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映像科の金土日コースについて

こんにちは。映像科講師の森田です。

一学期もそろそろ後半ですね。今日は金土日コースの授業について紹介します。

一学期の金土日コースの授業では、映像系の学科や専攻を受験する上で必要となる、イメージ描写や文章表現の基礎を課題を通して勉強しています。映像系学科の一般入試は、例えば絵コンテやシナリオのような、映像を制作する上での構想を作品化する問題が中心になります。そのために描写であればデッサンやクロッキーから、文章表現であれば小論文や作文などの課題を制作します。

映像系入試の一番の特徴は「実技でも文章を書く」ということになると思います。もちろんデザインの問題などでも作品のテーマやコンセプトを短い文章でまとめるものがありますが、映像の場合は何しろ「文章表現」なので、もっと圧倒的に自由です。物語を創作する課題、自分の体験をエッセイ的に書く課題、時には詩や俳句(!)を書いたりすることもあります。

またこのような実技試験の対策とともに、小論文や推薦入試対策としては、6月の授業では「映像って何だろう?」ということをテーマに、身の回りの映像を挙げてみて、それぞれの特性についてまとめて発表するという授業を行いました。例えば…

○放送としての映像
・ニュース、報道番組
・CM
・インターネットでの放送(USTREAMなど)

○作品としての映像
・実写映画
・ドキュメンタリー
・映像インスタレーション

○環境としての映像
・デジタル・サイネージ
・プロジェクション・マッピング
・監視カメラ

などについて、具体的に作品や自分の知っている例を出して、みんなでディスカッションを行ないます。漠然と「映像」と言っても、状況によって別の部分や範囲を指していることもあるので、このように色々なジャンルに分類してみることで映像の全体像が掴めます。特に推薦入試を考えている人は面接で必ず「映像でどんなことを表現したいのか」訊かれることになるので、しっかり自信を持って答えるためにも、映像についての自分の考えをまとめておくと良いと思います!

映像科の紹介

こんにちは。映像科講師の森田です。

他の専攻と比べるとちょっとわかりづらいところもある映像系の学科。今回はそんな映像科で勉強できる映像のジャンルを紹介したいと思います。一般的に美術大学は「ファインアート/デザイン」というカテゴリーに分かれていますが、映像の場合はまた少し違ってきます。映画やアニメーションなどで作品としての映像を作りたいという人もいれば(ファイン)、CMやPVを作る会社に入りたいっていう人もいます(デザイン)。そんなわけで、パンフレットなどでは下のような図を見てもらって、イメージしてもらっています。

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○実写…主にビデオカメラで「写す映像」です。やはり「映像」と聞くと映画やテレビドラマをイメージする人も多いと思います。CMやPVも実写映像をベースにしたものが多いですね。あとは写真もカメラで撮るという意味では映像のいちジャンルと考えられます。

○アニメーション…絵を描いたりCGを作って「動かす映像」です。元々は絵を描くのが好きで、そこから派生してアニメを作りたいという人も新美にはよく来ます。3DCGのような専門的な技術は大学に入ってから習得することができますよ。

○空間…映像を映す空間を重視した「映し出す映像」です。美術館やギャラリーで展示される作品から街中の広告まで、考えてみると映像って色々なところにあります。あと最近(でもないかも?)は建物に投影する「プロジェクションマッピング」なんていう映像もありますね。

こういった様々な映像のジャンルに対応するように受験生の志望する大学も、武蔵野美大の映像学科をはじめ、東京造形大の映画やアニメーション専攻、日芸の映画学科や放送学科などなど幅広いです。またデザイン系の学科や、意外にも(?)ファイン系の学科と併願するという人が案外多いという点も映像科の特徴ですね。今挙げた大学以外でも映像系の学科で気になっているところがある方は、内部性外部生問わずどうぞ気軽にご相談を。

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ちなみに金土日コースの授業ですが、先週の日曜日は梅雨の中休みに課外授業として武蔵野美術大学のオープンキャンパス見学に行ってきました! テレビ局のようなスタジオでドラマ実習の演出をさせてもらったり、教室全体を使ったインスタレーション作品の展示に圧倒されたりと、全体的に楽しい一日でしたが、個人的に面白かったのは一年生の授業の作品で、映像の原理がわかるような装置を工作したものが展示されていたこと。

回転させて遊ぶフェナキストスコープ(驚き盤)やゾートロープやプラクシノスコープ、写真を立体的に見せるビープショーやステレオ写真など…、結構マニアックな装置がずらっと並んでました。実写であれアニメであれ、こうやって映像が動いて見える仕組みを勉強するのは楽しそうですね。興味がある人は調べてみよう!

そうそう、ちょうど新美でも今週末にこのフェナキストスコープ(驚き盤)を作る実習授業がありますよ。

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