2017年度 東京芸大建築科 入試結果

みなさん、こんにちは。新美建築科です。

東京芸大の今年度入試ですが、3名の合格者を輩出することが出来ました。内訳は現役生が2名、浪人生が1名でした。この結果は、合格者数、現役合格者数、合格率ともに日本一の結果となりました。

芸大建築科は定員が15名と狭き門です。ここで、最近の芸大の傾向と入試についてお話ししたいと思います。

試験は①空間構成、②総合表現 の二つです。

かつては、感覚考査、空間構成、立体構成、建築写生という課題だったものが、2011年に総合表現という新しい課題に大きく変わりました。

総合表現はその字の通り、総合的な建築の資質を見るものです。そのため、決まりきった型があるわけではなく、毎年、試験の傾向というのが変わります。

さて、課題が毎年変わるのにどういった対策をとるのか?という問題点があります。

はっきり言って、「こういう感じが受かる」という指針というものはありません。毎年度の問題をしっかりと研究しなければ対策は出来ない試験になっています。

制作における「なんとなく」はかならずNGです。自分がしたことには責任を持たなくてはなりません。

芸大側が求めているのは、ずばり、建築設計の資質なのです。

入試での表現方法は図と絵と文の3つしかありません。多くの予備校ではこの部分を指導されると思います。もちろん、表現の巧さは合格にとても大切な要素です。

しかし総合表現という課題は、表現されるもの、表現にいたる思考回路こそが重要な課題なのです。大げさに言えば、図が書けなくてもよく、絵も下手でよく、文章力も必要ないのです。

重要なことは、

①課題の意図を読み解く能力

②自分の造形の意図を説明できる能力

③あらゆる問題に柔軟に対応できる能力

この3つです。毎回時間の限り思考錯誤し、自分なりにひとつの正解を導きだすこと、そしてその空間が第三者に共感可能なように工夫することが必要なのです。

近年の不合格者のパターンを出して行くと、

カタチ遊びで終わってしまっているもの、造形が単調なため空間が話に追いついていないもの、与えられた寸法や図形が正確に表現されていないもの、造形とその結果起こることが普遍的、あるいは説明できないもの、アイディア勝負で観念的なもの

大きくはこの5つに分けられます。

そして「カタチ遊び」系によくある例として、通り過ぎるだけの空間の提案をすること。これは大きな問題と言えます。もちろんそれ自体は否定しませんが、まずはその空間内に留まることを考えなくてはいけないと我々は考えています。そして、

形態の持つ機能はなにか。

またその機能がどう人に、環境に、影響を与えるのか

この2点を常にクリアできなければ、芸大合格は難しいと言えます。この2点を考えてこそ、アイディアは発展して行き、その問題ならではの空間が出来上がるからです。

 

新美では、受かりそうな絵を教えるのではなく、建築の基礎と美しいデッサンの描き方を教えます。

そのため、総合表現対策としての独自課題を数多く作成していて、時には絵ではなく写真を作品として提出したり、立体構成も課題として出しています。また紙芝居を作ったり、講師を交えたチーム対抗で総合表現を行ったりすることで、建築の資質を育てます。

高橋_総合表現_160703

板倉勇人_総合表現_160703

独自課題:生徒作品

(街を巡り場所を見つけ、その環境へアプローチするための空間をつくる。)

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講師を交えたチーム対抗総合表現!

 

 

芸大にどうしても受かりたい受験生は、お気軽に新美へお問い合わせください。指導にいっさいの妥協はありません。皆様の合格への手助けをいたします。

■イベント情報

3/23 17:30 – 20:30  2017年度芸大試験にチャレンジ!! ※参加無料

3/31 – 4/4 ? ? ? ? ? ? ? ?   ?春期講習会 ? ? ?※受付中

 

 

 

映像科:春期イベント

こんにちは。映像科の森田です。
3/19.20のオープンスクールにいらした皆さん、ありがとうございました!
(記録写真を撮るのを忘れてしまいましたが…)映像科の教室では、感覚テストの展示のほか、
推薦入試合格者の映像作品の上映なども行いました。

そして日曜日からはいよいよ、春期講習が始まります!
今年はスケジュールに合わせて受講できます。
・3/26(日)?4/4(火)【10日間】
・3/28(火)?4/4(火)【8日間】
・3/30(木)?4/4(火)【6日間】
申し込みは直前でも受け付けているので、美大の映像系で進路を考えているという人は、ぜひどうぞ。
去年も行った先端芸術表現コースとの合同ワークショップに加えて、
今年は映像作品鑑賞の課題や、一風変わった(?)デッサン課題など、盛りだくさんの内容です!

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※画像は去年の春期講習の様子です。

基礎科 お祭り共通課題の結果。。

今年の受験結果も出て、春の講習からは基礎科の1部の人達は、とうとう受験科へと進みますね。
あっという間の1年でした。。。

先日こちらにアップした、基礎科新宿校の最後の課題!
「盛り盛りの大型モチーフで、静物デッサンコンテスト、、、」

結果のご報告。

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基礎科生全員の作品から、優秀作品賞と、各講師からの講師賞に、ちょっとした商品と賞状をプレゼント。

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↑ 講師からの賞状授与!

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↑ 各コースから数名づつへ、、

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なかなかの力作揃いで、1年の締めくくりの良い課題となりました。
来年度から受験生になるみんなも、もう1年基礎科で力を更につけてゆくみんなも。かなりパワーアップしたことが実感できました。

来年も
現役合格を目指して、、
もっともっと実力アップを目指して、、

みなさん来年もがんばりましょう!!

芸大油画現役合格者に聞く①

こんにちは。油絵科の関口です。これから数回に渡って2017年度芸大油画専攻合格者にインタビューしたお話を載せたいと思います。芸大合格者の今年一年は一体どんな感じだったのでしょうか?人によって様々だと思いますが、その辺も含めて皆さんにお届けしたいと思います。

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発表の日に新美で油絵科の合格者で記念撮影。用事があって早く帰ってしまった人もいるので、これで全員ではありませんが、皆嬉しそうな顔をしていますね。

さて今回は新宿校夜間部から現役合格した、山道くんにインタビューしました。山道くんは直接僕が受け持っていた事もあり、なんだかんだで40分以上に及ぶロングインタビューになったのですが、何回かに分けてお届けします。これから受験生になる皆さんには、1つのケースとして是非読んでもらいたいな…と思います。
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関口:この度は芸大現役合格おめでとうございます。
山道:ありがとうございます。

関:ところで山道くんは普通科の高校出身だったよね?
山:そうですね。一般の普通科の高校で、美術部にも入っていませんでした。小3位の時から地元の絵画教室みたいなところには通ってましたけど…でも、教えてくれるって感じてもなくて、絵画だけじゃなくて、陶芸とか色んな事をやらせてくれる、体験みたいなところでした。

関:へ?。そうだったんだ。確か新美で初めて見たのは去年の春期講習だったよね?
山:そうですね。その前に一回無料の1日体験に来て、その後春期講習に来ました。

関:春期の事は今でもハッキリ覚えてるんだけど、カタチが取れて空間が出せるな…というのが印象に残ってて、来てくれたら良いな…と思ってたんだよ。でも家が遠いから新美には来てくれないんだろうなぁって思ってたんだよね。確か家は江ノ島の方だよね?
山:はい。でも1時間位で来れるんで。

関:へ?。そんなもんなんだ。意外と近いんだね。
山:はい。ちゃんとリサーチして来ましたから(笑)。快速とかに乗ればその位で来れます。

関:そんな遠い中で、新美に来ようと思ったキッカケって、どんな感じなのかな?
山:体験の時なんですけど、他の予備校に行った時に「褒める」っていうのが多くて、自分は絵を始めるのが遅かったから「これで褒められるっていうのは絶対に無いだろう」って思ったんですよね。そんな中でメッチャ褒めに来るから、なんか信用出来ないなって(笑)。

関:信用出来ない(笑)
山:新美は普通に「こんなんじゃ受験ヤバイでしょ」みたいな感じで普通に言ってくれたので。

関:それ言ったの僕じゃないよね(笑)。誰だろ。厳しめだったのかな?
山:いやぁ。全然厳しめでは無かったですね。本当に普通に自分のイメージしていた通りに言ってくれた感じです。

関:それは良かった。その後、春期講習に来て、夜間部の先生の他に昼間部の先生にも教えてもらったじゃない?どんな印象だった?
山:そうですね。そんなに技術的な事は教えないんだな、と。

関:そうね。僕も含めてあんまり技術的な事は言わないよね?ていうか、特に僕は年間通してあんまり言わなかったよね(笑)。かと言って別に精神論でも無いし。一体何を教えてたんだろうね(笑)。
山:(笑)でも、春期講習の時は「焦ってた…」っていうのもあると思いますけど、ヤル気はありましたね。

関:そうだね。いつも遅くまで残ってたしね。
山:自分の中では焦りがあったので。

関:常に焦ってた?
山:いやぁ、夜間部に通うようになってからは、段々焦らなくなったというか。

関:結構変な子もいるしね(笑)。まるで動物園みたいな(笑)。
山:そうですね(笑)。美術系の高校の人には基礎力や技術的な事は敵わないな…て思ってたんですけど、普通科の人も結構いましたし…変な人もいましたけど(笑)。

関:最初の頃に感じた、僕の山道くんに対する印象っていうのは、形に対してのこだわりが強かった…っていう。まあ、だからかもしれないけど、ずっと見ててもさ。なかなか進まないし、手が遅かったよね。いやぁ?そりゃぁちょっと要領悪いでしょっていうか、いわゆる不器用っていう…ね(笑)。でも良いものを持ってるな…ってずっと思ってたからね。だから短絡的に「ここをこうやれば…ね?何とかなったでしょ?」みたいな感じにはしたくなかったんだよね。
山:ああ。なるほど。

関:それに山道くんは、自分で納得できるところにいかないと、絶対前に進めないタイプなんだろうな…とは思ったよね。だから、上手くいかなくても尻を叩く様な事は殆ど無かったと思うんだよね?
山:そうですね。あんま無かったですね。

ー次回に続くー

芸大入試を終えて。入試再現作品掲載1

こんにちは。彫刻科主任の小川原です。13日に東京芸術大学の合格発表がありました。合格を勝ち得た人、また惜しくもかなわなかった人、様々だと思います。どちらにしても入試は節目ではありますが過程でしかありません。自分を高めていくために今後も努力をしていくことに変わりはないのだと思います。大学に進む人は自身の世界を広げ、のびのびと制作に励んで欲しいです!
またもう1年入試にチャレンジする人や今年初めて受験する現役生達には、やるからには必ず結果につなげる気持ちで1日1日を大切に取り組んでいって欲しいです!僕達講師は全力で応援するので一緒に頑張りましょう!!

さて、今年の新美彫刻科の入試の結果を振り返ってみたいと思います。
多摩美、ムサ美の入試では、推薦入試、一般入試、センター利用入試とも全員が正規合格でした!補欠が出なかったのは素晴らしい結果だったと思います!
そして芸大入試では、4名が合格しました!うち1名は現役合格です。新美生の4人に1人が芸大に合格した事になります。講習会生の数に頼らず良い結果が出せました。

こうした成績を残すこそが出来たのは、もちろん学生の個々の努力の賜物なのだと思いますが、個々の特性に合わせて徹底して教えていくことだったり、出来ないことを放っておかず、日々解決していく指導の方針が、学生の努力に上手く噛み合った結果だと思います。

来年度も一層気合を入れていきましょう!予備校選びに悩んでいる方は是非相談に来て下さい。特待生試験もあります!春期講習に来てみるのもいいと思います!この1年を全力で駆け抜けられるよう一緒に頑張りましょう!

東京芸術大学の入試再現を始めてもらっています。ここまでに出来たものを紹介します。実物は新宿校で見ることができるので是非実際に見に来てもらえると良いと思います。普段制作していた作品も展示しています。

1次素描再現 パジャント
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2次素描再現 青銅時代トルソーと石(石膏)
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2次彫刻 自刻像
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