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ダヴィデの口の模刻、ミロのヴィーナスのデッサン。

こんにちは。彫刻科の小川原です。暑いですね!!暑くて夜眠れません。エアコンつけると次の日の朝決まって体調悪くなるのが分かっているのに躊躇無くスイッチをONしている自分です…。
この前風邪をひいてしまい、ツラい1週間を過ごしました(泣)皆さんはどうですか??気温の変化についていけてますかー?体調管理も受験生の仕事ですよ!!絶対にエアコンつけたまま寝たりしないようにしましょう!!

さて、いつものように日々の課題での優秀作品を紹介します。
夜間部生の作品。ダヴィデの口の模刻です。この作品は授業時間外に自主的に制作したものです。
R.S君の作品。
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練習課題としてつくってもらいましたが、厚みや奥行き、フォルム感に敏感に反応してつくれました。今回のモチーフは構造としての要素が少ないのでその分素直な気持ちでつくり切ることができたと思います。通常の頭部全体がある像をつくるときはさらに複雑な形の解釈が必要になってきますが、「完成度」といった意味で今回の制作は一つの指標となるはずです。

昼間部。ミロのヴィーナスのデッサン。
T.U君の作品。
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首が手前になかなか傾いてくれないと苦戦していました。この位置の難しさはまさにそこで、見上げて見てる目線に対して手前に倒れてくる頭部は結果的に真横から見ているようなかたちになります。頭部だけで傾きを表現できない以上体との相対的な関係に全てが依存されてくるのですが、体は奥の腕を上げているのでパースによって素直に手前の肩が上がってくれることも無く、大体水平くらいになってしまいます。そのことによって全体的に動きの弱い突っ立った印象になりがちです。じゃあどうしたらいいかと言うことですが、とにかく構造をしっかり捉えて少しでも手前のたわみと奥の伸びの違いを出していくこと(手前のポイントに対して奥のポイントの位置関係をきちんと伝わるようにする)、それと傾きに合わせた色を色面でコントロールすることです。これについては手前の腕から脇腹にかけてと、頭部側面(首まで)の面性が一致するのでほぼ同じ色にまとめます。腰は上面になるのでそれに対して明るめに設定します。
と理屈ではこんな感じなのですが、それを知っていてもなかなか上手くいかない訳ですね。僕も今までこの位置で描いた中で「お、動き出たなこれ」って言うのはありません(笑)そういう宿命な位置なのかもしれませんね(笑)
だからといって上に書いた条件が出来てないと説明がつかなくなるので、そこは最低限おさえていかないといけないです。
彼は本当にデッサン力があるので何でも描けてしまうのですが、その分こちら側としてはいつも後半歩を要求したくなってしまいます。これまで誰も描けなかった領域に踏み込んでいけるレベルまで成長していってほしいです。
……。心の声「この像はトルソでも大きな像なので、出来るだけ大きくいれるのがセオリーです。なので僕も描くとしたらこの切り方をしますが、もしかしたら台を見上げる形にしてそこまで入れたら奥の伸びは説明しやすいかもしれませんね。反対側から見ると衣は厚いので全部いれると全体が小さくなってしまいますが、こちら側は厚みが無いのでそんなに影響なさそうです。今度機会があったらやってみようと思います。」

さて、明日は僕小川原と氷室先生に続き、内田先生の書くブログです。内田先生は石彫の芸大博士課程を修了されていて、作品もとてもユニーク!どんなものをつくっていたのか、一部を紹介してくれているので楽しみにしていて下さい!それでは、一学期も後半戦に突入!頑張っていきましょう!!