カテゴリー別アーカイブ: 新宿校

通信のイイトコロ

こんにちは!通信教育科デザインコース担当講師の栗原です。

最近やっと暖かくなってきましたね?。通信教育も新年度が始まりました!月末にかけて届く新年度一発目の力作たちを心待ちにしているところです。

通信教育ってどんなことするのかイメージ湧かないな、なんて人もいるかもしれません。確かに普通の美術予備校のスタイルとは少し異なります。とはいえアドバイスを受けて絵を上達させていくという部分は全く変わりません。

ちなみに私自身、現役の時に新美の通信教育を受講し、志望大学に合格させてもらいました。

直接通うこともできなくはなかったのですがあえて通信にした私の経験から、通信ならではのイイトコロを3つ挙げていきますね!

・赤ペンで添削

絵の上にトレーシングペーパーがかけられて、形の狂いや細部のアドバイスまで直接書き込まれます。講師の言葉が自分の絵とセットで形に残るのでどんな講評ノートより完璧かも?

 

・かっこいい参考作品や制作プロセス集が出来上がる

課題の度に、綺麗に印刷されたカッコイイ参考作品や制作過程の写真が手に入ります。いつでも見返せて、思う存分参考にできる作品集が出来上がります。

 

・講習会への意気込みが違う、個人制作とのバランスがとれる

普段個人制作な分、たくさんの人と一緒に制作できる長期の講習会への意欲やテンションが大違いです。吸収する量も違います。しかしそのあとに通信の個人制作に戻ることで、人と比べることと自分の力を向上させていくことのバランスが丁度よく取れます。

 

いや?めちゃくちゃいいですね!

あと、自主制作も一緒に送れます。

月ごとにどれだけたくさん描いて何作品送れるか挑戦するのも楽しいです。夜間生と勝負ですね!

 

新年度なので今回はコースの紹介でした。

大きい予備校は遠くてとてもじゃないけど通えないな、と言う人にもちょっとだけ興味をもってもらえたらと思います。一緒に楽しく頑張りましょ?!

 

油絵科ブログ・曜日変更のお知らせ

こんにちは。油絵科の関口です。

 

12月から何とか穴を開けずに、毎週月曜日に油絵科のブログを更新してきましたが、次回より日曜日に変更になります。しかも隔週で、ローテーションになりますので、僕がブログを更新するのは1?2ヶ月に1回くらいになります。

これからも油絵科のブログは、色んな事に触れていきます。

油絵科は大学に入ってからも、油絵、ドローイング、映像、写真、インスタレーション、立体、パフォーマンス、版画、フレスコ画、モザイクなど、色んな方向に進んでいく人がいますので、出来るだけ色んな事に触れていきたいと思っています。

一体自分が何に興味を持っているのか? 色んな考え方や作品に触れながら、自分でも知らなかった自分に気付き、ワクワクしながら、遊ぶ様な感覚で、真剣に学んでいくのが油絵科だと思っています。

 

バラエティーに富んだ内容になると思いますので、これからもどうか宜しくお願い致します。

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希望する大学に合格できるよう、心から応援しています。一年間、一緒に頑張っていきましょう。

故郷に流れる遺伝子② スペイン編

こんにちは。油絵科の関口です。
さて、今回はピカソ初期の代表作「アヴィニョンの娘たち」を取り上げてみようと思います。

 

ピカソは1881年生まれのスペイン人。20世紀を代表する巨匠です。

ピカソは幼少の頃から天才ぶりを発揮し、スタイルもダイナミックに変化させながら数々の名作を残してきた事でも知られています。

ピカソ11歳16
11歳頃のデッサン、16歳頃の油絵

青とバラ色
青の時代、バラ色の時代

20歳前には客観的な描写に区切りをつけ、20世紀の幕開けと共に刺激的で実験的な作品を作り始めます。

キュビズム
分析的キュビズムの作品、総合的キュビズムの作品

新古典、泣く女
新古典の時代、泣く女シリーズ

 

アヴィニョンの娘たち
「アヴィニョンの娘たち」 1907年
中でもこの「アヴィニョンの娘たち」はセンセーショナルな作品として世に知れ渡りました。ピカソがこの作品を描いている時、アトリエを訪れた友人は「ピカソは気が狂った」と勘違いしてしまったという逸話が残っています。ピカソはこの作品を描く為に、夥しい数のドローイングを描きました。この作品は言うまでもなく、アフリカの彫刻やマスクなどの原始的で素朴な作品に強く影響を受けているのが分かります。

他にも影響を受けていると思われる画家がいます。

 

 

それはエル・グレコです。

 

エル・グレコは1541年生まれのギリシャ人ですが、若い頃にイタリアのヴェネツィア派の工房で修行し、その後スペインで活躍し、人生を全うしました。ちなみにグレコという名前は本名ではなく、イタリア語でギリシャ人を意味するそうです。本名はドメニコス・テオトコプーロスと言います。

実はグレコもかなり器用な画家で、写実的な表現もの他に、この時代にしては珍しい程度のデフォルメも行っています。

聖衣剥奪1577-1579
この絵では写実的な表現が顕著に見られます。

第五の封印1608-1614
この絵ではかなりデフォルメされていますね。かなり現代絵画的です。

トレド風景1595-1600年
これは有名な作品「トレド風景」(当時としては珍しい、単独の風景画です)

ラオコーン1610-1614
さて、これはどうでしょう?どことなくピカソの描いた「アヴィニョンの娘たち」に似ていると思いませんか?

ピカソとグレコ

スペインで生まれたピカソは、幼少の頃からグレコの絵を見て育ったのかもしれませんね。そしてグレコ同様、自分の生まれた土地ではなく、故郷から遠く離れたフランスで制作活動をし、人生を全うしました。

 

ちなみに前回のこのテーマでは、イタリアに故郷を持つ画家達を取り上げました。興味のある方は、是非こちらもご覧下さい。

?http://www.art-shinbi.com/blog/20141013/
故郷に流れる遺伝子

オイル(画用液)について③ テレピン編

こんにちは油絵科の関口です。

今回はオイルについてお話します。中でも皆さんもよく使うテレピン油についてです。前回オイルについてお話したのは12月になりますので、興味のある方はこちらを参照して下さい。

オイル(画用液)について①
http://www.art-shinbi.com/blog/20141215/

オイル(画用液)について② ?カテゴリー編
http://www.art-shinbi.com/blog/20141222/

 

テレピンは、オイルのカテゴリーでは「揮発性油」というジャンルになります。揮発性油というのは、読んで字のごとく揮発する油です。お皿とか浅い容れ物に入れておくと、時間の経過と共に大気中に揮発してしまうので、放って置くと無くなります。水彩で例えるなら、水みたいなものだと思って下さい。
テレピン大

用途は幾つかあります。
①絵の具の濃度や粘度を薄めたり、他のオイルを希釈する。
②乾きが早いので、描き出しの時に全体を捉えるのに使う。
③溶解力が高いので、ダンマル等の樹脂を溶かして樹脂溶液を作ったり、溶かす力を利用して、描いた絵の具を拭き取ったりするのに使う。(実は筆に溜まった絵の具もテレピンで洗うとかなり落ちます)

これらの理由で、結構便利なオイルですが、単独で使うのは描き出しのみに留めておかなくてはいけません。何故ならテレピンは固着力が無く、単独で描くと画面に定着し辛いのです。

 

揮発性油には、他にもペトロール(別名ミネラルスピリット、ホワイトスピリットとも言う。石油系でテレピンより若干乾きが遅い)とスパイクラベンダーオイル(別名アスピックオイルとも言う。植物系で揮発性油の中では一番乾きが遅い)があります。
テレピンはこの揮発性油の中では一番揮発が早く、早く乾きます。

あと、テレピンの主成分であるαピネンというオイルがホルベインとクサカベから出ていますが、テレピンより若干乾きが早いみたいです。少しでも乾きを早くしたいという人は使ってみる価値があるかもしれません。

αピネン

テレピンは結構サラサラしているオイルです。匂いは独特で、程良い刺激臭。好きな人には堪らないものですが、油絵科でこの匂いが嫌いな人は辛いかもしれませんね。
ところで、皆さんの中には画材屋さんや塗料を売っているホームセンター等で「ガムテレピン」なる商品を目にした事があるかもしれません。ガムテレピンとは、精製する前のテレピンの事です(厳密に言うと別物も存在します)。安価ですが、匂いはテレピンと比べると圧倒的に臭いです。僕も学生の頃にガムテレピンを一斗缶で購入し、友達とペットボトルに分けて使っていましたが、樹脂分が残っていて少しベタベタが残り、匂いが強くて服や髪の毛にも匂いが染み付いてしまうので、最近では全く使わなくなりました。

ちなみにホームセンターで売っているガムテレピンには注意が必要です。少しでもテレピンが混ざっていれば、ガムテレピンと表記ができるそうなので、ガムテレピンと表記されていても、テレピンの含有率が少ない粗悪品もあるようです。安いからと言って安易に手を出さないで、ちゃんとしたテレピンを買って下さい。

 

テレピン大中小

あと、テレピンを大量に使う人には大瓶で買うのをお勧めしますが、普通の人は中瓶、ほんのちょっとしか使わない人は小瓶をお勧めします。何故かというと、空気と触れると酸化して行くので、時間の経過で少しずつ劣化して行きます。僕の経験では、数年放置したテレピンを使うと、何日経っても乾かないベタベタな感じになりました。イメージとしては、炭酸飲料をちょっとだけ残しておいたら、数日後には甘くてベタベタものだけが残る感じありますよね?あんな感じです。え?飲んだ事無いから分からない?そういう人はベタベタのテレピンを使う事が無いと思うので大丈夫です(笑)。

4/5(日) 推薦入試説明会

こんにちは。
4/5(日) 16:30より、新宿校にて「美大 推薦入試説明会」を実施します。

近年、推薦入試やAO入試を実施する美大が増えましたが、その入試内容は多岐にわたります。
場合によっては一般入試よりも難易度が高いこともあり、正確な情報をもとに準備することが求められています。
新美では、早くから推薦入試対策に取り組み受験生を指導してきました。
当日は全体説明から個別相談、合格者の作品ファイル(ポートフォリオ)等の展示も行います。

受験生、保護者様、高等学校教員の皆様を対象としています。
申し込み不要ですので、ぜひご来場ください。

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