カテゴリー別アーカイブ: 油絵科

練馬にて『優雅な秘密』を見る。

こんにちは、油絵科の鷹取です。

油絵科では面接などで学生の好きな作家をきく機会が多いのですが、
そこで最近よく耳にするようになった人がいます。
それはアメリカの絵本作家、エドワード・ゴーリー。
実際の事件にもとずいた絵本で、作者本人がどうしても描かずにはいられなかったという、
『おぞましい二人』で日本でも名前を聞くことが多くなったと感じます。

先日ふと時間ができた時、そういえば練馬区立美術館でゴーリーの展示がやってるなぁ、行ってみるか!と、ふらっと行ってきました。

電車を降りてすぐ、旗がゴーリー仕様に。

晴れてぽかぽかで気持ちのいい中、ぽかぽか気持ちいいとは対極の展示へ到着。

残酷、不条理、道徳や倫理観に触れるような内容でありながら、淡々と、どこか軽快に、そして繊細に描きあげられた作品は、内容が重くとも心をは不思議と重くならない。
重くはならないけど何か不安になる、でもどんどんみたい、なんだか不思議な魅力だなぁとまじまじと見入ってしまいました。

そして作品解説がまた面白い。
基本的に描きなおしは嫌、描きなおすなら加筆で何とかしたいし、ダメなら上から紙を貼って直したい、(確かに紙が上から貼られている作品ありましたね)
大きいのは描きたくないから引きのばして使ってほしいし、
人を不安にさせるのが私の使命なんだ!!
などなどゴーリーの人間性が垣間見えてとても面白かったです。
猫がものすごく好きだから猫のイラストだけはただただ果てしなくかわいいのも笑ってしまいました。

展示の最後には、ゴーリの様々な絵本が自由に読める場所も用意されているので、いろいろ読んでみたいと思っていた人にもおすすめです。(長時間居座ってました・・・)

そしてミュージアムショップのグッズがどれもこれもものすごく可愛かったので、
これはゴーリー好きにはたまらないんだろうなぁと思いました。

「エドワード・ゴーリーの優雅な秘密」展は
2019年9月29日(日)~11月24日(日)まで練馬区立美術館で開催されているので、興味のある人はぜひ足を運んでみてくださいね。

 

人体のプロポーションをフィギュアで捉える!

こんにちは
新宿校 油絵科夜間部 山田です。

合同コンクールも終わり、皆さんメンタル体調共に元気に頑張れていますか?
来週から人物週間がはじまるので、今回は以前に授業で軽く触れた事もあったのですが
人物のプロポーションを把握する際にタメになるデッサン人形について、この場を借りてチョコっと紹介していければと思います。

皆さんも昔からお馴染みの球体関節人形は見たことありますよね?持っているという人も多いかもしれません。

でもあれって良く良く考えてみると、人の形と言うには中々難しいものがありますよね。
自分も持っていたのですが、これを参考にポーズをとらせてドローイングをやろうとしても中々しっくりこない…

そこで自分が趣味で持っていた『グラップラー刃牙』に登場する愚地独歩のフィギュアの方が余程為になる事に気付きました!

関節のギミックも多く、いろんなポーズをとらせてテンションを上げながら描く!笑
原作者の板垣恵介先生の筋肉はデフォルメも激しいのですが、実は医学的に正しいという噂も…

それは置いときまして、人の形を捉える為のフィギュアも今は良いものがたくさん出ています!価格帯もマチマチなのですが、まずは比較的お求め安いこちらから!

モデル人形 マネキン デッサンドール PVC 可動式 リアル 人形 素体 全身ドール 筋肉質体型 デッサン フィギュア

価格は1600〜1900円程。こちらは関節を軸に腕部や脚部のリーチ、サイズ感を捉えるのに向いていますね。主に多方向から対象を描かなければならない漫画や、イラストなどで使われる事が多いですが、故に人物の全体像を把握するにはこれとないツールになってます!
ただ、このタイプのフィギュアで確保できないのが、人体の柔軟性。実際人間はプラスチックでは無いので皮膚や筋肉が身体の動きに合わせて変形しますよね。

 

そこで出てくるのがこちら!

TBLeague 1/12 スーパーフレキシブル 男性シームレスボディ ヘッド付 ステンレススティールスケルトン サンタン TM02A (PH2019-TM02A)

TBLeague 1/12 スケール フィギュア 素体 シームレス ボディ グラビアモデル素体セット 白色肌 PHMB2018-T01A

皮膚はシリコン、骨格はステンレスでできており、動きに合わせて筋肉、皮膚も変形するかなり人体に近いヴィジュアルを再現してます!(女性の髪型がそこそこ面白いことになってますが笑)

シリコンシームレス、ステンレス骨格のカテゴリーはそれなりに歴史があり、昔はなかなかお値段が張るモノでしたが最近では4000〜5000円位でお買い求めできるそうです!
ホビー面が強めなのであまりデッサン人形として使われる事は無いと思いますが、寄り人体をリアルに把握することができますね!

 

1/12 東亜重工製第四次生産 合成人間 1/12スケール ABS&PVC製 塗装済み 完成品 可動フィギュア

こちらは完全に趣味の世界になってしまうんですが、『デッサン人形』で検索すると何故か出てくる『BLAM!』『シドニアの騎士』でお馴染み弐瓶勉先生の東亜重工製合成人間。
う〜んカッコイイ・・・
弐瓶先生は美術系で熱狂的に好きな方が多い印象がありますね!

 

とりあえず今回紹介するのは以上になります。

脱線気味な物も入ってきてしまった感じはありますが笑
立体的に感触で人体を把握し、良く観察し、頭に入れておくのに越したことはありません。
まだまだたくさん為になりそうなフィギュアはあるので興味のある方は是非調べてみて下さい。
そしてお財布に余裕があれば一体でも購入してみてもいいかもしれません!

ヒトの頭骨の進化って??

こんにちは。
新宿校 夜間部 油絵科の本山です。
15.16日は石膏デッサンコンクールが行われていました!!
9月になり最近は台風の影響で気候の変動が激しいですが、皆さん体調を崩してはいませんか?
そろそろ受験も近づいて子もいるかと思います。
元気に頑張っていきましょう!!

今回は私自身の制作で最近モチーフとして扱っている骨について調べていることをみなさんにも紹介したいと思います!
次の全科合同コンクールなどに少しでも役に立つ子がいるといいなとおもいます!

 <猿とヒトの頭骨の変化の3つ>

1.姿勢に伴う変化

四足歩行から直立歩行に移るなかで、咽頭が下がり食物の通り道と空気の通り道の位置に変化することで呼吸がしやすくなり、舌や口唇などを使う運動域にも広がりができたことが発音の多様化と言語の発達に影響を与えました。

2.口の使い方に伴う変化

口は食べ物を摂取する役割はサルもヒトも同じですが、何が違うかというと、口を武器として使うということです。それが理由で顎が鼻より後退し先端が尖ったように小さくなっていったのです。

3.表情筋の使い方による変化

表情筋は咀嚼などのときに唇を閉じる,眼を保護する, 匂いを嗅ぐ,音を聴くという機能のために発達していきました。
ヒトは情報伝達手段 として表情が使われるため,特に口唇の周囲の筋肉が発達し、さまざまな表情が作れるようになりました。

進化というのは環境に適応するように変化をすることなので、ヒトの頭頸部は 自ら作り出した環境に適応して進化しているということになります。
しかし,機能的に考えると咀嚼機能の低下に伴う退化型であるとも考えられるのです。

現在の人間が遠い未来になっても環境に適応し、進化を続けまた姿を変えていくのか…今の人間の姿形がダーウィン作品の完璧な例なのか

思い更けるのも楽しいですね!!

参考文献:スカル/サイモン・ウィンチェスター

台風が来ていますね。

こんにちは油絵科です。
関東に台風15号が関東接近しており、雨風も強くなって来ました。

雨戸を閉めると雨の音が家を包んで、オールオーバーな音の空間にポッロクの絵を思い出して、美術館にいるような心地になります。

ポロックのアトリエでの制作風景が写真で残っているのですが、壁なんてあってないようなあばら家で雨や風などを感じながら制作にあたってたのかなと思います。

自然に触れ合うというともう一人、ゴッホがいます。映画『炎の人ゴッホ』の1シーンでは屋外で嵐に吹かれながら必死に風で暴れるキャンバスを押さえつけ描こうと試みています。(危険ですので真似しないように!)

彼は奇人なところが印象づけられてしまっていると思います。しかし絵画に対して非常に紳士で、作品を鑑賞すると鋭い色使いですが、自然に対する観察は非常に繊細に優しく見つめている視線を感じます。星の瞬きや待機の揺らぎ肌を撫でられるような感覚が鮮明に感んじられて感動します。

そういえばちょっと前に、海流データを視覚化したものがゴッホの絵に似ていると話題になりました。

https://www.youtube.com/watch?time_continue=58&v=xusdWPuWAoU

来月から上野の森美術館でゴッホ展が始まるので要チェックですね!

《油絵科》夏期講習もついに終盤!

こんにちは、油絵科です。
今年の夏も一番暑い時期を越えたと同時に、夏期講習も終わりが見えてきましたね。

油絵科では、夜間昼間合同の課題、いつもは講評を受けることのない講師からの講評など、夏にしかできない体験があったかと思います。

「え?!アトリエ真っ暗!え?!青い?!ん!?」

などの、不思議な時もありましたね笑

夏は地方からの受講生もたくさん来てくれます。

「楽しくて受講する期を伸ばした!!」

などの嬉しい声もちらほら。
受験は大変ですが、楽しみながら力をつけていけたら最強ですね!!

後一週間を切った講習会。暑さに負けず全力で駆け抜けましょう!

そして講習会あたりから毎年増えてくる質問が、推薦入試についてです。

ポートフォリオってどーやって作るの?

どのぐらい作品が必要なの?

油とデッサンしか載せちゃいけないの?

自己推薦調書?面接?

紙は、印刷は、配置は…etc…

個人的な意見ですが、油絵科の推薦入試のポートフォリオについては、ほぼほぼ自己紹介の様なものだと考えています。(過去にはトロフィーの写真、愛犬の写真、インコグッズの写真など載せているものも笑)

一冊を見終わった時に、どんな人なのか顔が浮かぶ、描いている姿が見える、大学に入ってからの想像がつく。などなど。

と、口で言われてもピンとはきませんよね?

自分の個性について、私はこうだ!!!!なんてわかっている人ってほとんどいないんじゃないでしょうか?

そこで新美では推薦入試説明会、ポートフォリオ講座などを積極的に開催しています。

今年のポートフォリオ講習会の1回目は7月に、2回目は91日に行われます。

多くの 合格者のポートフォリオを見られるほか、実践的な面接指導、大まかな構成など、推薦のポートフォリオ作成に興味のある人は是非足をお運びください!

詳細、お申し込みは以下URLより!!

https://www.art-shinbi.com/event/event-portfolio.html