日別アーカイブ: 2014年2月16日

個性を大切に。

こんにちは、基礎科講師の佐々木です。

先週に引き続き記録的な大雪となり、厳しい寒さが続いていますね。
雪、とてもきれいだけれど、受験生達にとっては、ちょっと迷惑な存在ですね。交通網の乱れや、歩きづらさ…試験時間を短縮した学校もあるようです。
どんなトラブルがあっても、しっかり、積み重ねてきた自分の力を発揮できますようにと、日々受験生達に念を送っています。

まだ受験ではないけれど、基礎科の生徒達も、そろそろ基礎科卒業に向けてそわそわしています。

こんなデッサンで、来年から大丈夫なのかなあ。受かるのかなあ。と、もうすっかり受験に視線が向いているよう。
本人達は気づいていないかもしれませんが、実力は、しっかりついてきています。
初めて描いた作品と今の最新作、比べてみてください。

今日は、そんな高校二年の日本画専攻の生徒の、着彩制作過程を紹介したいとおもいます。

 

先日の専門課題でのモチーフ。
剥製・グレープフルーツ・いちご・折り紙・麦の穂 です。
過去の芸大の二次試験課題を、少しアレンジして出題しました。

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まずはデッサンをしっかりとして、そこから色を入れて行きます。
着彩は、鉛筆+絵具の組み合わせで色々な表現をする課題です。鉛筆でやった方が良い所、絵の具の方が表現しやすい所。枚数を重ねながら、自分に合ったデッサンと絵の具の分量を見つけて行きます。

この生徒はフクロウの模様や爪、イチゴの種など細かい部分をデッサンの段階でしっかりと描き、絵の具で潰してしまわないようにという気遣いをしていますね。
色の入り方も、全体に手を回しながらバランスよく進められそうな予感がします。

 

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光の方向、状況の違いなど気にしながら、どんどん手を回して行きます。

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全体に色が入り、台上のものが仕上がってきました。
物が落とす影が入ると、ぐっと空間がひろがりますね。

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最後にフクロウを描き込み、完成へ。
絵全体のピントが合いました。

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細かい毛並みを意識しながら、体の立体感に合わせて模様をかき込めています。

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イチゴも、外に出ているイチゴと、パックの中のイチゴ。差を観察しながら表現できていますね。
デッサンでしっかりと描いておいた種が良い効果に繋がっています。

まだまだつたない部分はありますが、日本画にとって大切な「物を良く観察する」ということと、鉛筆、絵の具の技術が噛み合ってきたのではないでしょうか。

他の生徒達の作品も、力作があがってきています。

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同じものを描いているのに、みんなそれぞれの個性があります。面白いですね。

日本画は、写実的にものを描く事を積み重ねていく科ですが、それは、写真のように描けるようになることではなく、同じものを描く中で出てくる「それぞれの個性」を見つけ、磨くための練習だと、私は思っています。
同じフクロウの剥製を見ても、「表情がかっこいい」と思うのか、「毛並みが柔らかそう」と思うのか、人によって違います。そんな人たちが、同じフクロウの剥製を描いても、きっと同じような絵にはならないですね。
その個性が、やがて大学で絵画を描くようになったとき、その人の絵になる。
日本画の受験課題は、「写真みたい」とよくいわれるように、窮屈で個性がないものと思われがちなのですが、そんな事は、ないのです。
パッと見のバリエーションはないですが、ちょっとじっくり見てみてください。受験生の絵の中にもたくさんの個性があって、とても楽しいですよ。

話がそれましたが…。
なので、ものをしっかりとありのままに描写できながら、それぞれの個性が見えてくると、教えている私たちもとても嬉しいです。
元々持っている個性をしっかりのばしながら、ものを描く力をつけていけるように。そう思いながら日々指導しています。

現在高校二年生の人は、次の春期講習から受験科に進む事になります。
その前に、ちょっと予備校を見学してみたい、課題を体験してみたいという方は、
基礎科の体験へぜひいらしてください。各コース、1週間分の無料体験が可能です。
来週からは月火水・木金土・月?金・日曜コースで専門課題を体験する事ができます。
土曜コースは来週が人物ヌードデッサン、再来週から専門課題になっています。

受験生になる前の、大切な期間。
少しでも悩み、質問がある方、まず何が分からないのか分からない!そんな人ほど体験へ。
すっきりした気持ちで春から走り出しましょう!