関東も梅雨入りです。

関東も梅雨いりしました。

早速の雨でテンションが下がり気味な油絵科の箱岩です。皆さん、いかがお過ごしでしょうか?

先日、少し気になる記事を産経ニュースで見つけました。

油原聡子さんの記事で、見出しは

美・芸大生専門の就職支援サービス相次ぐ 企業が創造力、発想に注目

「美大生や芸大生などを専門に就職支援を行うサービスが相次いで登場している。」というもの。

就職率の低い美大・芸大の学生を哀れんで、斡旋する怪しい業者が出てきたのだろうと思って読み始めると、その内容はもっと健全ポジティブなもので、読むにつれ「ふーむ」と考えさせられました。

要約すると、昨今のもの作りは、技術力が高まり、企業間の商品の差別化が非常に難しい。人間的で新たな視点や発想を生み出す事の得意な、クリエーティブ能力を有する美術系学生に企業が注目。即戦力になりうる、熱意のある学生と効率良く接点を持ちたいという企業側の思いと、学生とを結びつける狙いもあるようだ。という内容でした。

なるほど。さもあらん。デザイナー業をしている大学の先輩から「日本企業の企画会議なんてどこも一緒だよ、他社の商品を分析して、ほんの気持ち上回る企画案をならべて、画期的だと自画自賛しているんだ」と、、、。「それってクリエイティブか?」「そう言われても、、いや、どうなんでしょうかね?。。(汗)」企業の気持ちも判る気がします。

この話を、皆さんに還元するならば、一学期の基本的な知識を身につけることと同時に、創造の翼を手に入れることは、将来において、凄く重要だということだね。

話は変わって、先日、サイクロン掃除機の開発者にして、ダイソンの創業者ジェームスダイソン社長がテレビ番組に出ていましたが、彼のデザインエンジニアらしい思想には、胸のすくような清々しさがありました。日本の若者に何かアドバイスをと司会の村上龍氏が尋ねると「私は、アドバイスはしません。なぜなら先達の知識の中に本当の革新はありません。革新とはそれまでの常識を覆すほど根本的に新しい閃きを実現すること、むしろ反対されても自分の閃きを信じて突き進むべきです。」という趣旨のコメント(記憶によればw)をしていました。なんともしびれる名言です。

革新でなければ価値がない。

常識や固定観念に縛られない価値の創出。スゴく大切な意見だと思います。

これって、ものをつくる仕事なら当然の感覚ですよね?既にある価値観をなぞって楽しむのはクリエイトではありません。ただのファンです。クリエイトとは、いままでは王道とされなかった、見捨てられアングラなところに位置づけされたものを見直し、組み合わせ、視点の変更をする事によって革新的な価値の創出をしていくことだと思います。捨てられたゴミの山の中にこそ革新的な価値は埋もれていると思うのです。

なぜこんな話をするかというと、前日、講師室での雑談で、受験の絵ばかり教えて大学の評価ありきで生徒の作品を見ていると、どうしても評価出来ない超個性に出くわすよね。そして、意外とそれは胸を打つ魅力ある作品ということも多い、という話題になりました。

美術の勉強をしていけば行くほど王道も正道もごく少数派で、歴代の絵画の多くが実は趣味的で偏執的で裏街道まっしぐらなものばかり。ということに気が付きます。

人間の内面にある毒のような部分が必ず反映されていて、それがまた、見るものを魅了するのでしょう。絵画は本来、猛毒を持つものである。毒は時に薬になるが、中毒性も併せ持つ。

ですから、もっとひどい作品の中に次の主流があるかも知れない。世間の無理解と戦わずに新しい芸術はない。そこに美術の創造性は広がるのではないかと思わずにはいられません。

きょうは、近く実施する予定のドローイング課題のために画集や、作品ファイルをひっくり返していてみつけた、直ぐに良し悪しの判断が出来ない、BADな美術。しかし何度も見てしまう、そんな魅力的な裏街道の美術作品を紹介したいと思います。

(正直、この絵ブログに使って大丈夫?ってのもたくさんあったので、少し選んでますよ。)

20140607172957-0001

20140606160359-0001

20140606160056-0001

20140606155951-0001

20140606155821-0001

20140606162816-0001

20140606160011-0001

20140606152739-0001

20140606163033-0001

20140606151644-0001

20140606151627-0001

これらの作品に、受験に直結する有効な技術やクオリティーは無いかもしれませんが、この心が踊るような感覚は、受験勉強で絶対に無くしてはいけないものだという気がします。まぁ、心配しなくても、油絵科の皆には共感されていることでしょう。

そこで、これら一見BADな作品でありながら皆の心を動かす作品や、猛毒を含んでいながら惹きつけられる作品、超天然アウトサイダー系の作品を、王道ではない裏街道の美術「裏美」と命名して、皆で楽しんでいきたいなと思っています。

手始めは、「裏美コンクール」

実施は近々。自分ではいいと思っているのに友達や先生に理解されない作品、下手でも酷くても関係なく集めて受験じゃ無理でも、ちょっと好きかもを評価するコンクールにしたい。(いや、個人的にはすごくやりたいと思っているんですが実現するのでしょうか・・・苦笑)

参加条件や評価の仕方などは、秘密裏に決定しますので、興味のある学生はどうぞお声がけを?w

今週はいい作品が多く出ました2

こんにちは。彫刻科の小川原です。今日しばらく放置していた作品に手を付けました。ほぼ完成状態だったのであとちょっとだったのですが、もうすぐ終わる!という安心感と、ちょっと間が空いてしまったことによる気持ちの離れから結構な時間が経ってしまいました。複数の作品を同時並行的に進めていたので、どうしても時間の割き方のバランスが取れなかったです。結局メインの作品に目をかけてしまうわけですね。作品は無事完成しました!なんかほっとしてます(笑)

さ、前回に続いて作品を紹介していきます!
自刻像。
IMG_6088
隅々まで観察が行き届き、説得力のある作品になっています。自刻像は鏡(平面)を見て立体におこすので、どうしても複雑な形が追いきれずに甘くなりがちです。日頃から筋骨が与える表皮への影響を研究しておくことが必要不可欠です。さらには自刻像は「自分自身」がテーマであるので、自分の内面性を形に置き換えるということも考えられると作品にさらに高い価値が生まれます。そういった意味では模刻的な形合わせに一生懸命になるだけでなく、作品の内面性を感じ取り、足りないと感じるものを探していくのも大切なことと言えます。

石膏デッサン。円盤投げ。
Y.M君の作品。
IMG_6126
量感も動きも全体の印象も円盤投げの持つ魅力に迫れていて、迫真に迫る内容の作品です。素直に、謙虚に対象を追った結果と言えるでしょう。やや白側のグラデーション、特にハイライトが不足している為に鈍さが目立ちます。最後まで作品としてデッサンをコントロールしきれるよう理想的な完成のビジョンを持てるようにしましょう。

T.U君の作品。
IMG_6127
2列目から描きました。この位置は動きや厚みを出すのが難しく、円盤投げの中で最も難しい位置と言えるでしょう。そんな中でかなりの精度が出せているので作者の実力の高さが伺えます。今回の作品に関しては手前の脇から脚にかけての陰の調子がべったりしてしまい、やや具体性を欠いてしまったのがもったいないです。陰の中での調子の変化についてはさらに意識を高く持って取り組めると良いです。

Y.S君の作品。
IMG_6136
やや首が長いものの、状態を後ろに傾け、伸びている印象がとても良く出ています。色は独特で多くの作品が並んだときに目立ってくるのが良いですが、形の抵抗感はやや弱めです。色と形が相互に関係し合えるような表現が目指せると良いです。

R.Y君の作品。
IMG_6139
調子の幅の広さが作品のリアリティを高めることに一役買っています。質量感を感じることも魅力的です。腰より下は良いのですが、回り込みの仕事がやや浅く、背中までの断面の厚みが足りなく感じてしまうのがこの位置から描く円盤投げとしてはもったいないところです。あと、口が2mm上に上がると印象が合います。集中して描いていると何が合っていて何が違うのか分からなくなりがちですが、常に客観的な目(普通の目)で見れるようになるとデッサンにおいて印象を外したり、何かの要素が足りなくなったりしなくなるので常に一定以上の評価が得られるようになります。最終的な作品性に関しては本人の意思を詰め込んでいくことが必要になるのでそこは「見たまま」以上に「狙い」や「目的」が必要です。

T.F君の作品。
IMG_6130
見上げたスケール感が良く出ています。胴から腰、脚までの調子のコントロールが断面の量感や印層をしっかり捉えられていてとても魅力的です。反面肩から頭部にかけては探りが非常に浅く、実態感が感じられません。画面全体で一つの世界観をつくっていくと言う意味ではやや仕事がばらけてしまっているのがもったいないところです。とはいえ作品からは他の人には無い魅力を感じます。
放課後T.F君が体を張って上半身裸で円盤投げのポーズ解説をしてくれました。ちょっと違ったような気もしますが、石膏像のポーズを自分でしてみるのは理解を深めると言う意味で重要です。(写真をブログに載せてくれと本人の強い希望がありましたが割愛します。)さ、1学期も後半戦!気合いを入れていきましょう!!

先端科卒業生の活躍

 こんにちは、先端科です。今日は、これから東京で開催予定の展覧会をひとつ紹介したいと思います。

 ところで、芸大先端科に興味をもっている人に一番よく尋ねられるのは、「先端芸術表現科って一体どういうところなの?」という疑問です。芸大の先端科とは?新美の先端科とは?ということについては前回のブログでも書きました。そちらも是非参考にしてもらいたいのですが、前回が理論編だとするなら今回は実践編です。

 事実、芸大先端科は種々様々な方法で自分なりの作品のかたちを模索しているひとたちが集まっています。そのような集団を一言で要約することはなかなか容易ではありません。しかし考えてみれば、それは先端科という集団に限ったことではなく、「美術」あるいは「アート」と言われる領域そのものがもっている定義のしづらさと、それほど大きな違いはないとも言えます。「たまたま出会ってなんとなく面白そうだなと思ったものが、ちょっと調べたてみたらどうやら<現代美術>と呼ばれているらしい」というように、何かに興味をもつということは、何か具体的な経験が先にやってくる場合のほうがむしろ多いのではないでしょうか?

 芸大先端科の人たちがどういうことをやっているかを実際にみることが出来る機会は、毎年12月に取手で開催される学部1年生から3年生までの成果展『取手ARTPATH』と、1月の『卒業・修了制作展』の2つがあります。ただ、最近先端科のことを知って興味をもち、今年の受験を視野に入れたいと思っている人にとっては、時期的に少し遅いかもしれません。そこで今日は、芸大先端科の卒業生の活躍を実際にみることが出来る展示を紹介したいと思います。

 渋谷と本郷にあるトーキョーワンダーサイト(TWS)で今月14日から始まる展覧会『トーキョー・ストーリー 2014 第二期』に、芸大先端科を2012年に終了した潘逸舟さんが参加しています。(HP:http://www.tokyo-ws.org/archive/2014/05/s0614.shtml

ちなみに潘さんは新美の卒業生でもあり、インスタレーションから映像、パフォーマンスにいたるまで、一貫して領域横断的に制作を続けている作家です。さらに、渋谷会場では芸大先端科准教授である小沢剛先生の作品も観ることができます。

 卒業生に限らず在校生でも、たとえばコンペに応募したり、展覧会や上映会を開いたり、だれかと共同でプロジェクトを始めたり、学外に活動の場をひろげていくケースは実はリアルタイムでいくつも起こっています。このブログでも機会をみて紹介できればと思いますが、どこかで情報を見かけたら、実際に足を運んでみるのもよいと思います。

 最後に、新美の先端科では、今月22日(日)に夏期講習会のプレイベントとして、映像科との合同オープンスクールを企画しています。先端科と映像科の合同授業は今回がはじめての取り組みで、私たち講師陣も楽しみにしています。先端科に興味を持っている人、映像科に興味を持っている人はもちろん、大学や科は決まっていないけど映像や写真を使った表現に興味を持っている人も、ぜひ参加してみてください。(パンフレットPDF:http://www.art-shinbi.com/open-s/images/20140622/leaflet.pdf

入試情報 ムサビの入試が変わります。

こんにちは。進学情報センターです。美大受験の諸々の情報を集めたり、ひそかに分析などをしています。

さて、ムサビの平成27年度入試の変更点が発表されました。(武蔵野美術大学HP参照)
細かい部分でかなりの変更が出ていますので、受験生は早めにチェックしましょう。
正確な情報は必ずムサビHPまたは募集要項でご確認ください。以下は参考までに。。

全受験生に関わるところとしては、一般方式の「国語」の出題範囲が【国語総合(古文・漢文を除く)】となっています。古文がなくなるそうです。センター方式の「国語」も【『国語』近代以降の文章のみを評価】となります。
またセンター方式で選択できる教科・科目が大幅に変わっています。ほとんどの学科専攻で6教科29科目より2教科・2科目選択になるそうです。(建築学科は若干異なります)

その他、芸術文化学科の専門試験の選択肢に「鉛筆デッサン」が追加されたり、などなどあります。映像学科や基礎デザイン学科でも専門試験選択科目の変更があります。

さらにセンター試験のみで受験ができる「センターB方式」が建築学科、基礎デザイン学科、映像学科、芸術文化学科の4学科で実施となるそうです。

募集人員も一般方式とセンター方式の人数比が変わる学科があります。
このあたりは志願者数や実質倍率で大きな影響が出そうですので、要注目です。
フタを開けて見るまでは分からないのですけどね。。

センター方式は新指導要領に伴う「数学」「理科」の試験科目・出題範囲の変更などもありますので、出願の際間違えないように!

次の週末、6月14日(土)、15日(日)はムサビのオープンキャンパスです。
HPを見て分からないことなどは、ぜひ直接聞きに行ってください。

今週はいい作品が多く出ました!

こんにちは。彫刻科の小川原です。梅雨ですね?。いかに濡れないように傘のポジションのコントロールに集中するんですが、結局背中や足下が濡れてげんなりしてしまいます…。
ところで彫刻科は石膏デッサンを木炭で描くのですが、僕は受験時代の入試直前の時期に木炭紙への木炭の乗りの悪さに困ったことがあって、当然自分の技術を全く疑うことなく(笑)何か別に原因があるんじゃないか!と考えたことがあります。その結果湿気不足と言う結論に至り、イーゼルにずぶ濡れのぞうきんをかけたり、周囲の床に霧吹きで水を撒いたものです。もちろん芸大入試当日も(笑)相当白い目で見られましたが、湿気の効果もあって両隣の人は無意識のうちにいつもよりいい作品になったことでしょう(笑)自分的には効果はあったように思いますが、実際描き比べをした訳ではないのでどれほど有効であったかは今でも不明です…。予備校で講師を始めてから生徒から乗りのいい木炭と乗りの悪い木炭の見分け方を教えてもらってからは湿気なんて全く問題なく乾燥してても描けるようになりました(笑)

そもそも木炭にはそれぞれナンバーが割り振られています。木の種類や木炭の製作行程によって描き味が変わるわけです。ただし同じ種類であっても全く紙に乗っていかないものなんかも混ざっていて、質にはばらつきがあり、買ったものから使いやすいものを選定していく訳です。見分け方を知りたい方は是非聞きにきて下さい(笑)カンタンすぎて笑ってしまいます!

さてそれでは作品の紹介に入ります!数が多いので2回に分けようと思います。
ヌードモデルデッサン。
T.U君の作品。木炭紙に鉛筆デッサン。うすだ

隅々まで行き届いた観察と、破綻無くコントロールされた調子にかなりのレベルの高さを感じます。コンスタントに結果を出せていて、なおかつ惰性で描いていないことが素晴らしいです。今回は木炭紙に鉛筆描きでしたが、彼の描写の特徴で、中盤以降H系の硬い鉛筆でベースを抑え込んでいってピタッとした形を表現する方法が木炭紙の質に合わず、木炭紙が負けて波打ってしまいました。木炭紙は普通の画用紙と違って描写が詰めていきやすいし、もともとマットに仕上げやすいので出来るだけB系からFくらいまでの鉛筆で探り切って、H系は最小限にとどめておいた方が良いかもしれません。画用紙のようにH系で抑えて抵抗感を出す。と言うのは向かなそうです。でもそれをしなくても形にしやすいと言う風にポジティブに考えて大丈夫だと思います。

自刻像プラス手
horaguti
ポーズに雰囲気を感じる作品です。顔の印象も柔らかく魅力的になりました。まだまだ首、肩、胸、髪など、表現として成り立っていない部分が多いのでどうしても荒削りな印象を受けてしまいますがもう少し技術を磨けばとても光る作品が生み出せそうです。どこまでやりきるのか、しっかり目標立てて取り組みましょう。完成した作品を早く見たくて僕はうずうずしています(笑)

3

saitou
自分の「手」ではない設定でつくりました。が、本当は自分の手としてつくってほしかったです(手首と肩の間に肘を想像しながら作品を見たかった)。それは抜きにして、柔らかく粘土の特性を生かした土付けと、自然な動きが魅力的な作品です。表情の弱さ(まだ生きている人間の精神を感じない)や切り口付近(こだわりが感じられない)の工夫が何とかなれば言うことは無いです。自分がここまで出来ればいいかなというレベルを常に越えていくことを目標として下さい。その為に工夫したり努力することを楽しめるようになるといくらでも上手くなれます。それが積み重なっていつかロダンを越える時が来るかもしれません!そう考えるとまだまだです!

IMG_6104IMG_6108
迫力のある造形感が魅力的な作品です。かなり全体に手が回るようになってきましたがまだまだ大味な雰囲気は抜けません。単純に丁寧に作り込む意識(密度を上げる)を高めることによって克服することも出来ますが、要点を絞って形を締めていく方法や、これ以上密度を上げることは考えずに、大きな構造の張り、締まりの展開を追求する方向性(彫刻的に形を分析し再構築する。現実と違ってよい)なども考えられます。形に緊張感を与えるコツが掴めるとガラッと見え方が変わってくるので是非テーマに加えてほしいです。

メディチの模刻。
K.S君の作品。IMG_6144
全体にわたってバランスやプロポーション、印象を合わせられています。荒付け段階から(狂いはあっても)メディチそのものを捉えながら進めることが出来たと思います。問題点は二つ。一つ目は全編通して作業の確実性が甘いところがあることです。そのために行ったり来たりするため、時間を効率よく使えていません。もう一つは作品のクオリティに対しての追求心の甘さです。まだその形の特徴が出せていない段階で完成としてしまっていることです。美術とは決められた答えが無く、無限に追求していくことが前提の学問なので、基本「終わり」は無いのです。例え受験生であっても「合格」を目標とせず、その先を目指して下さい。その結果「合格」は必ず貰える「ご褒美」のようなものなのです。

名言でた!と思った人、そんなの精神論でしょ?と思った人。まだまだですね(笑)作品の評価が数名の教授達の主観でしか無い以上、確実に合格する為にはいわゆる予備校が打ち出す「合格のライン」を目指していては足りないのです。(皆がそこを目指しているから)100点の答案で120点を出せるのが美術のおもしろいところで、皆が100点を目指してきわどい争いをしている中(大抵100点は取れない。ここが重要)、100点以上のことが普通に出来る人は余裕で合格を手にすることが出来るのです。
当たり前のことを話しました(笑)しかし真実でもあります。
芸大に入りたい!と思ったとき、多くの人は必至で努力することと思います。必至になってやれるだけやって、ギリギリで受かっていくのだと思います。でも現実には少数ながら全く苦労することなく余裕で受かっていく人も何人かいるのです。
苦労してギリギリで受かるタイプと、苦労せず余裕で受かるタイプ…。真逆ですね。
苦労しないで受かる人なんて、どうせ元から上手い人か、天才ってことでしょ?と思うかもしれませんが、実はそうではないのです。ここで話は戻りますが、苦労しないタイプの人は100点を越えることを目標にしている人たちのことです(100点に興味が無い)。どんな人かと言うと、「上達することが最大の目標である人」であり、「上達する為にあらゆる工夫をする人」であり、「その過程のすべてを楽しむ人」です。そういう人は意外に入試のことなんてあんまり考えてなくて、もっぱら自分の作品をどうしたらもっと良くできるか考えて、研究して、挑戦します。その連続でどんどん成長するのです。彼らの原動力は「大学に受かりたい」というものではなく、より高いレベルへの「好奇心(探究心)」と「成長する喜び」。それだけです。人によって成長のスピードには差がありますが、この二つを合わせ持った人は少なくともその人の中での最速での上達が見込めます。そんな彼らにとって受験の世界は自分を成長させるための絶好の環境であり、1年通して研究し切ったご褒美に「合格」がついてくるのです。
「好きこそものの上手なれ」ということわざがありますが、まさにその通りなのだと思います。
美術の世界を目指す全ての人は美術が好きだからこの道を選んだはずなのに、受験の世界に身を置いている間にいつの間にか「美術」そのもののおもしろさを見失ってしまい、受かる為の努力しか出来なくなってしまいがちです。
本当に上手い人は特に何も悩まず、制作そのものを楽しんでいるパターンが多いのです。でもよく考えてみて下さい、美術を始めたきっかけは皆そんなものだと思います。これが才能だと言うのなら皆が持っているはずのものです。もし忘れかけてしまっているなら是非思い出してみて下さい!
自分自身の経験(自分の受験の経験、講師としての経験)を振り返って、大学に受かる必勝法は何かと聞かれたら、自信を持ってこれだと言い切れます。