国立校 3学期 最後の授業でした。

新宿美術学院 国立校 基礎科です。

4月に国立校として新たに開校し、そろそろ1年が経とうとしています。
最初は静かだった教室も、今では賑やかになりました。
そして3学期、1年が終了です。
皆さん、本当に力がついてきたと思います。
国立校は新宿美術学院 現役校 enart 国立として
4月から受験科ができますので、今の力を受験に向けたものに
更に高めていってください。
1年間、有難うございました。

リンゴの仕上げです。
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ベースを大胆な色にしている人もいました。
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思い通りの赤を作るのに試行錯誤です。
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どれが本物か、触らないとわかりませんでした。
皆さん、楽しんで作っていたようです。お疲れ様でした。
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3/9は1日体験講習でした。
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9時から4時まで、集中して描き上げた作品です。
先生に丁寧に講評してもらいますが、人の作品を見ることも大切です。
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国立校では3/23(日)に、1日体験講習があります。
お申し込みはこちらへ。
お申し込みはこちら
同時に、推薦入試説明会も開催いたします。
美大の推薦入試、AO入試はその難易度、出題内容も様々です。
合格者の作品や、レポート、ポートフォリオ対策から面接対策まで、
具体的にわかりやすくご説明いたします。
申し込み不要ですので、お気軽にお立ち寄りください。
推薦入試説明会 国立校 16:30~18:00
(国立校は油絵科、デザイン・工芸科のみ)

2013年度(2014年)彫刻科受験結果

今日は芸大の最終合格発表がありました。新美彫刻科は3名合格。うち2人は現役生。そのうち1人は基礎科から在籍していた生徒が合格してくれました。おめでとう!!
私立美大は武蔵野美大、多摩美大、造形大全て100パーセント全員合格!!素晴らしい結果でした。
大学に入学した後もこれまで同様努力を惜しまず、積極的に活動して行ってほしいです!

また今年の受験で結果を出せなかった人たちは今とても悔しい思いをしていることだと思います。受験の厳しさを胸に刻んで、来年こそは絶対に合格しましょう!どれだけやっても足りないし、どんなに上手くなってもそれ以上の上のレベルを目指し続けて下さい。

ほとんどの人にとって、最終的なゴールは大学に受かることなんじゃないかなと思います。受験生である以上それは当たり前のことのように思えるかもしれませんが、それだけを目標にしてしまうと肝心なことが見えずらくなってしまいます。
一番大事なのは今ここでデッサンや塑像の勉強をしていることに何の意味があるのか知ることです。描き方、つくり方を学んでも、「彫刻」を学ばねば表現の本質を知ったことにはならないのです。受験で受かるレベルと言う限界値(このくらい出来れば受かるだろう)を設定して、それに向かって取り組んでいても、それを超えるのは難しいでしょう。
いわゆる受験に於けるデッサンや塑像に関しても、求められていることは「彫刻的理解」や「美術的表現力」に他なりません。それはすでに限界値のない「美術作品」と言えるでしょう。作品としてどこまでこだわり抜けるか、研究し尽くせるか、そしてその集積が「合格」という形となり、結果として1年後自然な形で手に入るのだと思います。本来限界無く上達していける分野であるにもかかわらず、多くの人が「受験」という枠組みの中でしか答えを探す努力をしていないのではないでしょうか?皆さんは「彫刻」に興味があって、「彫刻」を学んでいるのです。それがどういうことなのかをしっかり考えながら次の1年を過ごして下さい。

皆さんに問いたいことがあります。10年後、あなたはどんな生き方を選択していますか?あるいはしていたいですか?考えてみて下さい。どんな自分の未来がイメージできたでしょうか?
常に先のことに対してヴィジョンをしっかり持って取り組むこと。僕はとても重要なことだと思います。

さて、今年度の合格者の入試再現作品は順次アップしていきますのでぜひご覧下さい。

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春のスタートイベント⑤ 春から受験対策!  各科イベント公開講座

こんにちは。
またまた春のイベント告知です。

今回は3/21(金・祝)、「各科イベント 受験対策公開講座」のご案内。
このイベントは、新美の受験指導をぜひ体験していただこうという企画です。

例えば油絵科では「芸大油画専攻一次試験にチャレンジ」と題しまして、芸大の一次試験と同じ課題に取り組んでもらいます。そしてただ授業を受けるだけでなく、実績豊富な新美の入試分析をもとに、芸大油画受験について詳しく説明していきます。
工芸科では立体指導に定評のある新美の指導で、この1年間に身につけるべきことをしっかりレクチャーします。
などなど、、、各科ごとに特徴のあるカリキュラムを設置していますので、いよいよ受験の新高3生や来年も再チャレンジという受験生はぜひご参加お待ちしています。

もちろん初心者だけど実践課題にチャレンジしたい!という方もどうぞ。
基礎デッサンからしっかり学びたい、という方は、「1日体験講習」がお勧めです。

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詳細・お申し込みはこちら→http://www.art-shinbi.com/open-s/20140321.html

 

本年度の基礎科の授業終了!

こんにちは、基礎科講師の岡田です。

昨日の日曜コースの授業で本年度の基礎科授業は無事に終了となりました。皆さん1年間お疲れさまでした!
基礎科最後の共通課題は「自画像」。
「自画像」というテーマは名立たる作家達にとっても、つくり手の皆さんにとっても大事なテーマの一つであるといえます。そういえば、東京芸大の卒業生達も必ず自画像を大学に収蔵するのでした。『モノをよく見て観察する目』『構成力』『発想力』『個性』が際立って見えてくるテーマだと思います。
基礎科生になると、節目節目で出題されてきた「自画像」。はじめてカッターを使って鉛筆を削った最初の頃のデッサン、やっと自分の専攻が決まってきた頃のデッサン、そして基礎科最後の集大成となった今回のデッサン、着実に実力と自信を身につけて、皆それぞれ良い作品が出来上がりました。

来年度受験の年を迎える皆さんも、もう一年基礎科で頑張る皆さんも、 これからも幾度となく「自画像」を描く機会が巡ってくると思います。その度により良い作品となってゆけるといいですね。

↓ 制作の様子です。
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↓ こちらはの講評の様子です。
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最後に、
何と!サプライズで生徒の皆さんから講師皆への寄せ書きブックを頂きました!!ブックに納まりきれないほどのメッセージとイラスト達。「絵が好きなんだな?」と改めて実感する様な、いきいきとしたこのブックの中の絵の数々。たまに辛いときもあるけれど根源は『絵は楽しいもの』なんですよ。是非これからもどの環境でも楽しんで表現できる皆さんであってほしいと心から思います。

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誰が自然を殺したのか?①「イタリア編」

こんにちは。油絵科の関口です。
芸大の二次試験も終わり、残すは最終発表のみになりましたね。皆の一年間の努力と、試験でベストを尽くした結果が、良いものでありますよう、心からお祈り致します。

 

さて、今日のタイトルは随分と物騒なものになっていますが、ご安心下さい。ちゃんと絵のお話ですよ。ちなみに今回のテーマは「静物画」です。モランディ
20世紀イタリアの巨匠、モランディの静物画

静物画というジャンル
ところで、絵画には静物画というジャンルがありますよね?
英語ではstill?life(直訳すれば、留まる生命、止まった生命)になります。これに近いのはドイツ語のstill?leben?とオランダ語のstilleven?です。
ところがイタリア語ではnatura?morta(直訳すると死んだ自然)になります。これに近いのはフランス語?のnature?morte?とスペイン語のnaturaleza?muerta?です。最初に聞いた時「おいおい、死んでいるのかよ!」と思わず突っ込みたくなりました。

この「死んだ自然」という解釈は、どの様にして生まれたのでしょう?そして一体誰が自然を殺してしまったのか?に迫ってみたいと思います。

ヨーロッパのルネサンス期において、静物画というジャンルは単独で描かれる事は殆どなく、宗教画、歴史画、肖像画の脇役として描かれる程度でした。ちなみにレオナルドやミケランジェロ、ラファエロ等のルネサンスを代表とする三大巨匠達は、単独の静物画を一点も残していません。

容疑者①??カラバッジォCanestra di frutta
カラバッジォ作「果物籠」

古代の作品を除き、僕が知っている一番古い単独の静物画は、1595?1596年頃にカラバッジォが描いた静物画「果物籠」になります。(僕が知らないだけで、他にも存在するかもしれませんが、その時はご容赦下さい)ちなみにこの絵は西ヨーロッパの通貨がユーロになる前、イタリアの100000リラ紙幣の裏面として使われていました。僕が友達と旅行した1993年頃のレートは10リラが1円程度だったと記憶していますので、この紙幣が10000円位の感覚でした。100000リラ紙幣裏

さてカラバッジォという画家は、バロックという時代の先駆けに位置する画家として今では有名ですが、当時としてはかなり変わった画家だったようです。
ルネサンスとその後に続くマニエリスムは、基本的な思想は違いますが、理想的な美を求めて作品が作られているという点では共通していました。いわゆるお手本の様なものが存在していたと思われます。しかし、カラバッジォは「俺の手本は街ゆく人々だ」と言い放ち、宗教的な題材の作品でもモデルを目の前にモデルを立たせて描いたと思われます。当時の絵画は、殆どモデルを立たせて描くという習慣が無かったので、実在感のある絵を見て、人々は驚きを隠せなかった事でしょう。今日で言うレアリスムを体現していました。ロレートの聖母
カラバッジォ作「ロレートの聖母」
しかし当時の人々の目には、リアルであると同時に下品なものに見えてしまう事が多く、このロレートの聖母という作品では「巡礼者足の裏がドロで汚れている」という理由で、飾られる筈だった協会から受け取りを拒否された、という逸話が残っています。

あと、色んな本を読んで調べてみると、カラバッジォという人は酒を飲んでは喧嘩ばかりしていて、かなりの問題児だったそうです。但し存命中から絵の評価や人気は高く、問題を起こしても権力のあるパトロンに匿ってもらい、中々捕まる事は無かった、或いは捕まってもすぐに釈放されていたようです。しかし、度重なるトラブルの果てに、賭事をキッカケとして友人のヌラッチオを殺害していまい、ローマを追われます。流石の権力者達も殺人者を匿う事は出来なかったという事でしょう。

そのカラバッジォが描いたからnatura?morta(死んだ自然)になったのでしょうか?

 

 
しかし、ヌラッチオを殺害してしまったのは1606年と言われていますので、1595?1596年に描いた「果物籠」との関係はなさそうです。
それに静物画というジャンルが存在しなかった当初、「果物籠」というタイトルがあれば、他の名称は必要無かった筈ですね。・・・という事でカラバッジォはシロ。

では自然を殺してしまったのは一体誰なのか?長いので次回に続きます。