カテゴリー別アーカイブ: 映像科

映像科・公開コンクール情報

こんにちは。映像科講師の森田です。

いよいよ今週末13日(日)・14日(月)は映像科の全国公開実力コンクールです! 映像系学科の中で志願者も多く実技のレベルが高いとされる武蔵野美大映像学科型の模擬試験です。試験科目は実技(感覚テスト/150点)と専門試験(小論文orデッサン*/150点)に加えて学科(国語・英語/各100点)の4科目で合計500点満点。問題の形式については実際の試験と同じ内容になります。入試では毎年350~370点が合格最低ラインとなっていますが、さてこの時点で何点くらい取れるか!? 受験まで残り4ヶ月の対策の方向性を決める重要なポイントでもあります。

このブログを更新している段階では申し込みは既に締め切っているのですが……、公開模試ということもあり(今回受験する人のためにも、そうでない人のためにも、あるいは他の専攻が第一志望だけどもしかしたら併願で受験するかもしれない人のためにも)武蔵野美大映像学科の試験の形式をおさらいしておこうと思います。

●実技(感覚テスト/150点)
映像系学科の実技試験としてイメージされることの多い、マス目がうっすらと印刷されたB3画用紙に絵と文章で表現するという問題です。昨年は「風が吹いている」、一昨年は「椅子に座っている」と、キーワードから発想する問題が続いています。それ以前の年には人物のシルエットが印刷された図版が配布されたり、音を連想させる単語を複数組み合わせたり、という出題もありました。色鉛筆をメインの画材として使う点も、この形式ならではの特徴かもしれませんね。絵や文章で他の人が考えないようなアイディアを展開することも有効ですが、最終的に画面がきれいに見えるようレイアウトをまとめることがとても大切!(そしてこれが一番難しい)

●選択科目(小論文orデッサン*/150点)
武蔵美映像学科の小論文の大きな特徴として、実際に何かモチーフが渡されてそれをきっかけにして論文を書きます。ちなみに昨年は「コンパクトカメラ用の三脚」が一人一台渡されました。大きさ10cm程度のこの道具を見たり触ったりしながら、テーマの「固定するとは○○である」に答えるかたちでまとめます。またデッサンの方でも同じ素材や同じ構造のモチーフが出題されることがあり、昨年は小論文と全く同じ三脚でした。デッサンの方は基本的にオーソドックスな描写力が求められています。(*実際の試験では「数学」を選択することもできますが今回のコンクールでは実施していません。)

●学科(国語・英語/各100点)
そして忘れてはいけないのが学科。武蔵美はA・B両日程を受験すれば得点が高い方が採用されるということもあり、平均点はやや高めですが、それでもやはり高得点を採るためには学科の対策もしっかりやらなくてはいけません。教室で目安として話しているのは「目標は8割(実技や専門科目で多少余裕がある)」「ボーダーラインは7割(合格平均点は合計で350点以上)」「最低でも6割(実技、専門科目両方でかなりの高得点が必要)」です。これを聞くと暗い気持ちになる人もいるかもしれませんが、武蔵美は試験の出題形式がほとんど変わってないこともあり、対策はいくらでも可能。毎年この時期から巻き返す人もいます!!

◎コンクール2日目には全体での講評と、学科の対策も含めた「映像系学科進学ガイダンス」を開催します。武蔵美の入試、他大学の入試、直前に迫った推薦入試関連情報など、予定しています。ちなみにこちらの聴講だけであれば飛び込みでの参加も可能だということなので、たまたまこれを読んだ映像科を受験するかもしれない人、あれ14日の午後なら行けちゃうかも? という人は、ぜひ新宿美術学院の新宿校へ! お待ちしてます!

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(昨年の公開コンクールの様子)

映像科・作品研究(秋の遠足)のレポート

こんにちは。映像科講師の森田です。朝晩はすっかり涼しくなり季節の変化を感じる日々ですが、一年間のカリキュラムもちょうど折り返し地点。これまでは基礎的な描写力や文章力を身につけることが目標でしたが、この先は試験の点数を意識しながらの制作になります。映像科の試験では絵だけでなく、文章表現やテーマの設定によって総合的に評価されるので、ひとりひとりが自分の表現を様々な角度から鍛え上げていく必要があります。

そんな中、先週の金土日コースの授業はちょっと趣向を変えて、新美から徒歩3分、走れば1分のオペラシティ・アートギャラリーへ。『アートがあればⅡ 9人のコレクターによる個人コレクションの場合』という展覧会をみんなで観に行きました(金曜日)。とはいえただの遠足ではありません。200作品以上の展示の中から自分が興味を持った作品をピックアップし、教室でその作品についてのレポート記入と研究発表を行なってもらいます(土曜日)。そして最終的にはその研究発表を参考にしながら、自分が制作することを想定した映像メディア作品の展示プランをプレゼンテーションする(日曜日)という、推薦入試対策も兼ねた特別授業でした。

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『アートがあればⅡ』という展覧会自体は個人のコレクションによる展示なこともあり、比較的絵画や写真の作品が多かったのですが、日曜日のプレゼンテーションはあまりそれに捕われず、みんな自由で壮大な、ある意味突き抜けた発想で取り組んでくれました。その一例、ということで授業内でプレゼンテーションしてくれたプランから紹介しようと思います。

□タイトル:『壁をなくすノート』
□素材、メディア:ビデオ映像(15分・ループ再生)、本
□内容:映像と一冊の本によるインスタレーション作品。映像と本はそれぞれ二つのパートに分かれている。日本の小説家と海外(英語圏)の小説家に協力してもらう。日本のことを少し知っている海外の小説家に、知っている日本語を挙げてもらう。日本の小説家はその単語だけを使って小説を作る。同様に日本の小説家は知っている英単語を挙げ、海外の小説家はその単語を使って小説を書く。映像ではその小説家たちが単語を思い出しながら口にする場面を映し、鑑賞者はその映像とともに、実際に書かれた小説を読むことができる。
□テーマ:「言葉の壁をなくす」私たちが別の言語を持った人と通じ合うことができないのは「言葉の壁」のためである。だが、私たちが言葉とは別のかたちで自分の考えを表現しようとすることで、その壁を越えて通じ合うことができるのではないか?

映像を「空間を構成する要素」や「物語を伝えるメディア」と捉えることもできれば、もっと広く「何かの行為を記録する方法」と考えることもできる。プレゼンテーションとその後のディスカッションではその発想の違いや、想定したアウトプットの面白さについて意見を交換しました。どの人のアイディアも「それ、大学に入ったら実現した方がいいよ」という感じで、全体的になかなかハイレベルなプレゼン大会でした(時間はやや押し気味でしたが…)。ともあれこのように受験課題の制作でもなく、コンテンツのとしての映像を観るだけでもなく、映像の可能性についてかなり自由に考えてみたりすることもきっと大切なはず。という充実の3日間でした。

さて、そんなプログラムを経由しつつ映像科では当面の目標としての「武蔵野美大型コンクール(10月13日・14日)」に向けて、今週来週と感覚テストと小論文の特訓課題も行ないます!

映像科・進学相談会(武蔵美映像学科)のレポート

こんにちは。映像科講師の森田です。
先週から2学期の金土日コースの授業も始まり、いよいよ受験に向けて本格的に走り出します。推薦入試組は締め切りが迫った提出書類の準備やポートフォリオの制作を、そして一般入試組は夏期講習で集中的に取り組んだ実技や小論文の更なるレベルアップを目指します。

そんな中、少し前になりますが夏期講習の後半に行なった進学説明会の模様を紹介します。この日は授業終了後に武蔵野美術大学映像学科の篠原教授にお越しいただいて、武蔵美映像学科のカリキュラムや具体的な授業についての説明、大学生が作った映像作品の上映、そして入試(感覚テスト、小論文、デッサン、推薦入試)についてのアドバイスなど、色々とお話ししていただきました。

武蔵美説明会映像

放課後の17時から始まった説明会。当初は19時くらいまでの予定でしたが、大幅に延長して最終的には20時半くらいまで学生の質問に答えていただきました(ありがとうございます…!)。映画やドラマだけでなく、アニメーションや写真、メディアアートなど4年間で様々な映像表現を網羅する映像学科の説明を聞いて、あらためて映像の奥深さに触れた一日。映像を制作することだけでなく「映像を理解する人であって欲しい」という篠原教授の言葉が印象的でした。

この時期は志望校・志望学科や、試験科目(武蔵美映像学科であれば小論文とデッサンどちらを選択するか?など)の最終決定の時期でもありますね。もちろん既に決めている人もいると思いますが、もう一歩詳しく志望する大学や学科のことを知ることで、対策も具体的に考えられるようになると思います。外部生の人でそのあたりまだ悩んでいる人も、相談は随時受けつけてますので、お気軽にどうぞ!

映像科の夏期講習2013・レポート2

こんにちは。映像科講師の森田です。
講習初日には更地だった隣の空き地が気がついたら駐車場になっていました。時間は流れます。季節も巡ります。そんなわけで2013年の夏期講習も明日24日で終了になります。今回も前回に引き続き、夏期講習映像コースのハイライトである映像実習(ショートムービー制作)の授業を紹介したいと思います。(*撮影の様子は前回の記事を参照)

夏空のもと無事に新宿御苑での撮影を終えた学生の皆さんは、教室に戻って編集作業を開始。コンピュータに取り込んだ素材を見返しながら、カットを繋いでいきます。今回の授業ではmacの簡易的な編集ソフト「imovie」を使っているので、映像編集が初めてという人も直感的にどんどん作業を進めていました。4つのカットのみでストーリーを構成するというシンプルな課題だからこそ、秒単位あるいはフレーム単位での編集がとても大切です。

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編集の様子。「今のところもう少し短く!」「音を少しフェードさせた方が…」など、グループごとに全員でアイディアを出し合いながら作業を進めます。

そして紆余曲折あって完成した作品はこんな感じ。
<4カット/ループ再生>という条件をうまく活かせてるでしょうか?

①画面右から走ってくる男A、公園を歩いている男Bに接触する。男Bよろける。
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②倒れこむ男B。すぐさま駆け寄る男A。「大丈夫ですか!?」と尋ねるが男Bの返事はない。
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③公園を見回す男A、しかしあたりには誰もいない。「助けを呼ぼう」とその場を立ち去る。
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④「誰か~」と叫びながら画面左に走り消えていく男A。
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①(再び)画面右から走ってくる男A…、
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どうでしょう。画像だけではわかりづらいかもしれませんが、ループ再生することで映像の中で起こっている出来事に対して色々な想像が生まれます。実習の最後の上映会では、みんなで感想を言い合いながら(知ってる人が演技をしている様子を面白がったりもしながら)作品を鑑賞します。「ディスカッション」「撮影」「編集」それぞれの段階での演出のアイディアが、完成した作品にどのように反映されているか、検証してみる時間がとても大切です。

映像などのイメージを情報として理解すること、そしてその情報を発信することを「メディア・リテラシー(読み・書き)」と言ったりしますが、実際に映像作品を作るような授業を通じて、映像を「読み書き」することを学んでいるのだと思います。夏期講習ではこの実習以外でも、架空のCMを想定して絵コンテや企画書を書いてもらう課題などがあり、こういう授業を経験した後では、今まで普通に見ていたテレビやネットの映像がちょっと違ったものとして見えてくるかもしれません。

もちろん映像制作の世界にどっぷり浸かるのは大学に入ってからなわけですが、このような実習を通じて、ちょっと準備をすれば自分でもかなりしっかりした映像作品が作れるということがわかります。そして推薦入試では課題作品として映像作品を提出するというケースも増えてきているので、今回のような経験が強みになるとも思います。

次回以降も、具体的な推薦入試の対策や、一般入試に向けた課題の制作など、紹介していこうと思います!

映像科の夏期講習2013・レポート1

こんにちは。映像科の森田です。今週からまた夏らしい天気が戻ってきましたね。映像科の夏期講習もそろそろ折り返しとなりました。中期は「私立美大映像総合Ⅰ+推薦入試対策コース」ということで、画用紙や原稿用紙の課題だけではなく、推薦入試の対策となる様々な課題を制作しました。今回はその中のハイライトとも言える「映像実習(ショートムービー制作)」のレポートをしようと思います。

テーマ:ループ映像
課題:4つのカットからなる60秒以内の映像作品を構想して、グループで制作してください。
(*ただし映像は繰り返し再生=ループ再生して鑑賞することとする)

さて、これを読んでいるあなたならどんなアイディアを構想しますか?映像のひと連なりを一般的に「カット」と呼びますが、「4つのカット」という条件では、何だか退屈な映像しか作れないような気もしますね。例えば15秒のテレビCMでも、気をつけて見てみると非常にめまぐるしくカットが変わっています。もちろんCMによって様々ですが、10以上~ものカットで構成されている場合もあります。そのことから考えると「4つのカット」という制約はなかなか厳しく思えますね。

しかしこの課題のポイントは、もう一つの条件「ループ再生」にあります。映像表現の大きな特性は「時間を再構成できる」という点です。同じ出来事が繰り返すということは、もちろん現実にはあり得ないわけですが、映像の中でならば起こりえる。しかも(これが不思議なところなのですが)ループ再生なのだから全く同じ映像を見ているはずなのに、繰り返すごとにその映像に違った意味を読みとったりもする。そんな映像の特性を非常にシンプルなかたちで体感できるのが、この「ループ映像」の課題なのです!(やや大袈裟ですが…)

硬めの前説はさておき、学生の皆さんは7人ひとグループになり、まずそれぞれのアイディアをプレゼンテーションします。その後グループで話し合って2つのアイディアを作品化してもらいました。そしてこの「ディスカッション」というプロセスも映像制作の場面では重要です。アニメーションのような映像であれば個人での制作もあり得ますが、やはり映像制作の基本は共同作業。自分が考えているイメージを、他の人にどう伝えるか。複数のアイディアを活かしつつ、作品としてどうまとめるか。これも大きな課題です。……とは言え、みんな基本的には文化祭的な感覚で楽しんでやっていましたね。他のグループへの対抗意識も、それはそれで原動力になったりします。

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(1日目・ディスカッションの様子)

そしてディスカッションを経て撮影へ。新美から地下鉄に乗ってしまえば、一瞬で新宿御苑という素晴らしい撮影スポットに着きます。撮影を行ったこの日は基本的に晴れつつも暑すぎないという絶好の撮影日和。ぐるっと散歩しながらイメージに会う場所を探して、決まったらいよいよ撮影に入ります。出演する人、カメラを覗く人、絵コンテを見つつ全体の流れを確認する人、などなど映像の現場では色々な作業があります。今回の実習で初めてカメラや三脚を扱う人もいましたが、気がつくとみんな立派な撮影クルーとしてがんばっていましたよ。

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(2日目・撮影の様子)

*つづき(編集作業)はまた次回!