しようとするとどうしても嘘っぽくなってしまいますが、この作品の良いところはそうした方法論に捕われず、調子の幅をどんどん増やして行くことで(しかも自然に)リアリティを引き出しているところにあります。こういう作品を見ると、デッサンって難しく考える事は無くて、「見たまま」を表現する為の「描き方」であればいいんだなと改めて感じさせられます。
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数がとても多いので上位のみの全体講評の並びとなりました。僕は採点に参加したので全ての作品を見させてもらいました。上位の作品はこのままでも芸大1次は通って行くだろうなというくらい素晴らしい作品だったし、それだけの経験も感じました。今回上位に食い込めなかった人たちの作品からも強い熱意が感じられました。今の気持ちでどんどん経験を積んで行けば1年後には相当な力がつくはずです。是非希望する大学の合格に向けて励みにしてもらいたいです!
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上位の作品は全体の前での講評を行いました。良い作品の良さの所以は一体何なのか、皆に伝えたいです。
国立校校長の武田先生の総評。
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上位の作品の個別講評。希望する専攻の先生が講評しました。僕は彫刻科の講師なので彫刻希望の生徒を講評しました。
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授賞式。1?7位までの入賞者に賞品や賞状が贈られました。おめでとうございます!これからもたゆまぬ努力を!
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その後個別講評へ。今日学んだ事をこれからの制作に生かしてくれたら嬉しいです!

さて、こうしていい1日が過ごせたと思います。僕も気合いの入ったデッサンを講評できて楽しかったです!ありがとう!
デッサンはとにかく継続によって上達するものです。特に現役生は毎日新しい事を吸収していける土壌をもっています。それだけ上手くなる伸び白も大きいのです。
もちろん受験では浪人生と同じ土俵で戦っていくことになります。経験が大事と言っておきながら、経験数では勝てないですよね?でも事実、例え芸大であっても現役で合格していく学生は少なくないのです。では何がその差を埋めているのでしょうか。僕はこれまで長く講師をやってきたし、何人も現役で芸大に受かって行った学生を見てきましたが、彼らには総じて「勢い」がありました。勢いと言うと何とも抽象的ではありますが、言い換えると、いい作品を描こう、つくろう、とする事に対しての貪欲さ、とでも言いますか。1回の課題に対する集中力がものすごく高い事が印象的です。これは現役生特有のものであると感じています。この生き生きとした集中力が作品に魅力を与えるのです。技術的に上手い作品はもちろん評価されるし、それも無ければならないものではありますが、それだけではないところが美術のおもしろいところです。
最初から上手くなくていいです。出来なくて当たり前!でも上手くなってやるぞ!どんどんやるぞ!という気構えがあれば十分です!あとは先生がうまーくいい方向に誘導してくれるので(笑)とにかく前進していく気持ちは強くあってほしいです。
合格への秘訣!「描く事、つくる事を素直に楽しむ事」「新しい事を学ぶ事にドキドキを忘れない事」「クロッキーを欠かさずやる事」以上です!頑張りましょう。応援しています!