カテゴリー別アーカイブ: デザイン・工芸科 工芸総合

彫刻科 近況

彫刻科講師の氷室です。共通試験も終わり、私大の入試が近づいてきましたね。

自分の癖に気づき、試験本番の時間の使い方を、日々研究していってください!
もし本番で思う様に進ま進めない場合は、どう切り替えていくのか?様々なシミュレーションが大事です◎
納得のいく仕上がりを目指していくことも、もちろん大切ですし
実技が仕上がっていく行程を、紆余曲折たくさん経験しているほうが強みになると思います!

あと1か月と2週間、走り切るのみです!!

最近の秀作を紹介します。

炭の色幅が豊かでとても綺麗です。ミロのヴィーナスの厚みのある量感表現と質感がマッチしています。色が飛びがちな腰回りも、ねじれてくる特徴を丁寧に拾いながらしっかり追えています!


少し首の正面がたくましい感じもしますが、背骨を感じるカッコ良い1枚です!体のねじれや輪郭へのアプローチも繊細に考えられており、体の続きもしっかり感じられる点が実力を感じますね。


この位置のジョルジョは特に難しいのですが、体からの首頭部の出方、体の形態感をしっかり掴んできており、目を引きます!印象も拾えていますし質感も魅力的です。


見上げのスケールと全光の美しさも感じます。印象も良く似ており、空間の自然さを兼ね備えながらも、手前の腕から入って顔の印象へ向かう視点を感じさせるこの描写力は最高です!


上手ですね。特に顔の印象が良いです!光、空感、描写、視点、どれを取っても良く攻められている1枚です。ねじれているモチーフには特に大事になってくる輪郭の仕事も、知識と品を感じます!


積極的に形に迫れており、力強さがある1枚ですね。難しい顎やひげ周りも、ベースにある骨格の量感をしっかり感じさせながら描写ができており、上手だなと思います。腹筋や伸びている体側の回り込みも綺麗で、ねじれに対して、木炭の扱い方が良く考えられています!


丁寧な描写が散りばめられています。奥に行くほど濁すのではなく、しっかり考えて攻めて描いて行く感覚がラオコーンにマッチしています。手前の伸びていくボリュームに臨場感がある1枚です。


4時間半の仕事です。ここまで見切って積極的に描き起こせていると、残りの時間を安心して使えますね!とても良いデッサンだと思います。


感性だけではなく、彫刻科で捉えたい円盤のポイントをガチっと掴めていますね!指導すべき点は、ほとんど網羅されていると思います。顔の印象も立体感を損なわず似せてられており、背骨を感じるカッコ良いデッサンです!


顔の印象がもう一歩クリアになると最高ですね。円盤のバランスを良く観察できており、積極的に形も描き起こせています!炭の質感も円盤の形にピッタっと合っており、魅力が伝わります。


顔の印象が良いですね。丁寧に木炭が形に張り付いており綺麗なデッサンです!円盤がどの様に立っているのかを感じられる、目を引く1枚です。立脚側にもう一歩光が入り視線の入り口になれば最高です。


綺麗なデッサンだなと思います!逆光の伸び側は難しい位置ですが、知識を最大限に駆使しながら描けており上手です。光源の方向、逆光側のミロビの厚みの作り、ねじれながら回り込んでいく量感、素晴らしいです!


こちらも綺麗なデッサンです!ミロビのたっぷりとした量感と質感が表現できており、目を引きます。ねじれがあり形自体が見えづらく、難しい腰回りやお腹周りも、光源を損なわず丁寧に追えています。

こちらのマルスは、基礎科(高校2年生)の作品です!

上手いですね!顔の印象も似ていますし、胸筋や腕の形、首のねじれも、がっちり表現できており素晴らしい感覚だと思います。ヘルメット部分の描写も活きています。


頭の形、体の筋肉の形を彫刻的に量感を捉えて表現していける感覚が長けており、素晴らしいセンスだと思います。マルスのリアリティが、ひしひしと伝わってきます!

ここからは塑像の作品です。

すごく自然なバランスで綺麗な作品です◎肌の部分の抑えと表情の部分の作り込みが人体の質感をうまく捉えてきており、ずっと眺めていられる作品です!意思を感じる眼差しが魅力的ですね。


実力を安定して出せてきました。360度見ても自然で、自然さはある意味、作品の強さでもあります。骨格、粘土の質やパーツの作り込みまで気遣いがあり、自分の作品性が見えた瞬間ですね!


こちらは現役生の作品です。ガッチリ形を掴んで作りきって来ました!表現の強さも有りますし、骨格の安定感が存在感を高めています!

マスクと幾何形体の構成です。

まずは、マスクの模刻力が必須になります。そこをクリアしながら、マスクの配置を薄い形態の端っこに持ってくることでバランスを取り、見る側にちょっとしたストーリーを感じさせてくれます。


3つの立方体の配置にマスクを挟むことで、空間に大きく繋がるリズムが生まれています!視線を誘導してくれる構成が良いですね!

今回は以上です。
ここまで見ても、秀作がどんどん生まれて行っていることが実感できます。勢いがありますね。
1日で課題が変わっていきますので、あとは体力勝負になってきます。体調を崩しては本末転倒なので、自分の体とは良く話し合っていってください!

氷室

工芸科昼間部コース

工芸科講師の酒井です。
オンライン授業も三週間目に突入し、最初はガチガチに緊張していた私ですが、どうにか慣れてきました。
生徒もどんどん手慣れてきて、良い作品が出てきています。
さて、授業の内容を少しお話しします。
デザイン工芸科昼間部のオンライン最初の課題は自己紹介を兼ねて『自分の好きなもの』をテーマとした作品提出から始まりました。
いい感じ!
オンライン授業は初めての経験なので、どんな授業内容にするかかなり悩みました。
石膏が描けない‥つらい‥でもこれはある意味いい機会なのかもしれないな。と思い、
基本的な球、円柱、正方形の描き方から始まり、
楕円、パース、下描きの仕方など、基本的なデッサンに必要な基礎を重点的に学べる授業にし、
宣言が解除されて通常授業に戻る頃にはその基礎が生きる様に!と願いを込めて熱血な指導をしております!!!
教えていて思うことがあります。
リモートとはいえ、直接会って話していないので、言葉のやりとりがとても重要になります。その際、講師と生徒の間で言葉の食い違いが常にないように意識したいな、ということです。
その中の一つの言葉が 描写 という言葉です。
『描写』という言葉はたった二文字ですが、実はとても奥深い言葉です。
私が浪人したての時は、緻密に書き込む事=描写だ!と思っていました。
でも本当は違って、そのものになる事=描写なんだ…!と気付いたら一気に絵が変わりました。
手数が少なくてもそのものになれば描写。
らしさに繋がれば描写。
そしてそのものになるためには『観察』が必要だという事。
観察とは表面上の事だけじゃなく、
対象物の構造を理解する。が観察につながり
対象物のラインを理解する。が観察につながり
対象物の持つ、変化を理解する。が観察につながり
とにかく向き合った対象に対して『感じる』『理解しようとする』『発見してあげる』ことが大事なのです。
根本がまだ理解出来てないうちはそれに気付けずテクニックに走ろうとしがちで、生真面目な人ほどいろいろな講師のアドバイスに振り回されます。(完全に私の過去の実体験ですが…笑)
ただ、その事に気付けてから講師の人達のアドバイスが全て腑に落ちました。
リアルな作品を描いたり作ったりするには自分自身で対象物から発見を沢山してあげて、
どう表現したら自分が観察した情報に近づけるのか。
それを表現するために使うのがデッサン力や、今まで培ってきたテクニックです。
「うまい」ではなく、『理解している』『わかっている』人を目指して欲しい。
是非この期間に基礎的な力と共に、感じる力を養って欲しいと思っています。
これは自分自身で身につけられる事で、これから美術を学んでいく上でなにより1番大切な事だからです。

<工芸科>オンライン授業ついに始動!

こんにちは!工芸科講師の酒井です!

zoomを使ったオンライン授業が11日から始まります、今日はガイダンス日です。

パソコンに疎い私がオンライン上で授業する日が来るとは…と時代の流れを感じています。「オンライン…?なんだか苦手だなぁ」と思う生徒もいると思いますが、ネットに疎い私でもZoomを扱うことが出来るのできっと生徒の皆さんも抵抗なく扱えると思います!

さて、オンライン授業の内容ですが、各科によって様々な授業展開があるようです。

工芸科はデザイン科と合同で授業を進めていきます。

こちらで用意した資料を見ながらのレクチャーを受けてもらい、画面に映しながら共に講師と一緒に制作していきます。やりがいのあるカリキュラムになりましたので是非楽しみにしていただきたい!!課題として平面構成が多くはありますが、石膏や粘土にも触れる授業も予定しております〜!

4月の授業振替による延長期間中、工芸科は一週間に一度(全3回)自宅課題を出し、参考資料やyoutube限定配信で動画を送ったものを見てもらいながら制作してもらいました。

なかなか家だと制作しづらかったりすると思うのですが、各々工夫して制作しているようで送られてきた作品は見応えがあり、添削しているこちらも楽しかったです!

5月からの授業、一緒に盛り上げて頑張っていきましょう〜〜!

 

こんにちは、総合部です。

明日より、新美ギャラリーにて「Pebeo×新美油絵科ワークショップ」展が開催されます。


1学期に油絵科主催で、ワークショップを行いました。
そこで生まれた作品群を、展示しています。

会期:8/5(月)~8/17(土)

2019年6月8日、Pebeo絵具のワークショップを開催。
南フランス・プロヴァンス地方で生まれた絵具は、今年で100周年を迎えます。
その伝統ある絵具たちのなかには、数々の個性あふれる魅力的な絵具があります。
新宿美術学院の油絵科では、ちょっとしたきっかけでその機会を得、ワークショップを開催する旨となりました。
まるで宝石のようにキラキラとした美しい画材、特徴的な油絵具やアクリル絵の具を、作家によるデモンストレーションを交え説明をしていただきました。同時に、受講生たちも実際に絵具に触り未知の世界を体験しました。
新たな画材に出会った受講生達の目は一様に輝き、『絵を描くのってこんなに楽しかったっけ。』『またやりたい、何度でも描きたい!』そんな声が聞こえてきました。
純粋に描く楽しさに立ち戻れた、かけがえのない経験になったワークショップです。
今回は、その成果をご覧いただきたいと思います。
新しい世界を見つめ、見とおせ、映すことこのうえない作品群に溢れています。

是非、ご高覧いただければ幸いです。

詳細は、こちらのH.Pをご参照ください。
宜しくお願い致します。

 

熱いぜっ!高校生石膏デッサンコンクール

こんにちは、全科総合部です。

いや~昨日は、センター試験二日目でしたが

あつかったです!!

いやいや天気は良かったですが、野外は暑くはなかったですよね。
センター試験受験者の皆さん、お疲れ様でした。

何があつかったというと、新美の高校生石膏デッサンコンクールが熱かったです!

もちろん、高校2年生までの全専攻全学年で石膏デッサンを競い、励んで描いている姿も圧巻でした!
その200人近くの中から、結果、1位のトップを獲られたのがなんと!?・・・・・・。
描き始めて間もないということでしたが、素晴らしい石膏デッサンでした。
芸大の1次は通るのではなかろうか、という点数もいただいています。
このような貴重な才能を持っておられる高校生も、全国にはいるのだなあ~と、
焦りをも感じた次第です。

そして今回の「デッサン解説」。
こちらも熱かったです!!

新美の誇るスパー講師、彫刻科の小川原先生、デザイン科の増田先生が
同じ石膏像(ヘルメス)を1時間でどこまでできるのか?ガチンコ描き出し勝負です!

最初にポイントを述べて描いていただきましたが、本当に凄かった!!
しゃべることなく真剣に黙々と描かれていましたが、それを見ている受講生の皆さんも
飽きることなくじっと見入っていました。メモを取る人、2人を比較してみる人、
きっと次のデッサンに役立つこと間違いありません。
描いている先生の気迫!見ている受講生の気迫!一緒に教室にいるだけで、こちらまで緊張感がビンビン感じられました。

そして、各科の先生方も熱く講評をしていただきました。

本当に受講生の皆さん、お疲れ様でした。
今回、上手くいかなかった人も、また3月にリベンジ戦がございます!!
新美のホームページをチェックしていてください。そちらでも告知致します。
それまでに、鍛えておいてください、楽しみみしています!がんばりましょう!!

講師の先生方もお疲れ様でした。