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特待生試験のススメ

こんにちはブログ担当のオオシマです。
職場に行ったらアレが始まってました。合格者作品展示。

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いよいよ明日は東京芸術大学の発表ですね。

私は芸大コースの指導は担当していないのですが、前年度や1学期に指導したことある学生も多数いるので、やはり他人事とは思えません…。

さて、今日(12日)は特待生試験の第1回目だったようです。
特待生試験というのはざっくりいえば高卒生を対象にした「やる気や実力に応じて授業料安くしますよ」っていう制度です。

惜しくも今年度満足いく結果を得られなかった方は誠に残念ですが、受験を続ける以上はさらなる成長を目指して頑張りましょう。

第2回目は今月23日にあります。
まだ補欠待ちや合格発表を待っている段階の人もいるので、第1回目はそう多くの人は受けていないんじゃないかな?と思います。

こういう風に言うと「でも自分には実力もないし…」「特待生試験を受けて割引きされなかったら恥ずかしい…」と思ってしまう方もいるかと思います。というか、自分がそうでした。

でもその考え方はもったいない!です。
例えば特待生試験を受験することで3万円だけ安くなったとします。(例えばの話です。私は特待生試験については担当していないので詳しい割引率についてはわからないのです。)

年間の学費からすれば微々たるものと思うかもしれませんが、良さげな筆が10本は買えます。アクリルガッシュだったら100本買えます。鉛筆だったら200本買えます。画用紙だったら300枚は買えますよね。

ダメでもともとくらいの気持ちでも、次年度かならず志望校に合格するという意思さえ持って試験を受け、仮に通れば画材代の多少の足しにはなるんです。やる気さえあったら内部生はもとよりこれから受験を始めようとする方でも絶対受けたほうがいいです。

デザイン科の私立美大コースについては実技経験ゼロでも、学科試験で受験することができます。なので、一般大学受験からの進路変更の方も可能性があります。

詳しくはこちらをクリックしてください

合格者の皆さんおめでとうございます!

工芸総合コースの松井です。

2014年度の受験ももう終わりますね。

早速、芸大合格者に入試再現をお願いしました。

現在本校舎で下記の作品以外も展示されていますので、ぜひ足を運んで頂ければと思います。

今年度の新美工芸総合コースの最終的な結果は、東京芸大11名(現役生2名含む)、金沢美大6名、愛知芸大1名、多摩美大12名(現役生1名含む)、武蔵美大11名(現役生2名含む)女子美大1名(現役生1名含む)、東北芸大3名(現役生1名含む)となり。芸大の入試内容が大きく変わったことで、その他国公立大の合否にも大きく影響を与えた結果となりました。

合格者の皆さんおめでとうございます!

これから待ち望んだ実材での制作活動が始まりますね。新たな自分の才能を探求し磨き上げ、心踊るような素敵な学生生活をおくってください。

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一次試験は木綿の布が…来年度はどうなるのでしょうか。

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二次試験。色彩表現は3年ぶりにイメージ構成…これまた次年度がどうなることやら。

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立体表現に関しては従来どおり…今年もガチンコの模刻勝負でしたね。

さぁ!新年度がスタートです。

27年度受験生の皆さん、志望校合格を目指し頑張りましょう!

芸大油画専攻はサテンの布がお好き?

こんにちは。油絵科の関口です。

さて、芸大入試も終わり、あとは発表を待つだけとなりました。皆さん一年間お疲れ様でした。(おっと愛芸や金沢とかはまだありましたね。受験する人は頑張って下さい)

あとまだ新美に荷物や作品を取りに来ていない人は、明日3月10日が持ち帰り期限です。ちゃんと荷物を取りに来て下さいね。そのままにしておくと捨てられちゃいますよ。

 

 

ところで、今年も一次試験にサテンの布が出ましたね。サテンの布は昨年度の一次にも、4年前の一次にも登場しています。これだけサテンの布が出てくると、芸大はサテンの布が好きなんじゃないか?と思ってしまう位、頻度が高いモチーフですね。

このサテンですが、あまり詳しく知らなかったので、ちょっと調べてみました。

サテン布

  • サテン=本繻子(ほんしゅす)

織物組織の名前で、主に絹、ナイロン、ポリウレタン、ポリエステル、アセテート(他にもコットン、ウール、キュプラ等、全ての糸の素材で可能)などの糸を使って作った三原織組織の一つの繻子織。通常縦糸が多く表に出ていて、美しい光沢が出やすい。高級感があり、豪華な雰囲気を持つのでドレス、裏地、ハンドバッグ等によく使われる。

 

 

ところで17世紀オランダの画家で、ヘラルト・テル・ボルフという画家を知っていますか?1617年生まれなのでレンブラントと歳が近いです。

このテル・ボルフ。実はサテンの描写だけは何故かピカ一で、それだけで世の中に残っている。と言っても過言ではありません。人物の表情や描写は…残念ながらイマイチです。なのでメジャーな画家とは言えません。強いて言えば、この作品が有名ですかね。

ヘラルド・テル・ボルフ1654
テル・ボルフ「父の訓戒(通称)」 1654年

でもこの人、今の芸大なら好まれるのでしょうか?
何気に今年の二次絵画の条件満たしてるし(笑)。

映像科:再現制作&年度末の大掃除

こんにちは、映像科講師の森田です。入試直前講習もいよいよ架橋ですね。まだ試験がある人は最後まで気を抜かず、体調に気をつけてがんばってください。

さて映像科でも現在、11日(水)からはじまる「私立美大合格者作品展示」に向けて、入試の再現作品の制作をしています。武蔵美の感覚テスト、鉛筆デッサン、小論文、東京造形大の構想表現や日芸映画学科の面接レポートなど、徐々に集まってきています。映像科の作品はやはり文章がベースなので、ぜひ展示会場でゆっくり見て(読んで)くださいね。

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(※写真は再現ではなく合格者の授業内での作品です)

またこの時期に再現作品を見せてもらいながら「試験本番、どうだった?」という話を聞いたり、入試の一年間の(知られざる)エピソードを聞いたりすることは、何と言うか講師としてもとても勉強になります。映像科の実技の制作は「ストーリーテリング」がその中心にありますが、作品だけでなくひとりひとりが既にドラマを持っているのだなぁとしみじみ思ってしまいます。ちなみに展示会場には「合格者体験記」も置かれていますので、そちらも併せて読んでみてください。

さて、そんな中でも4月からの新学期に向けた準備を少しずつ始めなくては、ということで年度末の片付け(いわゆる大掃除)をしています。7Fの「映像科資料室」には、受験の参考作品だけではなく、写真集や展覧会の図録、DVD、映像関係の書籍や雑誌、そしてももちろん大学の出版物などがかなり大量にあるのですが…。

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(全体はお見せできる状態ではないので一部分だけ)

来年度はもう少し見やすくしてもっと気軽に活用してもらえるようにと思っています。また、映像科の教室では「(小論文や学科の対策として)どんな本を読んだらいいんですか?」という質問をされることがよくあります。そんなこともあり、映像関係の資料だけでなく、小論文や学科の現代文の対策になるような評論文の資料を強化したいなとも考えています。こちらの新美ニュースでも紹介していきたいと思ってますのでお楽しみに!

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(この扉が目印です)

クレーの天使

こんにちは。油絵科の関口です。

今日はパウル・クレーの天使シリーズを紹介したいと思います。
クレーが描いた天使のシリーズは、晩年の2年間に集中しています。

まずは作品をご覧下さい。

忘れっぽい天使
「忘れっぽい天使」
名作です。

 

泣いている天使
「泣いている天使」

 

ミスエンジェル
「ミスエンジェル」

 

鈴をつけた天使
「鈴をつけた天使」

 

幼稚園の天使
「幼稚園の天使」

 

なんだか癒されますよね。しかし、これらの作品にはこんな背景がありました。

クレーはドイツにあるバウハウス(総合造形学校)で教鞭をとっていましたが、前衛画家という事でナチスの迫害にあい、故郷のスイスに亡命します。しかし、ドイツ国内にあった銀行口座が凍結されてしまい、厳しい生活を余儀なくされます。更に皮膚硬化症という難病を発症し、身も心もボロボロだったと思われます。そういう状況の中で制作されたシリーズです。

 

数々の名言も残していますので幾つか紹介したいと思います。

「左手は右手ほど巧みではない。だからしばしば右手より役立つのだ」

「天才とは、システムのエラーである」

「芸術は人類の保養地だ。一度でも世界を空の上から覗いてみれば気分一新、すっかりくつろいだ気分になれるし、芸術はまさにそのようなものとして、ある」

 

私たちの仕事は中々お金にはなりませんが、お医者さんよりたくさんの人々の心を救うものだ。と僕は考えています。