カテゴリー別アーカイブ: 映像科

映像科:公開コンクールのレポート

こんにちは、映像科講師の森田です。
映像科の二学期の授業ですが、昨日と一昨日は年に一度の公開コンクール/武蔵美映像学科実技模試でした。(受講された皆さんは2日間、お疲れさまでした!)
今回の模試では「感覚テスト」「小論文or鉛筆デッサン(どちらか選択)」に加えて、学科も含めて500点満点で現状の実力をはかります。このブログを見ている人の中には「映像の入試に興味はあるけど今回は参加できなかった」という人もいると思いますので、ここで今年のコンクールの問題と解説を紹介したいと思います。
(※問題は近年の武蔵美映像学科の傾向を踏まえて出題してますが、予想ではないです。念のため。)

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■感覚テスト(必須科目)
下記の文から想起する状況のイメージ、あるいは出来事のイメージを解答欄に絵と文章で表現しなさい。
「この感触から記憶がよみがえる」(B3画用紙/3時間)

まずは感覚テスト。感覚テストは武蔵美映像学科を受験する学生に必須の試験科目です。例年短い文章またはキーワードから発想して、絵と文章で「映像のワンシーン」を創作します。ちなみに去年の入試の問題は「この時が永遠に続くと思われた」というものでした。解答する上で具体的に考えるべき設定は2点。①「この文の『この時』をどういう“印象的な”状況として設定するのか?」そして②「設定した『この時』をどういう表現によって“永遠”とも感じさせることができるのか?」
今回の模試の「この感触から記憶がよみがえる」でも、同様に以下の2点を主な評価の基準としました。①「この文の『この感触』をどういう“具体的な”感覚として設定するのか?」、②「設定した『この感触』からどのような“印象的な”記憶が想起されるのか?」
言葉にするとやや難しそうですが、実際の作品ではみんな、単に回想シーンを含むだけでなく、人物の設定や心情の表現など、こだわって完成させてくれました。

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■小論文(選択科目)
配布された紅白帽の観察と考察から、発見したテーマについて論じなさい。(600字以内/2時間)

次に小論文です。武蔵美映像学科の小論文は、毎回何かモチーフが配られています。そしてそのモチーフを観察したり、実際に使ってみたりすることから論文のテーマを見つけるという、他の大学の小論文とはひと味違った出題です。(※去年の問題はこちらを参照
今回の模試ではモチーフとして「紅白帽」を渡しました。小学校の時に運動会で被ったことがある人も多いと思います。「こんな物を渡されて小論文って…」と困ってしまう人もいると思いますが、講評でも話しましたが、このようなモチーフの場合でもいくつか論のきっかけは考えられると思います。
①「紅」と「白」が「表」と「裏」になっているという紅白帽の「造形的な特性」。
②被ることにである集団に属していることが示されるという紅白帽の「意味的な特性」。
③今この場で被ってみることで感じられる違和感、想起される記憶など。
また小論文の試験ではもちろん他の人にはないような独創的な発想も重要ですが、やはり一番大切なのは文章の一貫性。さらに文としての読みやすさも大切。原稿用紙もなるべく丁寧に書くことを意識してください。

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■鉛筆デッサン(選択科目)
配布されたモチーフ2点(ハンガーラック、紅白帽)を条件に従って構成して描きなさい。(B3画用紙/3時間)
条件:
・ハンガーラックは机に立て、上部に紅白帽を被せること。

最後に鉛筆デッサン。映像学科のデッサンは卓上で3時間。大学の試験問題の解説では「オーソドックスな描写力」が評価されるとされています。多少変わったモチーフが出されても、シンプルに、丁寧に描写をすることを心がけましょう。
また例年小論文とデッサンのモチーフは一部共通するものが出されます。今回の模試でもその傾向を踏まえて、紅白帽とそれをかけられるようなラックをセットにしました。

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最後は成績発表と1位、2位の人の表彰式。良い結果が出た人はおめでとうございました!
やや結果が振るわなかったという人は、この悔しさをバネに二学期の残りをがんばりましょう!!

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映像科:公開コンクール&推薦入試対策(オススメ展示情報も)

こんにちは。映像科の森田です。
映像科の教室の掲示コーナーではこの秋のオススメの展示などを紹介してます。
少しずつ受験モードになってくるこの時期、忙しくて映画や展示を観に行くのも難しいと思いますが、タイミングが合えばぜひ行ってみてください。

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『トーマス・ルフ展』国立近代美術館

『クリスチャン・ボルタンスキー アニミタス-さざめく亡霊たち』東京都庭園美術館

『カールステン・ニコライ「黒の世界」』西武渋谷店A館7階

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さて、映像科からのお知らせとしては、

公開コンクール(10/9・10)
まずは来週末に公開コンクールがあります。
武蔵美映像学科の一般入試を想定して、「感覚テスト」「小論文or鉛筆デッサン」「国語」「英語」の模擬試験(計500点満点)で現段階での実力を知る良い機会になると思います。もちろん新美生以外の受講もできます。申し込みもまだ受け付けているので、少しでも興味がある人はぜひ参加してください!

武蔵美映像学科推薦入試特訓(10/30、11/6)
また今年からの新たな試みとして、この数年受験生が増えてきている武蔵美映像学科の推薦入試の特別授業も10月後半?11月前半に企画されています。こちらは「ディレクション資質重視型」で受験を考えている人を対象に、主に「構想力テスト」の対策を行います。この構想力テストは受験生でグループになり、作品のアイディアをプレゼンテーション、そしてディスカッションをするという内容です。一人ではなかなか対策をしづらくて困っている、という人もいると思うので、こちらも受験を考えている人は、まずはお気軽に相談を兼ねて受講してください!

映像科:二学期スタート

こんにちは。映像科の森田です。
前回の夏期講習中の投稿から一ヶ月近くが経ちましたが、季節はもう秋。二学期の授業も始まっています。

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※写真は夏期講習後半の武蔵美映像特訓コースの教室の風景。夏の思い出。

映像科の二学期の授業は【一般入試コース】と【推薦入試コース】に分かれてそれぞれの課題に取り組んでいます。
一般入試コースは引き続き、感覚テスト、小論文、鉛筆デッサンの対策を、
推薦入試コースは武蔵美の公募制推薦入試(クリエーション資質重視型、ディレクション資質重視型)の準備を進めています。
「自己推薦調書」や「構想力テスト」については過去の合格者のレポート等も参考にしつつ、それぞれ対策をしています。

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まずはここから10月の公開コンクールへ向けて、制作だけでなく学科もしっかり取り組んでいきましょう!

映像科:夏期講習・2016②

こんにちは、映像科講師の森田です。
夏期講習も半分を過ぎ、集中して課題に取り組んでいます。
今回はⅢ期の推薦入試対策コースの様子を紹介します。

このコースの前半では「自分にとって『作品』とは何だろう?」ということを考えるべく、「1枚の写真」または「編集なしの1本の動画」だけで制作するという授業をしました。映像についてはここでは紹介できないですが、撮影のアイディアだけでなく、展示や上映の方法なども色々な展開が見られました。

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武蔵美映像学科の推薦入試、ディレクション資質重視型/クリエーション資質重視型の対策は、渡されたキーワードからひとりずつができる限り沢山のアイディアを出し、それを元にグループでディスカッションします。最終的にそこで話し合った内容を作品として実現化するところまでが課題です。

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コースの後半では、去年の夏期講習でも行ったポートフォリオ制作についてのレクチャーと進捗状況報告のプレゼンテーション。またこの日は昨年クリエーション資質重視型で合格した先輩が、ポートフォリオ制作の進め方や推薦入試に向けた夏期から二学期の過ごし方についてなど、アドバイスに来てくれました。

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さて、夏期講習はまだ続きます!
連日の講習で疲れの出る時期ですが、なんとかがんばって最後まで乗り切りましょう!

映像科:夏期講習・2016①

こんにちは、映像科講師の森田です。

映像科も夏期講習、はじまっています!
23日までの4日間は【EA 武蔵美映像 感覚テスト特訓コース】でした。
映像科の実技試験の中でも最も多くの人が制作する実技試験「感覚テスト」については、以前にも少し解説をしました。

今回の講習では、この感覚テストの「発想」「文章」「描写」「構成(レイアウト)」の4つにポイントを絞り、各日参考作品などを見てもらいつつレクチャーを行いながら、制作に入りました。
この時期の課題では試験本番のようなキーワードから発想する形式だけではなく、写真や音など様々なことをきっかけにして場面を創作します。

この日は・・・
「あなたの目の前にある『物』がかつてどういった場所に存在していたか想像してください。その想像を手がかり魅力的なワンシーンを創作して、絵と文章で表現してください。」
という課題。「物」はくじ引きでランダムに渡されます。

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「虫かご」「ビーチボール」「ハワイのTシャツ」のような夏っぽいアイテムから、妙に生活感を感じる小道具「古いドライヤー」「香水瓶」、あるいは「食べかけのカステラ」「『風の谷のナウシカ』のレコード盤」などの謎のモチーフが次々に手渡され、困惑しつつ制作を進めていました。

今回は、そんな中「石(手のひらサイズ)」を引き当てたYさんの作品を紹介します。

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映像科は現在講習の中休みですが、8/1からは【EB 私立美大映像 推薦入試対策コース】が始まります。
参考作品やWSなど準備しておりますので、受講している皆さんはコンディションを整えておいてください!