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彫刻科 近況

彫刻科昼間部講師の氷室です。
寒くなってきましたね。いよいよ受験シーズンの到来だな!と言う感じがしてきました。
そんな中、まだまだ皆さんの実技が、グングン伸びてきています。
足下が揺らぐ時こそ、その足下をしっかり見つめて、最後まで自分を信じていきたいですね!

たまに気分転換が必要な時に、お勧めな本があります。
もう既に読んでいる人もいると思いますが、まず何から彫刻を知っていったら良いのだろうと思っている人にとって、なにかしらの発見があるかもしれません。
舟越保武さんの『巨岩と花びら』という画文集があります。
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ぜひ、一度、読んでみてください。

さて、ここからは実技の近況です。
今回は、模刻を2つご紹介します。
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ブルータスの模刻 顔を前に出し、左を向き、少し顎を引く。さらにまだ彫り途中の石の表情。この動きがもたらす首の形を表現することは難易度が高いですが、作者の気迫が感じられます。真摯に迫り、動き、量感、構造、印象、質感、全てに作者の意識が行き渡っています。

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ヘルメスの模刻  下を向いている像なので写真ではやや分かり辛いですが、心棒を考えに考え、その後は比較的スムーズに組み立てながら粘土付けが進んでいった印象があります。短時間ではありましたが、特徴的な頭部の形態を損なうことなく髪の毛の密度を上げられています。顔の印象も難しい部分ですが、冷静な観察が活きており、似ています。

ここからは、クロッキーをご紹介します。
4枚とも同じ生徒が描いた作品です。
クロッキーをひと言で表すのは難しいですが、なにより作者自身が表現を楽しんで、挑戦の場としていることが、ここ予備校だけでなく、さらにその先の人生の確実な糧になっていることは、間違いありません!!
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こちらは、また違う生徒のクロッキー帳の1ページです。
私には出来ません!思わず、おおっ となります。この様な表には出てこない努力も、実はひっそりと、たくさんあるのでしょうね。
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最後にお知らせです。
11月27日(日)に彫刻科では、プレ冬期、無料体験講習を行います。
今回は極!自刻像!と言うタイトルが付いています。
この講習を通して、知ったつもりでいた部分を、改めて確信へ変えてマスターするために、ぜひ参加してみて下さい!
自刻像は、模刻より比較的みんなの得意な分野だと思います。そうなると、よりレベルの高い戦いになって来ます。
何が決め手となるのか!
この講習会では、「プロポーション、動き、量感」「筋骨を意識した起伏」「骨格に一致する表情」の3つのポイントに重点を置いて、デモンストレーションを通して分かりやすく解説していきながら制作していきます。
予備校などに関係なく、どなたでも参加出来ます。
9時から17時まで解説を入れながらの制作。18時まで講評となります。

今回は以上です。
次回は、小川原主任にバトンタッチです!お楽しみに!

追伸ーーー
無事に個展が終了致しました。
作品を見に、直接足を運んでくださった皆様、本当にありがとうございました。
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彫刻科 最近の様子

こんにちは。彫刻科講師の稲田です。
新美彫刻科の公開コンクールは終わりましたが、まだまだ各予備校で行われるコンクールに参加する生徒も多いと思います。結果を気にすることは当然ですが、自分の実力が受験者全体のどの程度の位置なのか把握する客観的なチャンスです。真摯に受け止めて、次に繋げましょう!

さて、大学の推薦入試も出願がはじまり、慌ただしくなってきましたがここからが長丁場です。季節の変わり目なので体調を崩す生徒もちらほら見かけます。自分の体調は自分にしかわかりません。しっかりコントロールして乗り切りましょう。

僕は普段、昼間部を中心に授業をみているので夜間部の制作はあまりタッチしていませんが先日、教室の壁に貼り出された夜間部のデッサンがとても印象に残ったので紹介したいと思います。

木炭デッサン「ブルータス」

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魅力のあるデッサンですね!画像では色が飛んでしまって伝わりにくいですが、実際に石膏像に光が当たって出来る独特な溶け込んでいくような陰影の印象がよく表されています。空間や空気感というものを表すことは一番難しいですが、作者の目線を追える広がりのある作品です。体の布の折り返しが丸みが強い部分があるので気をつけたいです。

 

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このデッサンも画面に広がりがありますね。形の特徴をよく観察して反映出来ています。ブルータスのこの部分ってこうだよなとデッサンから感じさせるところがすごいですね!形の説得力はピカイチです。
細部だけでなく、全体の大きな形、光の陰影もバランスもよいですね。
もう一歩、首の角度と繋がり、形がしっかりすると万全です。

 

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作者の観察が伝わってくるデッサンで非常に好感が持てます。形になり切っていない部分や黒が溜まっていたりとまだまだ足りない点はありますが、対象を粘り強く追う姿勢は他の作品に負けない魅力となっています。

 

鉛筆デッサン「自画像」
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いい表情ですね!この透明感は作者のセンスを感じます。頭部に関しては文句なしの傑作です!後は、体への興味を広げていけるといいですね。体はギリギリ及第点です。

このように現役生は時間の限られた中でとても魅力的な作品を出してきています。伸び盛りは勢いがありますね!!今後が楽しみです。

では!今回はこの辺りで失礼します!コンクールファイトー!!

公開コンクールを終えて。

こんにちは。彫刻科の小川原です。先日新美で彫刻科公開コンクールが行われました。結果はデッサン、塑像共に新美の昼間部生で同じ人が1位をとる結果となりました。今回の結果は現段階での実力を計ったものなので、入試までに残りの期間をどう鍛えていくかが重要ですね。特に現役生は実際の入試での時間内で作品をしっかり仕上げていくのが難しいということが分かったと思います。普段の実力を本番で出しきるために、今やれることをしっかりやっておきましょう!

さて、1位だった作品ですが、デッサン、塑像ともに普段の実力からするともう少し出来ていてほしかったところですが、本番でこうして結果を出してくるところはさすがでした。
デッサン ジョルジョ
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塑像 自刻像
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さて、人物課題を強化していこうということで新美彫刻科では11/27日(日)のプレ冬期講習で「極!自刻像!」と銘打って特訓を行います。特に今回のコンクールで悔しい思いをした人や、コンクールに参加できなかった人は是非受講してみてください!内部生も学外生も無料です。
さらに冬期講習では人物課題克服のための芸大集中特訓コースにてモデル首像、自刻像、モデル素描を集中特訓します。なかなかまとまって取り組める課題ではないので興味のある方は是非チェックしてみてください!彫刻の基本は人体です!人体を極めて他の課題にも活かしていきましょう!

コンクール前後の優秀作品です。コンクール前、夜間部留学生の作品 ミケランジェロ。
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コンクール後、昼間部生の作品 奴隷
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それぞれ実力の高まりを感じます。1学期、夏期講習と培ってきたことを2学期でものにして欲しいですね。頑張りましょう!!

彫刻科近況

彫刻科 昼間部講師の氷室です。

この2学期にどの様な目標を立て自分に挑戦していくのか、鍵になる時ですね。
その大切な時期、新美では、10月9.10日に、塑像とデッサンの公開コンクールを開催します。
このコンクールで上位の結果を残している学生は、芸大への合格率が高いこともあり、より客観的に現段階での実力が計れます。
現在の力をぜひ、遠慮なく試しにきて下さい!!
また、緊張しやすい方!本番へむけて、気持ち的に慣れておきたい方にも、このコンクールは良い機会だと思います!

東京芸大|彫刻・石膏デッサン コース
◯10/9(日)のスケジュール
8:30|集合
9:00|制作
12:00|昼休憩
13:00|制作
16:00|制作終了
17:30|講評
20:00|講評終了
※昼休憩は制作できません。
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持参用具:木炭デッサン用具一式、下敷用紙(未使用木炭紙)
[木炭紙は、当日支給します。]
※定員になりしだい締め切りますので、早めにお申し込みください。

東京芸大|彫刻・塑像 コース
◯10/10(月・祝)のスケジュール
8:00|集合・準備
9:00|制作
12:00|昼休憩
13:00|制作
16:00|制作終了
17:30|講評
20:00|講評終了
※昼休憩も制作できます。
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持参用具:◎シュロ縄、塑造用具一式 作業着。
※塑造は当学院の設備の都合上、定員で締め切らせていただく場合があります

詳しくは新宿美術学院のホームページをご覧下さい。

さて、ここからは彫刻科の実技近況報告です!
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とても豊かな色幅が使えています。光源が分かりやすく、かつ奴隷が持っている緊張感ある動きにも迫れています。両立する事は難しいですが、よく研究できています。

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こちらは現役生のデッサンです。奥側の表現はもう一歩ですが、円盤の持っているスケール感や形の迫力が、伝わってきます。触る様な感覚で、素直に粘り強く形を追って行く作者の姿勢が魅力を引き出しています。

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完成度が高い素晴しい作品です。バランスが良く、表現しきる段階まで仕事ができています。作者の持っている感性と日頃の努力がつながりました。集中力を感じさせてもらえる作品です。

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ベースになる骨格や筋肉の理解力が、作者の努力によって付いてきました。表現に貪欲な所や作品の完成イメージを強く追究していく姿勢が結果につながりました。醸し出す雰囲気に魅力が感じられる作品です。

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こちらは、現役生の作品です。硬さはありますが、丁寧に作り上げて行くベース意識の上に表情が絡みはじめてきました。これから先の仕事が楽しみです。

話が変わりますが、先日、小川原主任の作品をみに、新制作展に行ってきました。
色んな捉え方ができるストーリー性のある作品に、刺激を受けました。
もうすぐ、稲田先生の個展も始まりますね。楽しみです。
こんな年も珍しいのではないでしょうか。
私の個展も11月から始まります。
三者三様、みなさんへの刺激になると良いなと思います。

そして、私事ですが、先日栃木での野外展示に参加してきました。
以下、作品の写真です。
野外展示では、自然が目の前にあるので、考えさせられる事が多く、悔しい事や自分が出来ない事もたくさんありますが、想像以上に成長させてもらえます。
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今回は以上です。
次回のブログは、小川原主任の担当です。
お楽しみに!

2学期彫刻科

こんにちは!彫刻科講師の稲田です。ここ最近は暑さも落ち着いてきましたね。気がつけば9月も半ばです。夏期講習から取り組んできた課題がなかなか手強く結果に結びつかなくてイライラしたり、落ち込んだり間延びしてしまう時期かと思います。
講師の立場からひとつ言えることは、結果はすぐ出るものではないということです。
実感する手応えは来月かもしれないし、数ヶ月後かもしれません、試験前日、試験当日にやってくるという人もたくさんいたのを知っています。
自分の成長を実感出来る時は楽しいので絵や彫刻にも積極的に向き合えるものですが、停滞したり不調だったりするとついつい後ろ向きになってしまいますよね。
僕の一番のアドバイスは我慢して乗り切るです!!
悪いときは、自分の弱点が全面に出ていることが多いのでそこから学ぶことはたくさんあります。調子の良い時はすべてが上手く繋がるので弱点も覆い隠されます。
そしてなにより我慢強くなることは彫刻家の道を選んだ人には絶対に必要な要素です。形を作ることの難しさをこの先痛感することがあったときもうちょっと粘ってみようと思えるか諦めるかで天と地の差程の違いが生まれます。もうひと頑張りして来月の公開コンクールに繋げていきましょう!!

 

では今回は展示の案内です。

前回のブログや授業でもふれていますが、小川原先生も出展されている「第80回記念 新制作展」が国立新美術館で開催されています。日程:9月14日(水)?9月26日(月) 開館時間:10:00~18:00です。たくさん作品が展示されるので足を運んでみましょう。

次は、東京藝術大学彫刻科主催の展覧会↓

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東京藝術大学の教員を中心とした展覧会です。会場:東京藝術大学大学美術館 陳列館1階、2階、およびその周辺 日程:9月28日(水)-10月10日(月祝) 開館時間:10:00~17:00 (金曜日19:00まで)活躍している作家さんも出展されています。是非見に行ってみましょう。

最後は、少し先ですが僕の個展の案内です↓

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「稲田侑峰展 -冷めた午後-」 会場:ガレリア・グラフィカbis 日程:10月17日(月)-10月22日(土) 開廊時間:11:00~19:00(最終日17:00まで)
時間がございましたらよろしくお願いします。

こんなふうに彫刻科は講師も制作をバリバリがんばっています!!講師と生徒一丸となって向上していきましょう!!