彫刻科 5月後半からの秀作の紹介。

こんにちは。彫刻科の小川原です。暑くなってきましたね!新年度がスタートし、2ヶ月になります。この春から初めて本格的に彫刻科での特訓をスタートした生徒の皆さんも大分慣れてきて、成長が実感できるようになりました!一通り出来るようになってからが本当の勝負なので、今後一層頑張ってもらいたいです!僕達講師は必要な時、必要な指導をどんどん入れていくので上手く吸収していって下さい!

先に宣伝をしておきます。7/15(日)、16日(月祝)に石膏デッサンのイベントを行います。15日は石膏デッサンに関わる科全ての講師が集まり、クロッキーと描き出しについての解説、デモンストレーション、実技指導を行います。特に芸大入試において一次試験である石膏デッサンは確実に自信をつけておきたい課題ですよね。実際の所ほとんどの人は描き出しで形が取れず、そのまま終わってしまうことが多いのではないでしょうか?上手い人が毎回良いデッサンを描けるのは、すでにスタートの時点で捉えているものが違うということをまずは理解してもらえると、スムーズな成長に繋がると思います。実際描写がどうのとか、描き込みがどうのとか、そういうことは形(印象)の狂いからしたら今の段階では大した問題ではないと思います。そこの認識が甘い人は本当にいつまでたっても、それこそ何年やっても形が合うようにはならないのです。

まずは意識を高めましょう。形が取れないことを重大な問題だと受け止めて下さい。何となくの気持ちでこのままやっていてもダメだと思います。それではどうやったらいいのか、それについて15日の講習では明確な答えを用意して待っています!今年の芸大の合否に関わるような内容の濃い講習にしたいと思っています。期待していて下さい!

16日はコンクールを行います。1日単位での参加も可能なのでコンクールだけ参加するのも可です。このコンクールでは石膏デッサンに関わる全科合同のコンクールです。採点は各科ごとに行うので、実際の入試や公開コンクールに近い感覚で臨めます。ただ今回は全科合同なので他科のデッサンの捉え方を制作中に見ることが出来たり、講評では自分以外の科のデッサンの良い所(吸収するべきところ)を各科の講師の先生の解説を聞きながら理解することが出来ます。各科上位の作品が同時に並ぶコンクールというのはなかなか経験できないことなので是非参加して欲しいです。
制作時間は6時間で、この時期としては短いし、そもそも日本画は元々12時間描きなので大変な部分もありますが、科ごとの採点という意味では差がついてしまうことはないし、6時間の時点での内容でほぼ作品の善し悪しは決まっていると思います。今年芸大を狙っている学生は新美生、外部生問わず挑戦してみてください!!

それでは彫刻科生徒の作品を紹介したいと思います。
昼間部生の作品。
夜間自主練習作品。ラオコーン。

木炭デッサンを初めて使ったところから2ヶ月ですが素晴らしい成長を見せています。アドバイスをスポンジのように吸収してくれるので教えている方もワクワクしています!
今回の作品はかなり丁寧に仕上げてきています。そこが良いところですが逆に捉え方が小さい単位での連続なせいでやや大きな空間感や量感に欠けるところが惜しいです。

塑像ジョルジョ。

課題の時間内では狂いを残して終わってしまいましたが、その後残って直しました。出だしからブレることなくコントロールできるようになれることを目指していきましょう!しかし最終的に出来上がったものはとても良い印象です!

ミロビ。6時間制作。

この時期からペースを上げてやってもらいました。表面的に作りきる事が武器でしたが、今回は6時間という短い時間の中で、ミロビという難しい課題で表面に走ることなく全体感を重視して良いバランスで終えることが出来ました。決して完成度が低く見えたりはしないです。良い傾向です!

ライティング課題。アトリエを暗めにして、強い光源のもとデッサンを描きました。

もうそのままの見た目が美しく見えたと思いますが、それがデッサンからも感じ取れます。とても良い反応ができました!通常の光源のデッサンでもこうした無力のブラッシュアップを行っていきましょう!


印象もよく、カッチリ描けていてよいです。調子の変化が形に正確に張り付いているようです!
どんどん上手くなっていきますね!


前半かなり苦戦しましたが魅力的な画面に仕上がりました。手前の腕や体の弱さはありますが、それを補って余る調子の魅力があります!
夜間部。現役生の作品。
体育祭と重なって短時間での制作になってしまいました。若干焦って進めたところがあり、まだ顔に安定感が無いですが、それでもジョルジョで一番難しいこの位置でここまで持ってこれる事に高い実力を感じます。また次回はやりきったものを見たいです!

さて、僕は自分の作品の鋳造作業が進んであと1月くらいで2作品が同時に完成しそうです。完成したら新美のショウウィンドウの作品を入れ替えようと思います。

いま制作中の原型。


夏は暑いけど、それ以上に熱く頑張りましょう!!

石膏デッサン考

こんにちは、実技全科総合部です。
本日の美大入試対策でも当たり前のように描いている「石膏デッサン」を考えてみましょう。

?日本においての石膏デッサンによる美術教育は、20世紀初め(西暦1900年)から始まりました。

東京芸術大学油画科においては、1949年の「マルスの胸像」以来、繰り返し石膏デッサンが入試の課題としてされ続けました。

その一方では、今日まで様々な偏見や、ときには敵意にさらされ、なかなか理解してもらえなかったという事情もあります。

「石膏像が描けても・・・」という声が今でも時々聞こえてきますし、専門家のあいだでも石膏デッサンを巡って様々な否定的な意見も交わされました。

そんな状況にもかかわらず、石膏デッサンは生きのび、美大入試においても重要なまたは入試を代表するような課題として高い評価を得ているのです。?

それはいったいなぜでしょうか?

やはりそれだけの意味が、そして価値があったのだと認めざるを得なさそうです。?

今回、71516日のスペシャル・サマー・セミナーでは、“石膏デッサン強化ゼミ”2日目の制作終了後の解説

「なぜ?石膏デッサン」で、興味深いお話しを新美のレジェンド講師よりしていただく予定です。

ゼミを受講し、上手くなったついでに知識もつけ、疑問なく石膏デッサンができるようになると、もっと成長するにちがいありません!!?

詳細、お申込みはこちらから 「石膏デッサン強化ゼミ」

是非、ご参加お待ちしております!

先端芸術表現科2週間無料体験授業のお知らせ

こんばんは。先端芸術表現科です。

先端芸術表現科では、来週の火曜日6月12日より、「空間のDIY」という課題を2週間かけて行います。

今回、より広く新宿美術学院先端芸術表現科の授業内容を、受験希望者に知っていただきたく、この課題を学外の方も参加可能な2週間無料体験プログラムとして開放します!

応募フォームは以下のリンク先になります。

http://s3.aspservice.jp/tsushin/form.php?form=5b18ed2d04e78

2週間全部の参加が最も楽しめる課題になりますが、途中参加も歓迎します。
その際は、追ってこちらから、参加日当日の持ち物などをご連絡いたします。
フォームでの申し込みは11日(月)までになりますが、12日(火)当日飛び込みでの参加も歓迎いたします。その際は受付までお申し込みください。

課題の概要は以下のようになっています。


「空間のDIY」

作品が置かれるのはどんな場所だろう。美術館、教会、お堂、公園、リビング…いろいろな場所に作品はある。でもアーティストは自分の作品が置かれるためにベストな空間を選択し、そして空間をよりよく作り替えることができます。そして更に、もしかしたら、場所や空間を作り替えることが作品になってしまうかもしれません。この課題では空間をD.I.Y.(Do it yourself)することを通じて、より大きな視点で作品について思考出来るようになることを目指します。

6月 12日(火) 17:30-20:30 課題説明及び空間について考える2つの小課題
13日(水) 17:30-20:30 部屋のマケットを作る

17日(日) 9:00-16:00 第一回作品講評

19日(火) 17:30-20:30 制作相談、制作
20日(水) 17:30-20:30 制作相談、制作

24日(日) 9:00-16:00 課題成果発表・講評会


作品と呼ばれるものが成立する場所や空間を問い直し、新たな空間を見出し作ることを通して、自らの表現のあり方を具体化していくことを目指す課題になっています。

まだ先端の受験は決めていないけど、どういうところなのか知りたい方、
先端の受験は考えているが、まだ具体的には動き出していない方、
これまでの作品や表現のあり方について考えている方、などなど、多くの方の参加をお待ちしております。まったく制作したことがない、という方も大歓迎です。表現への意欲と期待だけを携えてきてください。

人物表現と巨匠達

こんにちは。油絵科の関口です。

6月は昼間部も夜間部も人物課題が入っていますね。人物は静物と比べると色々と難しいところが多く、それなりに力がある人でも失敗する確率が高い課題です。形態が複雑な上、生身の人間はじっとしてもくれません。生きてるんですから、当然感情だってあります。そんな事を踏まえながら絵を描く訳ですから、上手く描けないのは、ある意味当然なんです。

そんな受験生の皆さんにお勧めしているのは、デッサンの模写です。特に名だたる巨匠達のデッサンを模写する事は、とても勉強になると思いますよ。

ミケランジェロ
このデッサンはシスティーナ礼拝堂天井画の為のものです。ミケランジェロ位になれば人体全体のフォルムは当然把握していたと思いますが、格パーツのディテールの一つひとつを確認するように描いているのが分かります。

上のデッサンを元に描いたと思われるフレスコ画(壁画)。

フレスコは一気に描き上げなくてはならないという制約がありますから、描く時に迷いを残したくなかったのかもしれません。巨大な壁画であり、当然足場が組んであるので、下がって見ることも難しかったでしょう。にもかかわらずこのクオリティー。レオナルドと並んで評されるルネサンスの巨人です。

ルーベンス

この人のデッサンは正しく達人の領域。自身の制作の為に描いたものも当然ありますが、多くはルーベンス工房で働くお弟子さん達に渡して、途中まで絵を描いてもらう為のものと思われます。(メインの仕上げはルーベンス自身が行っていた筈です)絵画空間の把握や強弱の的確さにおいて、この人の右に出るものはいないのではないでしょうか?異素材を組み合わせているにも拘らず、全く浮くこともなく、見事に空間の中に収まっています。

こちらも上のデッサンを元に描いたと思われる油絵。

デッサンと比べると、かなり変更も加えられているので、ルーベンス自身がほとんど描いている可能性もあります。気合が入った中期の傑作です。(本物は3枚組の祭壇画で、両脇に一枚ずつ半分の大きさの絵があります)

アングル
顔はまるで精密機械の様な正確さで、しっかり丁寧に描写しています。(このデッサンはアングルにしては顔の表情がちょっと硬いかな?でもきっとモデルさんそっくりなんでしょうね…)顔とは対照的に、服には遊びの線を用いているにも拘らず、ゴージャスな雰囲気を捉えています。この対比がアングルのデッサンの真骨頂とも言えます。この辺が油絵では決して見ることの出来ない、アングルの隠れた一面です。

シーレ
力強くシンプルな線を用い、形は大胆にデフォルメしながら描いています。クセの強さはありますが、それも含めてシーレの魅力です。受験生なら、誰しも一度はシーレの魅力に惹かれて虜になる…とも言われています。少し絵を勉強すれば見えてくる、分かりやすい上手さがその要因と思われます。

人物は奥が深いので、焦ることなく、じっくりと取り組んで勉強して行きましょう!

芸大デザイン総合コース

こんにちは。芸大デザイン総合コースです。

5月は通常課題に加え校外授業や、日本画/工芸科との合同課題、短時間クロッキー特訓などのイベント課題を行ないました。普段とは違う刺激や視点を発見できたのではと思います。

 

リサーチ課題 新宿御苑 学生作品 温室パウンドケーキ パッケージ

 

葛西臨海公園 

 

リサーチ課題 葛西臨海公園 学生作品 

 

 

日本画科/工芸科/芸大デザイン科コース 合同課題 花3種の平面

 

短時間クロッキー特訓 描画材自由 講師も一緒に描いています。

 

来る6/17(日)リサーチTシャツ制作を行ないます。新美から新宿公園へ散策し、スケッチ、ドローイングを基にデザインします。ヘビーウエイトTシャツと描画材は用意しております。ふるってご参加ください。??